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日本人の国内旅行消費額の推移|宿泊・日帰りの内訳と単価の上昇【2026年版】

日本人の国内旅行消費額は、2025年に26兆7,845億円(前年比6.5%増)と過去最高を更新しました。コロナ禍前の2019年の21兆9,312億円から、2020年に9兆9,741億円へと半減し、2021年の9兆円台が底となった後、段階的に回復してコロナ前を上回っています。内訳は宿泊旅行が21兆7,211億円、日帰り旅行が5兆634億円で、宿泊が全体の約8割を占めます。注目すべきは回復の中身です。延べ旅行者数はコロナ前を下回る水準にとどまる一方で、消費額は過去最高に達しています。これは1人1回あたりの単価が上昇しているためで、宿泊旅行の単価は2025年に72,412円とコロナ前を明確に上回りました。人口減少を背景に旅行者数の大幅な増加が見込みにくいなか、国内旅行は数量より単価・質を高める方向へと比重を移しています。本ページでは、国内旅行消費額の長期推移・宿泊と日帰りの内訳・1人あたり単価の上昇まで順に整理します。

国内旅行消費額(2025年)
26.8兆円
26兆7,845億円、前年比6.5%増で過去最高
出典: 観光庁「旅行・観光消費動向調査」(2025年 確報)
宿泊旅行の消費額(2025年)
21.7兆円
21兆7,211億円、国内旅行消費額の約8割
出典: 観光庁「旅行・観光消費動向調査」(2025年 確報)
延べ旅行者数(2025年)
5.53億人
宿泊+日帰りの延べ人数、コロナ前を下回る水準
出典: 観光庁「旅行・観光消費動向調査」(2025年 確報)
宿泊旅行の単価(2025年)
72,412
1人1回あたり、コロナ前から上昇
出典: 観光庁「旅行・観光消費動向調査」(2025年 確報)

日本人国内旅行消費額の内訳推移(宿泊・日帰り、2016-2025年、億円)

コロナ禍前の2019年21兆9,312億円から2020年9兆9,741億円へ半減し、2025年に過去最高の26兆7,845億円へ回復。積み上げの内訳は宿泊旅行と日帰り旅行で、合計が国内旅行消費額
単位: 億円
宿泊旅行日帰り旅行
075,000150,000225,000300,000209,54716211,13017204,83418219,3121999,7412091,78421171,60922219,10123251,53624267,84525
出典: 観光庁「旅行・観光消費動向調査」(2025年 確報。宿泊+日帰り=国内旅行消費額)
年度2016201720182019202020212022202320242025
宿泊旅行億円160,335160,798158,040171,56077,71869,849137,253177,960203,325217,211
日帰り旅行億円49,21250,33246,79447,75222,02321,93534,35641,14148,21150,634
合計(億円209,547211,130204,834219,31299,74191,784171,609219,101251,536267,845
前年比+0.8%-3.0%+7.1%-54.5%-8.0%+87.0%+27.7%+14.8%+6.5%
読み解き

日本人の国内旅行消費額は、コロナ禍前の2019年に21兆9,312億円でしたが、2020年に9兆9,741億円へと半減し、2021年の9兆円台が底となりました。そこから段階的に回復し、2025年に過去最高の26兆7,845億円(前年比6.5%増)まで戻しています。積み上げの内訳は宿泊旅行と日帰り旅行で、合計が国内旅行消費額です。

内訳をみると、宿泊旅行が21兆7,211億円(前年比6.8%増)と全体の約8割を占め、日帰り旅行は5兆634億円(同5.0%増)です。コロナ禍からの回復局面では、宿泊旅行が日帰り旅行を上回って牽引してきました。なお、ここでの内訳は日本人が国内で支払った旅行消費で、訪日外国人の旅行消費を含む「旅行・観光消費額」(総体)とは集計の対象が異なります。総体の構成は市場規模のページで整理しています。

宿泊旅行の1人1回あたり単価の推移(2016-2025年、円)

