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STAT DETAIL · ESTHETIC MARKET

美容業界のエステティック市場|脱毛分野の縮小と分野別の市場規模【2026年版】

エステティック市場は縮小局面にあります。事業者売上高ベースの矢野経済研究所では2024年度に3,043億円となり、5年連続のマイナスとなる見込みです。消費者支出ベースでも、脱毛分野が2021年から672億円減少して市場全体を押し下げています。大手脱毛サロンの相次ぐ撤退や医療脱毛との競合に加え、痩身・引き締め分野では高密度焦点式超音波(HIFU)への規制強化(2024年)も逆風となっており、フェイシャルやメンズエステの動向とあわせて整理します。

エステ(消費者支出・2025年)
3,360億円
本ページ主指標。2021年の約3,956億円から減少
出典: リクルートHBA美容センサス2025年上期
脱毛分野(消費者支出・2025)
1,121億円
2021年の1,793億円から672億円減、縮小の主因
出典: リクルートHBA美容センサス2025年上期
エステ(事業者売上高・2024年度)
3,043億円
前年度比98.3、5年連続マイナス見込み(集計が異なる別統計)
出典: 矢野経済研究所
メンズエステ(2024年度)
155億円
前年度比100.6、数少ない伸長分野
出典: 矢野経済研究所

エステ分野別の市場規模の推移 (消費者支出ベース、2021-2025年、億円)

脱毛分野が2021年から672億円減少し、市場全体の縮小を主導
単位: 億円
フェイシャルボディ・痩身脱毛
01,0002,0003,0004,0003,956213,971223,383233,948243,36025
出典: リクルートHBA美容センサス2025年上期(消費者支出ベース)
年度20212022202320242025
フェイシャル億円1,3061,3381,1381,5241,393
ボディ・痩身億円8578437801,001846
脱毛億円1,7931,7901,4651,4231,121
合計(億円3,9563,9713,3833,9483,360
前年比+0.4%-14.8%+16.7%-14.9%
読み解き

消費者支出ベースのエステ市場は、フェイシャル・ボディ・痩身・脱毛の分野で構成されます。市場全体は2021年の約3,956億円から2025年の3,360億円へ減少しました。

縮小を主導しているのは脱毛分野で、2021年の1,793億円から2025年の1,121億円へと672億円減少しています。フェイシャルやボディ・痩身が一定の規模を保つ一方、脱毛の落ち込みが市場全体を押し下げる構図です。脱毛サロンの撤退に加え、医療脱毛との競合が背景にあります。なお分野別の合計は四捨五入の関係で総額と最大1億円程度異なる年があります。

このグラフに関連するトピック

エステ市場の分野別(2024年度、事業者売上高ベース)

矢野経済研究所の推計。レディス施術・メンズエステ・物販等の3区分(消費者支出ベースとは集計の立場が異なる)。合計3,043億円
レディス施術
売上(億円)
1,918億円
前年度比(前年=100)
97.4
物販・その他サービス
売上(億円)
970億円
前年度比(前年=100)
99.9
メンズエステ
売上(億円)
155億円
前年度比(前年=100)
100.6
読み解き

事業者売上高ベース(矢野経済研究所)では、2024年度のエステ市場3,043億円のうち、レディス施術が1,918億円(前年度比97.4)と大半を占めます。次いで物販・その他サービスが970億円(前年度比99.9)、メンズエステが155億円(前年度比100.6)です。

メンズエステは規模こそ小さいものの、前年度を上回る数少ない伸長分野です。この内訳は事業者の売上から推計したもので、上の消費者支出ベースの分野別(フェイシャル・ボディ・痩身・脱毛)とは集計の立場が異なるため、区分も数字も直接は対応しません。

主要論点

なぜエステティック市場は縮小しているのか?

エステ市場は縮小局面にあります。事業者売上高ベースの矢野経済研究所では2024年度3,043億円(前年度比98.3)で5年連続のマイナスとなる見込みで、消費者支出ベースでも2021年の約3,956億円から2025年の3,360億円へ減少しています。

縮小を主導しているのは脱毛分野です。消費者支出ベースの脱毛は2021年から672億円減少しました。背景には、大手脱毛サロンの経営破綻が相次いだことと、医療脱毛との競合があります。医療機関による脱毛が普及し、効果や安全性を求める利用者が医療脱毛へ移る動きがあり、エステサロンの脱毛は価格や手軽さでの差別化を迫られています。

脱毛以外でも、エステ業態には規制面の逆風があります。痩身・引き締め分野で用いられる高密度焦点式超音波(HIFU)は、2024年に医師免許のないサロンでの施術が医療行為に該当しうるとして規制が強化され、対応を迫られたサロンが少なくありません。脱毛分野の構造的な縮小と規制への対応が重なり、市場全体が縮小圧力にさらされています。

矢野と消費者支出ベースで数字が異なるのはなぜか?

