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紙おむつと生理用品の生産動向|高齢化で大人用が乳幼児用を逆転【2026年版】

サニタリーの中心となる紙おむつでは、高齢化と少子化を背景に、大人用と乳幼児用の生産が逆方向に動いています。経済産業省の生産動態統計でみると、乳幼児用テープ式の紙おむつの生産は2018年の75億枚から2024年に21億枚へ大きく減り、代わって大人用の紙おむつや尿とりパッドが伸びました。生産数量でみた大人用と乳幼児用の合計は2023年に逆転し、大人用が上回っています。紙おむつの品目別の推移、生産数量と生産金額、生理用品の動きまで順に整理します。

尿とりパッドの生産数量
42億枚
2024年。大人用で最も生産数量が多い。高齢化で需要が拡大
出典: 経済産業省 生産動態統計(紙・パルプ統計)
大人用パンツ式の生産数量
13億枚
2024年。自分で歩ける高齢者向け、テープ止め式とともに増加
出典: 経済産業省 生産動態統計(紙・パルプ統計)
乳幼児用テープ式の生産数量
21億枚
2024年。2018年は75億枚で、少子化により大きく縮小
出典: 経済産業省 生産動態統計(紙・パルプ統計)
生理処理用品の生産金額
736億円
2024年・医薬部外品。紙おむつの生産統計とは集計基準が異なる薬事統計
出典: 厚生労働省 薬事工業生産動態統計年報(令和6年)

紙おむつの生産数量の推移 (2018-2024年、億枚)

大人用(テープ・パンツ・パッド)と乳幼児用(テープ・パンツ)の積み上げ。合計が紙おむつの総生産数量。大人用が伸び乳幼児用が縮む高齢化シフトを映す
単位: 億枚
大人用乳幼児用
062.512518825023518230192112020021193221802317524
出典: 経済産業省 生産動態統計(紙・パルプ統計、悉皆調査による品目別の生産数量)
2018201920202021202220232024
大人用億枚84878789939196
乳幼児用億枚1511431241111008979
合計(億枚235230211200193180175
読み解き

紙おむつの生産数量を大人用と乳幼児用に分けて積み上げると、高齢化と少子化による逆方向の動きがはっきりと表れます。大人用は2018年の84億枚から2024年に96億枚へ増える一方、乳幼児用は151億枚から79億枚へほぼ半減しました。生産数量でみた両者は2023年に逆転し、大人用が乳幼児用を上回っています。

大人用と乳幼児用は重複なく紙おむつ全体を構成し、積み上げの合計が紙おむつの総生産数量にあたります。総数そのものは乳幼児用の縮小が大人用の増加を上回るため、緩やかに減っています。これはメーカー出荷金額でとらえた市場規模(矢野経済研究所)の内訳ではなく、経済産業省が品目別の生産量を網羅的に集計した別の生産統計です。

紙おむつ品目別の生産数量と生産金額 (2018年と2024年)

大人用(テープ・パンツ・パッド)と乳幼児用の品目別。経済産業省 生産動態統計による供給側の生産。大人用の品目が増え、乳幼児用が縮小
大人用 テープ止め式
生産数量(2018年)
6
生産数量(2024年)
7
生産金額(2018年)
286
生産金額(2024年)
406
大人用 パンツ式
生産数量(2018年)
11
生産数量(2024年)
13
生産金額(2018年)
384
生産金額(2024年)
524
尿とりパッド
生産数量(2018年)
40
生産数量(2024年)
42
生産金額(2018年)
720
生産金額(2024年)
1,032
軽失禁ライナー・パッド
生産数量(2018年)
25
生産数量(2024年)
32
生産金額(2018年)
184
生産金額(2024年)
298
大人用 フラット
生産数量(2018年)
1
生産数量(2024年)
1
生産金額(2018年)
30
生産金額(2024年)
25
乳幼児用 テープ止め式
生産数量(2018年)
75
生産数量(2024年)
21
生産金額(2018年)
972
生産金額(2024年)
286
乳幼児用 パンツ式
生産数量(2018年)
76
生産数量(2024年)
58
生産金額(2018年)
1,226
生産金額(2024年)
1,008
読み解き

品目別にみると、大人用のなかで最も規模が大きいのは尿とりパッドで、2024年の生産数量は42億枚にのぼります。テープ止め式・パンツ式・軽失禁用のパッドもいずれも増えており、寝たきりから自立した生活まで、状態に応じた使い分けが広がっています。大人用フラットは在宅介護の形が変わるなかで縮小しています。

一方、乳幼児用は少子化で縮んでいます。とくに新生児期に使うテープ止め式の減少が大きく、75億枚から21億枚へ減りました。なお、ここでの生産数量(枚)・生産金額は経済産業省の生産動態統計による供給側の数値で、メーカー出荷金額でとらえた市場規模(矢野)とは集計の範囲が異なります。マスクやウェットティッシュは本統計の対象に含まれません。

主要論点

高齢化は、大人用紙おむつの需要をどう変えているのか?