2016年49,234円から2025年72,412円へ上昇。コロナ後の消費額の回復は、旅行者数より単価の上昇が支えている
単位:
020,00040,00060,00080,00049,2341649,7321754,3001855,0541948,3612049,2702159,0422263,2532369,3622472,41225
出典: 観光庁「旅行・観光消費動向調査」(2025年 確報。宿泊旅行の1人1回あたり旅行支出)
年度2016201720182019202020212022202320242025
宿泊旅行の単価49,23449,73254,30055,05448,36149,27059,04263,25369,36272,412
前年比+1.0%+9.2%+1.4%-12.2%+1.9%+19.8%+7.1%+9.7%+4.4%
読み解き

宿泊旅行の1人1回あたり単価は、2016年の49,234円から2025年の72,412円へ上昇しました。コロナ禍の2020年に一時低下したものの、その後は宿泊料金の上昇や滞在の高付加価値化を背景に、コロナ前を明確に上回る水準まで高まっています。

国内旅行消費額が過去最高を更新した一方で、延べ旅行者数はコロナ前を下回っています。つまり、消費額の回復は旅行に出かける延べ人数の増加ではなく、1回あたりの単価の上昇によって支えられているのが特徴です。人手不足による宿泊料金の上昇や、消費者の「量より質」志向が、この単価上昇の背景にあります。

数量と単価の比較(コロナ前の2019年と2025年)

延べ旅行者数はコロナ前を下回る一方、消費額と単価はコロナ前を上回ります。国内旅行の回復は数量より単価が牽引しています
延べ旅行者数(宿泊+日帰り)
2019年(コロナ前)
58,710万人
2025年
55,313万人
コロナ前との比較
コロナ前を下回る
国内旅行消費額
2019年(コロナ前)
21兆9,312億円
2025年
26兆7,845億円
コロナ前との比較
コロナ前を上回り過去最高
1人1回あたり単価(全体)
2019年(コロナ前)
37,355円
2025年
48,424円
コロナ前との比較
コロナ前を上回り上昇
1人1回あたり単価(宿泊旅行)
2019年(コロナ前)
55,054円
2025年
72,412円
コロナ前との比較
コロナ前を上回り上昇
読み解き

コロナ前の2019年と2025年を比べると、延べ旅行者数は58,710万人から55,313万人へと、2025年でもコロナ前を下回っています。一方、国内旅行消費額は21兆9,312億円から26兆7,845億円へと過去最高を更新し、1人1回あたりの単価(全体)も37,355円から48,424円へ上昇しました。

つまり、国内旅行の回復は「より多くの人が旅行する」ことではなく、「1回あたりの単価が上がる」ことで実現しています。背景には、宿泊料金の上昇、滞在の高付加価値化、消費者の「量より質」志向があります。人口減少のもとで延べ旅行者数の大幅な増加が見込みにくいなか、単価をいかに高めるかが国内旅行市場の成長を左右する論点となっています。

主要論点

国内旅行の回復は、数量と単価のどちらが牽引したのか?

国内旅行消費額は2025年に26兆7,845億円と過去最高を更新しましたが、延べ旅行者数は55,313万人とコロナ前の58,710万人を下回っています。回復を牽引したのは旅行者数の増加ではなく、1人1回あたり単価の上昇です。

宿泊旅行の単価は2019年の55,054円から2025年に72,412円へ上昇しました。宿泊料金の上昇、滞在の高付加価値化、消費者の「量より質」志向が背景にあります。

旅行者数が伸び悩むなかで消費額が過去最高に達したことは、国内旅行市場が「数を増やす」段階から「単価を高める」段階へと移りつつあることを示しています。

宿泊旅行と日帰り旅行で、回復に差はあるか?

