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訪日外客数と消費額の推移|過去最高への回復と費目・国別の構成【2026年版】

訪日外客数は2025年に4,268万人(前年比15.8%増)と初めて4,200万人を超え、訪日外国人の旅行消費額も9兆4,559億円(前年比16.4%増)でともに過去最高を更新しました。訪日外客数はビジット・ジャパン政策が始まった2003年の521万人から3188万人(2019年)まで増えた後、コロナ禍で2021年に25万人まで落ち込み、そこから急回復しました。訪日客数の長期推移・消費の費目別・国地域別の構成まで順に整理します。

訪日外客数(2025年)
4,268万人
前年比15.8%増、初の4,200万人超で過去最高
出典: 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数」
訪日外国人旅行消費額(2025年)
9.46兆円
94,559億円、前年比16.4%増で過去最高
出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査」(2025年 暦年速報)
1人あたり旅行支出(2025年)
22.9万円
一般客(クルーズ客を除く)ベース
出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査」(2025年 暦年速報)
宿泊費(2025年、費目最大)
3.46兆円
34,617億円、訪日消費額の36.6%
出典: 観光庁「インバウンド消費動向調査」(2025年 暦年速報)

訪日外客数の推移(2003-2025年、万人)

ビジット・ジャパン開始の2003年521万人から2019年3188万人へ、コロナ禍で2021年25万人まで落ち込み、2025年に過去最高の4,268万人へ回復
単位: 万人
01,2502,5003,7505,0005210367305861101,97415412204,26825
出典: 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数」(2003-2025年)
年度20032004200520062007200820092010201120122013201420152016201720182019202020212022202320242025
訪日外客数万人5216146737338358356798616228361,0361,3411,9742,4042,8693,1193,188412253832,5073,6874,268
前年比+17.9%+9.6%+8.9%+13.9%+0.0%-18.7%+26.8%-27.8%+34.4%+23.9%+29.4%+47.2%+21.8%+19.3%+8.7%+2.2%-87.1%-93.9%+1432.0%+554.6%+47.1%+15.8%
読み解き

訪日外客数は、ビジット・ジャパン政策が始まった2003年の521万人から段階的に増え、2013年に初めて1,000万人を超えました。その後も円安や査証緩和を背景に伸び、2019年に3188万人へ達しました。

コロナ禍では水際対策により2020年・2021年に激減し、2021年は25万人とピークのごく一部まで落ち込みました。2022年後半の入国制限緩和を境に急回復し、2024年・2025年と連続で過去最高を更新しています。23年間で訪日市場が大きく拡大した経緯と、コロナ禍の落ち込みからのV字回復が一目でわかります。

訪日外国人旅行消費額の費目別(2025年、億円)

宿泊費・買物代・飲食費・交通費・娯楽等サービス費・その他の6区分。合計が訪日消費額9兆4,559億円
項目消費額(億円)構成比シェア
宿泊費34,61736.6%
買物代25,49027.0%
飲食費20,71121.9%
交通費9,46510.0%
娯楽等サービス費4,2184.5%
その他580.1%
訪日外国人旅行消費額94,559100.0%
読み解き

訪日消費額9兆4,559億円のうち、最も大きいのは宿泊費で34,617億円(構成比36.6%)です。次いで買物代が25,490億円(同27.0%)、飲食費が20,711億円(同21.9%)と続きます。

宿泊・飲食・小売を合わせると訪日消費額の大半を占め、これらの業種が訪日需要の主な受け皿となっています。かつて「爆買い」で注目された買物代の比率は落ち着き、宿泊や飲食、体験型の消費へと比重が移ってきています。

国・地域別の訪日消費額(2025年)

消費額の上位8市場。訪日客数(人数)と消費額(金額)では順位が異なり、市場ごとに性格が分かれます
中国
市場の特徴
消費額・客数ともに最大の市場
訪日消費額
20,026億円
シェア
21.2
訪日客数
910
台湾
市場の特徴
客数・消費額ともに上位の主要市場
訪日消費額
12,110億円
シェア
12.8
訪日客数
676
米国
市場の特徴
欧米からの最大の市場
訪日消費額
11,241億円
シェア
11.9
訪日客数
331
韓国
市場の特徴
客数は最多の近距離市場
訪日消費額
9,864億円
シェア
10.4
訪日客数
946
香港
市場の特徴
近距離の安定した市場
訪日消費額
5,613億円
シェア
5.9
訪日客数
252
オーストラリア
市場の特徴
長距離・長期滞在の市場
訪日消費額
4,104億円
シェア
4.3
訪日客数
タイ
市場の特徴
東南アジアの主要市場
訪日消費額
2,512億円
シェア
2.7
訪日客数
123
シンガポール
市場の特徴
東南アジアの高所得市場
訪日消費額
2,294億円
シェア
2.4
訪日客数
73
読み解き

訪日消費額では中国が20,026億円(シェア21.2%)で最大、次いで台湾・米国・韓国・香港が続きます。一方、訪日客数(人数)では韓国が最も多く、消費額の順位とは異なります。

この違いは、市場ごとの旅行の性格を表しています。訪日消費額を訪日客数で割った1人あたりの消費額(概算)でみると、米国は約34.0万円、韓国は約10.4万円と大きく異なり、中国は約22.0万円です。韓国や香港などの近距離の市場は訪問回数が多い半面、1回あたりの滞在や消費は小さめで、米国やオーストラリアなどの長距離の市場は訪問者数こそ少ないものの、滞在が長く1人あたりの消費が大きい傾向があります。受け入れる宿泊・飲食・小売の事業者にとっては、数を稼ぐ近距離市場と、単価を稼ぐ長距離市場のどちらに重心を置くかで戦略が分かれます。特定の国・地域への依存は、為替や相手国の景気、国際関係の変化に左右されやすいため、市場の分散も課題となっています。

主要論点

コロナ禍の落ち込みから、なぜここまで回復したのか?

