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NISA・つみたて投資の動向|口座数・買付額と新NISAの広がり【2026年版】

NISA(少額投資非課税制度)は、2024年1月の新NISA開始で大きく広がりました。口座数は2,826万、累計買付額は71兆円(2025年12月末)に達し、2025年だけで18.8兆円が新規に買い付けられました。口座数は2014年末の825万から10年あまりで大きく拡大し、とくに2024年の新NISA開始で加速しました。このNISAマネーの多くがつみたて投資枠を通じて低コストのインデックス投信に向かい、「貯蓄から投資へ」の流れと、投資信託市場への資金流入を支えています。

NISA口座数
2,826万口座
2025年12月末、新NISA(2024年1月開始)。2014年の制度開始時は492万口座
出典: 金融庁NISA口座の利用状況に関する調査 (2025年12月末速報)
NISA累計買付額
71兆円
新NISAの累計買付額(2025年12月末)。買い付けた金額(グロス)で解約・償還は差し引かない
出典: 金融庁NISA口座の利用状況に関する調査 (2025年12月末速報)
2025年の新規買付
18.8兆円
成長投資枠12.6兆円+つみたて投資枠6.2兆円(2025年)
出典: 金融庁NISA口座の利用状況に関する調査 (2025年)
新NISA残高
17兆円
2024年12月末時点。2025年末の残高は金融庁の調査対象外
出典: 金融庁NISA口座の利用状況に関する調査 (2024年12月末)

NISA口座数の長期推移 (2014-2025年、万口座)

各年12月末。2014-2023年は旧NISA(一般・つみたて・ジュニア)の合算、2024年から新NISAに一本化
単位: 万口座
07501,5002,2503,00082514988151,0811,1251,2851,3991,569201,8371,9022,2492,5592,82625
出典: 金融庁NISA口座の利用状況に関する調査 (口座数推移、2014-2025年。2014-2023は旧NISA各制度の合算、2024-2025は新NISA)
201420152016201720182019202020212022202320242025
NISA口座数万口座8259881,0811,1251,2851,3991,5691,8371,9022,2492,5592,826
読み解き

NISA口座数は、2014年末の825万(制度開始時の2014年1月は492万)から、新NISA下の2025年末2,826万へと、10年あまりで大きく拡大しました。2014-2023年は旧NISA(一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISA)の合算で、2023年末には2,249万まで増えました。一般NISAとつみたてNISAは年ごとにどちらか一方を選ぶ制度だったため、両者を合算したものが総口座数にあたります。

2024年1月の新NISA開始で口座数は一段と加速しました。非課税保有の恒久化と投資枠の拡大により、旧NISAを使っていなかった層も含めて口座開設が進み、2024年末2,559万、2025年末2,826万となっています。この口座数の伸びが、つみたて投資を通じた投資信託への継続的な資金流入の土台となっています。

2025年のNISA新規買付額の内訳 (投資枠別)

項目買付額(兆円)構成比シェア
成長投資枠12.5566.8%
つみたて投資枠6.2433.2%
2025年 新規買付 合計18.79100.0%
読み解き

2025年の新規買付18.8兆円は、成長投資枠12.6兆円(66.8%)、つみたて投資枠6.2兆円(33.2%)の内訳です。成長投資枠は個別株や幅広い投資信託も買えるため金額が大きくなりますが、つみたて投資枠は信託報酬の低い長期・積立向けの投資信託に限定され、毎月コンスタントに資金が流れ込む点に特徴があります。

つみたて投資枠の資金は、その大半が全世界株式やS&P500に連動する低コストのインデックス投信に向かっています。金額では成長投資枠が上回りますが、相場変動に左右されにくい継続的な積立という意味で、つみたて投資枠が「貯蓄から投資へ」の流れの中心を担っています。

主要論点

新NISAで何が変わったのか?

2024年1月に始まった新NISAは、旧NISA(2014-2023年)を抜本的に拡充したものです。最大の変更は、非課税で保有できる期間が恒久化され、年間の投資枠が拡大(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円の年最大360万円)した点です。

この拡充により、口座数は旧NISA末の2023年末2,249万から、2024年末2,559万、2025年末2,826万へと加速しました。累計買付額も71兆円に達し、個人マネーが本格的に投資へ動き始めています。旧NISAでは一般NISAとつみたてNISAのどちらか一方しか使えませんでしたが、新NISAでは両枠を併用できるようになったことも、買付額の拡大を後押ししています。

業界戦略への示唆: 新NISAは、資産運用業にとって個人マネーの安定的な流入経路を生み出しました。とくにつみたて投資枠は相場が下がっても資金が入り続ける「下支え」として働くため、運用会社にとっては残高の継続的な積み上げが見込めます。一方で、資金が低コスト商品に集中するため、収益面では信託報酬の薄さという課題も併存します。

NISA買付18.8兆円と市場の資金純流入(約15兆円)はなぜ違うのか?

