最終更新
TOPIC DETAIL · CUSTOMER ACQUISITION

美容サロンの集客と予約プラットフォーム|ネット予約の浸透とホットペッパービューティー依存【2026年版】

美容サロンの集客は、予約・口コミプラットフォームへの依存が強まっています。ホットペッパービューティーの予約取扱額は2024年度に約1.1兆円、ネット予約件数は年間約1.6億件に達し、美容室を利用する女性のネット予約は計59.2%にのぼります。集客の母数は利用率・利用頻度・客単価で決まり、サロンはプラットフォームへの対応とリピート・指名による依存度の引き下げを迫られています。

HPB予約取扱額(2024年度)
1.1兆円
2019年度からの年平均成長率は14.2%
出典: リクルートホールディングスIR
HPBネット予約件数(2024年度)
約1.6億件
2011年度の290万件から拡大
出典: リクルートホールディングスIR
HPB月間利用者
1,200万人以上
予約・口コミの最大手プラットフォーム
出典: リクルートホールディングスIR
女性のネット予約率(2025年)
59.2%
美容室、20代では75.8%と年々増加
出典: リクルートHBA美容センサス2025年上期

集客の母数は、何で決まるのか

利用率 × 頻度 × 単価

サロンの売上のもとになる需要は、どれだけの人が使うか(利用率)・どれくらいの頻度で来るか・1回にいくら使うか(単価)の3つでおおむね決まります。集客とは、この3つを高め、新規とリピートの両面で利用者を増やす活動です。

伸びる利用率と頻度

ジャンルによっては利用率や頻度が伸びています。アイビューティー(まつ毛・眉などの目元施術)の利用率は女性全体で11.8%、20代女性では29.0%と約3人に1人にのぼります。ネイルでは、女性利用者のうち年12回以上通う高頻度層が27.2%を占め、ここ4年で最高となりました。新たな需要の取り込みと、来店頻度の引き上げが集客の余地となっています。

上昇する客単価

1回あたりの単価も上昇しています。美容室の利用金額は女性7,668円・男性4,879円と男女ともにここ5年で最高となりました。物価高を背景とした単価の上昇は売上を押し上げますが、値上げには利用者の負担という上限があり、利用率や頻度の確保と組み合わせることが求められます。主要ジャンルの客単価は下の表のとおりです。

主要ジャンルの1回あたり利用金額(2025年、円)

美容室・リラクゼーション(着衣の施術)の男女別、ともにここ数年で最高水準
美容室
女性
7,668円
男性
4,879円
リラクゼーション(着衣の施術)
女性
5,196円
男性
4,792円
読み解き

1回あたりの利用金額は、美容室で女性7,668円・男性4,879円、リラクゼーション(着衣の施術)で女性5,196円・男性4,792円です。いずれも男女ともにここ数年で最高水準にあり、物価高を背景とした単価の上昇が集客の母数を金額面で押し上げています。

予約はどう変わり、なぜプラットフォームに集まるのか

ネット予約の浸透

予約の手段はネットへ移っています。美容室を利用する女性では、ネット予約が計59.2%を占める一方、電話予約は21.0%まで下がり、年々減少しています。ネット予約のうち最も多いのが、サロン検索・予約サイト・アプリ(ホットペッパービューティー等)経由で、女性で45.4%、男性で34.5%を占めます。

若年層ほど高いプラットフォーム経由

世代による差も大きく、ネット予約は20代女性で75.8%・30代女性で72.6%と、若年層ほど高くなっています。予約サイト・アプリ経由も20代女性で62.4%にのぼります。スマートフォンで店を探し、口コミを見て予約するという行動が、若い世代を中心に定着しています。

検索・口コミが入り口になる

利用者がサロンを選ぶ入り口が、店頭や紹介から、検索と口コミに移っていることが、プラットフォームに予約が集まる背景です。掲載・口コミ・予約導線を一体で提供するプラットフォームに、新規集客の起点が集約されています。下の表は美容室を利用する女性の予約方法です。

