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化粧品のインバウンド需要と越境EC|訪日客の購入と中国市場【2026年版】

化粧品のインバウンド需要と越境ECを整理します。化粧品は訪日客が買い求める主要な品目ですが、化粧品単独のインバウンド消費額は公表されていません。そこで本ページでは、2025年に過去最高の9兆4,549億円となった訪日旅行消費額と、そのうち買物代が占める27.0%を、化粧品需要をみる手がかりとして扱います。訪日消費は中国が最大で、越境ECや中国の規制も論点です。買物代には化粧品以外の品目も含む点に留意して整理します。

訪日旅行消費額(2025年)
9.5兆円
94,549億円、過去最高、前年比+16.4%(全費目。化粧品単独でない)
出典: 観光庁 インバウンド消費動向調査(2025年 確報)
買物代の構成比(2025年)
27.0%
化粧品需要の手がかり(proxy)。買物代に食品・医薬品・衣類等も含む
出典: 観光庁 インバウンド消費動向調査(2025年 確報)
中国からの訪日旅行消費(2025年)
2.0兆円
20,058億円、国籍別で最大(全体の21.2%、全費目)
出典: 観光庁 インバウンド消費動向調査(2025年 確報)
1人当たりの買物代(2025年)
61,000
訪日客1人当たりの買物代(全品目。化粧品単独でない)
出典: 観光庁 インバウンド消費動向調査(2025年 確報)

訪日旅行消費額の多い国籍(上位4か国、2025年、億円)

訪日旅行消費の全費目(化粧品単独でなく、買物代・宿泊・飲食を含む全体)。中国が最大で、台湾・米国・韓国が続く(上位4か国で全体の約56%)
単位: 億円上位 4
06,25012,50018,75025,00020,058中国12,033台湾11,186米国9,906韓国
出典: 観光庁 インバウンド消費動向調査(2025年 確報、全費目の訪日旅行消費額)
カテゴリ中国台湾米国韓国
訪日旅行消費額億円20,05812,03311,1869,906
読み解き

このグラフは、訪日客の全費目の旅行消費額を国籍別にみたもので、化粧品単独の購入額ではありません(買物代・宿泊費・飲食費などを含む全体です)。中国が2兆58億円(全体の21.2%)と最も大きく、台湾(1兆2,033億円)、米国(1兆1,186億円)、韓国(9,906億円)が続き、この上位4か国で訪日旅行消費全体の約56.2%を占めます。

化粧品の購入も、こうした訪日客に支えられています。とくに中国を中心とするアジアからの訪日客が、百貨店やドラッグストアで化粧品を免税購入し、市場の回復を後押ししています。

このグラフに関連するトピック

訪日旅行消費の費目別の構成(2025年、億円)

買物代が化粧品需要の手がかり(proxy)。買物代には化粧品のほか食品・医薬品・衣類なども含む
項目消費額(億円)構成比シェア
宿泊費34,60536.6%
買物代25,52827.0%
飲食費20,70621.9%
その他(交通費ほか)13,71014.5%
訪日旅行消費額の合計94,549100.0%
読み解き

訪日旅行消費9兆4,549億円の費目別では、宿泊費が36.6%と最も大きく、次いで買物代が27.0%、飲食費が21.9%です。化粧品はこの買物代に含まれます。

ただし、買物代には化粧品のほかに食品・医薬品・衣類なども含まれるため、買物代の全額が化粧品というわけではありません。観光庁の調査では化粧品単独の金額は公表されていないため、本ページでは買物代を化粧品需要の手がかり(proxy)として扱っています。化粧品の市場規模そのものは、メーカー出荷ベースで約2.6兆円という別の統計で示され、訪日消費とは集計の対象が異なるため、両者を足し合わせることはできません。

主要論点

なぜ化粧品のインバウンド需要は正確に測れないのか?

化粧品は訪日客に人気の品目ですが、化粧品単独のインバウンド消費額は公表されていません。観光庁のインバウンド消費動向調査では、費目別の区分が「買物代」までで、買物代の内訳(化粧品・食品・医薬品・衣類など)までは集計・公表されていないためです。

そこで実務では、訪日旅行消費9兆4,549億円(2025年)のうち買物代27.0%を、化粧品需要をみる手がかり(proxy)として用います。ただし買物代には化粧品以外も含むため、この割合をそのまま化粧品の金額と読むことはできません。

正確な数字がないなかで需要を捉えるには、買物代の動向、訪日客数の推移、各社の免税売上の開示などを組み合わせて推し量る必要があります。化粧品の市場規模(メーカー出荷ベースで約2.6兆円)とは集計の対象が異なるため、訪日消費と市場規模を足し合わせないことが前提となります。

インバウンド需要はなぜ中国に左右されるのか?