NISAの数字を読むときに混同しやすいのが、「買付額」と「市場全体の資金流入」です。2025年のNISA新規買付は18.8兆円ですが、これは金融庁が集計する買い付けた金額(グロス)で、解約や償還は差し引かれていません。

一方、投資信託協会が集計する公募投信全体の資金純流入(ネット、解約・償還を差し引いた後)は2025年で約15兆円規模です。NISA買付18.8兆円に対して市場全体の純流入がそれを下回るのは、新規の買い付けがある一方で、既存の投信の解約・償還も同時に起きているためです。両者は出所も意味も異なる別の指標です。

業界戦略への示唆: 「NISAで18.8兆円入った」と「投信市場全体の純流入は約15兆円」は、どちらも正しく両立します。前者は個人の新規投資の勢いを、後者は解約も含めた市場全体の純増を表します。NISAを通じた個人マネーの勢いを見るならグロスの買付額、運用残高への正味の影響を見るなら純流入と、目的に応じて使い分けるのが正確です。

つみたて投資枠は資産運用業をどう変えるか?

つみたて投資枠は、対象が信託報酬の低い長期・積立向けの投資信託に限定されています。2025年のつみたて投資枠の買付6.2兆円の多くが、全世界株式やS&P500に連動する低コストのインデックス投信に向かっています。

この流れは、運用業に2つの構造変化をもたらしています。第一に、毎月コンスタントに資金が流れ込む安定性です。給与天引きのように毎月一定額が自動的に買い付けられるため、相場が下がった局面でも資金が入り続け、投資信託の純資産を下支えします。第二に、低コスト競争の激化です。つみたて対象に選ばれるには信託報酬を年0.1%前後まで下げる必要があり、運用会社の収益構造を圧迫しています。

業界戦略への示唆: つみたて投資枠は、個人の資産形成を定着させる一方で、運用会社に「残高は増えても1本あたりの手数料は薄い」という構図を強います。中期的には、低コストのインデックス投信で残高を集める運用会社と、運用力で付加価値を出すアクティブ運用との役割分担が、より鮮明になっていくとみられます。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、新NISAのつみたて投資枠を通じた資金流入が安定的に続く見通しです。口座数は2,826万から緩やかに増え、年間の新規買付も18.8兆円規模を保つとみられます。相場変動を伴いつつも、毎月の積立が投資信託への継続的な資金流入の土台となります。

中期3-5年

2028-2030年は、新NISAで積み立てた資金が累積し、家計の資産形成が一段と定着する局面です。累計買付額はさらに増え、つみたて投資枠を中心に低コストのインデックス投信への資金集中が続きます。一方、成長投資枠を通じた個別株やアクティブ投信への投資が、個人の運用の多様化を促すかも論点となります。

長期5-10年

2030年以降は、NISAが家計の長期資産形成の基盤として根付くとみられます。2,000兆円を超える家計金融資産のうち、現預金に滞留してきた部分がNISAを通じて投資へ向かう流れが続けば、投資信託市場の規模と運用業の収益構造を大きく変える可能性があります。iDeCo(個人型確定拠出年金)などほかの非課税・優遇制度との組み合わせも、個人の運用を後押しします。

よくある質問

NISAの口座数や買付額はどれくらいですか?
金融庁の調査によれば、NISA口座は2,826万、累計買付額は71兆円です(2025年12月末)。2024年1月に始まった新NISAでは、2025年だけで18.8兆円(成長投資枠12.6兆円・つみたて投資枠6.2兆円)が新規に買い付けられました。
新NISAは旧NISAから何が変わりましたか?
2024年1月に始まった新NISAは、非課税で保有できる期間が恒久化され、年間投資枠が拡大(つみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円の年最大360万円)しました。旧NISAでは一般NISAとつみたてNISAのどちらか一方しか使えませんでしたが、新NISAでは両枠を併用できます。口座数は2014年末の825万から、2025年末には2,826万へと大きく拡大しています。
つみたて投資枠と成長投資枠の違いは何ですか?
つみたて投資枠は、信託報酬の低い長期・積立向けの投資信託が対象で、毎月コンスタントに積み立てる仕組みです(2025年の買付6.2兆円)。成長投資枠は、個別株や幅広い投資信託も買える枠で、金額は大きくなります(同12.6兆円)。つみたて投資枠の資金の多くが、全世界株式やS&P500に連動する低コストのインデックス投信に向かっています。
NISAの買付額と投信市場の資金流入は同じですか?
いいえ、別の数字です。NISA新規買付18.8兆円(2025年)は買い付けた金額(グロス)で、解約・償還は差し引かれていません。一方、投資信託協会が集計する公募投信全体の資金純流入(ネット)は解約・償還を差し引いた後の数字で、約15兆円規模です。NISAの勢いを見るならグロスの買付額、運用残高への正味の影響を見るなら純流入と、使い分けます。
NISAは資産運用業にどんな影響を与えていますか?
NISAは個人マネーの最大の流入経路となり、投資信託市場の拡大を牽引しています。とくにつみたて投資枠は、相場が下がっても毎月資金が入り続ける「下支え」として働き、運用会社にとって安定的な残高の積み上げにつながります。一方、資金が信託報酬の低いインデックス投信に集中するため、運用会社は残高が増えても手数料収入が薄くなる構図にも直面しています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    金融庁NISA口座の利用状況に関する調査
  2. 2.
    投資信託協会 公募投資信託の資産増減状況
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