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STAT DETAIL · VETERINARY CARE

動物病院の数と地域分布|小動物の診療施設13,046件と個人経営中心の供給体制【2026年版】

動物病院(飼育動物診療施設)は、全国に17,200件あり(令和7年)、このうち犬や猫などのペットを診る小動物の診療施設は13,046件です。診療施設の数は東京・神奈川・大阪などの大都市に集中し、経営は獣医師1人による個人経営が中心です。ペットの家族化と高齢化を背景に、高度な医療やトリミング・ペットホテルなどのサービスへの需要が広がっています。本ページでは、動物病院の数、都道府県別の分布、個人経営中心の構造、サービス産業化の動きを整理します。なお、ここでの数値は施設の数(件)で、サービスの市場規模(金額)や獣医師の人数とは別の指標です。

飼育動物診療施設(全国)
17,200
令和7年。うち小動物13,046件・産業動物4,154件(産業動物は畜産向け)
出典: 農林水産省「飼育動物診療施設の開設届出状況」令和7年
小動物の診療施設
13,046
犬や猫などのペットを診る施設(小動物・その他。産業動物=畜産向けは除く)
出典: 農林水産省「飼育動物診療施設の開設届出状況」令和7年
個人経営(獣医師1人)の比率
61.8%
小動物の診療施設のうち就業獣医師が1人の施設(8,067件)。個人経営中心の分散構造
出典: 農林水産省「飼育動物診療施設の開設届出状況」令和7年
都道府県別の最多(小動物)
1,933
東京。大都市に集中し、神奈川1,168件・大阪856件が続く
出典: 農林水産省「飼育動物診療施設の開設届出状況」令和7年

都道府県別の小動物診療施設数(令和7年、件)

小動物・その他の診療施設13,046件の地域内訳。上位8都道府県で全国の57.0%を占め、大都市に集中。「その他」は全国計から上位8都道府県を除いた39県の合計
単位: 9 カテゴリ・合計 13,046
01,5003,0004,5006,0005,609その他1,933東京1,168神奈川856大阪812埼玉740千葉713愛知678兵庫537北海道
出典: 農林水産省「飼育動物診療施設の開設届出状況」令和7年(都道府県別。「その他」は全国計からの差)
カテゴリ東京神奈川大阪埼玉千葉愛知兵庫北海道その他
小動物診療施設数1,9331,1688568127407136785375,609
シェア14.8%9.0%6.6%6.2%5.7%5.5%5.2%4.1%43.0%
読み解き

動物病院(小動物の診療施設)は、大都市に強く集中しています。最も多い東京は1,933件で全国の14.8%を占め、神奈川(1,168件)、大阪(856件)が続きます。上位8都道府県で全国の57.0%を占め、人口とペットの数が多い都市部に施設が集まっています。

地方では施設の数が相対的に少なく、1施設あたりがカバーする地域が広くなりやすい傾向があります。ペットの飼育が都市部に多いことや、開業に必要な患者数を見込みやすいことが、都市集中の背景にあります。なお、この数は施設の数(件)で、診療の規模や売上を表すものではありません。

このグラフに関連するトピック

小動物診療施設の経営構造(令和7年、就業獣医師数別)

小動物・その他の診療施設を、就業する獣医師の数で区分。獣医師1人の施設は個人経営が中心であることを示す
項目施設数(件)構成比シェア
獣医師1人(個人経営)8,06761.8%
獣医師2人以上4,97938.2%
小動物の診療施設13,046100.0%
読み解き

小動物の診療施設13,046件のうち、就業する獣医師が1人の施設が8,067件(61.8%)、2人以上の施設が4,979件(38.2%)です。獣医師1人の施設が6割を超え、動物病院は個人経営を中心とした小規模で分散した供給体制であることがわかります。

個人経営が中心の構造は、地域に密着したきめ細かな診療につながる一方、高度な検査や手術、夜間救急などへの対応では、設備や人員の面で限界が生じやすい側面もあります。近年は、専門的な医療を担う二次診療施設や、複数の病院を運営するグループの動きもみられますが、全体としては小規模な施設が多くを占めています。なお、ここでの「獣医師1人」は施設の就業獣医師数による区分で、獣医師の総数とは別の統計です。

主要論点

動物病院は全国に何軒あり、どこに多いのか?

動物病院(飼育動物診療施設)は、令和7年に全国で17,200件あります。このうち犬や猫などのペットを診る小動物の診療施設は13,046件で、残りは牛や豚などの産業動物(畜産)向けです。一般に「動物病院」として思い浮かべるのは、小動物の診療施設にあたります。

地域別では、東京・神奈川・大阪などの大都市に集中しています。小動物の診療施設は東京が1,933件で最も多く、上位8都道府県で全国の57.0%を占めます。人口とペットの飼育数が多い都市部に施設が集まる一方、地方では相対的に少なく、1施設あたりがカバーする範囲が広くなりやすい分布です。

なお、施設の数(件)は、診療の規模や売上(金額)を表すものではありません。都市部に施設が多いことは、それだけペットの飼い主と需要が集まっていることを示していますが、1施設あたりの規模や混雑の度合いは、この数字だけではわかりません。

なぜ動物病院は個人経営が中心なのか?

