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トイレタリー主要メーカーの比較|総合大手と専業の事業構成と規模【2026年版】

トイレタリーの主要メーカーは、複数の分野を幅広く手がける総合大手と、特定の分野に集中する専業に分かれます。規模を比べるときは、事業が多岐にわたる花王やユニ・チャームはトイレタリー関連のセグメント、専業に近い各社は会社全体でみると実態に近くなります。この基準でみると、ユニ・チャームのパーソナルケアが8,261億円、花王のハイジーン&リビングケアが5,443億円で、紙おむつ・洗剤を中心とする大手が事業を牽引しています。各社の売上の規模、事業構成、ブランドや棲み分けを順に整理します。

トイレタリー主要メーカーの売上と事業構成

多角化企業はトイレタリー関連のセグメント、専業に近い企業は全社連結。基準をそろえた「トイレタリー関連の売上」で並べ、会社全体の規模との関係を併記

集計の範囲をそろえたトイレタリー関連の売上でみると、ユニ・チャームのパーソナルケアが8,261億円で最も大きく、花王のハイジーン&リビングケア(5,443億円)、ライオン(4,129億円)、大王製紙のホーム&パーソナルケア(2,952億円)が続きます。花王は会社全体では1兆6,284億円と最大ですが、これには化粧品やヘアケアなどトイレタリー以外の事業が含まれます。会社全体の規模とトイレタリー事業の規模は別物で、どの範囲でみるかによって順位が変わる点に注意が必要です。なお、大王製紙のみ決算期が異なり、数値は2025年3月期(他社は2024年12月期)です。

トイレタリー関連の売上
8,261
売上の集計の基準
パーソナルケアのセグメント(全社連結は9,890億円)
主な領域・ブランド
ベビー用紙おむつ(ムーニー)・生理用品(ソフィ)・大人用紙おむつ(ライフリー)
トイレタリー関連の売上
5,443
売上の集計の基準
ハイジーン&リビングケアのセグメント(全社連結は1兆6,284億円)
主な領域・ブランド
衣料用洗剤(アタック)・台所用洗剤(キュキュット)・紙おむつ(メリーズ)
トイレタリー関連の売上
4,129
売上の集計の基準
全社連結(ほぼ専業)
主な領域・ブランド
歯みがき(クリニカ・NONIO)・衣料用洗剤(トップ)・ボディ
トイレタリー関連の売上
2,952
売上の集計の基準
ホーム&パーソナルケアのセグメント(全社連結は6,689億円、2025年3月期)
主な領域・ブランド
家庭紙(エリエール)・ベビー用紙おむつ(グ〜ン)・大人用紙おむつ(アテント)
トイレタリー関連の売上
1,693
売上の集計の基準
全社連結(ほぼ専業)
主な領域・ブランド
殺虫剤(アースジェット)・入浴剤(バスクリン)・洗口液(モンダミン)
トイレタリー関連の売上
1,656
売上の集計の基準
全社連結(衛生雑貨・医薬等)
主な領域・ブランド
芳香消臭(消臭元)・トイレ用品(ブルーレット)・衛生雑貨
トイレタリー関連の売上
1,042
売上の集計の基準
全社連結(ほぼ専業)
主な領域・ブランド
ベビーケア・哺乳器・育児用品
トイレタリー関連の売上
445
売上の集計の基準
全社連結(ほぼ専業)
主な領域・ブランド
芳香消臭(消臭力)・防虫(ムシューダ)・除湿(ドライペット)

ユニ・チャーム — サニタリーで業界をリードする専業大手

紙おむつ・生理用品などのパーソナルケアを中核とする企業で、トイレタリー関連の売上(パーソナルケアのセグメント)は8,261億円と、基準をそろえた比較では業界で最も大きい規模です。ベビー用紙おむつの「ムーニー」、生理用品の「ソフィ」、大人用紙おむつの「ライフリー」など、サニタリーの主要カテゴリーで高いシェアを持ちます。

成長の軸は海外、とくにアジアです。会社全体の売上9,890億円のうち海外比率が高く、新興国でのベビー用紙おむつや生理用品の普及が成長を牽引してきました。国内では高齢化に伴う大人用紙おむつ・尿とりパッドの需要拡大を取り込む一方、少子化で縮むベビー用を海外で補う構図です。ペットケア事業も持ちますが、これはトイレタリーの枠外として本比較では除いています。不織布・吸収体の技術を軸に、衛生・快適の領域で事業を広げています。

