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投資信託市場の構成と資金流出入|商品分類とETF・インデックス【2026年版】

公募投資信託の純資産総額352兆円の中身は、商品性質では株式投信335兆円・公社債投信17兆円に分かれ、このうちETF(上場投資信託)が132兆円、指数に連動するインデックス投信が217兆円を占めます。ETFの多くは日本銀行が買い入れてきた国内株価指数連動型です。本ページでは、公募投信の商品構成を3つの切り口で整理し、新NISAを背景とする資金の純流入の動きをあわせて見ていきます。

株式投信の純資産
335兆円
商品性質の区分。公社債投信17兆円と合わせて公募総合352兆円(5,736本、2026年5月末)
出典: 投資信託協会 株式投信の商品分類別内訳 (2026年5月末)
公社債投信の純資産
17兆円
株式を組み入れない投信。MRF(証券口座の待機資金)などが中心(2026年5月末)
出典: 投資信託協会 公募投資信託 (2026年5月末)
ETFの純資産
132兆円
形態の区分で株式投信の内数。日経225・TOPIX連動が中心、多くを日本銀行が保有(409本、2026年5月末)
出典: 投資信託協会 商品分類別 (ETF、2026年5月末)
インデックス投信の純資産
217兆円
運用手法の区分で株式投信の内数・ETFとも重複。ETF・インデックスは株式投信の内数で互いに重なるため、商品性質の数字とは合算しません(1,435本)
出典: 投資信託協会 商品分類別 (インデックス、2026年5月末)

ETF純資産の長期推移 (2012-2026年、兆円)

各年12月末値。最右の棒のみ2026年5月末(足元)で他の年末点と時点が異なる
単位: 兆円
0.0037.575.0112.5150.04.21128.0910.616.21520.430.833.643.454.82062.459.274.989.4109.925132.326
出典: 投資信託協会 商品分類別 (ETF、純資産の年末値2012-2025年 + 2026年5月末)
201220132014201520162017201820192020202120222023202420252026
ETF純資産兆円4.218.0910.6216.1720.3530.7933.5643.3554.8162.4359.1774.9489.37109.90132.35
前年比
読み解き

ETF(上場投資信託)の純資産は、2012年末の4.2兆円から2025年末の109.9兆円、足元2026年5月末は132兆円へと、十数年で大きく拡大しました。この急拡大の主因は、日本銀行が金融緩和策の一環として、2010年代を通じて国内株価指数に連動するETFを買い入れ、保有を積み上げてきたことです。2026年5月末のETF132兆円は、日経225やTOPIXなどの国内株価指数に連動する型が大半を占めます。

2025年末の109.9兆円から2026年5月末の132兆円への動きは年初来約5か月の変化で、株価上昇局面でETFの時価評価が膨らんだことを映しています。ETFは運用会社別の公募純資産ランキングで野村(NEXT FUNDS)が首位になる主因でもあり、機関投資家向け・日銀保有という性格が、個人が新NISAで積み立てるインデックス投信とは異なる点に注意が必要です。

株式投信の主な投資対象別の純資産 (2026年5月末)

株式投信335兆円の主な分類。合計は全体の一部
国内株式
純資産(兆円)
152.2
ファンド本数
922本
海外株式
純資産(兆円)
71.3
ファンド本数
987本
内外株式
純資産(兆円)
50.6
ファンド本数
696本
国内不動産投信(J-REIT)
純資産(兆円)
4.6
ファンド本数
160本
海外不動産投信
純資産(兆円)
4.0
ファンド本数
140本
読み解き

株式投信を投資対象別に見ると、国内株式が152兆円で最も大きく、海外株式71兆円、国内外の株式に投資する内外株式51兆円が続きます。不動産投資信託(J-REIT)を組み入れる国内不動産投信は4.6兆円、海外不動産投信は4.0兆円です。

ここに挙げた主な投資対象5分類の合計は約283兆円で、これは株式投信335兆円の一部です。残りは資産複合(バランス型)やその他の株式投信が占めます。なお、株式を組み入れないMRFなどは公社債投信(17兆円)の側で集計され、ここには含まれません。