美容室を利用する女性の予約方法(2025年、%)

ネット予約が計59.2%、うち予約サイト・アプリ経由が最多
ネット予約・計
割合
59.2%
 うち予約サイト・アプリ経由(HPB等)
割合
45.4%
電話予約
割合
21.0%
読み解き

美容室を利用する女性の予約は、ネット予約が計59.2%を占め、そのうち予約サイト・アプリ(ホットペッパービューティー等)経由が45.4%と最多です。電話予約は21.0%まで下がっています。男性でも予約サイト・アプリ経由が34.5%とネット予約の中心で、予約の入り口がプラットフォームに集まっている構図です。

ホットペッパービューティーの規模と、依存をどう引き下げるか

予約件数は十数年で大きく拡大

最大手のホットペッパービューティーは、ネット予約件数が2011年度の290万件から2024年度に約1.6億件へと十数年で大きく拡大しました。予約取扱額は2024年度に約1.1兆円(2019年度からの年平均成長率14.2%)、月間の利用者は1,200万人以上で、美容サロンの予約・口コミの主要な入り口となっています。

送客手数料と価格競争

プラットフォームは新規集客に有効ですが、サロンは予約サイト経由の集客に対して送客手数料(集客の対価としてプラットフォームに支払う費用)を負担します。掲載順位やクーポンをめぐる価格競争に巻き込まれやすく、新規客の多くがプラットフォーム経由になるほど、集客コストが利益を圧迫しやすくなります。

リピートと指名で依存を下げる

この依存を引き下げる鍵が、リピートと指名です。プラットフォーム経由で初めて来た顧客を、技術や接客で固定客に変え、特定のスタッフを選んで再来店してもらう指名につなげれば、手数料のかからない直接予約やサロン独自の予約システムへ移せます。新規はプラットフォーム、再来は自社チャネルという使い分けが、集客戦略の中心的な論点です。

主要論点

集客の予約プラットフォーム依存とどう向き合うか?

美容サロンの集客は、予約・口コミプラットフォームへの依存が強まっています。ホットペッパービューティーの予約取扱額は2024年度に約1.1兆円、ネット予約件数は年間約1.6億件に達し、美容室を利用する女性のネット予約は計59.2%にのぼります。プラットフォームは新規顧客の獲得に有効な一方、送客手数料や価格競争への巻き込みという課題があります。

サロンにとっての論点は、プラットフォームをどう位置づけるかです。新規集客の入り口としては有効ですが、すべての集客をプラットフォームに頼ると、手数料や値引き競争で利益が削られます。プラットフォーム経由で得た顧客をリピートや指名につなげ、手数料のかからない直接予約や自社の予約システムへ移すことが、収益の安定につながります。

現実的には、新規はプラットフォーム、再来は自社チャネルという使い分けが基本となります。掲載や口コミの管理と、固定客づくりの両方に取り組み、プラットフォームへの依存度をコントロールすることが、集客戦略の中心的な課題です。

ネット予約の世代差は何を意味するか?

ネット予約の浸透には世代差があります。美容室を利用する女性のネット予約は全体で59.2%ですが、20代では75.8%、30代では72.6%と若年層ほど高く、予約サイト・アプリ経由も20代女性で62.4%にのぼります。一方で電話予約は21.0%まで下がり、年々減少しています。

この世代差は、集客の打ち手が世代で異なることを意味します。若年層にはスマートフォンでの検索・口コミ・予約導線の最適化が効きやすく、プラットフォーム上の掲載や口コミ評価が来店を左右します。年齢層の高い顧客には電話や来店時の次回予約など、従来の接点も依然として重要です。

長期的には、ネット予約に慣れた世代が中心顧客になるにつれ、プラットフォーム経由の比率はさらに高まると見られます。サロンは、世代に応じた予約導線を用意しつつ、デジタルでの集客力を高めることが求められます。

集客の母数(利用率・頻度・単価)をどう伸ばすか?

