ペット業界の市場規模・主要企業・動向
日本のペット業界は、犬猫の飼育頭数が頭打ちとなる一方、1頭あたりの支出が増え、ペット関連市場は約1.9兆円規模へ微増を続けています。
ペット業界とは、犬や猫などのペットに関わるフードや用品、生体(生きた犬や猫)の販売と、動物病院やペット保険といったサービスを提供する産業です。犬猫の飼育頭数は2025年に犬682万頭・猫884万頭で頭打ちとなる一方、ペットを家族の一員として大切にする意識が高まり、1頭あたりにかける支出が増えています。その結果、高付加価値なフードや、医療・保険などのサービスへの支出が広がり、ペット関連市場は2024年度に1兆9,108億円規模へ微増を続けています。本ページでは、日本のペット業界を、市場規模と構成、飼育頭数、ペットフード、サービス産業化(医療・保険)、主要プレイヤーの5軸で整理します。
業界サマリ
業界概要
ペット業界とは、犬や猫などのペットに関わるフード・用品・生体販売と、動物病院やペット保険などのサービスからなる産業です。犬猫の飼育頭数が頭打ちとなる一方、1頭あたりの支出が増えることで、市場全体は規模を保ちながら高付加価値な商品やサービスへ重心を移しています。
- 飼育頭数が頭打ちでも、ペット市場は規模を保っています。犬猫の飼育頭数は伸び悩む一方、1頭あたりの支出が増え、ペット関連市場は2024年度に1兆9,108億円規模を維持しています。
- 支出はフード・用品からサービスへ広がっています。動物病院やペット保険、トリミングなどのサービスへの支出が増え、ペットにかける費用が手厚くなっています。
- 上場大手と非上場の事業者が併存しています。ユニ・チャームなどの上場メーカーがある一方、生体販売や動物病院は非上場の事業者が中心です。
市場動向
ペット市場は、飼育頭数が頭打ちとなるなかで金額が微増する局面にあります。ペット関連市場は2024年度に1兆9,108億円、ペットフードの出荷額は4,594億円で、いずれも前年を上回りました。一方で飼育頭数や出荷量は伸び悩んでおり、単価の上昇が金額を支えています。
- ペット関連市場は2024年度に1兆9,108億円(前年度比+2.6%)で、微増が続いています。2025年度も1兆9,257億円への小幅な増加が見込まれています。
- ペットフードの出荷額は4,594億円で9年連続の増加です。出荷量は減少が続いており、値上げと高付加価値な商品への移行が金額を押し上げています。
- ペット保険の加入率は約20%、ネット通販などEC経由の購入が拡大しています。ペット関連商品のEC市場は2023年に2,727億円規模で、今後も拡大が見込まれています。
競争環境
日本のペット業界では、フード・用品メーカー、ペット保険会社、EC事業者、卸、生体販売、動物病院など多様なプレイヤーが活動しています。1頭あたりの支出の手厚さを背景とした高付加価値化と、高齢のペット向けの医療・保険などサービスへの対応、流通のEC化が主要な競争の論点となっています。
- フード・用品ではユニ・チャームなどのメーカーが主要なプレイヤーです。ユニ・チャームのペットケア事業は2025年に1,561億円で、国内外で犬猫向けのフードやトイレタリーを手がけています。
- ペット保険はアニコム損保が国内シェアの首位を15年連続で保っています。EC専業のペットゴーなども上場し、ペットの医薬品やサプリメントをネットで販売しています。
- 生体販売チェーンや多くの動物病院は非上場です。動物病院は獣医師1人の個人経営が多く、地域に分散した構造となっています。
市場規模推移
2020-2027 · ペット関連総市場 / 犬・猫の飼育頭数ペット関連総市場規模の推移と予測(億円・年度/2024年度は見込、2025年度以降は予測)
| 年度 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 | 2026 | 2027 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ペット関連総市場(億円) | 16,842 | 17,188 | 17,825 | 18,629 | 19,108 | 19,257 | 19,749 | 20,279 |
| 前年比 | — | +2.1% | +3.7% | +4.5% | +2.6% | +0.8% | +2.6% | +2.7% |
犬・猫の飼育頭数の推移(万頭)
| 年 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 犬(万頭) | 800.80 | 768.20 | 761.60 | 757.90 | 734.10 | 710.60 | 705.30 | 684.40 | 679.60 | 682 |
