最終更新
STAT DETAIL · ORAL CARE

歯みがき・洗口液の出荷数量・出荷金額動向|フッ化物配合の進む高機能化【2026年版】

オーラルケアでは、歯みがきの出荷が「量から質」へと動いています。日本歯磨工業会の出荷統計でみると、歯みがき類(歯みがき剤・洗口液)の出荷金額は2024年の1,627億円から2025年に1,692億円へ増える一方、出荷数量は621百万個から607百万個へ微減しました。数量が頭打ちでも金額が伸びる背景には、フッ化物の高濃度化や知覚過敏・ホワイトニングなどの高機能化があり、フッ化物を配合した歯みがきの割合は金額ベースで2025年に92.3%に達しています。形態別の出荷、フッ化物配合の推移、医薬部外品との関係まで順に整理します。

歯みがき類の出荷金額
1,692億円
2025年・歯磨工業会出荷ベース。2024年は1,627億円で増加
出典: 日本歯磨工業会 年間出荷統計
フッ化物配合の割合
92.3%
2025年・金額ベース。2021年は90.5%で高機能化が進む
出典: 日本歯磨工業会 年間出荷統計
医薬部外品(薬用)の割合
95.9%
2025年・金額ベース。歯みがきの大半は医薬部外品(薬用)
出典: 日本歯磨工業会 年間出荷統計
歯磨きの年間支出
4,371
二人以上の世帯、2024年。2018年は3,036円で需要側の家計支出は上昇
出典: 総務省 家計調査(二人以上の世帯)

歯みがき類の出荷金額 (2024年・2025年、億円)

日本歯磨工業会の年間出荷統計。歯みがき剤と洗口液を合わせた出荷金額。直近2か年で1,627億円から1,692億円へ増加
単位: 億円
05001,0001,5002,0001,627241,69225
出典: 日本歯磨工業会 年間出荷統計(歯みがき剤・洗口液の出荷金額)
20242025
出荷金額億円1,6271,692
前年比
読み解き

歯みがき類(歯みがき剤・洗口液)の出荷金額は、2024年の1,627億円から2025年に1,692億円へ増えました。歯磨工業会は年間の出荷を前年と並べて公表しており、長期の時系列は公表されていないため、ここでは直近2か年の出荷金額を示しています。

金額が増える一方で、出荷数量はわずかに減っています(次のグラフ)。フッ化物の高濃度化や知覚過敏・ホワイトニングなどの高機能化で単価が上がり、数量が頭打ちのなかでも金額が伸びる「量から質」の構図です。これはメーカー出荷金額でとらえた市場規模(矢野経済研究所)の内訳ではなく、業界団体が集計した別の出荷統計です。

歯みがき類の出荷数量 (2024年・2025年、百万個)

日本歯磨工業会の年間出荷統計。歯みがき剤と洗口液を合わせた出荷数量。621百万個から607百万個へ微減し、金額の増加と対照的
単位: 百万個
02004006008006212460725
出典: 日本歯磨工業会 年間出荷統計(歯みがき剤・洗口液の出荷数量)
20242025
出荷数量百万個621607
前年比
読み解き

歯みがき類の出荷数量は、2024年の621百万個から2025年に607百万個へ微減しました。人口の減少を背景に、歯みがきの数量を増やすことは難しくなっています。

それでも出荷金額が増えているのは、フッ化物の高濃度化や知覚過敏・歯周病・ホワイトニングなどの高機能・高付加価値の製品への置き換えが進み、単価が上がっているためです。数量が微減するなかで金額が伸びる「量から質」が、オーラルケアにもはっきりと表れています。

歯みがき類の形態別 出荷数量と出荷金額 (2024年と2025年)

練り・液体歯みがき・洗口液などの形態別。日本歯磨工業会の出荷統計。数量は微減でも金額は増え、高機能化を映す
練りタイプ
出荷数量(2024年)
505
出荷数量(2025年)
499
出荷金額(2024年)
1,196
出荷金額(2025年)
1,253
液体歯みがき
出荷数量(2024年)
59
出荷数量(2025年)
49
出荷金額(2024年)
236
出荷金額(2025年)
235
洗口液(マウスウォッシュ)
出荷数量(2024年)
56
出荷数量(2025年)
58
出荷金額(2024年)
194
出荷金額(2025年)
202
潤製・粉末ほか
出荷数量(2024年)
1
出荷数量(2025年)
1
出荷金額(2024年)
2
出荷金額(2025年)
3
合計
出荷数量(2024年)
621
出荷数量(2025年)
607
出荷金額(2024年)
1,627
出荷金額(2025年)
1,692
読み解き