訪日外客数は2021年に25万人までコロナ禍で落ち込みましたが、2025年に過去最高の4,268万人まで回復しました。背景には、2022年後半の入国制限の緩和に加え、円安による割安感、査証(ビザ)の緩和、航空便の回復などがあります。

回復はコロナ前の水準を上回るペースで進みました。2019年の3188万人に対し、2025年は4,268万人とピークを超えています。消費額も2025年に9兆4,559億円と過去最高で、1人あたりの支出も22.9万円へ高まりました。

一方で、急速な回復は特定の地域や観光地に集中し、混雑などの課題も生んでいます。回復の勢いをどう持続させ、地域へ分散させるかが論点です。

訪日消費の中身はどう変わっているか?

訪日消費額9兆4,559億円の費目別では、宿泊費(34,617億円、36.6%)が最大で、買物代・飲食費が続きます。かつて中国人観光客の「爆買い」で注目された買物代の比率は落ち着き、宿泊や飲食、体験型の消費へと比重が移っています。

1人あたりの消費額は2025年に22.9万円で、宿泊単価の上昇や滞在の長期化が押し上げています。人数の増加だけでなく、1人あたりの消費を高める「単価・質」への動きが、訪日消費の拡大を支えています。

この変化は、受け皿となる宿泊・飲食・小売の各業種にとって、量の取り込みから付加価値の向上へと戦略の重心を移す契機となっています。

特定の国・地域への依存は、日本市場にどんな影響があるか?

訪日消費額は中国・台湾・米国・韓国・香港などの上位市場に集中しています。近距離のアジア市場は訪問回数が多く全体の数量を支える一方、欧米・豪州の長距離市場は1人あたりの消費が大きい特徴があります。

特定の国・地域への依存には、変動リスクが伴います。為替の動き、相手国の景気、国際関係の変化によって、訪日客数や消費が大きく振れる可能性があります。過去には、特定国からの訪日が政治情勢で落ち込んだ局面もありました。

日本の観光政策では、市場の分散(多様な国・地域からの誘客)と、地方への誘客が課題となっています。インバウンドの恩恵を全国の幅広い業種・地域へ広げることが、持続的な成長の前提となります。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、訪日客数・消費額ともに高水準が続くとみられます。円安や航空便の回復が追い風となる一方、為替が反転した場合や相手国の景気変動が、伸びを左右する要因となります。1人あたりの消費を高める高付加価値化も進む見通しです。

中期3-5年

中期では、市場の分散と地方への誘客が焦点です。特定の国・地域や観光地への集中は、混雑(オーバーツーリズム)や変動リスクを高めます。多様な国からの誘客、地方の受け入れ環境の整備、消費単価の向上が、インバウンドの質を左右します。

長期

長期では、インバウンドは日本の旅行・宿泊市場の主要な成長エンジンであり続ける見通しです。一方で、宿泊業の人手不足やオーバーツーリズムといった供給側の制約への対応、世界の旅行需要の動向や為替が、訪日市場の規模を左右します。

よくある質問

訪日外客数はどのくらいですか?
日本政府観光局(JNTO)によると、訪日外客数は2025年に4,268万人(前年比15.8%増)となり、初めて4,200万人を超えて過去最高を更新しました。2003年の521万人、2013年の1,000万人超、2019年の3188万人を経て、コロナ禍の落ち込みから回復しています。
訪日外国人の旅行消費額はどのくらいですか?
観光庁「インバウンド消費動向調査」によると、訪日外国人の旅行消費額は2025年に9兆4,559億円(前年比16.4%増)で過去最高です。1人あたりの消費額は22.9万円で、費目別では宿泊費(34,617億円、36.6%)が最も大きくなっています。
どの国・地域からの訪日が多いですか?
訪日消費額では2025年に中国(20,026億円、21.2%)、台湾、米国、韓国、香港などが上位です。訪日客数(人数)では韓国が最も多く、消費額の順位とは異なります。近距離の市場は訪問回数が多く、長距離の市場は1人あたりの消費が大きい傾向があります。
コロナ前の水準を超えましたか?
超えました。訪日外客数は2019年の3188万人から、コロナ禍の2021年に25万人まで落ち込んだ後、2025年に4,268万人と過去最高を更新しています。訪日消費額も2025年に9兆4,559億円でコロナ前を上回り、1人あたりの消費額も高まっています。
インバウンドの出典は何ですか?
訪日外客数は日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数」、訪日外国人旅行消費額・費目別・国地域別は観光庁「インバウンド消費動向調査」(2025年 暦年速報)が出典です。消費額は速報値で、確報で改訂される場合があります。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数」(2003-2025年)
  2. 2.
    観光庁「インバウンド消費動向調査」(2025年 暦年速報)
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