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化粧品の市場規模|メーカー出荷ベースの推移と集計範囲の違い【2026年版】

日本の化粧品市場は、メーカー出荷金額ベースで2024年度に2兆5,800億円となり、コロナ後の回復が続いています。最大カテゴリはスキンケアで、全体の46.3%を占めます。市場規模は集計の対象範囲によって変わり、小売に近い推計では3兆2,246億円、国内で生産された化粧品の出荷額では1兆3,745億円です。本ページでは、メーカー出荷の推移、製品カテゴリー別の内訳、国内生産の長期推移、集計範囲による違いを順に整理します。

市場規模(2024年度)
2.6兆円
メーカー出荷金額ベース、25,800億円、前年比+4.1%
出典: 矢野経済研究所 化粧品市場に関する調査(2025年)
前年比(2024年度)
+4.1%
メーカー出荷金額ベースの市場規模の伸び(矢野経済)
出典: 矢野経済研究所 化粧品市場に関する調査(2025年)
スキンケア構成比(2024年度)
46.3%
最大カテゴリ、11,950億円、メーカー出荷ベース
出典: 矢野経済研究所 化粧品市場に関する調査(2025年)
国内出荷額(2024年)
1.4兆円
13,745億円、経産省の国内生産分のみ・輸入を含まない、コロナ前の約78.0%
出典: 経済産業省 生産動態統計 化学工業統計

化粧品の市場規模の推移(メーカー出荷ベース、2020-2025年度、億円)

矢野経済のメーカー出荷金額ベース(ブランドメーカーの出荷額で、輸入ブランドや薬用化粧品も含む)。2024年度2兆5,800億円、2025年度は予測
単位: 億円
07,50015,00022,50030,00022,3502022,9002123,7002224,7802325,8002426,50025
出典: 矢野経済研究所 化粧品市場に関する調査(2025年、メーカー出荷金額ベース、2025年度は予測値)
年度202020212022202320242025
メーカー出荷額億円22,35022,90023,70024,78025,80026,500
前年比+2.5%+3.5%+4.6%+4.1%+2.7%
読み解き

この系列は、矢野経済が集計するメーカー出荷金額ベースの市場規模です。ブランドメーカーが出荷した金額で、国内生産だけでなく輸入ブランドや薬用化粧品(医薬部外品)も含む広めの範囲を指します。市場規模は2020年度の約2兆2,350億円から年々伸び、2024年度に2兆5,800億円(前年比+4.1%)まで回復しました。2025年度は2兆6,500億円が予測されています。

コロナ後の回復は、製品の高単価化やインバウンド需要、輸出に支えられています。機能性を訴えるスキンケアなどで単価が上がり、金額ベースの市場を押し上げてきました。ただし後述のとおり、この回復は国内で生産された化粧品の出荷額の回復とは必ずしも一致していません。

化粧品の国内出荷額の推移(2017-2024年、億円)

経済産業省の生産動態統計(国内で生産された化粧品の工場出荷、輸入を含まない)。2019年1兆7,611億円をピークに、2024年は1兆3,745億円でコロナ前の約78.0%
単位: 億円
05,00010,00015,00020,00016,1121716,9411817,6111914,8372013,9092112,6542213,0252313,74524
出典: 経済産業省 生産動態統計 化学工業統計(化粧品、国内出荷額、2017-2024年)
20172018201920202021202220232024
国内出荷額億円16,11216,94117,61114,83713,90912,65413,02513,745
前年比+5.1%+4.0%-15.8%-6.3%-9.0%+2.9%+5.5%
読み解き

こちらは、経済産業省の生産動態統計による国内で生産された化粧品の出荷額です。国内の工場から出荷された金額で、輸入品は含みません。前掲のメーカー出荷ベース(輸入を含む)とは集計の対象範囲が異なります。国内出荷額は2019年の1兆7,611億円をピークに、コロナ禍で落ち込み、2022年の1兆2,654億円を底に持ち直したものの、2024年は1兆3,745億円にとどまっています。

これはコロナ前2019年の約78.0%の水準で、メーカー出荷ベースの市場が回復したのとは対照的に、国内生産の出荷はコロナ前を回復していません。市場全体の回復を支える需要が、訪日客の購入や輸入ブランドの販売、製品の高単価化に向かい、必ずしも国内生産の回復には結びついていないことがうかがえます。

このグラフに関連するトピック

化粧品の製品カテゴリー別の内訳(メーカー出荷ベース、2024年度、億円)

