最終更新
STAT DETAIL · MINPAKU

民泊(住宅宿泊事業)の届出と宿泊実績|都道府県別の集中と外国人比率【2026年版】

住宅宿泊事業法(民泊新法、2018年施行)に基づく民泊は、稼働している届出住宅数が40,745件(2026年5月時点)です。宿泊実績は隔月の定期報告で集計され、直近(令8年2-3月)の延べ宿泊者数は約172万人泊(前年同期比+43.0%)と急回復しています。宿泊者の57.8%が外国人で、東京都への集中が際立ちます。なお民泊は旅館・ホテル(延べ宿泊6.53億人泊/年)とは別の制度に基づく別の母集団で、規模が大きく異なります。民泊の届出件数・宿泊実績・地域と国籍の構成を整理します。

稼働届出住宅数(2026年5月)
40,745
累計届出63,658件から事業廃止を除いた稼働ベース
出典: 観光庁「住宅宿泊事業法の施行状況」
延べ宿泊者数(令8年2-3月)
172万人泊
隔月の定期報告ベース、前年同期比+43.0%
出典: 観光庁「住宅宿泊事業の宿泊実績」
外国人比率(宿泊者数)
57.8%
日本人42.2%、外国人が過半を占める
出典: 観光庁「住宅宿泊事業の宿泊実績」
延べ宿泊者数の前年同期比
+43.0%
訪日需要の回復を背景に急成長
出典: 観光庁「住宅宿泊事業の宿泊実績」

民泊の都道府県別 延べ宿泊者数(令8年2-3月、人泊)

直近の隔月の延べ宿泊者数(1,723,600人泊)の地域内訳。東京都が約半数を占め、次いで北海道・福岡県
単位: 人泊4 カテゴリ・合計 1,723,600
0250,000500,000750,0001,000,000859,402東京都539,838その他250,155北海道74,205福岡県
出典: 観光庁「住宅宿泊事業の宿泊実績」(都道府県別の延べ宿泊者数。「その他」は全国計からの差)
カテゴリ東京都北海道福岡県その他
延べ宿泊者数人泊859,402250,15574,205539,838
シェア49.9%14.5%4.3%31.3%
読み解き

民泊の宿泊実績は、東京都に強く集中しています。直近(令8年2-3月)の延べ宿泊者数1,723,600人泊のうち、東京都が859,402人泊と約半数を占め、次いで北海道(250,155人泊)、福岡県(74,205人泊)が続きます。

大都市と一部の観光地に偏るのは、外国人個人旅行の宿泊需要が都市部に集中していること、空き家・マンションの空室を活用しやすいことが背景です。旅館・ホテルが全国に分布するのに対し、民泊は都市部への集中が強く、地域分布の面でも性格が異なります。

民泊の延べ宿泊者数の推移(隔月、人泊)

住宅宿泊事業者の隔月の定期報告(報告率は約8割)。民泊は新しい制度で、公的な長期の時系列は整備途上のため直近の隔月実績を示す
単位: 人泊上位 3
0500,0001,000,0001,500,0002,000,0001,751,570令7年10-11月1,723,600令8年2-3月1,652,653令7年12月-令8年1月
出典: 観光庁「住宅宿泊事業の宿泊実績」(隔月の定期報告、報告率約83%)
カテゴリ令7年10-11月令7年12月-令8年1月令8年2-3月
延べ宿泊者数人泊1,751,5701,652,6531,723,600
読み解き

民泊の延べ宿泊者数は、直近の隔月で約172万人泊の水準で推移しています。前年同期と比べると、令7年10-11月の宿泊日数は前年同期比+57.2%、直近の令8年2-3月の延べ宿泊者数は同+43.0%と、いずれも大きく伸びており、訪日需要の回復とともに民泊の利用が拡大していることがわかります。

なお、民泊の宿泊実績は住宅宿泊事業法に基づく事業者の隔月の定期報告を集計したもので、報告率は約8割です。民泊は2018年施行と新しい制度のため、公的に整備された長期の時系列はまだ乏しく、ここでは直近の隔月の実績を示しています。

