最終更新
STAT DETAIL · HOUSEHOLD GOODS

殺虫剤・入浴剤・芳香消臭剤の生産動向|猛暑で動く家庭日用品【2026年版】

殺虫剤や入浴剤、芳香消臭剤などの家庭日用品は、気候や生活様式の変化で需要が動きます。厚生労働省の薬事工業生産動態統計でみると、医薬部外品の殺虫剤の生産金額は2024年に682億円、入浴剤(浴用剤)が596億円、制汗・デオドラント(腋臭防止剤)が359億円でした。日本エアゾール協会の集計では、2024年のエアゾール製品の総生産は5億3,891万缶と前年から4.3%増え、猛暑を背景に殺虫剤が28.6%増と大きく伸びました。家庭日用品の品目別の規模、エアゾールの動き、品目ごとの論点まで順に整理します。

エアゾール製品の総生産
53,891万缶
2024年。前年から4.3%増、猛暑で殺虫剤が伸長。塗料・工業用を含む容器形態の総計
出典: 日本エアゾール協会 エアゾール製品生産実績
殺虫剤の生産金額
682億円
2024年・医薬部外品。家庭日用品で最も生産金額が大きい
出典: 厚生労働省 薬事工業生産動態統計年報(令和6年)
入浴剤の生産金額
596億円
2024年・医薬部外品(浴用剤)。温浴・リラックス需要を背景に底堅い
出典: 厚生労働省 薬事工業生産動態統計年報(令和6年)
制汗・デオドラントの生産金額
359億円
2024年・医薬部外品(腋臭防止剤)。猛暑の長期化で需要が拡大
出典: 厚生労働省 薬事工業生産動態統計年報(令和6年)

家庭日用品(医薬部外品)の品目別生産金額 (2024年、億円)

殺虫剤・入浴剤・制汗剤などの医薬部外品の品目別。厚生労働省 薬事工業生産動態統計による生産金額。各品目は独立した規模の比較で、足し合わせた合計は扱わない
単位: 億円上位 5
0200400600800682殺虫剤596入浴剤(浴用剤)359制汗・デオドラント(腋臭防…222口中清涼剤222外皮消毒剤
出典: 厚生労働省 薬事工業生産動態統計年報(令和6年、医薬部外品の薬効分類別生産金額)
カテゴリ殺虫剤入浴剤(浴用剤)制汗・デオドラント(腋臭防止剤)口中清涼剤外皮消毒剤
生産金額億円682596359222222
読み解き

家庭日用品のうち医薬部外品にあたる品目を生産金額でみると、最も大きいのは殺虫剤で682億円(2024年)です。蚊やゴキブリ、ダニなどへの対策製品で、夏場の気候に需要が大きく左右されます。次いで入浴剤(浴用剤)が596億円で、温浴やリラックス、温泉成分などの付加価値を訴求した製品が支えています。

制汗・デオドラント(腋臭防止剤)は359億円で、猛暑の長期化を背景に需要が広がっています。口中清涼剤・外皮消毒剤はそれぞれ222億円・222億円でした。これらは薬機法上の医薬部外品としての生産金額で、メーカー出荷金額でとらえた市場規模(矢野)とは集計の基準が異なります。なお、芳香消臭剤は医薬部外品ではなく雑貨に分類されるため、この生産金額には含まれません。

エアゾール製品の総生産の推移と用途別の動き (2024年)

日本エアゾール協会の集計。総生産は塗料・工業用を含む容器形態の総計、用途別はトイレタリーに関わる用途の前年比。2023年は協会の公表が確認できず未掲載
2020年
総生産
50,534
2021年
総生産
51,167
2022年
総生産
49,477
2023年
総生産
—(未公表)
2024年
総生産
53,891
読み解き

エアゾール製品の総生産は、2024年に5億3,891万缶と前年から4.3%増えました(2023年の総生産は協会の公表が確認できないため掲載していません)。エアゾールは塗料や工業用、自動車用も含む容器形態の横断的な統計で、ここでの総計にはトイレタリー以外の用途も含まれます。

用途別の前年比をトイレタリー関連でみると、殺虫剤が+28.6%と大きく伸びました。これは2024年の記録的な猛暑と残暑の長期化で蚊などの活動期間が延び、前年の在庫調整の反動も重なったためです。人体用(制汗・デオドラント等)は+1.6%、家庭用品は+0.9%でした。気候が需要を大きく動かす分野であることが、用途別の動きからも読み取れます。

主要論点

猛暑は、殺虫剤の需要をどう動かしているのか?

家庭用の殺虫剤は、気候の影響を強く受ける品目です。日本エアゾール協会の集計では、2024年のエアゾール用途別で殺虫剤が28.6%増と大きく伸びました。医薬部外品としての殺虫剤の生産金額も2024年に682億円で、家庭日用品のなかで最も大きい品目です。

背景には、記録的な猛暑と残暑の長期化があります。蚊やゴキブリ、ダニなどの活動期間が延びることで、対策製品の使用期間も長くなります。前年に在庫調整があった反動も重なり、2024年は需要が大きく伸びました。

各社は、効果の持続性や使い勝手(置くだけ・ワンプッシュなど)、屋内外の用途に応じた製品で差別化を図っています。気候変動で夏の高温化が続けば、殺虫剤や虫よけの需要期が長期化する可能性があり、季節商品でありながら需要の底上げが期待される分野です。

入浴剤や制汗剤は、どんな付加価値で伸びているのか?

