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衣料用洗剤と柔軟剤の生産量・生産金額動向|粉末から液体・濃縮へのシフト【2026年版】

衣料用洗剤を中心とするホームケアでは、洗濯用の合成洗剤が粉末から液体・濃縮へと移っています。経済産業省の生産動態統計でみると、洗濯用の粉末洗剤の生産は2018年の16.6万トンから2024年に8.0万トンへ半減し、代わって中性の液体洗剤が最も生産量の多い洗濯用洗剤になりました。生産量が頭打ちの品目でも生産金額は伸びており、濃縮による高付加価値化と価格改定が「量から質」への転換を映しています。洗濯用洗剤の品目別の推移、ホームケア全体の生産量と生産金額、家計支出から読む需要の動きまで順に整理します。

洗濯用液体洗剤の生産量
38.5万トン
2024年・中性タイプ。洗濯用で最も生産量が多い。2018年は35.3万トンで微増
出典: 経済産業省 生産動態統計(化学工業統計編)
洗濯用粉末洗剤の生産量
8.0万トン
2024年。2018年の16.6万トンから半減、液体・濃縮タイプへ移行
出典: 経済産業省 生産動態統計(化学工業統計編)
洗濯用液体洗剤の生産金額
1,187億円
2024年・中性タイプ。2018年は803億円。生産量の微増に対し金額は大きく伸び、濃縮・価格改定を映す
出典: 経済産業省 生産動態統計(化学工業統計編)
洗濯用洗剤の年間支出
5,537
二人以上の世帯、2024年。2018年は3,559円で需要側の家計支出
出典: 総務省 家計調査(二人以上の世帯)

洗濯用合成洗剤の品目別生産量の推移 (2018-2024年、万トン)

中性・中性以外の液体洗剤と粉末洗剤の積み上げ。合計が洗濯用合成洗剤の総生産。粉末の縮小と液体の伸長が液体化を映す
単位: 万トン
粉末液体(中性)液体(中性以外)
025507510076.8188119762078.32176.52272.92370.224
出典: 経済産業省 生産動態統計(化学工業統計編、悉皆調査による品目別の生産量)
2018201920202021202220232024
粉末万トン16.6014.9013.3012.4010.508.408
液体(中性)万トン35.3043.8042.4043.4044.4042.6038.50
液体(中性以外)万トン24.9022.3020.3022.5021.6021.9023.70
合計(万トン76.80817678.3076.5072.9070.20
読み解き

洗濯用の合成洗剤は、粉末・中性の液体・中性以外の液体の3つの形に分かれます。中性以外には弱アルカリ性などの液体洗剤が含まれます。生産量を積み上げてみると、粉末洗剤が16.6万トンから8.0万トンへ半減する一方、中性の液体洗剤が35.3万トンから38.5万トンへ増え、洗濯用洗剤の主力が粉末から液体へ移ったことがわかります。中性の液体洗剤は2020年代前半に40万トンを超える水準まで伸び、足元はやや落ち着いていますが、粉末を大きく上回る主力であることに変わりはありません。

この3つの形は重複なく洗濯用合成洗剤の全体を構成し、積み上げの合計が洗濯用合成洗剤の総生産にあたります。これはメーカー出荷金額でとらえた市場規模(矢野経済研究所)の内訳ではなく、経済産業省が品目別の生産量を網羅的に集計した別の生産統計です。液体化の背景には、コンパクト化・節水・計量しやすさといった使い勝手の良さがあります。

洗濯用合成洗剤の品目別生産金額の推移 (2018-2024年、億円)

粉末・中性の液体・中性以外の液体の生産金額の積み上げ。生産量の推移とは分けてみると、粉末が縮むなかでも中性の液体洗剤の金額が伸び、液体・濃縮の高付加価値化を映す
単位: 億円
粉末液体(中性)液体(中性以外)
06251,2501,8752,5001,864181,989191,939201,993212,077222,054232,04424
出典: 経済産業省 生産動態統計(化学工業統計編、悉皆調査による品目別の生産金額)
2018201920202021202220232024
粉末億円361351305285237217215
液体(中性)億円8031,1001,1171,1851,3021,2751,187
液体(中性以外)億円700538517523538562642
合計(億円1,8641,9891,9391,9932,0772,0542,044
読み解き

生産量とは分けて生産金額の推移をみると、品目ごとに量と金額の動きが違うことがより明確になります。粉末洗剤は生産金額も361億円から215億円へ縮む一方、中性の液体洗剤の生産金額は803億円から1187億円へ伸びました。生産量(§3)では微増にとどまった中性の液体洗剤が、金額では大きく伸びている点に、濃縮による高付加価値化と価格改定があらわれています。

