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家具・インテリアの需要構造|住宅着工・婚姻と家具需要のつながり【2026年版】

家具・インテリアの需要は、住宅の取得や結婚といった新生活に伴う新規購入と、買い替えによる需要で支えられています。その土台となる新設住宅着工は2024年に約79.2万戸、婚姻件数は約48.5万件と、いずれも長期的に減少してきました。新築や新生活に伴う家具の新規購入の機会が細るなかで、市場規模が横ばいを保ってきたのは、1世帯あたりの家具・家事用品への支出が年約153,459円と横ばい〜微増で、買い替え需要が下支えしているためです。住宅着工・婚姻・家計支出という需要の土台から、家具・インテリアの需要構造を整理します。

新設住宅着工戸数の推移(2011-2024年、戸)

利用関係別(持家・貸家・分譲・給与)の合計。2024年は約79.2万戸で長期的に減少
単位:
持家貸家分譲給与
0250,000500,000750,0001,000,000834,11711882,79712980,02513892,26114909,29915967,23716964,64117942,37018905,12319815,34020856,48421859,52922819,62323792,19524
出典: 国土交通省 建築着工統計(新設住宅着工 利用関係別、2011-2024年)
20112012201320142015201620172018201920202021202220232024
持家305,626311,589354,772285,270283,366292,287284,283283,235288,738261,088285,575253,287224,352218,175
貸家285,832318,521356,263362,191378,718418,543419,397396,404342,289306,753321,376345,080343,894342,092
分譲234,571246,810263,931237,428241,201250,532255,191255,263267,696240,268243,944255,487246,299225,315
給与8,0885,8775,0597,3726,0145,8755,7707,4686,4007,2315,5895,6755,0786,613
合計(834,117882,797980,025892,261909,299967,237964,641942,370905,123815,340856,484859,529819,623792,195
前年比+5.8%+11.0%-9.0%+1.9%+6.4%-0.3%-2.3%-4.0%-9.9%+5.0%+0.4%-4.6%-3.3%
読み解き

住宅の取得は、家具・インテリアをまとめてそろえる新規購入の最大のきっかけです。新設住宅着工戸数は、2013年の約980,025戸から2024年の約792,195戸へと、長期的に減少傾向にあります。コロナ禍の2020年に約815,340戸まで落ち込んだ後も、2019年の約905,123戸の水準には戻っていません。

利用関係別に見ると、持家(注文住宅など)が2013年の約354,772戸から2024年の約218,175戸へと大きく減り、着工全体の減少を主に牽引しています。貸家(賃貸アパート等)や分譲(分譲マンション・建売)は相対的に底堅く、給与住宅(社宅・寮など)はごく少数です。住宅取得に伴う家具の新規需要は、着工戸数の減少とともに縮小方向にあります。

このグラフに関連するトピック

婚姻件数の推移(1970-2024年、件)

1970年の約102.9万件をピークに長期減少、2024年は約48.5万件(2010年までは5年ごと、2013年以降は各年)
単位:
0375,000750,0001,125,0001,500,0001,029,40570941,62875774,70280735,85085722,13890791,88895798,13800714,26505700,22210635,22515525,50720485,09224
出典: 厚生労働省 人口動態統計(婚姻件数、1970-2024年)
197019751980198519901995200020052010201320142015201620172018201920202021202220232024
婚姻件数1,029,405941,628774,702735,850722,138791,888798,138714,265700,222660,622643,783635,225620,707606,952586,481599,007525,507501,138504,930474,741485,092
読み解き

結婚は、新生活に向けて家具・インテリアをそろえる重要なきっかけです。婚姻件数は、1970年の約1,029,405件をピークに長期的に減少し、2024年は約485,092件と、ピーク時の半分以下になりました。コロナ禍の2020年には約525,507件まで落ち込み、2019年の約599,007件から大きく減少しています。

婚姻件数の減少は、新婚世帯の新生活に伴う家具の新規需要が長期的に細っていることを意味します。少子化と未婚化を背景に婚姻件数の大きな回復は見込みにくく、新規需要の土台は縮小が続くとみられます。なお、グラフは2010年までが5年ごと、2013年以降が各年の値です。

1世帯あたり家具・家事用品の年間支出の推移(2000-2024年、円)

二人以上の世帯。2024年は約153,459円で、横ばいから緩やかな増加
単位:
050,000100,000150,000200,000139,14800125,10405126,89510128,72915152,49720153,45924
出典: 総務省 家計調査(二人以上の世帯、家具・家事用品の年間支出、2000-2024年)
2000200120022003200420052006200720082009201020112012201320142015201620172018201920202021202220232024
1世帯あたり年間支出139,148141,453132,398129,177124,814125,104121,201120,865124,285124,173126,895124,775125,361127,189131,744128,729127,355129,948133,127140,598152,497145,207148,679148,502153,459
読み解き

買い替え需要の水準は、1世帯あたりの支出から読み取れます。二人以上の世帯の家具・家事用品への年間支出は、2000年の約139,148円から、2024年は約153,459円へと、横ばいから緩やかな増加で推移しています。とくにコロナ禍の2020年は、在宅時間の増加に伴う巣ごもり需要で約152,497円まで増えました。

住宅着工や婚姻という新規需要の土台が縮むなかでも、家具・インテリアの市場規模が横ばいを保ってきた背景には、こうした1世帯あたりの支出が大きく落ち込んでいないことがあります。買い替えや、付加価値の高い商品への支出が、新規需要の縮小を補ってきたと考えられます。なお、この支出は二人以上の世帯の単一の定義による系列で、過去の別定義(農林漁家を除く旧系列)とは接続していません。

主要論点

家具・インテリアの需要は何で決まるのか?

