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ペットフード市場|出荷額・犬用猫用・国産輸入の動向【2026年版】

日本のペットフードの出荷額は、令和6年度(2024年度)に4,594億円となり、前年度比+5.6%で9年連続の増加となりました。一方で出荷量は56.8万トンで3年連続の減少です。値上げや、プレミアムフード・療法食など付加価値の高い商品への移行が、量が伸びないなかでも金額を押し上げています。用途別では猫用の出荷額(2,605億円)が犬用(1,863億円)を上回り、産地別では出荷量は国内生産品が、出荷額は輸入品が多くなっています。本ページでは、ペットフード市場を用途別の出荷額構成、出荷額と出荷量の対比、国産・輸入の違いから整理します(金額は出荷ベースで、小売ベースの市場規模とは集計が異なります)。

出荷総額(令和6年度)
4,594億円
前年度比+5.6%、9年連続の増加(出荷ベース)
出典: ペットフード協会「令和6年度ペットフード産業実態調査」(農林水産省 流通飼料ページ掲載)
前年度比(出荷額)
+5.6%
値上げ・高付加価値化で金額が増加(量は減少)
出典: ペットフード協会「令和6年度ペットフード産業実態調査」
猫用 出荷額(令和6年度)
2,605億円
犬用(1,863億円)を上回る。前年度比+7.1%
出典: ペットフード協会「令和6年度ペットフード産業実態調査」
出荷量(令和6年度)
56.8万トン
前年度比-1.0%、3年連続の減少
出典: ペットフード協会「令和6年度ペットフード産業実態調査」

ペットフードの用途別 出荷額の構成(令和6年度、億円)

犬用・猫用・その他用の出荷額(出荷ベース)。猫用が犬用を上回る
項目出荷額(億円)構成比前年比シェア
猫用2,60556.7%+7.1%
犬用1,86340.6%+4.0%
その他用1262.7%+0.5%
出荷総額4,594100.0%
読み解き

令和6年度のペットフード出荷総額4,594億円の内訳は、猫用が2,605億円(構成比56.7%)で最も大きく、次いで犬用が1,863億円(同40.6%)、その他用(鑑賞魚・鳥など)が126億円です。猫用が犬用を上回っており、飼育頭数で猫が犬を上回っていることと整合します。

前年度比では犬用が+4.0%、猫用が+7.1%と、いずれも増加しました。犬猫の飼育頭数が頭打ちとなるなかでも、単価の高い商品への移行が出荷額を押し上げています。飼育頭数そのものの動向は、犬猫の飼育頭数のページで扱います。

用途別の出荷額と出荷量の対比(令和6年度)

出荷額は増え、出荷量は伸び悩む。単価の上昇が金額を支える構図
犬用
出荷額(億円)
1,863
前年度比(額)
+4.0%
出荷量(万トン)
23.0
前年度比(量)
-2.3%
猫用
出荷額(億円)
2,605
前年度比(額)
+7.1%
出荷量(万トン)
31.7
前年度比(量)
+0.3%
その他用
出荷額(億円)
126
前年度比(額)
+0.5%
出荷量(万トン)
2.1
前年度比(量)
-4.1%
合計
出荷額(億円)
4,594
前年度比(額)
+5.6%
出荷量(万トン)
56.8
前年度比(量)
-1.0%
読み解き

出荷額と出荷量を並べると、金額は増えるが数量は伸び悩むという構図がはっきりします。出荷総額は前年度比+5.6%で増えた一方、出荷量は-1.0%と減少しました。犬用は出荷量が-2.3%と減るなかで出荷額は+4.0%増え、猫用は出荷量がほぼ横ばい(+0.3%)で出荷額が+7.1%増えました。

数量が伸びにくいのは、犬猫の飼育頭数が頭打ちとなっていることが背景です。それでも金額が増えるのは、値上げと、プレミアムフードや療法食といった単価の高い商品への移行が進んでいるためで、ペットフード市場は「量から質へ」と重心を移しています。

主要論点

出荷額が増えて出荷量が減っているのはなぜか?

令和6年度のペットフード出荷額は前年度比+5.6%で9年連続の増加となった一方、出荷量は-1.0%で3年連続の減少でした。金額が増えて数量が減るのは、1点あたりの単価が上がっているためです。

背景には2つの要因があります。1つは原材料価格やエネルギー費の上昇を受けた値上げで、もう1つはプレミアムフードや療法食など、単価の高い商品への移行です。ペットを家族の一員として大切にする意識が広がり、健康や年齢に配慮した高付加価値な商品が選ばれるようになっています。

数量が伸びにくいのは、犬猫の飼育頭数が頭打ちとなっていることが主な要因です。今後も、頭数(量)が大きく増えにくいなかで、単価の上昇がどこまで金額を押し上げられるかが市場の焦点となります。一方で、物価高による節約志向から安価な商品へ需要が一部流れる動きもあり、高付加価値化と低価格化の両方が進む可能性があります。

犬用と猫用、国産と輸入で何が違うのか?