歯みがき類は、練りタイプ・液体歯みがき・洗口液(マウスウォッシュ)などの形態に分かれます。最も多いのは練りタイプで、2025年の出荷金額は1,253億円と全体の大半を占めます。洗口液は202億円で、口臭・歯周病ケアの需要を背景に底堅く推移しています。

全体でみると、出荷数量は621百万個から607百万個へ微減した一方、出荷金額は1,627億円から1,692億円へ増えました。フッ化物の高濃度化や知覚過敏・ホワイトニングなどの高機能化で単価が上がり、数量の頭打ちのなかでも金額が伸びる「量から質」を示しています。なお、この数値は日本歯磨工業会が会員企業の出荷を集計したもので、メーカー出荷金額でとらえた市場規模(矢野)とは集計の範囲が異なります。

フッ化物配合歯みがきの割合の推移 (2021-2025年、%)

金額ベースのフッ化物配合の割合。出荷の高機能化を支える指標で、5か年の推移でみると2025年は92.3%
単位: %
0.025.050.075.0100.090.52188.52290.52391.52492.325
出典: 日本歯磨工業会 年間出荷統計(フッ化物配合歯みがきの金額割合)
20212022202320242025
フッ化物配合の割合%90.5188.5390.5391.5092.31
読み解き

出荷金額を押し上げている高機能化の中心が、フッ化物(フッ素)です。フッ化物は歯の再石灰化を促し虫歯を予防する成分で、歯みがきの機能性の軸になっています。歯磨工業会の出荷統計でみると、フッ化物を配合した歯みがきの金額割合は2021年の90.5%から2025年に92.3%へ高まりました。2022年に88.5%へ一度下がった後、再び上昇して過去最高の水準にあります。

出荷金額・数量が2か年でしか公表されないのに対し、フッ化物配合の割合は5か年の推移が公表されており、高機能化の流れを長い目で確かめられます。高濃度フッ化物配合や、知覚過敏・歯周病ケア・ホワイトニングなど、機能を高めた歯みがきへの置き換えが進み、出荷数量が頭打ちのなかでも金額を押し上げる「量から質」を支えています。

主要論点

歯みがきの高機能化は、具体的に何が進んでいるのか?

歯みがきの機能性の中心はフッ化物(フッ素)です。虫歯予防に有効なフッ化物を配合した歯みがきの金額割合は、2021年の90.5%から2025年に92.3%まで高まりました。高濃度のフッ化物を配合した製品も増えています。

フッ化物に加えて、知覚過敏のケア、歯周病・歯肉炎の予防、ホワイトニング、口臭対策など、複数の機能をうたった製品が広がっています。一本で複数の効果を訴求する製品や、特定の悩みに特化した製品など、用途の細分化が進んでいます。

こうした高機能・高付加価値の製品への置き換えにより、出荷数量が621百万個から607百万個へ微減するなかでも、出荷金額は1,627億円から1,692億円へ増えています。人口減少で数量の拡大が難しいなか、単価の上昇が金額を支える構図です。

「薬用歯みがき」と普通の歯みがきは、何が違うのか?

歯みがきには、化粧品に分類されるものと、医薬部外品に分類される「薬用歯みがき」があります。薬用歯みがきは、虫歯予防・歯周病予防・知覚過敏のケアなどの効能を持つ有効成分が一定量配合され、薬機法(医薬品医療機器等法)のもとで医薬部外品として承認されたものです。

歯磨工業会の出荷金額でみると、医薬部外品(薬用)の割合は2025年に95.9%と大半を占めます。医薬部外品としての薬用歯みがき剤の生産金額は、厚生労働省の薬事工業生産動態統計で別に1,562億円(2024年)と集計されます。ただし、これは悉皆の生産統計で、歯磨工業会の出荷統計(洗口液を含む)とは集計の基準が異なるため、両者を足し合わせることはできません。

「薬用」「医薬部外品」と表示できるかどうかは、配合する有効成分と承認の有無で決まります。フッ化物や薬用成分の配合は、製品の訴求や価格にも関わる重要な論点です。

洗口液は伸びているのか? 歯ブラシのデータはあるのか?