家具・インテリアの需要は、大きく新規購入と買い替えで決まります。新規購入は、住宅の取得や結婚・就職などの新生活に伴って家具を一度にそろえる需要で、その土台が新設住宅着工(2024年約79.2万戸)や婚姻件数(同約48.5万件)です。買い替えは、すでに家具を持つ世帯の更新需要で、1世帯あたりの家具・家事用品支出(同約153,459円)に表れます。

このうち新規購入の土台は、長期的に縮小しています。新設住宅着工はピーク時から減り、婚姻件数は1970年代の半分以下です。人口減少と少子化・未婚化を背景に、新築や新生活に伴う家具の新規需要は細る方向にあります。

一方で、買い替え需要を示す1世帯あたりの支出は横ばい〜微増を保っています。家具・インテリアの市場規模が横ばいで推移してきたのは、新規需要の縮小を、買い替えや付加価値の高い商品への支出がある程度補ってきたためと考えられます。

新規需要の土台が縮むなか、市場はなぜ横ばいを保てたのか?

新設住宅着工も婚姻件数も長期的に減っているにもかかわらず、家具・インテリアの市場規模が1兆円台前半で横ばいを保ってきた背景には、いくつかの要因があります。

第1に、1世帯あたりの支出が落ち込んでいないことです。家具・家事用品への年間支出は2024年で約153,459円と、2000年代と比べてむしろ高い水準にあり、コロナ禍の巣ごもり需要では約152,497円まで増えました。第2に、世帯数が単身世帯の増加などにより、当面は人口減少ほどには減っていないことです。新規の住宅取得が減っても、買い替えや単身世帯向けの需要が一定の規模を支えています。

ただし、これは需要が拡大しているという意味ではありません。新規需要の土台が縮むなかで、買い替えと支出単価が「下支え」しているのが実態であり、長期的には需要の縮小圧力が強まる構図に変わりはありません。

今後の家具・インテリア需要をどう読むか?

今後の需要は、新規需要の土台の縮小を前提に読む必要があります。人口減少と少子化・未婚化で、新設住宅着工と婚姻件数は中長期的に減少が続く見通しで、新築・新生活に伴う家具の新規購入の機会は細っていきます。

そのなかで市場規模を支える鍵は、買い替え需要の喚起と、付加価値の高い商品による支出単価の維持・向上です。模様替えやリフォームに合わせた買い替え提案、単身・高齢世帯向けの商品、サブスクリプションやリユース(中古)といった新しい需要の取り込みが論点になります。

また、国内需要の縮小を見越して、海外市場に成長を求める動きも続くとみられます。需要の土台が縮む国内で、限られた需要をどう取り込み、新しい需要をどう生み出すかが、家具・インテリア各社の中長期の課題となります。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、住宅着工や新生活需要の短期的な増減に連動して、家具の新規需要が動きます。建築費の高騰や金利の動向が住宅取得に影響し、家具の新規需要を左右します。買い替え需要は1世帯あたりの支出水準が保たれるかが焦点で、値上げと商品力のバランスが各社の売上を分けます。

中期3-5年

中期では、新設住宅着工と婚姻件数の減少傾向が続き、新規需要の土台が縮小します。市場規模を支えるのは買い替えと付加価値で、模様替え・リフォーム提案、単身・高齢世帯向けの商品、ネット通販やオムニチャネルによる需要の取り込みが競争の軸となります。

長期

長期では、人口減少と世帯数の動向が需要の土台を決めます。世帯数も減少局面に入るとみられ、新規・買い替えともに数量の縮小圧力が強まります。海外展開、リユースを含む二次流通、付加価値(単価)の向上が、国内需要の縮小をどう補うかの論点になります。

よくある質問

家具・インテリアの需要は何に左右されますか?
新規購入(住宅の取得や結婚などの新生活に伴う購入)と買い替えに左右されます。新規購入の土台は新設住宅着工(2024年約79.2万戸)や婚姻件数(同約48.5万件)、買い替えの水準は1世帯あたりの家具・家事用品支出(同約153,459円)に表れます。
住宅着工はどのくらい減っていますか?
新設住宅着工戸数は、2013年の約980,025戸から2024年の約792,195戸へと長期的に減少しています。とくに持家(注文住宅など)が2013年の約354,772戸から2024年の約218,175戸へ大きく減り、住宅取得に伴う家具の新規需要は縮小方向にあります。
婚姻件数の減少は家具需要にどう影響しますか?
婚姻件数は1970年の約1,029,405件をピークに、2024年は約485,092件とピーク時の半分以下です。結婚は新生活に向けて家具をそろえる重要なきっかけのため、婚姻件数の減少は新婚世帯の家具の新規需要が長期的に細っていることを意味します。
家具・家事用品への支出は増えていますか?
二人以上の世帯の家具・家事用品への年間支出は、2000年の約139,148円から2024年の約153,459円へと、横ばいから緩やかな増加で推移しています。コロナ禍の2020年は巣ごもり需要で約152,497円まで増えました。新規需要が縮むなかで、買い替え需要が市場を下支えしています。
これらのデータの出典は何ですか?
新設住宅着工は国土交通省「建築着工統計」(2011-2024年)、婚姻件数は厚生労働省「人口動態統計」(1970-2024年)、家具・家事用品支出は総務省「家計調査」(二人以上の世帯、2000-2024年)が出典です。いずれも家具需要の土台となる指標で、家具・インテリアの市場規模とは別の統計です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    国土交通省「建築着工統計調査」
  2. 2.
    厚生労働省「人口動態統計」
  3. 3.
    総務省「家計調査」(二人以上の世帯)
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