新規供給は減っていないのに、なぜ人手不足感があるのか?
美容師の新規供給は細っていません。国家試験(春期)では毎年1万5千人以上が合格し、第53回(2026年春)も17,273人が新たに資格を得ました。就業美容師の総数も令和5年度に579,768人と過去最多です。数のうえでは、有資格者は十分に供給されています。
それでも現場で人手不足が語られる背景には、入職後の定着と離職の課題があります。技術習得に時間がかかる一方で、初期の賃金水準は高くなく、長時間労働になりやすいことから、早期に離職したり他業種へ移ったりする人が一定数います。資格取得者は多くても、現場に定着する人材の確保が難しいという構図です。
つまり論点は「供給の量」ではなく「定着と処遇」にあります。賃金・労働環境の改善や、多様な働き方の受け皿づくりが、人材を現場につなぎとめる鍵となっています。