サロンの売上のもとになる需要は、利用率・利用頻度・客単価で決まります。ジャンルによっては余地があり、アイビューティーの利用率は20代女性で29.0%、ネイルの年12回以上の高頻度層は女性で27.2%まで伸びています。客単価も美容室で女性7,668円・男性4,879円とここ5年で最高です。

それぞれに伸ばし方の論点があります。利用率は、男性需要や新ジャンル(アイ・まつ毛など)の取り込みで広げられます。頻度は、定期的な来店を促すメニューや会員制で引き上げられます。単価は、物価高を背景に上昇していますが、値上げには利用者の負担という上限があり、付加価値の高いメニューの提案が鍵となります。

3つの要素は互いに関係します。単価を上げすぎれば頻度が下がり、頻度を追えば単価が下がることもあります。利用率・頻度・単価のバランスをとりながら、新規とリピートの両面で母数を広げることが、集客の基本的な戦略です。

中期見通し

近未来1-2年

ネット予約・口コミプラットフォームへの集客依存はさらに強まる見通しです。とくに若年層ではプラットフォーム経由が中心となり、掲載・口コミ・クーポンをめぐる競争が続きます。送客手数料の負担をどう抑えるかが、各サロンの課題となります。

中期3-5年

リピート・指名による依存度の引き下げが、収益の安定の鍵となります。プラットフォームで新規を獲得し、自社の予約システムやLINE・SNSで再来をつなぎとめる二段構えが広がる見通しです。顧客データの活用が集客力を左右します。

長期5-10年

ネット予約に慣れた世代が中心顧客になるにつれ、集客のデジタル化は一段と進むとみられます。プラットフォームへの掲載と自社チャネルの育成をどう両立するかが、サロンの集客戦略を長期にわたり規定します。

よくある質問

美容サロンの集客はどうなっていますか?
予約・口コミプラットフォームへの依存が強まっています。ホットペッパービューティーの予約取扱額は2024年度に約1.1兆円、ネット予約件数は年間約1.6億件、月間利用者は1,200万人以上です。美容室を利用する女性のネット予約は計59.2%にのぼり、とくに20代で高くなっています。
ホットペッパービューティーの規模はどれくらいですか?
リクルートホールディングスのIRによると、ホットペッパービューティーの予約取扱額は2024年度に約1.1兆円(2019年度からの年平均成長率14.2%)、ネット予約件数は2011年度の290万件から2024年度に約1.6億件へ拡大しました。月間の利用者は1,200万人以上です。
美容室はネット予約と電話予約のどちらが多いですか?
美容室を利用する女性では、ネット予約が計59.2%を占め、電話予約の21.0%を上回ります。ネット予約のうち最も多いのは予約サイト・アプリ(ホットペッパービューティー等)経由で、女性45.4%・男性34.5%です。電話予約は年々減少しています。
送客手数料とは何ですか?
送客手数料は、サロンが予約サイト経由で集客した対価としてプラットフォームに支払う費用です。プラットフォームは新規集客に有効な一方、手数料や掲載順位・クーポンをめぐる価格競争に巻き込まれやすく、新規客の多くがプラットフォーム経由になるほど集客コストが利益を圧迫しやすくなります。
サロンはプラットフォーム依存をどう減らせますか?
鍵はリピートと指名です。プラットフォーム経由で初めて来た顧客を、技術や接客で固定客に変え、特定のスタッフを選んで再来店する指名につなげれば、手数料のかからない直接予約や自社の予約システムへ移せます。新規はプラットフォーム、再来は自社チャネルという使い分けが基本的な戦略です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    リクルートホールディングスIR (2026年3月期 第3四半期)
  2. 2.
    リクルート ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2025年上期」(2025/6/26)
📄 資料DL💬 無料相談