メーカー出荷金額ベース(矢野経済)の構成。スキンケアが最大で、メイクアップ・ヘアケアが続く
項目市場規模(億円)構成比シェア
スキンケア11,95046.3%
メイクアップ5,07019.7%
ヘアケア5,03019.5%
男性用化粧品1,3305.2%
フレグランス3801.5%
その他2,0407.9%
化粧品市場計(メーカー出荷ベース)25,800100.0%
読み解き

メーカー出荷ベースの市場2兆5,800億円のうち、最も大きいのはスキンケアで1兆1,950億円(構成比46.3%)です。化粧水・美容液・乳液などの肌の手入れに使う製品が市場の中心で、機能性を訴える高単価品が伸びを支えています。次いでメイクアップ(19.7%)、ヘアケア(19.5%)が続き、この2つはほぼ同水準です。

ヘアケアは、シャンプー・トリートメント・ヘアカラー・育毛剤などを指し、化粧品市場に含まれます(ボディソープや洗剤などは別のトイレタリーに分類されます)。男性用化粧品(5.2%)やフレグランス(1.5%)も一定の規模があります。

集計範囲による化粧品市場規模の違い(2024年)

同じ「化粧品市場」でも、何を集計するかで金額が変わる。出荷ベース・小売ベース・国内生産ベースの3系統
メーカー出荷ベース
市場規模
2兆5,800億円
集計の範囲(含むもの)
ブランドメーカーの出荷額。輸入ブランドや薬用化粧品(医薬部外品)も含む
出典
矢野経済研究所
小売に近いベース
市場規模
3兆2,246億円
集計の範囲(含むもの)
小売に近い最広義の推計。店頭での販売を広くカバーする
出典
富士経済
国内出荷(生産)ベース
市場規模
1兆3,745億円
集計の範囲(含むもの)
国内で生産された化粧品の工場出荷額。輸入品は含まない
出典
経済産業省 生産動態統計
読み解き

「化粧品市場の規模」として使われる数字は、何を集計するかで金額が変わります。メーカー出荷ベース(矢野経済)は2兆5,800億円で、ブランドメーカーの出荷額に輸入ブランドや薬用化粧品を含みます。小売に近いベース(富士経済)は3兆2,246億円と最も大きく、店頭での販売を広くカバーします。一方、経済産業省の国内出荷額は1兆3,745億円で、国内で生産された分のみ・輸入を含まないため最も小さくなります。

これらは集計の対象範囲が異なるため、単純に比較したり合算したりはできません。3つの数字はいずれも直近の2024年の値ですが、矢野は年度、富士と経済産業省は暦年が基準です。化粧品の市場規模を引用するときは、出荷ベースか、小売ベースか、国内生産ベースかを確認する必要があります。本ページでは、メーカー出荷ベース(矢野経済)を中心の指標として扱っています。

主要論点

化粧品の国内生産はなぜコロナ前を回復していないのか?

メーカー出荷ベースの市場が2024年度に2兆5,800億円まで回復する一方、国内で生産された化粧品の出荷額は2019年の1兆7,611億円から2024年の1兆3,745億円へと縮んだままで、コロナ前の約78.0%の水準にとどまっています。市場全体が伸びても、国内のものづくりは戻っていません。

この差を生むのは、市場の回復を支える需要が、必ずしも国内生産に結びつかないためです。第1にインバウンド需要で、訪日客の購入が国内消費を押し上げています。第2は製品の高単価化で、機能性を訴える製品の単価上昇が金額ベースの市場を膨らませています。第3は輸入ブランドの増加で、国内生産には表れない海外ブランドの販売が市場に含まれます。

つまり、訪日需要や高単価化、輸入が市場を押し上げても、その一部は国内生産の回復に直結しません。国内生産の立て直しには、輸出の回復と国内ブランドの競争力が課題となります。

「2.6兆円」「3.2兆円」「1.4兆円」、どれが化粧品市場の規模なのか?

化粧品市場の規模として使われる数字には、メーカー出荷ベースの2兆5,800億円(矢野経済)、小売に近いベースの3兆2,246億円(富士経済)、国内出荷の1兆3,745億円(経済産業省)があり、いずれも対象とする範囲が異なります。

メーカー出荷ベースは、ブランドメーカーが出荷した金額で、輸入ブランドや薬用化粧品(医薬部外品)も含みます。小売に近いベースは、店頭での販売を広くカバーする最広義の推計です。国内出荷は、国内の工場から出荷された分のみで、輸入品を含みません。輸入品や薬用化粧品を含むかどうかなどで、対象とする範囲が変わります。

これらは集計の前提が違うため、単純な比較や合算はできません。本ページではメーカー出荷ベースを中心に扱い、小売ベース・国内出荷は範囲の違いを示す参考として併記しています。市場規模を引用するときは、どの範囲の数字かを確認することが大切です。

化粧品市場の回復は何に支えられているのか?