高齢化の進行で、大人用の紙おむつ・パッドの需要は着実に広がっています。生産動態統計でみると、大人用の生産数量は2018年の84億枚から2024年に96億枚へ増え、生産数量でみた大人用と乳幼児用は2023年に逆転しました。

特徴的なのは、状態に応じた使い分けが進んでいることです。寝たきりの方向けのテープ止め式、自分で歩ける方向けのパンツ式、尿とりパッドや軽い尿もれに対応したパッドなど、自立度や生活の場面に合わせて製品が細分化されています。最も生産数量が多い尿とりパッドは2024年に42億枚で、パンツ式や軽失禁用のパッドも伸びています。

在宅・施設の双方で、介護の負担を減らす吸収力やフィット感、肌へのやさしさといった機能が重視されています。高齢者人口の増加が続くなかで、大人用は数量・金額とも当面伸びが見込まれる分野です。

少子化のなかで、乳幼児用紙おむつはどうなるのか?

乳幼児用の紙おむつは、少子化を背景に縮小が続いています。生産動態統計でみると、乳幼児用の生産数量は2018年の151億枚から2024年に79億枚へほぼ半減しました。とくに新生児期に使うテープ止め式の減少が大きく、75億枚から21億枚へ減っています。

出生数の減少が直接ひびく分野であり、国内の数量の回復は見込みにくい状況です。各社は、肌へのやさしさや薄さ・通気性などの高機能化、海外市場での展開によって、国内の縮小を補う方向にあります。アジアを中心とする新興国では、衛生意識の高まりとともにベビー用紙おむつの需要が伸びており、輸出や現地生産が国内メーカーの成長の軸になっています。

国内では、はいはい期以降に使うパンツ式への移行や、枚数より品質で選ばれる傾向が強まっています。数量の縮小が避けられないなかで、付加価値と海外をどう取り込むかが課題です。

生理用品や衛生材料は、どんな統計でとらえられるのか?

生理用品(生理処理用品)は、薬機法上の医薬部外品にあたり、紙おむつとは別の薬事工業生産動態統計で集計されます。生理処理用品の生産金額は2024年に736億円でした。吸収力や薄さ、肌へのやさしさといった機能の向上に加え、近年は布ナプキンや吸水ショーツなど、使い捨て以外の選択肢も広がっています。

これらは紙おむつの生産統計(経済産業省 生産動態統計)とは集計の基準が異なる別の指標で、足し合わせることはできません。生理用品は月経をめぐる健康(フェムテック)への関心の高まりを背景に、製品やサービスの幅が広がっています。

なお、マスクやウェットティッシュといった衛生材料は、紙おむつの生産統計には含まれません。これらは新型コロナ下で需要が大きく動いた分野ですが、年間の悉皆的な生産統計が乏しく、本ページでは紙おむつと生理用品を中心に扱っています。

中期見通し

近未来1-2年

紙おむつは、大人用の伸びと乳幼児用の縮小という逆方向の動きが続くとみられます。高齢化で大人用のパンツ式・尿とりパッド・軽失禁用のパッドが伸び、少子化で乳幼児用は縮みます。生産数量でみた大人用と乳幼児用の逆転がさらに進み、大人用が中心となる構図が定着します。

中期3-5年

中期では、高齢者人口の増加に伴う大人用需要の拡大が続く見通しです。在宅・施設での介護の負担を減らす高機能品や、軽い尿もれに対応したパッドの需要が広がります。乳幼児用は国内の縮小を、高機能化とアジアを中心とする海外展開で補う動きが強まります。

長期5-10年

長期では、人口構成の変化がサニタリーの品目構成を大きく変えていきます。乳幼児用は出生数の減少で縮む一方、大人用は高齢者人口がピークに向かうなかで需要を支えます。国内の数量が頭打ちとなる乳幼児用・生理用品では、海外展開や高付加価値化、使用済み紙おむつの再生利用といった環境対応が論点となります。

よくある質問

大人用と乳幼児用の紙おむつ、どちらが多く生産されていますか?
生産数量でみると、2023年に大人用が乳幼児用を上回りました。大人用の生産数量は2018年の84億枚から2024年に96億枚へ増える一方、乳幼児用は151億枚から79億枚へほぼ半減しています。高齢化と少子化が逆方向に働いた結果です。
大人用紙おむつで一番多いのはどの品目ですか?
生産数量で最も多いのは尿とりパッドで、2024年は42億枚です。テープ止め式・パンツ式・軽失禁用のパッドも増えており、寝たきりから自立した生活まで、状態に応じて製品が使い分けられています。
ベビー用紙おむつはなぜ減っているのですか?
少子化による出生数の減少が直接ひびいているためです。乳幼児用テープ式の生産数量は2018年の75億枚から2024年に21億枚へ大きく減りました。各社は高機能化やアジアを中心とする海外展開で、国内の縮小を補おうとしています。
生理用品の市場はどれくらいの規模ですか?
生理用品(生理処理用品)は医薬部外品にあたり、薬事工業生産動態統計で集計されます。生産金額は2024年に736億円でした。これは紙おむつの生産統計とは集計の基準が異なる別の指標で、足し合わせることはできません。
マスクやウェットティッシュのデータはなぜ載っていないのですか?
マスクやウェットティッシュは、紙おむつの生産統計(経済産業省 生産動態統計)の対象に含まれず、年間の悉皆的な生産統計が乏しいためです。本ページでは、統計が整う紙おむつと生理用品を中心に扱っています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    経済産業省 生産動態統計 紙・パルプ統計「紙おむつ」
  2. 2.
    厚生労働省 薬事工業生産動態統計年報 令和6年(医薬部外品)
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