用途別では、猫用の出荷額(2,605億円)が犬用(1,863億円)を上回っています。出荷量でも猫用が犬用を上回っており、これは犬の飼育頭数が減る一方で猫が底堅いという飼育頭数の動向と整合します。製品タイプでは、犬用はドライフードが中心であるのに対し、猫用はドライとウェットが拮抗しており、猫の嗜好に合わせたウェットフードの存在感が大きいのが特徴です。

産地別では、出荷量は国内生産品が約56.2%を占めますが、出荷額では輸入品が約53.2%と過半を占めます。これは、輸入品に単価の高いプレミアムフードが多く、量の割に金額が大きいことを示しています。国別では、タイ・アメリカ・オーストラリアの順で輸入量が多くなっています。

犬用・猫用の双方で高付加価値化が進み、輸入プレミアムフードと国産品が競合する構図が続いています。メーカーにとっては、高付加価値な商品の開発と、価格に敏感な層に向けた商品の両面での対応が課題となります。

ペットフード市場の規模は、調査でなぜ数字が違うのか?

ペットフード市場の規模としてよく使われる数字には、いくつかの集計基準があり、それぞれ金額が異なります。本ページで主に扱うのは、ペットフード協会(農林水産省掲載)の出荷ベースの出荷額で、令和6年度は4,594億円です。これはメーカーの出荷段階で集計した金額です。

一方、富士経済は小売ベースの国内ペットフード市場を2023年で4,754億円と推計しています。小売ベースは消費者が購入する段階の金額で、流通マージンを含むため、出荷ベースとは集計の範囲が異なります。また、矢野経済研究所のペット関連総市場のなかのフード枠も、別の集計基準による数字です。

これらは集計の段階や範囲が違う別々の推計であり、どれかが正しくどれかが誤っているということではありません。市場規模を引用するときは、どの調査の、いつの、どの段階の数字かを確認することが大切です。本ページでは出荷ベースの数字を主軸とし、小売ベースの数字を同じ系列に合算したり単純に比較したりはしていません。

中期見通し

近未来1-2年

当面は、出荷額の増加と出荷量の伸び悩みが併存するとみられます。値上げの一巡後も、プレミアムフードや療法食など単価の高い商品への移行が続けば、金額は底堅く推移する見通しです。一方、物価高による節約志向から、価格に敏感な層では安価な商品への需要も残ります。

中期3-5年

中期では、犬猫の飼育頭数が頭打ちとなるなかで、1点あたりの単価をどこまで高められるかが市場の焦点です。健康志向や年齢に応じた商品、療法食などの高付加価値領域が市場をけん引する見通しで、猫用の存在感はさらに高まる可能性があります。

長期

長期では、飼育頭数(量)の伸び悩みを単価の上昇でどこまで補えるかが市場規模を左右します。輸入プレミアムフードと国産品の競合、高付加価値化と低価格化の二極化が続くとみられます。市場規模の数字を読む際は、出荷ベース・小売ベースなど集計基準の違いを踏まえることが前提となります。

よくある質問

ペットフード市場の規模はどのくらいですか?
ペットフード協会(農林水産省掲載)の調査によると、令和6年度(2024年度)のペットフード出荷額は4,594億円で、前年度比+5.6%と9年連続で増加しました。これは出荷ベースの金額です。一方で出荷量は56.8万トンで3年連続の減少となっており、値上げや高付加価値化が金額を支えています。
ドッグフードとキャットフード、どちらの市場が大きいですか?
令和6年度の出荷額は、猫用が2,605億円、犬用が1,863億円で、猫用が犬用を上回っています。出荷量でも猫用が犬用を上回っており、犬の飼育頭数が減る一方で猫が底堅いという飼育頭数の動向と整合します。製品タイプでは、犬用はドライ中心、猫用はドライとウェットが拮抗しています。
ペットフードの出荷量は増えていますか、減っていますか?
令和6年度の出荷量は56.8万トンで、前年度比-1.0%と3年連続で減少しました。一方で出荷額は9年連続で増加しています。数量が減るなかで金額が増えているのは、値上げと、プレミアムフードや療法食など単価の高い商品への移行が進んでいるためです。
ペットフードの国産と輸入の比率はどのくらいですか?
令和6年度の出荷量では、国内生産品が約56.2%、輸入品が約43.8%です。一方、出荷額では輸入品が約53.2%と過半を占めます。これは輸入品に単価の高いプレミアムフードが多いためです。国別の輸入量はタイ・アメリカ・オーストラリアの順となっています。
出荷ベースと小売ベースの市場規模は何が違うのですか?
出荷ベースはメーカーの出荷段階で集計した金額で、ペットフード協会(農林水産省掲載)の令和6年度の出荷額は4,594億円です。小売ベースは消費者が購入する段階の金額で流通マージンを含み、富士経済は国内ペットフード市場を2023年で4,754億円と推計しています。集計の段階や範囲が異なる別々の推計のため、単純に比較したり合算したりはできません。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    ペットフード協会「令和6年度ペットフード産業実態調査の結果」(農林水産省 流通飼料ページ掲載)
  2. 2.
    富士経済「ペット関連市場」(国内ペットフード市場、小売ベース)
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