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化粧品と医薬部外品(薬用化粧品)の違い|薬機法の区分と効能効果の表示範囲【2026年版】

化粧品とよく似た製品に、「薬用化粧品」と呼ばれる医薬部外品があります。日本では医薬品医療機器等法(薬機法)が、医薬品・医薬部外品・化粧品を区分しています。化粧品は効能効果の表示が定められた56項目の範囲に限られるのに対し、医薬部外品(薬用化粧品)は「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」などの承認された効能を表示できます。本ページでは、化粧品と医薬部外品(薬用化粧品)・医薬品の違い、効能効果の表示範囲、承認と届出のプロセス、そしてこの区分が市場統計に与える影響を整理します。

化粧品・医薬部外品(薬用化粧品)・医薬品の区分(薬機法)

人体への作用の強さと、表示できる効能効果の範囲で区分される。化粧品は届出、医薬部外品・医薬品は品目ごとの承認が必要
化粧品
人体への作用・位置づけ
作用が緩和。肌や髪を清潔にし、美化し、健やかに保つ(薬機法第2条第3項)
効能効果の表示
定められた56項目の範囲内(「肌荒れを防ぐ」「皮膚にうるおいを与える」等)
承認・届出
製造販売の届出(品目ごとの承認は不要)
医薬部外品(薬用化粧品)
人体への作用・位置づけ
作用が緩和。化粧品と医薬品の中間(薬機法第2条第2項)
効能効果の表示
承認された効能効果を表示できる(「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」等)
承認・届出
品目ごとに厚生労働大臣の承認が必要
医薬品
人体への作用・位置づけ
病気の治療・予防が目的(作用は緩和に限られない)
効能効果の表示
承認された効能効果(治療・予防)を表示できる
承認・届出
品目ごとに承認が必要
読み解き

薬機法は、肌や髪に使う製品を作用の強さで3つに区分します。化粧品は人体への作用が緩和で、清潔にしたり美化したりすることが目的です。効能効果として表示できるのは56項目の範囲に限られ、製造販売は届出で足り、品目ごとの承認は要りません。医薬部外品(薬用化粧品)は化粧品と医薬品の中間で、承認された効能効果を表示でき、品目ごとに厚生労働大臣の承認が必要です。医薬品は病気の治療・予防を目的とし、最も強い効能効果を表示できます。

化粧品の定義には、法律上「医薬部外品を除く」と明記されており、化粧品と医薬部外品は別の区分です。同じ「化粧水」でも、効能をうたわないものは化粧品、「肌あれを防ぐ」などの承認された効能を表示するものは薬用化粧品(医薬部外品)に分かれます。

効能効果として表示できる範囲

化粧品は56項目の範囲内、医薬部外品は承認された効能を表示できる

【化粧品(56項目の範囲内)】化粧品が広告や表示で使える効能効果は、厚生労働省が定めた56項目の範囲に限られます。「肌荒れを防ぐ」「皮膚にうるおいを与える」「日やけを防ぐ」「頭皮、毛髪を清浄にする」など、肌や髪を健やかに整える緩やかな表現が中心です。2011年の改正で「乾燥による小ジワを目立たなくする」が加わり、55項目から56項目になりました。これを超える表現(たとえば「しみが消える」「ニキビが治る」など)は、化粧品では使えません。

【医薬部外品(薬用化粧品)の承認効能】医薬部外品は、品目ごとに承認された効能効果を表示できます。薬用化粧品では「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」(いわゆる美白)、「にきびを防ぐ」、「肌あれ・あれ性」、「ふけ・かゆみを防ぐ」などが代表例です。育毛剤は「育毛」「脱毛の予防」、制汗剤は「制汗」「わきがの防止」を表示できます。化粧品では使えないこうした効能を表示できる点が、医薬部外品の特徴です。ただし、表示できるのは承認された効能の範囲に限られます。

【医薬品】医薬品は、病気の治療や予防を目的とし、承認された効能効果を表示できます。化粧品・医薬部外品とは目的が異なり、肌の手入れではなく治療のための製品です。化粧品や薬用化粧品が「治る」「治療する」といった医薬品的な表現を使うと、薬機法に違反します。