花王 — 洗剤・ホームケアに強い総合最大手

衣料用洗剤の「アタック」、台所用洗剤の「キュキュット」、紙おむつの「メリーズ」など、ホームケアとサニタリーを中核に幅広い製品を持つ総合メーカーです。トイレタリー関連の中核であるハイジーン&リビングケアのセグメント売上は5,443億円で、衣料用洗剤・住居用洗剤・サニタリーを束ねています。界面活性剤を自社で製造する垂直統合が、洗剤・石けんの競争力の基盤になっています。

会社全体の売上は1兆6,284億円と業界で最大ですが、これには化粧品やヘアケア、スキンケアなどトイレタリー以外の事業が含まれます。これらの一部(ボディやオーラルなど)はトイレタリーに近い領域ですが、化粧品事業は別の括りで、本比較ではトイレタリーの中核セグメントに絞っています。研究開発力とブランド力を強みに、洗浄・衛生から美容・健康まで幅広く展開する点が、専業メーカーとは異なる特徴です。

ライオン — オーラルケアとホームケアの専業

歯みがきの「クリニカ」「NONIO」、衣料用洗剤の「トップ」、ハンドソープの「キレイキレイ」など、オーラルケアとホームケアを主軸とする企業です。トイレタリーがほぼ事業の中心のため、会社全体の売上4,129億円が実態に近くなります。とくにオーラルケアでは長い歴史とブランド力を持ち、歯みがき・歯ブラシ・洗口液で高い存在感があります。

衣料用洗剤・柔軟剤・台所用洗剤などのホームケア、ハンドソープ・ボディソープのボディ領域も手がけ、トイレタリーの主要分野を幅広くカバーしています。海外ではアジアを中心にオーラルケア・ホームケアを展開しています。総合大手の花王とは、オーラルケアの強さで差別化しつつ、ホームケアでは競合する関係です。予防歯科への関心の高まりを背景に、機能性歯みがきや口腔ケア製品の高付加価値化を進めています。

大王製紙 — 家庭紙と紙おむつの両輪

家庭紙の「エリエール」で知られ、ティッシュ・トイレットペーパーなどの家庭紙と、紙おむつなどのホーム&パーソナルケアを手がける企業です。トイレタリー関連にあたるホーム&パーソナルケアのセグメント売上は2,952億円(2025年3月期)で、ベビー用紙おむつの「グ〜ン」、大人用紙おむつの「アテント」を展開しています。自社で家庭紙・素材を製造する製紙メーカーとしての基盤が特徴です。

会社全体の売上は6,689億円ですが、これには段ボール原紙や洋紙などの紙・板紙事業(企業向けが中心)が含まれ、その規模が約半分を占めます。紙・板紙は紙の需要減や原燃料価格の影響を受けやすく、2025年3月期の会社全体では純損失となりました。これは主に製紙事業の市況によるもので、家庭紙・紙おむつのホーム&パーソナルケア事業はトイレタリーの一角として底堅く推移しています。会社全体の収益と、トイレタリー事業の動向は分けてみる必要があります。

小林製薬 — 衛生雑貨のニッチを深掘り

芳香消臭の「消臭元」、トイレ用品の「ブルーレット」、解熱シートの「熱さまシート」など、生活の細かなニーズに応える衛生雑貨・日用品を幅広く手がける企業です。会社全体の売上は1,656億円で、医薬品も含みますが、トイレタリーに近い衛生雑貨・芳香消臭・オーラルケアの比重が大きい構成です。

「あったらいいな」を製品化する独自の商品開発で知られ、ニッチな多品目を次々と投入する戦略が特徴です。芳香消臭・トイレ用品・口腔ケア・温熱シートなど、大手が手薄な領域で小回りの利く製品を展開しています。一製品あたりの規模は大きくなくても、多品目の積み上げで事業を構成しており、ブランドの幅広さと開発スピードが強みです。

アース製薬 — 殺虫剤と家庭日用品の中核

殺虫剤の「アースジェット」「ごきぶりホイホイ」を中心に、家庭日用品を主軸とする企業です。会社全体の売上は1,693億円で、殺虫・防虫剤で高い存在感を持ちます。入浴剤の「バスクリン」(子会社)、洗口液の「モンダミン」も手がけ、殺虫・入浴・オーラルなど家庭日用品の幅広い領域をカバーしています。

殺虫剤は気候の影響を強く受ける季節商品で、2024年は記録的な猛暑を背景に需要が大きく伸びました。気候変動による夏の高温化が続けば、殺虫剤や虫よけの需要期が長期化する可能性があります。入浴剤では温浴・リラックス需要を、洗口液ではオーラルケアの高機能化を取り込んでおり、家庭日用品の総合的な品ぞろえで事業の安定を図っています。

