化粧品の国内生産はなぜコロナ前を回復していないのか?
メーカー出荷ベースの市場が2024年度に2兆5,800億円まで回復する一方、国内で生産された化粧品の出荷額は2019年の1兆7,611億円から2024年の1兆3,745億円へと縮んだままで、コロナ前の約78.0%の水準にとどまっています。市場全体が伸びても、国内のものづくりは戻っていません。
この差を生むのは、市場の回復を支える需要が、必ずしも国内生産に結びつかないためです。第1にインバウンド需要で、訪日客の購入が国内消費を押し上げています。第2は製品の高単価化で、機能性を訴える製品の単価上昇が金額ベースの市場を膨らませています。第3は輸入ブランドの増加で、国内生産には表れない海外ブランドの販売が市場に含まれます。
つまり、訪日需要や高単価化、輸入が市場を押し上げても、その一部は国内生産の回復に直結しません。国内生産の立て直しには、輸出の回復と国内ブランドの競争力が課題となります。