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リゾート・海外挙式|コロナ後の回復と国内・インバウンド挙式へのシフト【2026年版】

リゾート・海外挙式は、ハワイやグアム、バリ島などの海外や、沖縄などの国内リゾート地で挙式を行うスタイルです。新型コロナで海外挙式はほぼ実施できない時期があり大きく落ち込みました。その後も、円安と日本人の海外渡航の戻りの遅れで回復は緩やかです。一方で、沖縄などの国内リゾート挙式や、訪日外国人が日本で挙げるインバウンド挙式へのシフトが進んでいます。海外挙式の件数は各社とも公表しておらず、ここでは件数ではなく動向として整理します。リゾート・海外挙式とは何か、コロナ後の回復、国内・インバウンドへのシフトまで順にみていきます。

リゾート・海外挙式とは何か

海外と国内リゾートの2つのかたち

リゾート・海外挙式は、大きく海外挙式国内リゾート挙式に分かれます。海外挙式は、ハワイ・グアム・バリ島などの海外の挙式施設で行うもので、国内リゾート挙式は、沖縄などの国内のリゾート地で行うものです。いずれも、新郎新婦とその家族・親しいゲストが現地に集まり、少人数で行うことが多いのが特徴です。挙式に旅行を兼ねられる点も、選ばれてきた理由です。

専業大手と多事業型が手がける

リゾート・海外挙式を手がける主なプレイヤーには、まずワタベウェディングがあります。ハワイ・グアム・バリ島や沖縄を中心に、リゾート・海外挙式を専門としてきた大手で、現在は非上場です。上場大手では、ツカダ・グローバルホールディングがハワイ州やインドネシア(バリ島)で海外挙式事業を持ち、ホテル事業とあわせて展開しています。このほかにも、リゾートホテルや式場が個別にリゾート挙式を扱っており、専業の大手と、挙式以外の事業も持つ多事業型が併存しています。各社の財務や事業全体は、主要企業のページで扱います。

コロナ後、海外挙式はどうなったのか

渡航制限で需要が大きく落ち込んだ

海外挙式は、新型コロナの影響を最も強く受けた領域の一つです。渡航制限により、海外での挙式がほとんど実施できない時期が続き、需要は大きく落ち込みました。リゾート・海外挙式を専門としてきたワタベウェディングは、この落ち込みを受けて事業の再編を進めてきました。

円安と渡航の戻りの遅れで回復は緩やか

コロナ後も、海外挙式の回復は緩やかです。ツカダ・グローバルホールディングは有価証券報告書で、海外挙式について「為替相場の影響により日本人の海外渡航者数の戻りの遅れ」により厳しい状況が続くと説明しています。円安が進むと、海外での挙式や渡航にかかる費用が膨らむため、海外挙式を選びにくくなります。日本人の海外旅行そのものの回復が遅れていることも、海外挙式の戻りを鈍くしています。

海外挙式の件数は各社とも非開示

海外挙式が今どの程度の規模なのかは、数字では捉えにくいのが実情です。ツカダ・グローバルホールディングをはじめ、各社とも海外挙式の件数を独立した数字としては公表していません。同社が開示する婚礼事業の施行件数や受注件数は、国内を中心とした婚礼事業全体のもので、海外挙式だけを取り出した件数ではありません。海外挙式の動向は、こうした各社の定性的な説明から読み取ることになります。

国内リゾート・インバウンド挙式へのシフト

沖縄などの国内リゾートへ

海外挙式の回復が緩やかななかで、需要の一部は国内リゾート挙式へ向かっています。沖縄などの国内のリゾート地は、海外に比べて渡航の負担が小さく、円安の影響も受けにくいため、リゾートでの挙式を望む層の受け皿になっています。ワタベウェディングなどの事業者も、海外と並んで沖縄などの国内リゾートに力を入れています。

訪日客が日本で挙げるインバウンド挙式

もう一つの動きが、インバウンド挙式(訪日外国人が日本国内で行う結婚式)です。訪日外国人数は、2025年に約4,200万人(日本政府観光局の推計)と過去最高を更新する規模まで増えました。訪日客の増加を背景に、日本の式場や神社での和装挙式などを訪日客に提供する動きが注目されています。日本人の海外挙式が伸び悩む一方で、海外から日本へ来て挙式する需要を取り込めるかが、リゾート・挙式事業の新しい論点になっています。

より広い市場のなかでの位置づけ

ブライダル市場を広めに捉えた集計に、矢野経済研究所の『ブライダル産業年鑑』の6分野(2024年で約1兆8,448億円)があり、この中に「海外リゾート挙式」も含まれます。ただし、この6分野は挙式・披露宴を中心とした主要5分野(2024年で約1兆5,798億円)とは対象範囲が異なる別系列で、海外リゾート挙式の個別の金額も公表されていません。市場規模を引用するときは、どの範囲の数字かを確認する必要があります。市場規模全体の整理は市場規模のページで扱います。

主要論点

なぜ海外挙式はコロナ後も回復が鈍いのか?