この金額は、生産量(トン)と同じ経済産業省の生産動態統計による供給側の数値で、品目別の生産金額を網羅的に集計したものです。メーカー出荷金額でとらえた市場規模(矢野経済研究所)の内訳ではなく、量(§3)とは別の軸として金額の推移を並べています。

ホームケア品目別の生産量と生産金額 (2018年と2024年)

衣料用洗剤・柔軟剤・台所/住宅用洗剤・漂白剤の品目別。経済産業省 生産動態統計による供給側の生産。量は横ばいから微減でも金額は増えている品目が多い
洗濯用 粉末洗剤
生産量(2018年)
16.6
生産量(2024年)
8.0
生産金額(2018年)
361
生産金額(2024年)
215
洗濯用 液体洗剤(中性)
生産量(2018年)
35.3
生産量(2024年)
38.5
生産金額(2018年)
803
生産金額(2024年)
1,187
洗濯用 液体洗剤(中性以外)
生産量(2018年)
24.9
生産量(2024年)
23.7
生産金額(2018年)
700
生産金額(2024年)
642
台所用洗剤
生産量(2018年)
23.4
生産量(2024年)
27.6
生産金額(2018年)
598
生産金額(2024年)
720
住宅・家具用洗剤
生産量(2018年)
10.6
生産量(2024年)
12.0
生産金額(2018年)
307
生産金額(2024年)
349
柔軟仕上げ剤
生産量(2018年)
39.1
生産量(2024年)
38.8
生産金額(2018年)
1,048
生産金額(2024年)
1,171
漂白剤(酸素系)
生産量(2018年)
11.1
生産量(2024年)
11.8
生産金額(2018年)
268
生産金額(2024年)
338
漂白剤(塩素系)
生産量(2018年)
16.2
生産量(2024年)
14.6
生産金額(2018年)
229
生産金額(2024年)
260
読み解き

ホームケアの品目を生産量と生産金額の両面でみると、両者が必ずしも同じ方向に動いていないことがわかります。粉末洗剤は量・金額とも縮小する一方、中性の液体洗剤は生産量が35.3万トンから38.5万トンへの微増にとどまるのに対し、生産金額は803億円から1,187億円へ大きく伸びました。

柔軟仕上げ剤や台所用洗剤も、生産量がほぼ横ばいのなかで金額は増えています。これは濃縮による高付加価値化と、原材料高を背景とした価格改定が進んでいるためで、生産量と生産金額の乖離が「量から質」への転換を供給側から裏づけています。なお、生産量(トン)と生産金額は経済産業省の生産動態統計による供給側の数値で、メーカー出荷金額でとらえた市場規模(矢野)とは集計の範囲が異なります。

主要論点

洗濯用洗剤の液体化・濃縮は、なぜ進んだのか?

洗濯用の洗剤は、粉末から液体・濃縮へと主力が移ってきました。生産動態統計でみると、粉末洗剤の生産は2018年の16.6万トンから8.0万トンへ半減し、中性の液体洗剤が最も生産量の多い洗濯用洗剤になっています。

背景には、使い勝手の良さがあります。液体洗剤は計量や溶け残りの手間が少なく、すすぎ1回で済む節水タイプや、1回分を個包装したジェルボール型など、利便性を高めた製品が広がりました。さらに、水の量を減らして容器を小型化した濃縮タイプが主流となり、輸送や保管の効率、棚効率の面でもメーカー・小売の双方に利点があります。

粉末洗剤は、価格の安さや皮脂汚れへの強さから一定の支持が残るものの、市場の中心は液体・濃縮へと移っています。各社は香りや抗菌、肌へのやさしさなどで差別化を図り、付加価値の向上で単価を引き上げる方向に競争の軸が移っています。

詰め替えや容器の軽量化は、ホームケアをどう変えているのか?

ホームケアの製品は、本体ボトルではなく詰め替え用で購入されるのが主流になっています。詰め替え用のパウチはプラスチックの使用量が本体ボトルより少なく、価格も抑えられるため、消費者・メーカーの双方にとって合理的な選択になっています。

濃縮タイプの普及も、容器の小型化と輸送・保管の効率化につながっています。少ない量で同じ効果が得られるため、1回当たりの使用量が減り、容器あたりの中身が濃くなります。これにより、同じ量を運ぶためのプラスチックや段ボール、輸送のエネルギーを減らすことができます。

プラスチック資源循環促進法のもとで、容器の軽量化や再生材の利用、詰め替えの推進は今後も強まる見通しです。容器包装をめぐる制度や使用済みプラスチックの扱いは、ホームケアの製品設計に影響する論点です。

生産量が伸びないなかで、ホームケアの金額はなぜ増えているのか?

