最終更新
TOPIC DETAIL · ENGINEERS & WORKSTYLE

建設コンサルの技術者と働き方|担い手の確保と週休2日【2026年版】

建設コンサルの仕事は、技術者の専門性に支えられています。建設コンサルタンツ協会の会員企業では、技術職員が約51,962人(2023年度、会員ベース)を数えます。担い手は、技術士(国家資格)やRCCM(協会が認定する民間資格)といった資格に裏づけられた専門職です。一方で、技術者の高齢化や若手の確保、週休2日など働き方改革への対応が、業界に共通する課題となっています。

建設コンサルタンツ協会 会員企業の技術職員数の推移(2014-2023年度)

会員企業の集計(会員ベース)。会員数の増加を含むため、実数の伸びをそのまま担い手の急増とは読めない
2014年度
会員数(社)
426
技術職員数(人)
37,733
2015年度
会員数(社)
439
技術職員数(人)
39,381
2016年度
会員数(社)
454
技術職員数(人)
40,431
2017年度
会員数(社)
468
技術職員数(人)
41,814
2018年度
会員数(社)
475
技術職員数(人)
42,873
2019年度
会員数(社)
487
技術職員数(人)
45,090
2020年度
会員数(社)
493
技術職員数(人)
46,260
2021年度
会員数(社)
495
技術職員数(人)
48,514
2022年度
会員数(社)
498
技術職員数(人)
49,924
2023年度
会員数(社)
501
技術職員数(人)
51,962
読み解き

建設コンサルタンツ協会の会員企業の技術職員数は、2014年度の37,733人から2023年度の51,962人へと増えています。ただし、これは協会会員の集計であり、会員数の増加を含みます。同じ期間に会員企業数も426社から501社へ増えており、技術職員数の伸びには、この会員増(集計対象の広がり)が影響しています。したがって、この数字をそのまま担い手が急増していると読むことはできません。

また、この技術職員数は会員企業を対象としたもので、建設コンサルタント登録の全業者の技術者数や、国勢調査などの統計上の就業者数とは、集計の対象も定義も異なります。人材の状況を見るときは、集計の範囲に注意が必要です。

建設コンサルを支える資格(技術士・RCCM)とは

専門性を裏づける2つの資格

建設コンサルの技術者の専門性を裏づけているのが、技術士とRCCMという2つの資格です。技術士は、技術士法に基づく国家資格で、科学技術に関する高度な専門知識と応用能力を認定します。建設部門をはじめ複数の技術部門があります。RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)は、建設コンサルタンツ協会が実施・認定する民間資格で、建設コンサルタント業務にたずさわる技術者の専門性を認めるものです。

公共業務で技術者の要件になる

公共の建設コンサルタント業務では、業務を管理する技術者(管理技術者)や、成果を確認する技術者(照査技術者)に、技術士やRCCMなどの資格が求められることが多くあります。資格が、業務を担うための要件として位置づけられているため、企業にとって資格を持つ技術者の確保・育成は重要です。若手技術者が資格を取得できるよう支援することも、企業にとって欠かせない人材育成の取り組みです。

建設コンサルを支える主な資格

建設コンサルタント業務で用いられる代表的な資格(いずれも定性、登録者数は含めない)
技術士
性格
国家資格
所管・実施
技術士法に基づく(文部科学省所管)
建設コンサル業務での役割
科学技術に関する高度な専門知識と応用能力を認定。建設部門など複数の技術部門があり、公共業務の管理技術者などの要件とされることが多い
RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)
性格
民間資格
所管・実施
建設コンサルタンツ協会が実施・認定
建設コンサル業務での役割
建設コンサルタント業務の管理技術者・照査技術者の要件として、技術士とともに広く用いられる。専門部門ごとに区分される
読み解き

建設コンサルの業務は、技術士(国家資格)とRCCM(協会が認定する民間資格)という2つの資格に支えられています。いずれも、公共の建設コンサルタント業務で、業務を管理・照査する技術者の要件として広く用いられます。資格を持つ技術者の確保・育成が、企業の技術力の基盤になっています。

技術者の高齢化と人材の確保にどう向き合うのか

担い手の高齢化と若手の確保

建設業界全体で、技術者・技能者の高齢化が課題とされており、建設コンサルの技術者も例外ではありません。ベテランの技術者が持つ知識や経験を、どのように若手へ引き継いでいくかが重要な課題です。インフラの維持・更新の需要が続くなかで、担い手を安定して確保できるかどうかが、業界の力を左右します。

女性技術者の活躍と多様な人材

担い手を広げるうえで、女性技術者の活躍を後押しする取り組みも進められています。建設コンサルは、屋外の現場だけでなく、調査・計画・設計といったオフィスでの専門業務も多く、多様な人材が力を発揮しやすい面もあります。働きやすい環境づくりや、専門性を高めるための教育・研修が、人材の確保・定着につながると考えられます。

働き方改革(週休2日)にどう対応するのか

時間外労働の上限規制と週休2日

2024年度から、建設業に時間外労働の上限規制が適用されました(いわゆる2024年問題)。これを受けて、公共の発注でも、週休2日を前提とした工期の設定が広がっています。建設コンサルの業務でも、無理のない工期のもとで質の高い成果を出せるよう、働き方を見直す動きが進んでいます。

生産性の向上との両立

働き方改革を進めるうえでは、限られた時間で成果を出すための生産性の向上が欠かせません。BIM/CIMや点群測量といった設計・調査のデジタル化は、働き方改革を支える手立てとしても期待されています。担い手が働きやすく、かつ専門性を発揮できる環境を整えることが、社会資本の維持・更新を続けていくうえで重要になっています。

主要論点

建設コンサルの担い手は、どのくらいいるのか?