民泊の宿泊者数の国籍別構成(令8年2-3月、人)

直近の隔月の宿泊者数(629,216人)の国籍別。外国人が過半を占める
項目宿泊者数(人)構成比シェア
日本人265,58642.2%
外国人363,63057.8%
宿泊者数629,216100.0%
読み解き

民泊の宿泊者は、外国人が57.8%(363,630人)、日本人が42.2%(265,586人)で、外国人が過半を占めます。旅館・ホテル全体では日本人が多数を占めるのに対し、民泊は外国人の比率が高いのが特徴です。

言葉や習慣の違いを許容しやすい個人旅行者、長期滞在やグループ・家族での利用、キッチン付きの住宅型を好む層など、民泊は外国人旅行者の多様なニーズの受け皿となっています。外国人比率の高さは、民泊が訪日インバウンドの拡大と強く結びついていることを示しています。

民泊の外国人宿泊者の主な国籍(令8年2-3月)

外国人宿泊者数の上位8か国・地域。構成比は外国人宿泊者全体に占める割合(観光庁公表値)
韓国
宿泊者数
54,729
構成比(外国人内)
15.0
米国
宿泊者数
46,825
構成比(外国人内)
13.0
台湾
宿泊者数
44,310
構成比(外国人内)
12.2
中国
宿泊者数
28,289
構成比(外国人内)
7.8
オーストラリア
宿泊者数
19,723
構成比(外国人内)
5.4
香港
宿泊者数
17,540
構成比(外国人内)
4.8
マレーシア
宿泊者数
13,117
構成比(外国人内)
3.6
タイ
宿泊者数
12,175
構成比(外国人内)
3.3
読み解き

外国人宿泊者の国籍は、韓国(15.0%)・米国(13.0%)・台湾(12.2%)が上位で、中国・オーストラリアが続きます。近距離の東アジアに加え、米国・オーストラリア・欧州など長距離の市場の比率が比較的高いのが、民泊の国籍構成の特徴です。

長距離市場の旅行者は滞在が長く、住宅型でキッチンや複数の寝室を備えた民泊を選びやすい傾向があります。旅館・ホテルの訪日客が近距離のアジアに厚いのに対し、民泊は欧米・豪州の個人旅行者の受け皿としての性格を併せ持っています。

主要論点

民泊は宿泊業全体のなかでどのくらいの規模か?

民泊の延べ宿泊者数は、直近の隔月で約172万人泊です。これに対し、旅館・ホテルの延べ宿泊者数は年間で6.53億人泊(宿泊旅行統計調査)にのぼり、民泊は宿泊業全体のなかではごく一部にとどまります。

ただし、両者は集計の対象も母集団も異なります。民泊は住宅宿泊事業者の隔月の定期報告、旅館・ホテルは宿泊旅行統計調査によるもので、調査の枠組みが違うため、単純に合算したり「民泊が宿泊市場の何%」と割り算したりはできません。

規模は小さいものの、民泊は外国人個人旅行や都市部の宿泊需要の受け皿として存在感を高めています。規模の大小ではなく、どの需要を補完しているかという観点で捉えることが適切です。

なぜ東京都への集中と外国人比率の高さが目立つのか?

民泊の延べ宿泊者数は、直近で東京都が約半数を占め、宿泊者の57.8%が外国人です。背景には、外国人個人旅行の宿泊需要が大都市に集中していることがあります。東京は訪日旅行の玄関口であり、宿泊需要が大きい一方、ホテルの稼働が高く価格も上がりやすいため、住宅型の民泊に需要が向かいます。

また、都市部はマンションや住宅の空室を活用しやすく、民泊の供給が増えやすい環境にあります。言葉や習慣の違いを許容しやすい個人旅行者、キッチン付きや複数寝室を好むグループ・家族連れの外国人にとって、民泊は使い勝手のよい選択肢です。

この集中は、利便性の裏返しでもあります。住宅地での民泊はごみ・騒音などの近隣トラブルや、マンション管理規約との関係といった課題も伴い、自治体による独自のルール(上乗せ条例)の背景にもなっています。

なぜ届出の廃止が多いのか?

