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ペット業界の主要企業|メーカー・卸・保険・ECの上場4社と非上場の事業者構造【2026年版】

日本のペット業界のプレイヤーは、フードや用品をつくるメーカー、それを小売店へ届ける卸、ペット保険、ネット通販(EC)、生体(生きた犬や猫)の販売、動物病院といった、バリューチェーンの異なる位置に分かれて活動しています。上場している中核は、ユニ・チャーム(ペットケア事業)、エコートレーディング(卸)、アニコム ホールディングス(保険)、ペットゴー(EC)の4社ですが、それぞれ売上の種類が違うため、規模を単純に比べることはできません。生体販売や動物病院は、非上場の事業者が中心です。本ページでは、各レイヤーの主要なプレイヤーと、上場・非上場を含む事業者の構造を整理します。

ペット業界の上場4社と事業の位置づけ

メーカー・卸・保険・ECの順(川上から川下というバリューチェーンの位置)に並べたもの。売上の種類が異なるため、規模は直接比較できない

ペット業界の上場4社は、バリューチェーンの異なる位置で事業を営んでおり、売上の種類が異なります。下の表は、フードや用品をつくるメーカー(ユニ・チャーム)、それを小売店へ届ける卸(エコートレーディング)、ペット保険(アニコム ホールディングス)、ネット通販(ペットゴー)の順に、川上から川下へと並べたもので、売上規模の大きい順ではありません。

メーカーの製品のセグメント売上、卸の販売額、保険の経常収益、ECの小売額は、それぞれ集計の範囲が異なります。たとえば卸の売上は仕入れた商品の販売額で、メーカーの製品売上とは性質が違います。そのため、表の数字の大小をそのまま規模の順位として読むことはできません。各社がどの位置で、どのような事業を手がけているかという観点で見る必要があります。なお、ユニ・チャームの1,561億円はペットケア事業のセグメント売上(海外を含む連結)で、会社全体の連結売上(9,453億円)や、国内のペットフード市場の規模とは別の数字です。

集計の範囲(売上の種類)
ペットケア事業のセグメント(2025年12月期、海外を含む。全社連結は9,453億円)
売上規模
1,561
主な事業領域
犬猫用フード・猫砂・ペットシーツ
集計の範囲(売上の種類)
全社連結=フード・用品の卸売(2025年2月期)
売上規模
1,064
主な事業領域
ペットフード・ペット用品の卸売
集計の範囲(売上の種類)
全社連結=保険の経常収益(2025年3月期)
売上規模
677
主な事業領域
ペット保険(どうぶつ健保)
集計の範囲(売上の種類)
全社連結=ペットECの小売(2025年3月期)
売上規模
90
主な事業領域
犬猫の医薬品・サプリ・療法食のEC

ユニ・チャーム — フード・用品のメーカー

犬や猫向けのフードやペット用品をつくるメーカーで、ペット事業を「ペットケア」というセグメントとして開示しています。2025年12月期のペットケア事業の売上は1,561億円で、フードに加えて、猫砂やペットシーツなどの用品(トイレタリー)を手がけています。この1,561億円は北米やアジアなど国外の事業も含む、海外を含む連結のセグメント売上です。

会社全体の連結売上は9,453億円ですが、その大半はベビー用紙おむつや生理用品などのパーソナルケア事業で、ペット以外が中心です。そのため、ペット業界のプレイヤーとして見るときは、会社全体ではなくペットケア事業のセグメントで捉える必要があります。ペットケア事業の収益性は比較的高く、2025年12月期のコア営業利益は241億円(売上に対する利益率15.4%)でした。

エコートレーディング — フード・用品の卸

ペットフードやペット用品を、メーカーから仕入れてペットショップやホームセンターなどの小売店へ届けるです。会社全体がほぼペット関連の卸売事業で、2025年2月期の売上は1,064億円と、上場4社のなかでは大きい部類です。ただし、卸の売上は仕入れた商品の販売額で、メーカーの製品売上とは性質が異なります。

卸は、多くの商品を扱って販売額が大きくなる一方、1件あたりの利幅は薄いのが特徴です。エコートレーディングの2025年2月期の純利益は約10億円で、売上1,064億円に対して利幅は小さく、薄い利幅で大量の商品を流通させる事業の形です(自己資本利益率は9.1%)。メーカーと小売をつなぐ中間の位置で、フード・用品の流通を支える役割を担っています。

アニコム ホールディングス — ペット保険

犬や猫向けのペット保険「どうぶつ健保」を手がける保険会社です。会社全体がほぼペット保険事業で、2025年3月期の経常収益(保険料収入など、売上にあたるもの)は677億円でした。犬猫向けのペット保険では、国内シェアの首位を15年連続で保っています。

