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資産運用業界の直近動向と再編|協会統合・レオスのSBIグループ入り・ETF拡大【2026年版】

資産運用業界では、業界団体の統合や運用会社の再編、市場構成の変化といった動きが続いています。2026年4月には投資顧問業協会と投資信託協会が統合して資産運用業協会が発足し、独立系として知られたレオス・キャピタルワークス(ひふみ)は大手のSBIグループの傘下に入りました。市場では、日本銀行の買い入れを背景にETF(上場投資信託)が132兆円規模へ拡大しています。本ページでは、こうした直近の業界動向と再編を、3つの切り口から整理します。

直近の主な業界動向と再編

3つの切り口での整理
業界団体の統合
内容
投資信託協会と投資顧問業協会が統合し資産運用業協会が発足(2026年4月)
業界への意味
投資信託と投資一任にまたがるルール整備・情報発信を一体化
運用会社の再編
内容
レオス(ひふみ)がSBIグループ傘下に(2020年に過半数取得・連結子会社化、2025年12月に完全子会社化)
業界への意味
新興・独立系の運用会社が大手金融グループに取り込まれる動き
市場構成の変化
内容
ETF(上場投資信託)の純資産が132兆円規模へ拡大(2026年5月末)
業界への意味
日本銀行の買い入れが拡大を大きく押し上げ、運用会社別の規模ランキングにも影響
読み解き

業界団体の統合、運用会社の再編、市場構成の変化という3つの動きは、いずれも資産運用業の枠組みが動いていることを示します。業界団体の一本化は制度・基盤の整備、運用会社の再編は担い手の構図の変化、ETFの拡大は市場構成の変化として、それぞれ別の層で進行しています。

これらは個別の出来事に見えて、根底では資産運用立国の政策と新NISAによる個人マネーの流入という共通の流れにつながっています。業界の枠組み・担い手・市場構成のいずれもが、「貯蓄から投資へ」の大きな変化に合わせて動いている局面です。

主要論点

資産運用業協会の発足 — 業界団体の統合は何を変えるか?

2026年4月、投資信託を扱う投資信託協会と、投資一任・投資助言を扱う投資顧問業協会が統合し、資産運用業協会が発足しました。これまで投資信託と投資一任で別々だった業界団体が一本化され、両者にまたがるルール整備や情報発信を一体で進める基盤が整いました。

背景には、資産運用立国の政策があります。投資信託(個人向けが中心)と投資一任(年金・機関投資家向けが中心)は、運用の器こそ違うものの、同じ運用会社が双方を手がけることが多く、業界団体が分かれていることの非効率が指摘されてきました。統合により、運用業全体を見渡したルール作りや、対外的な発信を一つの団体で担えるようになります。

業界戦略への示唆: 業界団体の統合は、資産運用立国を進める制度・基盤整備の一環です。投資信託と投資一任を横断する運用業の高度化や、新興運用業者の参入支援などを、業界として一体で進めやすくなります。運用会社にとっては、業界共通のルールや基準が整理され、対応の窓口が一本化される変化です。

レオス(ひふみ)のSBIグループ入り — 独立系の取り込みは何を意味するか?

独立系の運用会社として知られたレオス・キャピタルワークス(ひふみ投信・ひふみプラス)は、大手のSBIグループの傘下に入りました。2020年にSBIホールディングスが株式の過半数(約51%)を取得して連結子会社化し、2025年12月にはSBIグループ内の再編により完全子会社となっています。

これは、新興・独立系の運用会社が成長の過程で大手金融グループに取り込まれる動きの一例です。独立系は運用哲学や直販モデルで個人投資家を集める一方、規模の拡大や販売網の強化、システム投資には資本力が要ります。大手グループ入りは、独立性と引き換えに、こうした経営基盤を得る選択でもあります。

業界戦略への示唆: レオスの事例は、「独立系」の運用会社が必ずしも独立を保ち続けるとは限らないことを示します。独立系が規模を求める段階で、上場、大手グループ入り、独立の維持という複数の道が併存します。運用哲学は独立的でも資本は大手に属するという形が広がれば、「独立系」という区分の意味合いも変わっていきます。

ETF市場の拡大 — 132兆円規模の背景に何があるか?