小動物の診療施設のうち、就業する獣医師が1人の施設が61.8%を占め、動物病院は個人経営を中心とした小規模で分散した供給体制になっています。獣医師が独立して開業し、地域に密着して診療する形が一般的です。

個人経営が中心であることには、地域に根ざしたきめ細かな診療ができるという利点があります。一方で、高度な検査・手術や、夜間・救急への対応では、1つの施設だけでは設備や人員に限界が生じやすい面もあります。専門的な医療が必要な場合に、地域の動物病院から専門の二次診療施設へ紹介する連携も広がっています。

近年は、複数の病院を運営するグループや、専門医療を担う大型施設の動きもみられます。獣医師の高齢化や後継者の問題を背景に、病院の引き継ぎやグループ化が進む可能性もあります。ただし全体としては、小規模で個人経営の施設が多くを占める構造が続いています。

ペットの高齢化で、動物病院やサービスはどう変わるのか?

ペットの家族化と平均寿命の延びを背景に、高齢のペット向けの医療への需要が高まっています。慢性的な病気の管理や、がん・心臓病などの高度な治療、検査機器を使った診断など、人の医療に近い高度化が進んでいます。動物の医療には公的保険がなく全額自己負担となるため、医療費の備えとしてのペット保険への関心も強まっています。

動物病院に加えて、トリミングサロン、ペットホテル、しつけ教室、ペットの葬儀など、ペットに関わるサービスも広がっています。ペットを家族の一員として大切にする意識を背景に、これらのサービスへの支出が増え、ペット業界全体のサービス産業化が進んでいます。これらのサービスの多くは、地域に根ざした中小の事業者が担っています。

今後は、高齢ペットの医療・介護、予防医療、専門的な治療への対応が、動物病院やサービス事業者の役割を広げていく見通しです。なお、本ページで扱う施設の数(件)と、こうしたサービスの市場規模(金額)は別の指標で、サービス各論の個別の金額は公開された統計が限られます。

中期見通し

近未来1-2年

高齢ペット向けの医療需要が増え続ける見通しです。慢性疾患の管理や高度な検査・治療への対応が広がり、動物病院の医療の高度化が進みます。ペット保険の普及も、飼い主が治療を受けさせやすくする方向に働きます。施設数は大都市集中の分布が続くとみられます。

中期3-5年

中期では、個人経営中心の構造に変化の兆しがみられます。獣医師の高齢化と後継者の問題を背景に、病院の引き継ぎや、複数施設を運営するグループ化の動きが広がる可能性があります。専門医療を担う二次診療施設と、地域の動物病院との連携も進む見通しです。

長期5-10年

長期では、獣医師の地域偏在と供給体制が課題になります。大都市に施設と獣医師が集中する一方、地方の供給をどう保つかが問われます。医療の高度化に伴う費用の上昇と、ペット保険による備えの広がりが、飼い主の医療へのアクセスを左右していきます。予防医療やサービスの多様化も、業界の方向を形づくります。

よくある質問

動物病院は全国に何軒ありますか?
飼育動物診療施設は、令和7年に全国で17,200件あります。このうち犬や猫などのペットを診る小動物の診療施設は13,046件で、残りの4,154件は牛や豚などの産業動物(畜産)向けです。一般に「動物病院」として思い浮かべるのは、小動物の診療施設にあたります。
動物病院が多い都道府県はどこですか?
小動物の診療施設は、東京が1,933件で最も多く、神奈川(1,168件)、大阪(856件)が続きます。上位8都道府県で全国の57.0%を占め、人口とペットの数が多い大都市に集中しています。
動物病院は個人経営が多いのですか?
はい。小動物の診療施設のうち、就業する獣医師が1人の施設が61.8%(8,067件)を占め、個人経営を中心とした小規模で分散した供給体制です。地域に密着した診療が行われる一方、高度な医療では専門の二次診療施設との連携も広がっています。
動物病院の数と獣医師の数は同じですか?
いいえ、別の指標です。本ページの数値は診療施設の数(件)で、獣医師の人数とは異なります。1つの施設に複数の獣医師が就業する場合もあります。獣医師の総数は、別の統計(獣医師法に基づく届出)で集計されており、本ページでは扱っていません。
トリミングやペットホテルなどのサービスはどうなっていますか?
動物病院に加えて、トリミングサロン、ペットホテル、しつけ教室、ペットの葬儀など、ペットに関わるサービスが広がっています。ペットの家族化と高齢化を背景にこれらへの支出が増え、ペット業界のサービス産業化が進んでいます。多くは地域に根ざした中小の事業者が担っており、サービス各論の個別の市場規模(金額)は公開された統計が限られます。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    農林水産省「飼育動物診療施設の開設届出状況(診療施設数)」令和7年
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