化粧品業界の市場規模・主要企業・動向
日本の化粧品市場はメーカー出荷ベースで約2兆6,430億円(2025年度)、スキンケアを中心に高単価化とインバウンド需要に支えられ、資生堂を筆頭に専業と複合企業・外資が競う生活消費財です
化粧品業界とは、スキンケア、メイクアップ、ヘアケア、フレグランスなどの美容品を製造・販売する生活消費財の産業を指します。日本の化粧品市場は、メーカー出荷金額ベースで約2兆6,430億円(2025年度)で、コロナ後の拡大が続いています。市場規模は集計の対象範囲によって約1兆4千億〜3兆2千億円と幅があり、スキンケアを中心に、製品の高単価化とインバウンド需要が市場を支える一方、輸出は2021年をピークに縮小したあと2025年に持ち直しつつも、中国依存の構造が続いています。資生堂を筆頭に専業大手と複合企業の化粧品事業、外資系ブランドが競っています。本ページでは、化粧品業界を、市場規模、主要メーカー、インバウンドと輸出、チャネルと需要構造の4軸で整理します。
業界サマリ
業界概要
化粧品業界とは、スキンケア・メイクアップ・ヘアケア・フレグランスなどの美容品を製造・販売する生活消費財の産業です。日本の化粧品市場はメーカー出荷ベースで約2兆6,430億円(2025年度)で、スキンケアを中心に、資生堂を筆頭とする専業と複合企業、外資が競っています。
- メーカー出荷ベースの市場規模は約2兆6,430億円です(2025年度)。コロナ後の拡大が続き、2026年度は約2兆6,850億円が見込まれます。集計の対象範囲により、小売に近い推計は約3兆2千億円、国内生産の出荷は約1兆4千億円です。
- スキンケアが市場の中心です。スキンケアが全体の約46%を占め、メイクアップとヘアケアが続きます。機能性を訴える製品の高単価化が伸びを支えています。
- インバウンドが需要を支え、輸出は中国依存です。訪日客の購入が国内消費を押し上げる一方、輸出は2021年をピークに縮小したあと2025年に持ち直しつつも、中国向けが約半分を占める構造が続いています。
市場動向
メーカー出荷ベースの市場はコロナ後の拡大が続く一方、国内で生産された化粧品の出荷はコロナ前の水準を回復していません。需要はインバウンドと製品の高単価化に支えられ、輸出は2025年に持ち直しつつも中国依存の構造が続いています。
- メーカー出荷は拡大、国内生産の出荷は未回復です。メーカー出荷ベースの市場は2021年度の約2兆2,900億円から2025年度の約2兆6,430億円へ拡大した一方、国内生産の出荷額は2019年の約1兆7,611億円から2025年も約1兆3,907億円にとどまっています。
- 輸出は中国依存、輸入は拡大しています。輸出は2021年をピークに縮小したあと2025年に持ち直し、中国向けが約半分を占めます。韓国(K-beauty)などからの輸入拡大で、輸出が輸入を上回る貿易黒字は2024年にかけて縮小しました。
- 高単価化と価格の二極化が進んでいます。機能性を訴える製品で単価が上がる一方、価格帯は高価格帯と低価格帯に分かれる傾向がみられます。
競争環境
化粧品業界では、資生堂を筆頭とする専業大手に、花王やロートのような複合企業の化粧品事業、外資系ブランドが加わって競っています。専業の連結売上は海外を含むグローバルの数字で、国内市場の規模とは異なります。複合企業は全社ではなく化粧品事業でみる必要があり、主要メーカーの業績比較、グローバル展開、ブランド戦略が共通の論点です。
- 資生堂が国内最大手です。スキンケアやメイクで世界展開し、連結の大半は海外ですが、2025年12月期は米州事業ののれん減損で純損失を計上しました。
- 専業大手が各領域で競っています。コーセー、ポーラ・オルビス、ノエビア、男性グルーミングに強いマンダム(2026年5月にMBOで上場廃止)などが、ブランドとチャネルで差別化を進めています。
- 複合企業の化粧品事業も存在感を増しています。花王の化粧品事業は2025年12月期に売上2,616億円・営業利益104億円で、前期の営業赤字から黒字に転換し、ロートはスキンケアで国内有数の規模に伸びています。