入浴剤(浴用剤)は、医薬部外品としての生産金額が2024年に596億円で、家庭日用品のなかで殺虫剤に次ぐ規模です。温浴やリラックス、疲労回復、温泉成分やスキンケア効果などの付加価値を訴求した製品が需要を支えています。シャワーで済ませる人が増える一方、湯船につかる時間を楽しみや健康のために重視する層に向けた高機能品が伸びています。

制汗・デオドラント(腋臭防止剤)は359億円で、猛暑の長期化を背景に需要が広がっています。汗やにおいへの関心の高まりに加え、エチケットとしての位置づけが定着し、スプレー・ロールオン・シートなど形態も多様化しています。

いずれも、機能や香り、使い勝手といった付加価値で単価を高める方向にあります。気候や健康・美容への意識の変化が、これらの品目の需要と製品開発を動かしています。

芳香消臭剤や家庭日用品は、どこまでが統計でとらえられるのか?

家庭日用品には、殺虫剤・入浴剤・制汗剤のほか、芳香剤・消臭剤・防虫剤・除湿剤などが含まれます。ただし、これらのすべてが同じ統計でとらえられるわけではありません。芳香消臭剤は医薬部外品ではなく雑貨に分類されるため、薬事工業生産動態統計の生産金額には含まれません。

そのため、芳香消臭剤の規模は、業界団体や民間調査の別の統計でとらえる必要があります。本ページでは、医薬部外品として生産金額が把握できる殺虫剤・入浴剤・制汗剤などを中心に扱い、芳香消臭剤については品目の広がりを定性的に整理しています。

家庭日用品は、生活の細かなニーズに応える多品目の分野です。芳香消臭、防虫、除湿、トイレ用品など、暮らしの快適さや衛生に関わる製品が幅広く、メーカーごとに得意とする領域が分かれています。統計の対象範囲を確かめながら、品目ごとに規模や動きを読むことが必要です。

中期見通し

近未来1-2年

家庭日用品は、気候の影響を受けやすい品目の動きが続くとみられます。猛暑の長期化が殺虫剤や制汗・デオドラントの需要期を延ばす一方、年ごとの天候で振れも大きくなります。入浴剤は温浴・リラックス需要を背景に底堅く、高機能品が単価を支えます。

中期3-5年

中期では、気候変動への適応と高機能化が需要を支える方向です。夏の高温化が続けば殺虫剤・虫よけ・制汗剤の需要期が長期化し、季節商品の底上げにつながります。入浴剤や芳香消臭では、香りや成分、使い勝手を軸とした付加価値の競争が続きます。

長期5-10年

長期では、人口減少が国内の数量の基調を弱める一方、気候・衛生・快適さへの関心が品目構成を変えていきます。猛暑への対応、容器の環境対応(エアゾールの代替や詰め替え)、健康・美容と結びついた高付加価値化が、家庭日用品の規模を保つうえでの論点となります。

よくある質問

家庭日用品で生産金額が大きいのはどの品目ですか?
医薬部外品の生産金額でみると、最も大きいのは殺虫剤で2024年に682億円です。次いで入浴剤(浴用剤)が596億円、制汗・デオドラント(腋臭防止剤)が359億円でした。これらは厚生労働省の薬事工業生産動態統計による医薬部外品の生産金額です。
なぜ2024年に殺虫剤が大きく伸びたのですか?
記録的な猛暑と残暑の長期化で、蚊やゴキブリなどの活動期間が延びたためです。日本エアゾール協会の集計では、2024年のエアゾール用途別で殺虫剤が28.6%増と大きく伸びました。前年の在庫調整の反動も重なっています。
エアゾールの総生産にはどんな製品が含まれますか?
エアゾールは容器の形態を指し、トイレタリー関連の殺虫剤・制汗剤・家庭用品のほか、塗料・工業用・自動車用も含みます。2024年の総生産は5億3,891万缶で前年から4.3%増えました。本ページでは、このうちトイレタリーに関わる用途を中心に扱っています。
芳香消臭剤の生産金額はなぜ載っていないのですか?
芳香消臭剤は薬機法上の医薬部外品ではなく雑貨に分類されるため、薬事工業生産動態統計の生産金額には含まれないためです。本ページでは、医薬部外品として生産金額が把握できる殺虫剤・入浴剤・制汗剤などを中心に扱っています。
これらの数字の出典は何ですか?
品目別の生産金額は厚生労働省 薬事工業生産動態統計年報(医薬部外品)、エアゾールの総生産・用途別前年比は日本エアゾール協会の集計が出典です。これらは集計の範囲や基準が異なるため、本ページではそれぞれ別の指標として整理しています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    厚生労働省 薬事工業生産動態統計年報 令和6年(医薬部外品)
  2. 2.
    日本エアゾール協会 エアゾール製品生産実績
📄 資料DL💬 無料相談