メーカー出荷ベースの市場は2020年度の約2兆2,350億円から2024年度の2兆5,800億円へ回復しましたが、その中身は製品の高単価化が大きな要因です。機能性を訴えるスキンケアなどで単価が上がり、金額ベースの市場を押し上げてきました。

需要側では、訪日客の購入(インバウンド)が国内消費を後押ししています。化粧品は訪日客が買い求める主要な品目で、百貨店やドラッグストアでの免税購入が市場の回復を支えています。カテゴリ別では、スキンケアが市場の46.3%を占める中心で、ダーマ・敏感肌・男性化粧品など需要の多様化も進んでいます。

一方で、こうした回復は国内生産の出荷額の回復とは一致していません。金額ベースの市場が高単価化と輸入・インバウンドで膨らむなか、国内で生産された化粧品の出荷はコロナ前を下回ったままで、回復の「質」には差があります。

中期見通し

近未来1-2年

2026年にかけては、高単価化とインバウンド需要が市場を支える構図が続くとみられます。メーカー出荷ベースの市場は2025年度に2兆6,500億円が予測されており、回復基調は続いています。機能性スキンケアやダーマ領域、男性化粧品など、需要の多様化が各カテゴリの伸びを後押しします。

中期3-5年

中期では、金額ベースの拡大が続く一方、国内生産の出荷をどこまで取り戻せるかが焦点です。輸入ブランドの増加とインバウンド・輸出の動向が市場の中身を左右します。値上げ(高単価化)による金額の拡大には限界もあり、カテゴリの多様化とブランド力が成長を分けます。

長期

長期では、国内の人口減少を背景に、国内市場の数量拡大は見込みにくくなります。各社は輸出やインバウンド、高付加価値化で成長を確保する動きを強める見通しです。市場規模の数字を読む際は、メーカー出荷・小売・国内生産という集計範囲の違いを踏まえることが前提になります。

よくある質問

日本の化粧品市場の規模はどれくらいですか?
メーカー出荷金額ベースでは、2024年度に2兆5,800億円(前年比+4.1%、矢野経済研究所)で、コロナ後の回復が続いています。市場規模は集計の対象範囲によって変わり、小売に近いベースの推計では3兆2,246億円(富士経済)、国内で生産された化粧品の出荷額では1兆3,745億円(経済産業省)です。
化粧品市場で最も大きいカテゴリは何ですか?
スキンケアです。メーカー出荷ベースで1兆1,950億円(構成比46.3%、矢野経済)と最も大きく、次いでメイクアップ(19.7%)、ヘアケア(19.5%)が続きます。化粧水・美容液などの肌の手入れに使うスキンケアが市場の中心で、機能性を訴える製品の高単価化が伸びを支えています。
化粧品市場はコロナ前から回復しましたか?
メーカー出荷ベースの市場はコロナ後の回復が続き、2024年度に2兆5,800億円となりました。一方、国内で生産された化粧品の出荷額は2019年の1兆7,611億円に対し2024年は1兆3,745億円と、コロナ前の約78.0%の水準にとどまっています。市場の回復は、インバウンド需要、製品の高単価化、輸入ブランドの増加に支えられています。
「2.6兆円」と「3.2兆円」「1.4兆円」は何が違いますか?
集計の対象範囲が異なります。メーカー出荷ベース(矢野経済、2兆5,800億円)は輸入ブランドや薬用化粧品を含むメーカーの出荷額、小売に近いベース(富士経済、3兆2,246億円)は店頭販売を広くカバーする最広義、国内出荷(経済産業省、1兆3,745億円)は国内生産分のみで輸入を含みません。対象とする範囲が異なるため、単純に比較・合算はできません。
化粧品市場の出典は何ですか?
メーカー出荷ベースの市場規模とカテゴリ構成は矢野経済研究所「化粧品市場に関する調査(2025年)」、小売に近いベースの推計は富士経済「化粧品マーケティング要覧2025」、国内出荷額は経済産業省「生産動態統計 化学工業統計」が出典です。これらは集計範囲が異なるため、本ページでは別の系列として整理しています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    矢野経済研究所 化粧品市場に関する調査(2025年)
  2. 2.
    富士経済 化粧品マーケティング要覧2025
  3. 3.
    経済産業省 生産動態統計 化学工業統計(化粧品)
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