「薬用化粧品」とは何か、市場統計にどう影響するか

薬用化粧品は医薬部外品の一部。経済産業省の化粧品統計には医薬部外品が含まれない

【薬用化粧品は医薬部外品の一部】「薬用」と表示できるのは医薬部外品だけです。薬用化粧品は、医薬部外品のうち化粧品に近い用途のもの(薬用化粧水・薬用美容液・薬用シャンプーなど)を指す呼び方で、医薬部外品の一部にあたります。医薬部外品には、このほかにも育毛剤(養毛剤)、染毛剤、制汗剤・デオドラント、浴用剤、薬用歯みがきなどが含まれます。つまり、薬用化粧品は医薬部外品より狭く、医薬部外品は薬用化粧品より広い範囲を指します。

【市場統計での扱い】この区分は、化粧品の市場規模をめぐる数字の違いに関わります。経済産業省の生産動態統計(化学工業統計)の「化粧品」は、薬機法上の化粧品のみを集計します。医薬部外品(薬用化粧品・育毛剤など)は、厚生労働省の薬事工業生産動態統計という別の統計で生産が集計されるため、経済産業省の化粧品の出荷額には含まれません。一方、矢野経済研究所のメーカー出荷ベースの市場規模は、薬用化粧品(医薬部外品)も含む広い範囲です。化粧品のカテゴリ別の市場規模で「矢野経済は薬用を含み、経済産業省の化粧品の出荷額は含まない」という違いがみられるのは、この制度上の区分が理由です。美白スキンケアのように薬用(医薬部外品)の比率が高い領域ほど、2つの統計の差は大きくなります。

主要論点

化粧品と医薬部外品(薬用化粧品)はどう違うのか?

両者は、薬機法(医薬品医療機器等法)の上で別の区分です。化粧品(第2条第3項)は人体への作用が緩和で、肌や髪を清潔にしたり美化したりすることが目的です。表示できる効能効果は56項目の範囲に限られ、製造販売は届出で足ります。医薬部外品(薬用化粧品)(第2条第2項)は化粧品と医薬品の中間で、承認された効能効果を表示でき、品目ごとに厚生労働大臣の承認が必要です。

決定的な違いは、表示できる効能効果と承認の手続きです。化粧品は「肌を整える」程度の緩やかな表現にとどまるのに対し、薬用化粧品は「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」のような承認された効能を表示できます。その分、薬用化粧品は有効成分を配合し、品目ごとに国の承認を得る必要があり、開発や上市の手間が大きくなります。

化粧品の定義には法律上「医薬部外品を除く」と明記されており、同じ化粧水でも、効能をうたわなければ化粧品、承認された効能を表示すれば薬用化粧品(医薬部外品)に分かれます。

なぜ市場統計で「薬用を含む・含まない」が問題になるのか?

化粧品の市場規模には、医薬部外品(薬用化粧品)を含むものと含まないものがあり、数字が変わります。経済産業省の生産動態統計(化学工業統計)の「化粧品」は薬機法上の化粧品のみで、医薬部外品は厚生労働省の薬事工業生産動態統計という別の統計で扱われるため含まれません。一方、矢野経済研究所のメーカー出荷ベースは医薬部外品(薬用化粧品)も含みます。

この差が大きくなりやすいのが、薬用(医薬部外品)の比率が高い領域です。たとえばスキンケアは、美白やエイジングケアをうたう薬用美容液・薬用化粧水が多く、矢野経済の市場規模と経済産業省の国内出荷額の差が大きくなります。ヘアケアでも、育毛剤や薬用シャンプーが医薬部外品にあたります。

メーカーにとって、薬用(医薬部外品)は効能を訴求できる差別化の手段です。承認の手間はかかりますが、「しみ・そばかすを防ぐ」「育毛」などを表示できることが、製品の付加価値や単価を高める要因になります。市場規模の数字を読むときは、薬用(医薬部外品)を含む範囲かどうかを確認する必要があります。

化粧品の広告ではどこまで効能を表示できるのか?