保険は、加入者から継続的に保険料を受け取るストック型の収益が特徴です。契約を積み上げるほど収入が安定して伸びる構造で、アニコム ホールディングスも保有する契約を着実に増やしてきました。ペットの家族化と高齢化を背景に、医療費への備えの意識が高まっており、ペット保険の普及が同社の成長を支えています(2025年3月期の自己資本利益率は11.2%)。

ペットゴー — EC(ネット通販)

犬や猫の医薬品やサプリメント、療法食などを、ネット通販(EC)で販売するEC専業の上場企業です。会社全体がほぼペット関連のECで、2025年3月期の売上は90億円でした。動物病院で処方されるような療法食や、ペットのヘルスケア商品をオンラインで扱う点に特徴があります。

売上は2024年3月期の99億円から2025年3月期に90億円へと微減しましたが、利益は確保しています(2025年3月期の自己資本利益率は10.9%)。ペット用品の購入がネット通販へ広がるなかで、専門性の高い商品をそろえることで存在感を保っています。

生体販売・動物病院 — 非上場の事業者と動物愛護管理法

生きた犬や猫を販売する生体販売や、ペット用品を扱う小売チェーンは、非上場の事業者が中心です。Coo&RIKU(クーアンドリク)やペッツファースト、イオングループのイオンペットなどのチェーンがありますが、いずれも上場していないか大手企業の一事業で、ペット事業の業績を単独で取り出すことはできません。同様に、全国に数多くある動物病院も、その多くが個人経営で、上場している事業者は限られます。

生体販売やペットホテル、トリミング、しつけ教室などのサービスは、動物愛護管理法に基づく第一種動物取扱業の登録が必要です。2021年からは、飼育施設の管理方法や従業員1人あたりの飼育頭数、ケージの大きさなどについての基準が段階的に設けられ、2022年6月からは、犬や猫を販売する事業者にマイクロチップの装着と登録が義務づけられました。これらの規制は、適正な飼育環境を確保し、安易な販売を抑えることを目的としています。

この分野では、新しいプレイヤーの上場も見られます。犬や猫向けのフードを定期購入の形で販売する犬猫生活が、2026年4月に新規上場しました。生体販売や小売、サービスの事業者構造は、上場の大手メーカー・保険・ECとは異なり、非上場の中小事業者と制度の枠組みのなかで形づくられています。

主要論点

売上の大きい会社が、ペット業界で一番大きいプレイヤーなのか?

ペット業界の上場4社を売上で見ると、ユニ・チャームのペットケア事業が1,561億円、エコートレーディングが1,064億円、アニコム ホールディングスが677億円、ペットゴーが90億円です。ただし、この数字をそのまま順位として読むことはできません。4社は事業の種類が異なり、売上の意味が違うためです。

メーカーのユニ・チャームの数字は製品のセグメント売上、卸のエコートレーディングは仕入れた商品の販売額、保険のアニコム ホールディングスは保険料などの経常収益、ECのペットゴーは通販の小売額です。たとえば卸は、多くの商品を流通させるため売上が大きく出やすい一方、利幅は薄くなります。それぞれが川上(メーカー)から川下(小売・EC)まで、バリューチェーンの異なる位置にいるため、売上の大小は事業の規模や優劣を直接表すものではありません。

プレイヤーを比べるときは、まずどの位置(メーカー・卸・保険・EC・小売)で、どのような事業をしているかを確認することが大切です。同じ位置にいる企業どうしであれば規模を比べられますが、異なる位置の企業を売上だけで並べても、業界の実態はつかめません。

各プレイヤーは、どの領域で活動しているのか?

ペット業界のプレイヤーは、バリューチェーンの位置ごとに分かれて活動しています。フード・用品では、ユニ・チャームなどのメーカーが製品をつくり、エコートレーディングなどの卸がそれを小売店へ届けます。ペット保険ではアニコム ホールディングスが犬猫向けで国内シェアの首位を保ち、ECではペットゴーのような専業がネット通販を手がけています。

生体販売は、Coo&RIKUやペッツファースト、イオンペットなどの非上場のペットショップのチェーンが中心です。動物病院も、その多くが個人経営で、非上場の事業者が担っています。トリミングやペットホテル、しつけ、ペットの葬儀といったサービスも、地域に根ざした中小の事業者が多く活動しています。

このように、ペット業界は1社が全体を担うのではなく、領域ごとに主要なプレイヤーが分かれているのが特徴です。アニコム ホールディングスがペット保険で高いシェアを持つように、特定の領域で存在感の大きい企業はありますが、業界全体を見ると、メーカー・卸・保険・EC・生体販売・動物病院など、それぞれの領域で多くの事業者が活動しています。

上場と非上場、ペット業界の事業者構造はどうなっているのか?