市場規模推移
2021-2026 · 市場規模(メーカー出荷) / 市場規模化粧品市場規模の推移 (メーカー出荷金額ベース、2021-2026年度、兆円。2026年度は予測)
化粧品市場の製品カテゴリー別の構成 (2025年度、億円)
日本の化粧品市場は、メーカー出荷金額ベースで2025年度に約2兆6,430億円(前年度比+2.4%)となり、コロナ後の拡大が続いています。2021年度の約2兆2,900億円から年々伸び、2026年度は約2兆6,850億円が見込まれています(予測値)。
市場規模は、何を測るかで金額が変わります。小売に近いベースの推計では約3兆2,246億円(2024年)、国内で生産された化粧品の出荷額では約1兆3,907億円(2025年)となり、集計の対象範囲が異なります。メーカーの出荷ベースでは拡大が進む一方、国内で生産された化粧品の出荷はコロナ前の水準を回復していません。
化粧品市場はスキンケアが中心です。カテゴリ別では、矢野経済の調査(2025年度)でスキンケアが約1兆2,220億円(構成比46.2%)と最も大きく、次いでメイクアップが約5,210億円、ヘアケアが約5,150億円となります。男性用化粧品やフレグランスも一定の規模があります。
国内生産の出荷を品目別にみても(2025年)、肌の手入れに使う皮膚用が45.2%、シャンプーや染毛料などの頭髪用が26.9%を占めます。シャンプーなどのヘアケアも化粧品に含まれます。機能性を訴える製品の高単価化が、各カテゴリの伸びを支えています。
化粧品の輸出は中国向けの比重が大きく、輸出額は2021年の約7,972億円から2024年の約5,264億円へ縮み、2025年は約5,797億円へ持ち直しました(2025年は速報値)。中国向けがおよそ半分を占め、輸出全体を左右します。一方、韓国(K-beauty)やフランスからの輸入が拡大し(2024年の輸入は約3,752億円)、輸出が縮んだ2024年にかけて貿易黒字は縮小しました。
国内では訪日客の購入が需要を押し上げ、2025年の訪日旅行消費額は過去最高の9兆4,549億円、うち買物代が27.0%を占めます。日本企業は中国一極への依存を見直し、輸出先の分散を進めています。
主要トピック
業界構造
主要プレイヤー / サプライヤー / 流通 / 需要化粧品業界は、スキンケア・メイクアップ・ヘアケア・フレグランスなどの美容品を、原料・受託製造、メーカー、流通チャネルを通じて消費者に届ける産業です。メーカーには資生堂を筆頭とする専業大手に加え、花王やロートのような複合企業の化粧品事業、外資系ブランドが並びます。
製品は原料メーカーや受託製造(OEM/ODM)を経て生産され、百貨店、ドラッグストア、専門店、EC、訪問販売といった多様なチャネルで販売されます。市場規模はメーカー出荷ベースで約2兆6千億円、集計の対象範囲により小売に近いベースで約3兆2千億円、国内生産の出荷では約1兆4千億円です。
化粧品メーカーは、専業大手と複合企業の化粧品事業、外資系ブランドが競っています。資生堂が国内最大手で、コーセーやポーラ・オルビス、ノエビア、男性グルーミングに強いマンダムなどの専業が続きます。花王の化粧品事業やロートのスキンケアは、複合企業のなかで存在感を増しています。
専業大手の連結売上は海外を含むグローバルの数字で、国内市場の規模とは異なります。複合企業は全社ではなく化粧品事業でみる必要があり、ブランド力とチャネル、グローバル展開が競争を左右しています。
化粧品の製造・販売は、薬機法のもとで行われます。美容を目的とする化粧品に対し、美白やしわ改善などの効果を訴える薬用化粧品は医薬部外品に分類され、市場規模の集計にも影響します。輸出では、中国のNMPA(国家薬品監督管理局)への登録などの規制対応が求められます。
隣接する業態との境界もあります。シャンプーや染毛料などのヘアケアは化粧品に含まれますが、ボディソープや洗剤などはトイレタリー(日用品)として別に扱われます。製薬企業のスキンケア事業とも領域が重なっています。
業界の3大論点
化粧品の国内生産はなぜコロナ前を回復していないのか?