| 猫(万頭) | 833.30 | 867.20 | 884.90 | 876.40 | 862.80 | 894.60 | 883.70 | 906.90 | 915.50 | 884.70 |
| 合計(万頭) | 1634.10 | 1635.40 | 1646.50 | 1634.30 | 1596.90 | 1605.20 | 1,589 | 1591.30 | 1595.10 | 1566.70 |
| 前年比 | — | +0.1% | +0.7% | -0.7% | -2.3% | +0.5% | -1.0% | +0.1% | +0.2% | -1.8% |
ペット関連の総市場は、2020年度の1兆6,842億円から年率2〜4%で拡大し、2024年度は1兆9,108億円(前年度比+2.6%)となる見込みです。市場はフード・用品・生体・サービスで構成され、犬猫の飼育頭数が頭打ちとなるなかでも、1頭あたりにかける支出が増えることで拡大を続けてきました。2025年度以降も緩やかな増加が予測され、2027年度には2兆279億円に達する見通しです(2024年度は見込値、2025年度以降は予測値)。
支出の中身は、フードや用品にとどまらず、動物病院・ペット保険・トリミングなどのサービスへ広がっています。ペットにかける費用が手厚くなるなかで、高付加価値な商品やサービスが市場の拡大を支える構図となっています。
犬の飼育頭数は2019年の758万頭から2025年に682万頭まで減少する一方、猫は900万頭台まで増えた後に2025年は884万頭となり、猫が犬を上回る状態が続いています。少子高齢化や単身世帯の増加を背景に、新たに飼い始める世帯は大きく増えにくい状況です。
ペットフードでは、出荷額が9年連続で増加して2024年度に4,594億円となった一方、出荷量は減少が続いています。値上げに加えて、プレミアムフードや動物病院で扱う療法食など、単価の高い商品への移行が金額を押し上げています。猫用の出荷額が犬用を上回っている点も近年の特徴です。
ペットの寿命が延びて高齢のペットが増えるなかで、医療や保険などのサービスへの支出が高まっています。全国の小動物向けの動物病院は2025年に13,046施設あり、ペット保険の加入率は約20%で保有契約は拡大を続けています。高齢期の医療費に備える手段として、保険への関心も高まっています。
買い方の面では、ネット通販の利用が広がっています。ペット関連商品のEC市場は2023年に2,727億円規模で、品ぞろえや配送の利便性から拡大が続いています。実店舗ではホームセンターやドラッグストアが主要なチャネルとなっています。
主要トピック
業界構造
主要プレイヤー / サプライヤー / 流通 / 需要ペット業界は、犬や猫などのペットに関わるフード・用品、生体販売、サービス、流通の分野から成り立っています。フードや用品をつくるメーカー、生き物を販売する生体販売、動物病院やペット保険などのサービス、そしてホームセンターやネット通販などの流通が、それぞれの役割を担っています。
ペットを家族の一員として大切にする意識が広がり、1頭あたりにかける支出が増えるなかで、フード・用品にとどまらず、医療や保険といったサービスへ市場の重心が移っています。1社がフードと用品の両方を手がけるなど、複数の分野にまたがる事業者も少なくありません。
フード・用品では、ユニ・チャームなどの上場メーカーが主要なプレイヤーで、ペットケア事業の売上は2025年に1,561億円でした。ペット保険ではアニコム損保が犬猫向けで国内シェアの首位を15年連続で保ち、ペット用品のECではペットゴーが上場しています。
一方で、生体販売チェーンや多くの動物病院は非上場です。全国の小動物向けの動物病院は約13,000施設あり、その多くは獣医師1人の個人経営で、地域に分散しています。上場の大手メーカーと、非上場で地域に根ざした事業者が併存しているのが、この業界の特徴です。
ペットの寿命が延びて高齢のペットが増えるなかで、動物病院やペット保険などのサービスへの支出が高まっています。ペット保険の加入率は約20%で、保有契約は拡大を続けており、高齢期の医療費に備える手段として関心が高まっています。
生体販売をめぐっては、動物愛護管理法による規制が事業環境に影響しています。第一種動物取扱業の登録や、犬猫へのマイクロチップの装着・登録が義務づけられ、適正な飼育環境の確保が求められています。こうした制度への対応も、事業者にとって重要な課題となっています。
業界の3大論点
飼育頭数が頭打ちでも、ペット市場は成長を続けられるか?