形態・運用手法別の純資産 (2026年5月末)

いずれも株式投信の内数で互いに重複、合算・控除はしない
ETF(上場投資信託)
純資産(兆円)
132.3
ファンド本数
409本
位置づけ
取引所に上場、日銀保有が中心
インデックス投信(計)
純資産(兆円)
217.1
ファンド本数
1,435本
位置づけ
指数連動、ETFを含む
 うち日経225連動
純資産(兆円)
48.0
ファンド本数
92本
位置づけ
インデックスの一部
 うちTOPIX連動
純資産(兆円)
79.4
ファンド本数
93本
位置づけ
インデックスの一部
読み解き

形態・運用手法で見ると、上場して株式のように売買できるETFが132兆円、指数への連動を目指すインデックス投信が計217兆円です。インデックス投信のうち日経225連動が48兆円、TOPIX連動が79兆円を占めます。

この表の数字は単純に足し引きできません。ETFもインデックス投信も株式投信335兆円の内数であり、さらに指数連動のETFはETFとインデックス投信の両方に数えられるため、互いに重なっています。日経225連動・TOPIX連動はそのインデックス投信の一部です。したがって、これらを合計したり株式投信から差し引いたりするのではなく、「どの形態・手法がどれだけの規模か」を見る指標として読みます。

主要論点

なぜETFは132兆円もの規模になっているのか?

ETF(上場投資信託)の純資産は2026年5月末で132兆円と、公募株式投信335兆円の約4割に相当します。これほど大きい最大の理由は、日本銀行による国内株式ETFの買い入れです。日銀は2010年代を通じて、金融緩和策の一環として日経225・TOPIXに連動するETFを買い入れ、長年にわたり保有を積み上げてきました。2026年5月末のETF132兆円は、日経225やTOPIXなどの国内株価指数に連動する型が中心です。

この構造は、運用会社の規模ランキングにも影響します。ETFの最大の提供会社である野村が、運用会社別の公募純資産で首位になる主因がこのETFです。

業界戦略への示唆: ETFの規模は「個人の投資意欲」よりも「日銀の金融政策」を強く映す指標です。日銀が保有ETFをどう扱うか(売却の有無やペース)は、市場規模の数字に影響し得る論点として残ります。個人マネーの動向を見たい場合は、ETFを含む総額ではなく、新NISAで積み立てられるインデックス投信や投資対象別の構成を見る方が実態に近づきます。

公募投信に資金はどれだけ入っているのか? — 買付額と純流入の違い

公募投信への資金の入り方は、2つの異なる数字で語られます。第一に、金融庁が公表するNISAの新規買付額で、2025年は18.8兆円でした。これは買い付けた金額(グロス)で、解約や償還は差し引かれていません。第二に、投資信託協会が集計する公募投信全体の資金純流入で、解約・償還を差し引いた後(ネット)の数字です。純流入は2024年が16.8兆円、2025年が15.5兆円でした。

2つの数字は出所も意味も異なります。NISAの買付額18.8兆円に対し市場全体の純流入が15.5兆円にとどまるのは、新規の買い付けがある一方で、既存の投信の解約・償還も同時に起きているためです。

業界戦略への示唆: 「NISAで18.8兆円入った」と「市場全体に15.5兆円入った」は両立します。前者は個人の新規投資の勢い、後者は解約も含めた市場全体の純増を表すため、目的に応じて使い分けるのが正確です。いずれにせよ純流入はプラスを維持しており、「貯蓄から投資へ」の資金の流れは続いています。

インデックス化はどこまで進んでいるのか?

