数量が伸びないなかで、市場規模はなぜプラスを保つのか?
トイレタリーの多くの品目は、人口の減少を背景に数量の拡大が難しくなっています。洗濯用の粉末洗剤の生産は16.6万トンから8.0万トンへ半減し、紙おむつでも乳幼児用が縮小しています。数量だけをみれば、市場は頭打ちに近い状況です。
それでも市場規模が保たれているのは、付加価値を高めて単価を上げる動きが広がっているためです。歯みがきではフッ化物配合などで機能を高めた製品が増え、フッ化物配合の割合は金額ベースで92.3%に達しています。洗剤でも濃縮や詰め替えで使いやすさを訴求しています。原材料高を背景とした価格改定も進み、家計調査では浴用・洗顔石けんへの年間支出が5,291円から9,014円へ増えました。
加えて、高齢化や猛暑といった環境の変化が一部の品目を押し上げています。大人用紙おむつや尿とりパッド、デオドラント、殺虫剤などが伸び、数量が縮む品目を金額面で補っています。人口減少が続くなかで、各社が「量から質」への転換をどこまで進められるかが、市場規模を左右する見通しです。