ホームケアの多くの品目は、人口の減少を背景に生産量の拡大が難しくなっています。それでも生産金額が増えているのは、濃縮による高付加価値化と価格改定が進んでいるためです。中性の液体洗剤は、生産量が35.3万トンから38.5万トンへの微増にとどまる一方、生産金額は803億円から1,187億円へ伸びました。

需要側の家計でも同じ傾向がみられます。家計調査では、二人以上の世帯の洗濯用洗剤への年間支出が3,559円から5,537円へ、台所・住居用洗剤も2,867円から4,161円へ増えました。購入する数量が大きく増えているわけではなく、単価の上昇が支出額を押し上げています。

原材料高や物流費の上昇を背景に各社が価格改定を進める一方、値上げに対する買い控えをどう抑えるかが課題です。香りや抗菌、肌へのやさしさといった付加価値をどこまで高め、単価の上昇を受け入れてもらえるかが、ホームケアの金額を左右します。

中期見通し

近未来1-2年

洗濯用洗剤は、液体・濃縮タイプを中心とした高付加価値化と価格改定が続くとみられます。すすぎ1回の節水タイプや抗菌・消臭などの機能を訴求した製品が広がり、単価の上昇が金額を支える構図が続きます。一方、生産量の拡大は人口減少のもとで難しく、値上げに対する買い控えをどう抑えるかが課題となります。

中期3-5年

中期では、濃縮化と詰め替えの一段の普及が見込まれます。容器の小型化や再生材の利用が進み、プラスチック資源循環促進法のもとで容器包装の環境対応が強まります。柔軟仕上げ剤では香りの持続や微香タイプなど嗜好の多様化が進み、機能や使い勝手を軸とした競争が続く見通しです。

長期5-10年

長期では、人口減少と単身世帯の増加が、ホームケアの数量の基調を弱めます。これに対し、濃縮・詰め替えによる高付加価値化や環境対応、海外市場への展開が金額を支える方向です。国内の数量拡大が難しいなかで、付加価値をどこまで深められるかが、ホームケアの規模を保つうえでの論点となります。

よくある質問

洗濯用洗剤の生産はどう動いていますか?
経済産業省の生産動態統計でみると、洗濯用の粉末洗剤の生産は2018年の16.6万トンから2024年に8.0万トンへ半減し、中性の液体洗剤が35.3万トンから38.5万トンへ増えて、最も生産量の多い洗濯用洗剤になりました。粉末から液体・濃縮への移行が進んでいます。
なぜ粉末洗剤から液体洗剤へ移ったのですか?
液体洗剤は計量や溶け残りの手間が少なく、すすぎ1回で済む節水タイプや、1回分を個包装したジェルボール型など、利便性を高めた製品が広がったためです。水の量を減らして容器を小型化した濃縮タイプが主流となり、輸送や保管、棚効率の面でも利点があります。
柔軟剤や台所用洗剤、漂白剤の生産はどう動いていますか?
柔軟仕上げ剤は生産量が39万トン前後で高い水準を保ち、台所用洗剤は生産量・金額とも増えています。漂白剤は酸素系・塩素系ともおおむね横ばいです。多くの品目で生産量は頭打ちのなかでも、生産金額は価格改定や高付加価値化で増えています。
生産量が増えていないのに、金額が増えるのはなぜですか?
濃縮による高付加価値化と価格改定が進んでいるためです。中性の液体洗剤は、生産量が35.3万トンから38.5万トンへの微増にとどまる一方、生産金額は803億円から1,187億円へ伸びました。家計調査でも洗濯用洗剤への年間支出が3,559円から5,537円へ増えています。
これらの数字の出典は何ですか?
品目別の生産量・生産金額は経済産業省 生産動態統計(化学工業統計編、悉皆調査)、家計の支出は総務省 家計調査(二人以上の世帯)が出典です。これらは供給側・需要側の別々の統計で、メーカー出荷金額でとらえた市場規模(矢野経済研究所)とは集計の範囲が異なるため、本ページではそれぞれ別の指標として整理しています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    経済産業省 生産動態統計 化学工業統計編「油脂製品・石けん・合成洗剤等・界面活性剤」
  2. 2.
    総務省 家計調査(家計収支編、二人以上の世帯)
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