洗口液(マウスウォッシュ)は、口臭対策や歯周病・歯肉炎の予防を目的に使われ、需要は底堅く推移しています。歯磨工業会の出荷統計では、洗口液の出荷金額は2025年に202億円でした。液体で口をすすぐタイプと、ブラッシング前後に使うタイプがあり、機能や使い勝手で選ばれています。

一方、歯ブラシについては、年間の出荷統計が整備されていません(上期のみの統計にとどまります)。このため、本ページでは歯みがき剤と洗口液を中心に扱い、歯ブラシの数量・金額は対象としていません。歯ブラシは、手磨き用に加えて電動歯ブラシの市場も広がっていますが、年間の悉皆的な統計は乏しいのが実情です。

オーラルケア全体としては、虫歯・歯周病の予防という機能の軸と、口臭・ホワイトニングといった美容・エチケットの軸の両面で、製品が多様化しています。

中期見通し

近未来1-2年

歯みがきは、フッ化物の高濃度化と多機能化による高付加価値化が続くとみられます。虫歯予防に加え、知覚過敏・歯周病・ホワイトニングなど機能を高めた製品が金額を支えます。出荷数量の拡大は人口減少のもとで難しく、単価の上昇をどこまで進められるかが課題です。

中期3-5年

中期では、予防歯科への関心の高まりが需要を支える方向です。高齢化に伴う歯周病ケアや、口腔の健康と全身の健康の関連への意識が広がり、機能性歯みがき・洗口液の需要を押し上げます。一方、容器の環境対応(詰め替え・軽量化)や、医薬部外品としての訴求の適正化も論点となります。

長期5-10年

長期では、人口減少が数量の基調を弱めるなかで、予防歯科の定着と高機能化が金額を支える方向です。電動歯ブラシや口腔ケア機器との組み合わせ、個人の口腔状態に応じた製品提案など、オーラルケア全体での付加価値の拡張が、市場を保つうえでの論点となります。

よくある質問

歯みがき類の出荷はどれくらいの規模ですか?
日本歯磨工業会の出荷統計によると、歯みがき類(歯みがき剤・洗口液)の出荷金額は2025年に1,692億円で、2024年の1,627億円から増えました。形態別では練りタイプが大半を占め、2025年は1,253億円です。
フッ素(フッ化物)入りの歯みがきはどれくらいの割合ですか?
金額ベースで、フッ化物を配合した歯みがきの割合は2025年に92.3%です。2021年の90.5%から高まっており、虫歯予防を中心に機能性が重視されています。高濃度フッ化物配合の製品も増えています。
数量が増えていないのに、金額が増えるのはなぜですか?
高機能化と単価の上昇が進んでいるためです。歯みがき類の出荷数量は621百万個から607百万個へ微減した一方、出荷金額は1,627億円から1,692億円へ増えました。フッ化物の高濃度化や知覚過敏・ホワイトニングなどの高機能品への置き換えが単価を押し上げています。
「薬用歯みがき」と普通の歯みがきの違いは何ですか?
薬用歯みがきは、虫歯予防や歯周病予防などの有効成分が配合され、薬機法のもとで医薬部外品として承認されたものです。歯磨工業会の出荷金額でみると医薬部外品(薬用)の割合は2025年に95.9%と大半を占めます。化粧品に分類される歯みがきとは承認の枠組みが異なります。
歯ブラシのデータはなぜ載っていないのですか?
歯ブラシは年間の出荷統計が整備されておらず(上期のみの統計にとどまる)、年間の悉皆的な数量・金額が把握しにくいためです。本ページでは、年間統計が整う歯みがき剤と洗口液を中心に扱っています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    日本歯磨工業会 年間出荷統計
  2. 2.
    厚生労働省 薬事工業生産動態統計年報 令和6年(医薬部外品)
  3. 3.
    総務省 家計調査(家計収支編、二人以上の世帯)
📄 資料DL💬 無料相談