2024年の回復は本格的な回復か、縮小からの戻りか?
矢野経済研究所の調査では、国内アパレル総小売市場は2024年に8兆5,010億円となり、前年比+1.7%で4年連続のプラス成長でした。新型コロナで落ち込んだ2020年から持ち直し、コロナ前の2019年比で約9割(約93%)の水準まで戻っています。
ただし、これは長期の縮小局面からの戻りという側面が大きいといえます。国内アパレル市場は1990年代をピークに縮小してきたとされ、人口減少も重なって、市場全体の基調は緩やかな縮小です。2024年の回復は、コロナ禍で大きく落ち込んだ水準からの回復であって、長期的な拡大に転じたわけではありません。
回復を支えたのは、百貨店・専門店などのリアル店舗の堅調さです。日本百貨店協会によると、百貨店の衣料品売上は2024年に前年比6.2%増となり、訪日外国人によるインバウンド需要が下支えとなりました。ECも安定した需要が続いています。コロナ前の水準近くまで戻ったあと、人口が減るなかで需要をどう生み出すかが、本格的な回復かどうかの分かれ目となります。