指数への連動を目指すインデックス投信の純資産は、2026年5月末で計217兆円に達しました。これは公募株式投信335兆円の内数ですが、その大きな部分を占めるまでに拡大しています。背景には、日銀が買い入れてきた指数連動ETFに加え、個人が新NISAのつみたて投資枠を通じて、信託報酬の低いインデックス投信に資金を振り向けている動きがあります。

インデックス投信は、運用会社が銘柄を選別するアクティブ投信に比べて保有コスト(信託報酬)が低く、全世界株式やS&P500に連動する商品が個人マネーを集めています。

業界戦略への示唆: インデックス化の進行は、運用会社にとって「残高は増えても1本あたりの手数料収入は薄くなる」構図をもたらします。市場の構成がインデックスに傾くほど、運用会社は規模の拡大とコスト競争の両立を迫られます。アクティブ運用がどこまで個人に支持されるかは、運用手法をめぐる論点として続いています。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、新NISAのつみたて投資枠を通じた低コストのインデックス投信への資金流入が続く見通しです。公募投信全体の資金純流入は年15.5兆円前後の規模を保ち、市場の構成は引き続きインデックス・海外株式型に傾く展開が想定されます。ETFは日銀の保有方針に左右されるため、政策動向が規模の数字に影響し得ます。

中期3-5年

2028-2030年は、インデックス化と海外株式シフトがさらに進む可能性があります。個人の資産形成が定着すれば、株式投信の純資産は相場変動を伴いながらも拡大基調をたどり、商品構成は国内株式偏重から海外・全世界型へと広がる展開が見込まれます。運用会社は低コスト競争のなかで収益力をどう保つかが課題となります。

長期5-10年

2030年以降は、家計の金融資産のうち現預金に滞留してきた部分がどこまで投信に向かうかが、市場全体の規模を左右します。非課税制度を通じた長期マネーが継続的に流入すれば、公募投信の構成はインデックスを軸にいっそう厚みを増す一方、アクティブ運用やオルタナティブ(代替資産)を含む多様化が並行して進むかが論点になります。

よくある質問

公募投信の商品構成はどうなっていますか?
2026年5月末の公募投信352兆円は、商品性質では株式投信335兆円・公社債投信17兆円に分かれます。株式投信のうち、形態・手法で見るとETFが132兆円、インデックス投信が計217兆円です。ただしETF・インデックスは株式投信の内数で互いに重なるため、これらを合算したり株式投信から差し引いたりはしません。投資対象別では国内株式152兆円・海外株式71兆円などに分かれます。
ETFの純資産が大きいのはなぜですか?
国内ETF(上場投資信託)の純資産は132兆円で、株式投信の約4割を占めます。これほど大きいのは、日本銀行が金融緩和策の一環として、長年にわたり日経225・TOPIXなどの国内株価指数に連動するETFを買い入れ、保有してきたためです。日経225やTOPIXなどの国内株価指数連動型が中心で、運用会社別では野村(NEXT FUNDS)が最大の提供会社です。
インデックス投信とは何ですか? 規模はどれくらいですか?
インデックス投信は、日経平均やS&P500などの市場指数に連動することを目指す投信で、純資産は2026年5月末で計217兆円です。指数連動のETFもこれに含まれます。運用会社が銘柄を選別するアクティブ投信に比べて信託報酬(保有コスト)が低く、新NISAのつみたて投資枠を通じて個人マネーが集中しています。
投資信託に資金はどれくらい入っていますか?
2つの見方があります。金融庁のNISA調査では2025年の新規買付額が18.8兆円(買い付けた金額、グロス)です。一方、投資信託協会が集計する公募投信全体の資金純流入(解約・償還を差し引いたネット)は2024年16.8兆円・2025年15.5兆円でした。出所も意味も異なる別の数字で、前者は個人の新規投資の勢い、後者は市場全体の純増を表します。
ETF・インデックス・株式投信の数字は足し合わせてよいですか?
いいえ。株式投信335兆円と公社債投信17兆円は重ならないため合計できますが(公募総合352兆円)、ETF132兆円とインデックス投信217兆円は、どちらも株式投信の内数で互いにも重なります。指数連動のETFはETFとインデックスの両方に数えられるためです。したがってこれらを足したり株式投信から差し引いたりはせず、それぞれ「どの切り口でどれだけの規模か」を示す数字として読みます。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    投資信託協会 株式投信の商品分類別内訳
  2. 2.
    投資信託協会 公募投資信託の資産増減状況
  3. 3.
    金融庁NISA口座の利用状況に関する調査
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