公募投資信託の中で、ETF(上場投資信託)の純資産は132兆円規模(409本、2026年5月末)へと拡大しています。株式のように取引所で売買できるETFがこれほど大きくなった背景として大きいのが、日本銀行による国内株式ETFの買い入れです。日銀は2010年代を通じて、金融緩和策の一環として日経225やTOPIXに連動するETFを買い入れ、保有を積み上げてきました。ただし日銀は近年、新規の買い入れを終え、保有ETFの段階的な売却に転じています。

それでもETFを最も多く提供する運用会社が公募純資産の規模ランキングで上位になるなど、市場構成と運用会社の規模に影響を与えています。ETFの規模は、個人の投資意欲よりも金融政策を強く映す数字である点に特徴があります。

業界戦略への示唆: ETF市場の拡大は、日銀の金融政策と密接に結びついています。日銀が保有ETFを売却していくペースは、市場規模の数字や運用会社の規模ランキングに影響し得る論点となっています。個人マネーの動向を見るうえでは、ETFを含む総額ではなく、新NISAで積み立てられるインデックス投信などを見る方が実態に近づきます。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、発足した資産運用業協会のもとで、投資信託と投資一任を横断する制度整備が進む見通しです。運用会社の再編では、新興・独立系が大手グループと連携・統合する動きが続くかが注目されます。ETFは日銀の保有方針に左右されるため、金融政策の動向が市場構成の数字に影響します。

中期3-5年

2028-2030年は、業界の担い手の構図がさらに動く可能性があります。資産運用立国の政策と新興運用業者の参入促進が、新しい運用会社の登場を後押しする一方、規模を求める独立系の大手グループ入りも続くとみられます。ETF市場は、日銀の保有ETFの扱いという論点を抱えたまま推移します。

長期5-10年

2030年以降は、業界団体の一本化、運用会社の再編、市場構成の変化が一巡し、資産運用業の新しい構造が定着するかが焦点です。「貯蓄から投資へ」の流れが続けば、運用業の担い手は多様化と再編を繰り返しながら、家計マネーの受け皿として規模と質を競う構図が続くとみられます。

よくある質問

資産運用業協会とは何ですか? いつ発足しましたか?
資産運用業協会は、2026年4月に投資信託協会と投資顧問業協会が統合して発足した業界団体です。投資信託を扱う投資信託協会と、投資一任・投資助言を扱う投資顧問業協会が一本化され、投資信託と投資一任にまたがるルール整備や情報発信を一体で進める基盤が整いました。
レオス・キャピタルワークス(ひふみ)はSBIグループの傘下になったのですか?
はい。独立系として知られたレオス・キャピタルワークス(ひふみ投信・ひふみプラス)は、SBIグループの傘下に入りました。2020年にSBIホールディングスが株式の過半数(約51%)を取得して連結子会社化し、2025年12月にはSBIグループ内の再編により完全子会社となっています。
なぜ独立系の運用会社が大手グループに入るのですか?
独立系は運用哲学や直販モデルで個人投資家を集める一方、規模の拡大や販売網の強化、システム投資には資本力が必要です。大手金融グループの傘下に入ることで、独立性と引き換えに、こうした経営基盤を得られます。レオス(ひふみ)のSBIグループ入りは、その一例です。
ETFの市場が大きいのはなぜですか?
国内ETF(上場投資信託)の純資産は132兆円規模(409本、2026年5月末)で、株式投信の中でも大きな存在です。これほど大きいのは、日本銀行が金融緩和策の一環として、日経225やTOPIXなどの国内株価指数に連動するETFを長年買い入れ、保有を積み上げてきたことが大きく押し上げたためです。日銀は近年、保有ETFの段階的な売却に転じています。ETFの規模は、個人の投資意欲よりも金融政策を強く映す数字です。
これらの業界動向に共通する背景は何ですか?
業界団体の統合、運用会社の再編、ETF市場の拡大は、いずれも資産運用立国の政策と新NISAによる個人マネーの流入という共通の流れにつながっています。「貯蓄から投資へ」の大きな変化に合わせて、業界の枠組み・担い手・市場構成のいずれもが動いている局面です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    一般社団法人 資産運用業協会 (投資信託協会・投資顧問業協会の統合)
  2. 2.
    SBIホールディングス / レオス・キャピタルワークス 開示資料
  3. 3.
    投資信託協会 商品分類別 (ETF)
  4. 4.
    日本銀行のETF・J-REITの買い入れ・保有状況
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