ピジョン — ベビーケアの専門メーカー

哺乳器やおしりふき、ベビー用スキンケアなどの育児用品を専門とする企業です。会社全体の売上は1,042億円で、ベビーケアを軸に、サニタリーに隣接する育児・授乳関連の製品を展開しています。哺乳器では国内で高いシェアを持ち、長年の専門性とブランド力が強みです。

国内は少子化で市場が縮むなか、成長の軸は海外、とくに中国を含むアジアです。新興国での所得向上と育児用品市場の拡大を取り込み、海外比率を高めてきました。哺乳器・乳幼児用スキンケアなどの専門領域に集中し、ベビーケアという明確なポジションで、総合メーカーとは異なる立ち位置を築いています。少子化への対応として、海外展開と高付加価値化が成長の鍵となります。

エステー — 芳香消臭・防虫に特化

芳香消臭の「消臭力」、防虫の「ムシューダ」、除湿の「ドライペット」など、芳香消臭・防虫・除湿に特化した企業です。会社全体の売上は445億円で、暮らしの快適さに関わる家庭日用品の特定領域に集中しています。消臭力に代表される芳香消臭剤では、印象的な広告とブランド力で高い知名度を持ちます。

防虫剤・除湿剤・脱臭剤など、季節や住環境に応じた需要に対応する製品が中心です。芳香消臭剤は医薬部外品ではなく雑貨に分類されるため、薬事統計には表れませんが、生活必需に近い定番商品として安定した需要があります。特定の領域に集中することで、開発・販売の効率を高め、大手とは異なる専門性で存在感を保っています。

外資系メーカーと非上場の専門メーカー

P&Gジャパンは衣料用洗剤の「アリエール」、紙おむつの「パンパース」、生理用品の「ウィスパー」などを展開する国内トイレタリー最大級の一角で、ユニリーバ・ジャパンはボディの「ダヴ」やデオドラントの「Ban」を手がけます。いずれも世界的な消費財メーカーの日本法人で、国内市場で大きな存在感を持ちますが、業績は本社の連結に内包され、国内単体の売上は公表されていません。そのため、本ページの一覧表には含めていません。

非上場では、「ヤシノミ洗剤」や業務用衛生のサラヤ、固形石けん「カウブランド」の牛乳石鹸共進社、洗剤・入浴剤のクラシエ(ホームプロダクツ)、防虫・芳香消臭の白元アースなどが、それぞれの領域で存在感を持っています。トイレタリーは、上場の総合大手・専業に加え、外資系や専門メーカーが分野ごとに棲み分ける多様なプレイヤーで構成されています。

主要論点

総合大手と専業、メーカーの規模はどう比べればよいのか?

トイレタリーのメーカーを規模で比べるときは、集計の範囲をそろえることが欠かせません。花王やユニ・チャーム、大王製紙のように事業が多岐にわたる企業は、化粧品やペットケア、製紙といったトイレタリー以外の事業も会社全体の売上に含むためです。

そこで、多角化企業はトイレタリー関連のセグメント、専業に近い企業は会社全体でみると実態に近くなります。この基準でみると、ユニ・チャームのパーソナルケアが8,261億円、花王のハイジーン&リビングケアが5,443億円で、紙おむつ・洗剤を中心とする大手が業界を牽引しています。一方、会社全体の売上では花王が1兆6,284億円と最大で、トイレタリー以外の事業の大きさがうかがえます。

このように、会社全体の規模とトイレタリー事業の規模は別物です。「日用品メーカー売上ランキング」のような数字を見るときは、それが会社全体なのか、トイレタリー関連のセグメントなのかを確かめることが重要です。

各社は、どの分野で棲み分けているのか?

トイレタリーは5つの分野(ホームケア、石けん・ボディ、オーラルケア、サニタリー、家庭日用品)があり、各社が得意とする領域で棲み分けています。ホームケアと洗剤では花王とライオン、P&Gが、サニタリー(紙おむつ・生理用品)ではユニ・チャーム、大王製紙、P&Gが存在感を持ちます。

オーラルケアではライオンと花王、サンスター、家庭日用品(殺虫剤・芳香消臭・入浴剤)ではアース製薬、エステー、小林製薬が活動しています。ベビーケアではピジョンが専門性を持つなど、分野ごとに主要なプレイヤーが分かれています。1社が複数の分野を持つことも多く、たとえば花王はホームケアからサニタリー、ボディまで幅広くカバーします。

こうした棲み分けは固定的ではなく、各社が隣接分野へ進出したり、高機能化やブランドの拡張で競争したりしています。総合大手は幅広さで、専業は特定領域の深さで、それぞれの強みを生かして競争しています。

外資や海外展開は、業界にどう関わっているのか?

