業態の分類 — 製造卸・SPA・小売の3類型と境界の流動化
アパレルのプレイヤーは、企画から販売までのどの段階を担うかによって、大きく3つの類型に整理できます。第1の製造卸(アパレルメーカー)は、商品を企画・生産して百貨店や専門店に卸す業態です。第2のSPA(製造小売)は、企画・生産から店舗・ECでの販売までを一貫して手がけます。第3の小売は、百貨店・量販店・EC・セレクトショップなど、仕入れた商品や自社企画品を消費者に販売する業態です。
ただし、この3類型は固定された階層ではなく、境界が流動的です。百貨店向けの卸を起点としてきた製造卸が、自社の店舗やECで直接販売する直販やSPA化を進める一方、小売やECも自社で企画する商品(プライベートブランド)を増やしています。総合商社の繊維部門も、原料調達やOEM・ODM(他社ブランドの製品を受託して企画・生産する仕組み)で生産を担い、ブランド事業に踏み込む例があります。
そのため、ある企業を一つの類型に固定して捉えるより、企画・生産・販売のどの段階を自社で担っているかでその時々のポジションを見るのが実態に近い捉え方です。どの段階を内製化し、どこを外部に任せるかという選択が、各社の収益構造と業態を形づくっています。