メーカー出荷ベースの化粧品市場がコロナ後に拡大し2025年度に約2兆6,430億円となる一方、国内で生産された化粧品の出荷額は2019年の約1兆7,611億円から2025年の約1兆3,907億円へと縮んだままです。市場全体が伸びても、国内のものづくりは戻っていません。
この差を生むのは、市場の回復を支える需要が、必ずしも国内生産に結びつかないためです。第1にインバウンド需要で、訪日客の購入が国内消費を押し上げています。第2は製品の高単価化で、機能性を訴える製品の単価上昇が金額ベースの市場を膨らませています。第3は輸入ブランドの増加で、国内生産には表れない海外ブランドの販売が市場に含まれます。
つまり、訪日需要や高単価化、輸入が市場を押し上げても、その一部は国内生産の回復に直結しません。国内生産の立て直しには、輸出の回復と国内ブランドの競争力が課題となります。
主要メーカーはどこで競っているのか?
化粧品メーカーは、専業大手と複合企業の化粧品事業、外資系ブランドが競っています。資生堂が国内最大手で、コーセーやポーラ・オルビス、ノエビア、男性グルーミングに強いマンダム(2026年5月にMBOで上場廃止)などの専業が続きます。花王の化粧品事業やロートのスキンケアは、複合企業のなかで存在感を増しています。
業績をみるときは注意が必要です。専業大手の連結売上は海外を含むグローバルの数字で、国内市場の規模とは異なります。資生堂は連結の大半が海外で、2025年12月期は米州事業ののれん減損で純損失を計上しました。一方、花王やロートのような複合企業は、全社ではなく化粧品事業でみる必要があります。花王の化粧品事業は2025年12月期に売上2,616億円・営業利益104億円で、前期の営業赤字から黒字に転換しました。
競争の軸は、プレステージからマスまでのブランド力、百貨店・ドラッグストア・ECといったチャネル、そして海外展開です。専業はグローバル展開で成長を求め、複合企業は化粧品事業の採算改善を進めており、各社の戦略が分かれています。
化粧品の輸出はなぜ中国依存が論点になるのか?
化粧品の輸出と訪日需要は、いずれも中国の比重が大きいことが特徴です。化粧品の輸出は2021年をピークに縮小し、2025年は持ち直したものの、中国向けがおよそ半分を占めるため、輸出全体が中国の需要動向に左右される状態が続いています。一方、韓国(K-beauty)やフランスからの輸入が拡大し、輸出が輸入を上回る貿易黒字は2024年にかけて縮小しました。
中国依存が論点となるのは、中国の市場環境の変化が日本企業の業績を大きく左右するためです。中国では現地ブランドの台頭が進み、化粧品の輸入にはNMPA(国家薬品監督管理局)への登録などの規制対応が求められます。越境ECは比較的参入しやすい一方、規制や消費の動向次第で需要が振れやすい面があります。
こうしたなか、日本企業は中国一極への依存を見直し、東南アジアや他地域への分散、国内のインバウンド需要の取り込みを進めています。中国市場の回復力と規制の動向を見極めながら、輸出先を広げられるかが各社の課題となっています。
よくある質問 (FAQ)
日本の化粧品市場の規模はどれくらいですか?
化粧品市場で最も大きいカテゴリは何ですか?
日本の主要な化粧品メーカーはどこですか?
化粧品市場はコロナ前から回復しましたか?
化粧品のインバウンド需要はどれくらいですか?
化粧品の輸出はどの国向けが多いですか?
化粧品と医薬部外品(薬用化粧品)は何が違いますか?
ヘアケアやシャンプーは化粧品に含まれますか?
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