建設コンサルタンツ協会の会員企業では、社員総数約84,911人のうち、技術職員が約51,962人を数えます(2023年度、会員ベース)。技術職員数は2014年度の37,733人から増えていますが、これは協会会員の集計で、同じ期間に会員企業数も426社から501社へ増えたことを含みます。会員が増えれば、集計される技術職員数も増えます。

この数字は会員企業を対象としたもので、建設コンサルタント登録の全業者の技術者数や、統計上の就業者数とは、集計の対象も定義も異なります。担い手の状況を見るときは、どの範囲を数えた数字かに注意する必要があります。

いずれにせよ、建設コンサルは技術者の専門性に支えられた仕事です。インフラの維持・更新の需要が続くなかで、担い手を安定して確保できるかどうかが、業界にとって重要な論点になっています。

なぜ資格(技術士・RCCM)が重要なのか?

建設コンサルの業務は、社会資本の調査・計画・設計という、専門性と責任の大きい仕事です。そのため、業務を管理する技術者や成果を確認する技術者には、技術士(国家資格)やRCCM(協会が認定する民間資格)といった資格が求められることが多くあります。資格は、技術者の専門性を客観的に示す裏づけになります。

企業にとって、資格を持つ技術者をどれだけ確保・育成できるかは、受注できる業務の幅や、技術力の評価に直結します。若手技術者が資格を取得できるよう支援することも、人材育成の重要な取り組みです。

このように、資格は個々の技術者の専門性を示すだけでなく、企業の技術力の基盤でもあります。担い手の高齢化が課題とされるなかで、資格を持つ技術者をどう育て、引き継いでいくかが問われています。

働き方改革は建設コンサルに何をもたらすのか?

2024年度から建設業に時間外労働の上限規制が適用され、公共の発注でも週休2日を前提とした工期の設定が広がっています。長時間労働に頼らない働き方への転換は、担い手の確保・定着のうえでも重要です。働きやすい環境は、若手や女性を含む多様な人材を引きつける力になります。

一方で、働き方改革を進めるには、限られた時間で成果を出すための生産性の向上が欠かせません。BIM/CIMや点群測量といった設計・調査のデジタル化は、業務の効率を高め、働き方改革を支える手立てとしても期待されています。

担い手が減ることが懸念されるなかで、社会資本の維持・更新を続けていくには、一人ひとりの技術者が働きやすく、かつ専門性を発揮できる環境を整えることが欠かせません。人材の確保と働き方改革、生産性の向上は、互いに結びついた課題です。

よくある質問

建設コンサルの技術者はどのくらいいますか?
建設コンサルタンツ協会の会員企業では、社員総数約84,911人のうち、技術職員が約51,962人です(2023年度、会員ベース)。これは協会会員(501社)の集計で、建設コンサルタント登録の全業者の技術者数や、統計上の就業者数とは集計の対象・定義が異なります。技術職員数は増えていますが、会員数の増加を含む点に注意が必要です。
技術士とRCCMの違いは何ですか?
技術士は、技術士法に基づく国家資格(文部科学省所管)で、科学技術に関する高度な専門知識と応用能力を認定します。RCCM(シビルコンサルティングマネージャ)は、建設コンサルタンツ協会が実施・認定する民間資格です。いずれも、公共の建設コンサルタント業務で、業務を管理・照査する技術者の要件として広く用いられます。
建設コンサル業界の人材の課題は何ですか?
技術者の高齢化と、若手・女性技術者の確保が主な課題とされています。ベテランが持つ知識や経験を若手へ引き継ぐことや、多様な人材が働きやすい環境を整えることが求められています。インフラの維持・更新の需要が続くなかで、担い手を安定して確保できるかどうかが、業界にとって重要な論点です。
建設コンサルの「2024年問題」とは何ですか?
2024年度から建設業に時間外労働の上限規制が適用されたことに伴う課題を指します。これを受けて、公共の発注でも週休2日を前提とした工期の設定が広がっています。建設コンサルの業務でも、無理のない工期のもとで質の高い成果を出せるよう、働き方を見直す動きが進んでいます。
働き方改革と生産性の向上はどう関係しますか?
時間外労働の上限規制のもとで質の高い成果を出すには、限られた時間で効率よく業務を進める生産性の向上が欠かせません。BIM/CIMや点群測量といった設計・調査のデジタル化は、業務の効率を高め、働き方改革を支える手立てとしても期待されています。人材の確保、働き方改革、生産性の向上は、互いに結びついた課題です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    一般社団法人 建設コンサルタンツ協会 協会データ
  2. 2.
    技術士制度(技術士法)/RCCM資格制度(建設コンサルタンツ協会)
  3. 3.
    建設業の時間外労働の上限規制(2024年度〜)・公共工事の週休2日
📄 資料DL💬 無料相談