犬猫の飼育頭数は伸び悩んでいます。犬は2019年の758万頭から2025年の682万頭まで減少し、猫も2024年の915万頭をピークに2025年は884万頭へ減少しています。少子高齢化や単身世帯の増加、飼育にかかる費用や住環境の制約から、新たに飼い始める世帯は大きく増えにくい状況です。
一方で、1頭あたりにかける支出は増えています。ペットを家族の一員として大切にする意識が広がり、高付加価値なフードや、動物病院・ペット保険などのサービスへの支出が手厚くなっています。ペット関連市場が2024年度に1兆9,108億円へ微増したのは、頭数ではなく単価の上昇が支えています。ペットフードでも、出荷量が減るなかで出荷額は9年連続で増加しました。
今後の成長は、1頭あたりの支出をどこまで高められるかにかかっています。プレミアムフードや療法食、ペット保険、高齢のペット向けのケアなど、単価の高い商品やサービスの広がりが市場を押し上げる見通しです。ただし、物価高による節約志向や、飼育頭数そのものの頭打ちは下押し要因であり、量の減少を単価の上昇でどこまで補えるかが論点となります。
高齢のペットの増加は、医療・保険・ケアをどう変えるか?
ペットの平均寿命は延びており、高齢のペットが増えています。室内飼育の広がりや栄養・医療の向上を背景に、犬や猫の寿命は長くなり、加齢に伴う病気やケアの需要が高まっています。これは医療・保険・介護といったサービスへの支出を押し上げる要因です。
医療面では、動物病院の役割が大きくなっています。全国の小動物向けの動物病院は2025年に13,046施設あり、その多くは獣医師1人の個人経営です。高齢のペットの慢性疾患や手術の需要が増えるなかで、専門的な検査や治療を提供できる体制づくりが課題となっています。
費用面では、ペット保険の役割が高まっています。ペット保険の加入率は約20%で、保有契約は拡大を続けています。医療費の負担が大きくなりやすい高齢期に備える手段として保険への関心が高まる一方、加入率は欧米と比べて低く、普及の余地が残されています。高齢のペット向けの食事や介護用品など、シニア期に対応した商品の広がりも今後の論点です。
ペット業界の流通とプレイヤーは、どう再編されるか?
ペット用品の買い方が変わっています。従来はホームセンターやペットショップの実店舗が中心でしたが、ネット通販の利用が広がっています。ペット関連商品のEC市場は2023年に2,727億円規模で、品ぞろえの豊富さや自宅配送の利便性から、今後も拡大が見込まれています。メーカーが自社サイトで直接販売する動きも増えています。
プレイヤーの構造も多様です。フード・用品ではユニ・チャームなどの上場メーカーが主要なプレイヤーで、ペットケア事業の売上は2025年に1,561億円でした。ペット保険ではアニコム損保が国内シェアの首位を保ち、EC専業のペットゴーなども上場しています。一方で、生体販売チェーンや多くの動物病院は非上場で、個人経営の比率が高い構造です。
生体販売をめぐっては、動物愛護管理法による規制が事業環境に影響しています。第一種動物取扱業の登録やマイクロチップの登録が義務づけられ、適正な飼育環境の確保が求められています。流通のEC化、メーカーの直販、規制への対応、そして大手の参入や新規上場が、今後の業界再編の方向を左右する見通しです。
よくある質問 (FAQ)
日本のペットの飼育頭数は何頭ですか?犬と猫はどちらが多いですか?
ペット関連市場の規模はどのくらいですか?
ペットフード市場は伸びていますか?
ペット保険の加入率はどのくらいですか?
動物病院は全国にどのくらいありますか?
ペット業界の主要な企業はどこですか?
ペット用品やペットフードはどこで買う人が多いですか?
犬や猫の飼育頭数が頭打ちなのに、市場が伸びているのはなぜですか?
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