海外挙式は、新型コロナの渡航制限で需要がほぼ失われた時期がありました。コロナ後も回復が鈍い背景には、大きく2つの要因があります。

第1に、円安です。円安が進むと、海外での挙式費用や渡航・滞在の費用が膨らみ、海外挙式を選びにくくなります。第2に、日本人の海外渡航の戻りの遅れです。ツカダ・グローバルホールディングも有価証券報告書で、この2点を海外挙式が厳しい理由として挙げています。

海外旅行そのものの回復がコロナ前の水準に届いていないなかで、旅行を兼ねる海外挙式の戻りも遅れています。為替と渡航需要の回復が、海外挙式が今後どこまで戻るかを左右します。

国内リゾート・インバウンド挙式は、海外挙式の落ち込みを補えるのか?

海外挙式の回復が鈍いなかで、事業者は国内リゾートとインバウンド挙式に活路を求めています。

国内リゾート挙式は、沖縄などで行うもので、海外より渡航の負担が小さく、円安の影響も受けにくいかたちです。海外挙式を望んでいた層の受け皿になりえます。インバウンド挙式は、訪日外国人が日本で挙式するもので、2025年に約4,200万人まで増えた訪日客を取り込めれば、日本人の海外挙式の落ち込みを別の需要で補える可能性があります。

ただし、いずれも海外挙式をそのまま置き換えるものではありません。国内リゾートは海外ほどの非日常感を出しにくく、インバウンド挙式は言語や商慣習への対応が必要です。落ち込みを補えるかは、事業者がこれらの新しい需要にどこまで対応できるかにかかっています。

海外挙式の市場規模は、なぜ分かりにくいのか?

海外挙式が今どの程度の規模なのかは、公開された数字からは捉えにくいのが実情です。

第1に、各社が海外挙式の件数を独立した数字として公表していないためです。上場するツカダ・グローバルホールディングも、開示する婚礼の施行件数・受注件数は国内を中心とした婚礼事業全体のもので、海外挙式だけを取り出していません。第2に、市場規模の集計でも、矢野経済研究所の6分野に「海外リゾート挙式」が含まれるものの、その個別の金額は公表されていないためです。

このため、海外挙式の規模は確定した数字では語れず、各社の定性的な説明や、訪日客数などの周辺の指標から動向を読み取ることになります。数字がない部分を推測で埋めず、分かっている事実から整理することが必要です。

よくある質問

リゾート・海外挙式(リゾ婚)とは何ですか?
リゾート・海外挙式は、ハワイ・グアム・バリ島などの海外や、沖縄などの国内リゾート地で行う結婚式です。リゾート地で行う結婚式は「リゾ婚」とも呼ばれます。新郎新婦と家族・親しいゲストが現地に集まり、少人数で行うことが多く、挙式に旅行を兼ねられる点が選ばれてきた理由です。ワタベウェディングやツカダ・グローバルホールディングなどが手がけています。
海外挙式はコロナからどのくらい回復しましたか?
回復は緩やかです。新型コロナの渡航制限で海外挙式がほとんど実施できない時期があり、需要は大きく落ち込みました。コロナ後も、円安と日本人の海外渡航の戻りの遅れで回復は鈍く、ツカダ・グローバルホールディングは有価証券報告書で海外挙式が厳しい状況にあると説明しています。具体的な海外挙式の件数は各社とも公表していません。
リゾート・海外挙式の主な事業者はどこですか?
リゾート・海外挙式を専門としてきた大手に、ハワイ・グアム・バリ島や沖縄を手がけるワタベウェディング(非上場)があります。上場大手では、ツカダ・グローバルホールディングがハワイ州やインドネシア(バリ島)で海外挙式事業を持ち、ホテル事業とあわせて展開しています。各社の財務や事業全体は主要企業のページで扱います。
インバウンド挙式とは何ですか?
インバウンド挙式は、訪日外国人が日本国内で行う結婚式です。訪日外国人数は2025年に約4,200万人(日本政府観光局の推計)と過去最高を更新する規模まで増えており、日本の式場や神社での和装挙式などを訪日客に提供する動きが注目されています。日本人の海外挙式が伸び悩むなかで、海外から日本へ来て挙式する需要を取り込めるかが論点になっています。
海外挙式の件数や市場規模はどのくらいですか?
海外挙式の件数や市場規模は、公開された数字では捉えにくいのが実情です。各社とも海外挙式の件数を独立した数字としては公表しておらず、市場規模の集計でも矢野経済研究所の6分野に「海外リゾート挙式」が含まれるものの、その個別の金額は公表されていません。このため、確定した数字ではなく、各社の定性的な説明や訪日客数などの周辺指標から動向を読み取ることになります。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    ツカダ・グローバルホールディング 有価証券報告書(第31期、2025年12月期、EDINET)
  2. 2.
    ワタベウェディング コーポレートサイト
  3. 3.
    矢野経済研究所「2026年版ブライダル産業年鑑」
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