エステ市場には集計の仕方が異なる統計があります。事業者売上高ベース(矢野経済研究所)は、エステ事業者の売上から市場を推計するもので、2024年度は3,043億円です。消費者支出ベース(リクルートHBA)は、利用者の支出から推計するもので、2025年のエステは3,360億円です。

両者は対象範囲や調査年、集計の立場が異なるため、数字を直接比較したり合算したりはできません。分野の区切り方も異なり、矢野はレディス施術・メンズエステ・物販で、消費者支出ベースはフェイシャル・ボディ・痩身・脱毛で分けています。

どちらが正しいというより、用途が異なります。エステ事業者の売上規模をみるなら矢野、利用者の支出からみた市場をみるなら消費者支出ベースが適しています。市場を語るときは、どの統計に基づく数字かを明確にすることが重要です。

メンズエステやフェイシャルに活路はあるか?

縮小するエステ市場のなかで、分野によって濃淡があります。事業者売上高ベースでは、メンズエステが2024年度155億円(前年度比100.6)と、数少ない伸長分野です。男性の美容意識の高まりを背景に、規模は小さいものの拡大の余地があります。

フェイシャルやボディ・痩身は、消費者支出ベースでみて一定の規模を保っています。脱毛が医療脱毛との競合で縮小するのに対し、これらの分野はサロンならではの施術やリラクゼーション性で差別化を図る余地があります。

エステ市場全体は構造的な縮小圧力にありますが、縮小一辺倒ではなく、メンズや特定分野での需要をどう取り込むかが事業者の論点です。脱毛偏重からの転換と、男性・新規層の取り込みが、活路を左右します。

中期見通し

近未来1-2年

脱毛分野の縮小と規制対応が続く見通しです。HIFU規制への対応や、大手脱毛サロンの破綻の影響が残ります。矢野の予測では2025年度は微増に転じますが、脱毛の落ち込みが下押し要因として残ります。

中期3-5年

医療脱毛との競合とメンズ需要が市場の方向を決めます。脱毛がサロンから医療へ移る流れのなか、フェイシャルやメンズエステなど差別化できる分野の比重が高まる可能性があります。事業者は脱毛偏重からの転換を迫られます。

長期5-10年

人口減少と美容医療の普及のなかで、エステサロンの役割の再定義が長期の論点です。施術の技術やリラクゼーション性、男性・シニアなど新規層の取り込みが、市場規模の底支えを左右します。

よくある質問

エステティック市場の規模はどれくらいですか?
事業者売上高ベースの矢野経済研究所では、2024年度のエステ市場は3,043億円(前年度比98.3)で、5年連続のマイナスとなる見込みです。2025年度は3,046億円(前年度比100.1)で微増に転じる予測です。なお消費者支出ベース(リクルートHBA)では2025年のエステは3,360億円で、集計の立場が異なる別の統計です。
エステ市場はなぜ縮小しているのですか?
縮小を主導しているのは脱毛分野です。消費者支出ベースの脱毛は2021年から672億円減少しました。大手脱毛サロンの経営破綻が相次いだことと、医療脱毛との競合が主な背景です。加えてエステ業態全体では、痩身・引き締め分野で用いられる高密度焦点式超音波(HIFU)への規制強化(2024年)も逆風となっています。
HIFU規制とは何ですか?
HIFU(高密度焦点式超音波)は、超音波で肌の引き締めなどを行う施術です。2024年に、医師免許のないエステサロンでのHIFU施術が医療行為に該当しうるとして規制が強化されました。これにより、HIFUを提供していたエステサロンは対応を迫られ、エステ市場の縮小要因の一つとなっています。
メンズエステ市場は伸びていますか?
事業者売上高ベース(矢野経済研究所)では、2024年度のメンズエステは155億円(前年度比100.6)で、エステ市場全体が縮小するなか数少ない伸長分野です。規模は小さいものの、男性の美容意識の高まりを背景に拡大の余地があります。
エステの分野にはどんな種類がありますか?
消費者支出ベース(リクルートHBA)では、フェイシャル・ボディ・痩身・脱毛に分かれます。事業者売上高ベース(矢野経済研究所)では、レディス施術・メンズエステ・物販等の3区分です。2つの統計は集計の立場が異なるため、分野の区切り方も対応しません。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    矢野経済研究所「エステティックサロン市場に関する調査(2025年)」(2025/4/23)
  2. 2.
    リクルート ホットペッパービューティーアカデミー「美容センサス2025年上期」(2025/6/26)
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