2025年の国内旅行消費額26兆7,845億円のうち、宿泊旅行が21兆7,211億円(約8割)、日帰り旅行が5兆634億円です。宿泊旅行が金額の大部分を占めます。

回復局面では、宿泊旅行(2025年 前年比6.8%増)が日帰り旅行(同5.0%増)を上回って牽引してきました。宿泊旅行は1回あたりの単価が日帰りより大きく、単価上昇の影響も受けやすいため、金額ベースでの寄与が大きくなります。

日帰り旅行は近場・短時間の需要として一定の規模を保ちますが、消費額の伸びや単価の面では宿泊旅行が市場の中心です。宿泊需要をどう取り込むかが、国内旅行市場の鍵となります。

人口減少のなかで、国内旅行需要はどうなるか?

日本人の国内旅行は、延べ旅行者数でみるとコロナ前を下回っており、人口減少を背景に数量の大幅な増加は見込みにくい状況です。国内旅行市場の成長は、1人あたりの単価・質をどこまで高められるかにかかっています。

単価の上昇には、宿泊料金の上昇、滞在の長期化や高付加価値化、富裕層・連泊需要の取り込みなどが寄与します。一方で、過度な値上げは需要を冷やすおそれもあり、価格と需要のバランスが課題となります。

また、国内需要の数量縮小を補う役割として、訪日インバウンドの拡大も重要です。国内の単価上昇とインバウンドの拡大を組み合わせて市場全体をどう支えるかが、中長期の論点となります。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、国内旅行消費額が高水準を保つとみられます。延べ旅行者数の大幅な増加は見込みにくい一方、宿泊料金の上昇や高付加価値化により1人あたり単価が消費額を支える構図が続きます。物価上昇が旅行需要をどこまで抑えるかが変動要因です。

中期3-5年

中期では、人口減少を背景に延べ旅行者数は伸びにくく、単価・質の向上が国内旅行市場の成長を左右します。連泊・富裕層需要の取り込み、地方への誘客、閑散期の需要平準化などが、単価と稼働を高める打ち手となります。

長期

長期では、人口減少と高齢化が国内旅行需要の基調を決めます。国内の数量縮小を、単価・質の向上と訪日インバウンドの拡大でどこまで補えるかが焦点です。宿泊業の人手不足など供給側の制約への対応も、持続的な成長の前提となります。

よくある質問

日本人の国内旅行消費額はどのくらいですか?
観光庁「旅行・観光消費動向調査」によると、日本人の国内旅行消費額は2025年に26兆7,845億円(前年比6.5%増)と過去最高を更新しました。内訳は宿泊旅行が21兆7,211億円、日帰り旅行が5兆634億円です。これは日本人が国内で支払った旅行消費で、訪日外国人の旅行消費は含みません。
コロナ前の水準を超えましたか?
金額ベースでは超えました。日本人の国内旅行消費額は、2019年の21兆9,312億円から2020年に9兆9,741億円へ半減した後、2025年に過去最高の26兆7,845億円へ回復しています。ただし延べ旅行者数は55,313万人と、コロナ前の58,710万人を下回っており、数量の指標では戻りが鈍い面があります。
宿泊旅行と日帰り旅行の割合はどのくらいですか?
2025年の国内旅行消費額26兆7,845億円のうち、宿泊旅行が21兆7,211億円と約8割を占め、日帰り旅行が5兆634億円です。宿泊旅行は1回あたりの単価が日帰りより大きいため、金額ベースでは宿泊旅行が市場の中心となります。
国内旅行の回復は何が支えていますか?
1人あたりの単価の上昇です。延べ旅行者数はコロナ前を下回る一方、消費額は過去最高となっており、回復は旅行者数の増加ではなく単価の上昇で実現しています。宿泊旅行の1人1回あたり単価は2025年に72,412円で、宿泊料金の上昇や高付加価値化が背景にあります。
国内旅行のデータの出典は何ですか?
国内旅行消費額・延べ旅行者数・1人あたり単価は、いずれも観光庁「旅行・観光消費動向調査」(2025年 確報)が出典です。本ページの数値は日本人の国内旅行に限ったもので、訪日外国人の旅行消費は別途インバウンドのページで整理しています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    観光庁「旅行・観光消費動向調査」(2025年 確報)
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