民泊の届出は累計63,658件ですが、このうち22,913件がすでに事業を廃止しており、稼働しているのは40,745件です。届出の3分の1超が廃止に至っている計算です。

最大の要因は、住宅宿泊事業法の「年間提供日数の上限180日」という制約です。年の半分しか営業できないため、専業として採算を取りにくく、副業的な運営や、より制約の少ない旅館業法の簡易宿所営業への切り替えを選ぶ事業者もいます。加えて、自治体ごとの上乗せ条例による営業区域・期間の制限も、廃止の一因です。

このため、届出件数(累計)だけを見ると規模を過大に捉えてしまいます。実態は、稼働している届出住宅数と宿泊実績で測る必要があります。民泊は参入と撤退が比較的活発で、制度の制約のなかで担い手が入れ替わりながら推移しています。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、訪日需要の拡大を背景に民泊の宿泊実績が伸びるとみられます。都市部のホテルの稼働が高く価格も上昇するなか、住宅型の民泊が外国人個人旅行の受け皿として利用を伸ばす一方、年間180日の上限や自治体の規制が供給の拡大を抑える要因となります。

中期3-5年

中期では、規制と需要のバランスが焦点です。住宅地での近隣トラブルやマンション管理との調整、自治体の上乗せ条例が、民泊の広がりを左右します。旅館業法の簡易宿所営業との使い分けや、運営代行・管理事業者によるプロ化も進む見通しです。

長期

長期では、民泊は宿泊業全体を補完する位置づけが続くと考えられます。空き家の活用や地方への分散など、宿泊不足の緩和や地域活性化への貢献が期待される一方、生活環境との両立が引き続き課題です。制度の安定運用と、地域ごとのルールづくりが、持続的な広がりの前提となります。

よくある質問

民泊(住宅宿泊事業)の届出件数はどのくらいですか?
観光庁によると、住宅宿泊事業法に基づく届出は累計63,658件で、このうち事業を廃止したものを除いた稼働届出住宅数は40,745件です(2026年5月時点)。届出の3分の1超がすでに廃止されており、規模は累計届出ではなく稼働している届出住宅数で捉える必要があります。
民泊の宿泊者数はどのくらいですか?
観光庁「住宅宿泊事業の宿泊実績」によると、直近(令8年2-3月)の延べ宿泊者数は約172万人泊(前年同期比+43.0%)です。隔月の定期報告に基づく集計で、訪日需要の回復とともに大きく伸びています。宿泊者の57.8%が外国人です。
民泊と旅館・ホテルの規模はどう違いますか?
民泊の延べ宿泊者数は直近の隔月で約172万人泊、旅館・ホテルは年間で6.53億人泊(宿泊旅行統計調査)で、規模は桁違いに異なります。両者は集計の対象も母集団も異なるため、単純に合算したり比較したりはできません。民泊は宿泊業全体のなかではごく一部です。
民泊はどの地域・国籍が多いですか?
地域では東京都への集中が際立ち、直近の延べ宿泊者数の約半数を東京都が占め、北海道・福岡県が続きます。国籍では外国人が57.8%を占め、韓国・米国・台湾が上位です。旅館・ホテルと比べ、都市部への集中と外国人比率の高さが民泊の特徴です。
民泊のデータの出典は何ですか?
届出件数は観光庁「住宅宿泊事業法の施行状況」、宿泊実績(延べ宿泊者数・国籍別・都道府県別)は観光庁「住宅宿泊事業の宿泊実績」が出典です。宿泊実績は住宅宿泊事業者の隔月の定期報告を集計したもので、報告率は約8割です。旅館・ホテルの延べ宿泊者数(宿泊旅行統計調査)とは別の制度・別の母集団です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    観光庁「住宅宿泊事業法の施行状況」(2026年5月時点)
  2. 2.
    観光庁「住宅宿泊事業の宿泊実績」(隔月の定期報告、報告率約83%)
  3. 3.
    観光庁「宿泊旅行統計調査」(2025年 速報値)
📄 資料DL💬 無料相談