国内のトイレタリー市場では、P&Gやユニリーバなどの外資系メーカーも大きな存在です。P&Gはアリエール・パンパース・ウィスパー、ユニリーバはダヴ・Banなど、洗剤・紙おむつ・ボディ・デオドラントの主要カテゴリーで高いシェアを持ちます。ただし、これらは世界的な消費財メーカーの日本法人で、国内単体の業績は公表されていません。

一方、国内メーカーにとっては海外展開が成長の軸になっています。国内は人口減少と少子化で数量の拡大が難しいため、ユニ・チャームやピジョン、ライオンなどはアジアを中心とする海外で事業を伸ばしてきました。新興国での衛生意識の高まりや所得の向上が、紙おむつ・生理用品・オーラルケアの需要を押し上げています。

国内では高齢化に伴う大人用紙おむつや、猛暑による殺虫剤など、環境の変化が特定の品目を支えます。国内の安定した需要と、海外での成長の両輪をどう回すかが、各社の経営の課題となっています。

中期見通し

近未来1-2年

各社は、国内の高付加価値化と海外展開の両輪で成長を図ります。国内では洗剤の濃縮、歯みがきの高機能化、大人用紙おむつなど、付加価値と高齢化対応が収益を支えます。原材料高を背景とした価格改定の浸透と、値上げに対する買い控えへの対応が当面の課題です。

中期3-5年

中期では、事業ポートフォリオの組み替えが進む見通しです。少子化で縮むベビー用を海外や大人用で補い、専業各社は特定領域の深掘りと隣接分野への展開を進めます。総合大手は研究開発力とブランドを生かし、衛生・快適・健康の領域で事業を広げます。

長期5-10年

長期では、人口減少と高齢化が業界の構造を変えていきます。国内の数量拡大が難しいなかで、海外市場の取り込み、高付加価値化、容器の環境対応(詰め替え・軽量化)、使用済み紙おむつの再生利用などへの取り組みが、各社の競争力を左右します。総合大手・専業・外資の棲み分けも、需要構造の変化に応じて動いていきます。

よくある質問

トイレタリーで一番大きいメーカーはどこですか?
集計の範囲をそろえたトイレタリー関連の売上でみると、ユニ・チャームのパーソナルケアが8,261億円で最も大きく、花王のハイジーン&リビングケア(5,443億円)が続きます。一方、会社全体の売上では花王が1兆6,284億円と最大ですが、これには化粧品やヘアケアなどトイレタリー以外の事業も含まれます。
なぜ花王とユニ・チャームを会社全体で比べないのですか?
花王やユニ・チャームは事業が多岐にわたり、花王は化粧品・ヘアケア、ユニ・チャームはペットケアなど、トイレタリー以外の事業も会社全体の売上に含むためです。トイレタリー事業の規模を比べるには、関連するセグメントでみる必要があります。専業に近いライオンやアース製薬などは、会社全体が実態に近くなります。
トイレタリーの主なメーカーにはどんな会社がありますか?
総合大手では花王・ライオン、サニタリー中心のユニ・チャーム・大王製紙、衛生雑貨の小林製薬があります。分野特化では殺虫剤のアース製薬、芳香消臭のエステー、ベビーケアのピジョンが活動しています。このほか、P&Gやユニリーバなどの外資系メーカーも国内市場で大きな存在です。
大王製紙はなぜ会社全体で赤字なのですか?
大王製紙は家庭紙・紙おむつのホーム&パーソナルケア事業のほかに、段ボール原紙や洋紙などの紙・板紙事業を持ち、その規模が会社全体の約半分を占めます。2025年3月期の純損失は主に製紙事業の市況によるもので、家庭紙・紙おむつのトイレタリー事業(ホーム&パーソナルケア2,952億円)は底堅く推移しています。
外資系メーカーの売上はなぜ載っていないのですか?
P&Gやユニリーバなどの外資系メーカーは、世界的な消費財メーカーの日本法人で、国内単体の業績が公表されていないためです。国内市場では大きな存在ですが、上場各社のように国内売上を取り出して比較できないため、本ページの一覧表には含めていません。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    各社 決算短信・IRセグメント情報(2024年12月期 / 大王製紙は2025年3月期)
  2. 2.
    EDINET (金融庁) 上場各社 有価証券報告書・決算短信
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