化粧品の広告や表示で使える効能効果は、厚生労働省が定めた56項目の範囲に限られます。「肌荒れを防ぐ」「皮膚にうるおいを与える」「日やけを防ぐ」など、肌や髪を健やかに整える緩やかな表現が中心です。これを超えて「しみが消える」「ニキビが治る」のような医薬品的・医薬部外品的な効能をうたうと、薬機法に違反します。

薬機法は、化粧品・医薬部外品・医薬品の広告について、承認された範囲を超える効能効果の表示や、事実に反する誇大な広告を禁止しています。薬用化粧品(医薬部外品)であっても、表示できるのは承認された効能の範囲に限られ、それを超える表現はできません。

近年は、SNSやインフルエンサーによる紹介など、広告の形が多様になっています。化粧品か医薬部外品かによって表示できる効能が異なるため、メーカーや販売者は、どの区分の製品かを踏まえて表現を管理する必要があります。

中期見通し

近未来1-2年

化粧品・医薬部外品の区分や効能効果の表示ルールそのものは、短期間で大きく変わるものではありません。一方で、SNSや動画など広告の形が多様になるなか、薬機法の表示ルールに沿った表現の管理が、メーカーや販売者にとって引き続き重要になります。

中期3-5年

中期では、機能性を訴える製品の開発が進むなか、化粧品の効能効果の表示範囲と、医薬部外品としての承認のどちらで製品を設計するかという判断が、各社の戦略を左右します。承認の手間と、表示できる効能による付加価値のバランスが論点になります。

長期

長期では、輸出や越境ECの拡大に伴い、国内の薬機法だけでなく、各国の規制への対応が課題になります。海外では国ごとに化粧品の登録・届出の制度が異なり、輸出や越境ECでは、進出先それぞれの制度に合わせた成分や表示の確認が必要になります。国内の薬機法と各国の規制の両方を踏まえた製品設計が、海外展開の前提になります。

よくある質問

化粧品と医薬部外品(薬用化粧品)の違いは何ですか?
薬機法(医薬品医療機器等法)上の区分が異なります。化粧品(第2条第3項)は人体への作用が緩和で、効能効果の表示は定められた56項目の範囲に限られ、製造販売は届出で足ります。医薬部外品(薬用化粧品、第2条第2項)は承認された効能効果(「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」等)を表示でき、品目ごとに厚生労働大臣の承認が必要です。
「薬用化粧品」とは何ですか?
薬用化粧品は、医薬部外品のうち化粧品に近い用途のもの(薬用化粧水・薬用美容液・薬用シャンプーなど)を指す呼び方です。「薬用」と表示できるのは医薬部外品だけで、薬用化粧品は医薬部外品の一部にあたります。医薬部外品には、ほかに育毛剤・染毛剤・制汗剤・浴用剤・薬用歯みがきなども含まれます。
化粧品の広告で「美白」と書けますか?
化粧品では、「美白」のように効果を直接うたう表現は使えません。化粧品が表示できる効能効果は56項目の範囲に限られ、「しみが消える」などの表現もできません。「日やけによるしみ・そばかすを防ぐ」といった効能を表示できるのは、承認を受けた医薬部外品(薬用化粧品)です。
化粧品の「承認」と「届出」は何が違いますか?
化粧品は、製造販売業者が厚生労働省へ届出をすれば製造販売でき、品目ごとの承認は不要です。一方、医薬部外品(薬用化粧品)は、品目ごとに厚生労働大臣の承認が必要で、有効成分や効能効果について審査を受けます。承認の手間がかかる分、医薬部外品は化粧品にはない効能効果を表示できます。
化粧品と医薬部外品の区分のデータの出典は何ですか?
区分の根拠は医薬品医療機器等法(薬機法)第2条、化粧品の効能効果の範囲(56項目)は厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(薬食発0721第1号、2011年)です。医薬部外品の生産は厚生労働省の薬事工業生産動態統計、化粧品の生産は経済産業省の生産動態統計(化学工業統計)で、別々に集計されています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    医薬品医療機器等法(薬機法)第2条(医薬部外品・化粧品の定義)
  2. 2.
    厚生労働省「化粧品の効能の範囲の改正について」(薬食発0721第1号、2011年7月21日)
  3. 3.
    厚生労働省 薬事工業生産動態統計/経済産業省 生産動態統計(化学工業統計)
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