ペット業界では、上場している大手と、非上場の中小事業者が併存しています。フードのユニ・チャーム、卸のエコートレーディング、保険のアニコム ホールディングス、ECのペットゴーなどが上場している一方、生体販売のペットショップや、全国に数多くある動物病院は、その多くが非上場の個人経営や中小企業です。

非上場の事業者が多い背景には、生体販売やサービスが地域に密着した事業であることがあります。生体販売やペットホテル、トリミングなどは、動物愛護管理法に基づく第一種動物取扱業の登録のもとで営まれ、2021年からの飼育施設の基準や、2022年6月からのマイクロチップの装着・登録の義務化など、規制への対応も求められています。これらは、適正な飼育環境を確保し、安易な販売を抑える目的で整えられてきました。

業界の事業者構造は、少しずつ変化しています。ペット用品の流通がネット通販へ広がり、メーカーが自社サイトで直接販売する動きも増えています。犬猫向けのフードを手がける犬猫生活が2026年4月に新規上場するなど、新しいプレイヤーの参入や上場も見られます。上場の大手による事業の広がりと、非上場の中小事業者の地域での活動が重なり合いながら、ペット業界の事業者構造は形づくられています。

中期見通し

近未来1-2年

各レイヤーのプレイヤーは、1頭あたりの支出の手厚さを取り込む動きを続けます。メーカーは高付加価値なフードや用品、保険は契約の拡大、ECは品ぞろえの充実で成長を図ります。流通では、実店舗とネット通販を組み合わせた販売や、メーカーによる直接販売の動きが当面の論点となります。

中期3-5年

中期では、サービス産業化と流通の再編が進む見通しです。高齢のペット向けの医療・保険・ケアなどのサービスを担う事業者の存在感が高まり、ペット保険の普及も続くと見込まれます。流通では、EC化の進展と、メーカー・卸・小売の役割の見直しが、プレイヤーの競争に影響します。

長期5-10年

長期では、犬猫の飼育頭数の頭打ちと高齢化が、プレイヤーの構造を変えていきます。量の拡大が難しいなかで、各社は高付加価値化や海外展開、サービスの拡充で成長を探ります。非上場の中小事業者が多い生体販売・動物病院の分野でも、規制への対応や事業の承継を背景に、再編や新規参入が緩やかに進む可能性があります。

よくある質問

ペット業界の主要な企業にはどんな会社がありますか?
上場している中核は、フード・用品のユニ・チャーム(ペットケア事業)、フード・用品の卸のエコートレーディング、ペット保険のアニコム ホールディングス、ECのペットゴーの4社です。このほか、生体販売のペットショップのチェーンや、全国の動物病院など、非上場の事業者も多く活動しています。
ペット業界で一番売上が大きいのはどこですか?
売上の数字だけを見ると、ユニ・チャームのペットケア事業(2025年12月期1,561億円、海外を含む連結のセグメント)が大きいですが、4社はメーカー・卸・保険・ECと事業の種類が異なり、売上の意味が違うため、単純に順位をつけることはできません。卸のエコートレーディングの売上1,064億円は仕入れた商品の販売額で、メーカーの製品売上とは性質が異なります。
なぜユニ・チャームを会社全体で比べないのですか?
ユニ・チャームの会社全体の連結売上は9,453億円(2025年12月期)ですが、その大半はベビー用紙おむつや生理用品などのパーソナルケア事業で、ペット以外が中心だからです。ペット業界のプレイヤーとして見るときは、ペット事業にあたるペットケアのセグメント(1,561億円)で捉える必要があります。
ペット保険で大きい会社はどこですか?
犬や猫向けのペット保険では、アニコム ホールディングスが国内シェアの首位を15年連続で保っています。2025年3月期の経常収益は677億円です。ペット保険は加入者から継続的に保険料を受け取るストック型の事業で、契約の拡大が成長を支えています。
生体販売や動物病院は、上場していますか?
生体販売のペットショップのチェーン(Coo&RIKU、ペッツファーストなど)や、全国に数多くある動物病院の多くは、非上場の事業者です。イオンペットのように大手企業の一事業として営まれているものもあります。これらは動物愛護管理法に基づく第一種動物取扱業の登録のもとで事業を行っています。なお、犬や猫向けのフードを手がける犬猫生活が2026年4月に新規上場するなど、新しいプレイヤーの上場も見られます。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    EDINET(金融庁)上場各社 有価証券報告書・決算短信
  2. 2.
    ユニ・チャーム(8113)「2025年12月期 決算説明資料」
  3. 3.
    環境省「動物の愛護及び管理に関する法律」関連制度
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