訪日旅行消費は、国籍別で中国が最大(2025年で2兆58億円、全体の21.2%)です。化粧品の購入も中国を中心とする訪日客に支えられているため、中国からの訪日客数や購買意欲の変化が、インバウンドの化粧品需要を大きく左右します。

中国の存在感は、訪日(インバウンド)だけでなく、日本からの化粧品輸出でも大きく、いずれも中国の景気や消費動向、規制の影響を受けます。訪日時に店頭で購入し、帰国後に越境ECで再購入する、という循環も中国向けでみられます。

このため、中国の景気減速や現地ブランドの台頭、為替の動きは、インバウンドと越境ECの両面で日本の化粧品需要に影響します。輸出を含めた中国依存をどう和らげ、東南アジアなど他地域の需要をどこまで取り込めるかが課題となっています。

越境ECは化粧品需要にどう関わるのか?

越境ECは、海外の消費者がインターネットを通じて日本の化粧品を購入する仕組みで、店頭での訪日購入を補完しています。とくに中国向けでは、訪日時に試した商品を帰国後に越境ECで買い直す、という流れがみられ、インバウンドと越境ECがつながっています。

越境ECは、店舗を構えずに海外の需要を取り込める一方、需要や規制の動向に左右されやすい面があります。中国では、化粧品の輸入にNMPA(国家薬品監督管理局)への登録などの規制対応が求められ、制度の変更が販売に影響します。

日本企業にとって、越境ECは中国一極への依存を抱えつつ、東南アジアなど他地域の需要も取り込める販路です。訪日(インバウンド)・越境EC・輸出をどう組み合わせ、中国以外にも需要を広げられるかが課題となっています。

中期見通し

近未来1-2年

2026年にかけては、訪日客数の回復が続くかが焦点です。訪日旅行消費は2025年に過去最高の9兆4,549億円となり、化粧品の免税購入も需要を下支えしています。中国からの訪日客の動向と、円相場が、インバウンドの化粧品需要を左右します。

中期3-5年

中期では、インバウンドと越境ECの組み合わせが成長の鍵となります。訪日時の店頭購入と帰国後の越境ECをつなぎ、中国以外の東南アジアなどへも需要を広げられるかが問われます。中国の規制対応と現地ブランドとの競争も、需要の振れ幅を決めます。

長期

長期では、訪日需要は国内の人口減少を補う化粧品需要の柱の一つとなります。一方で、化粧品単独のインバウンド統計が乏しいため、需要の実態把握には買物代や免税売上などの指標を組み合わせる工夫が続く見通しです。中国依存を和らげ、需要の裾野を広げられるかが、中長期の安定につながります。

よくある質問

化粧品のインバウンド消費額はどれくらいですか?
化粧品単独のインバウンド消費額は公表されていません。観光庁の調査では費目別の「買物代」までしか分からないため、訪日旅行消費9兆4,549億円(2025年)のうち買物代27.0%を化粧品需要の手がかり(proxy)として扱います。買物代には化粧品のほか食品・医薬品・衣類なども含むため、この割合をそのまま化粧品の金額とはみなせません。
訪日客の買物代はいくらですか?
2025年の訪日旅行消費額は過去最高の9兆4,549億円で、このうち買物代が27.0%を占めます。訪日客1人当たりの買物代は約61,000円です。化粧品はこの買物代に含まれる主要な品目ですが、買物代には化粧品以外も含まれます。
どの国の訪日客が多いですか?
訪日旅行消費額は国籍別で中国が最大で、2025年は2兆58億円(全体の21.2%)です。次いで台湾、米国、韓国が続きます。化粧品の購入も中国を中心とするアジアからの訪日客に支えられています(数値は全費目の旅行消費で、化粧品単独ではありません)。
越境ECとは何ですか?
越境ECは、海外の消費者がインターネットを通じて日本の化粧品を購入する仕組みです。とくに中国向けでは、訪日時に店頭で試した商品を帰国後に越境ECで買い直す流れがみられ、インバウンドと越境ECがつながっています。中国の輸入規制(NMPAへの登録など)の影響を受ける点が特徴です。
インバウンドのデータの出典は何ですか?
観光庁の「インバウンド消費動向調査」(2025年 確報)です。訪日外国人の旅行消費額、費目別の構成、国籍別の消費額などが公表されています。ただし化粧品単独の消費額は調査の費目区分に含まれないため、本ページでは買物代を化粧品需要の手がかりとして扱っています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    観光庁 インバウンド消費動向調査(2025年 確報)
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