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資産運用業界の市場規模|投信純資産と投資一任の推移【2026年版】

資産運用業の市場規模は、運用の器ごとに公募投資信託352兆円、私募投信119兆円、投資一任契約605兆円という3つの数字で表されます。最も個人に身近な公募投信は、新NISAと株価上昇を背景に、2025年11月末の297兆円から半年で約18%拡大しました。一方、残高が最も大きいのは年金・機関投資家向けの投資一任です。本ページでは、3つの市場規模の推移と内訳、そして集計範囲が重なるこれらの数字をどう読めばよいかを整理します。

公募投信の純資産総額
352兆円
個人投資家が中心。株式投信と公社債投信の合計で5,823本(2026年5月末)
出典: 投資信託協会 公募投資信託の資産増減状況 (2026年5月末)
私募投信の純資産総額
119兆円
適格機関投資家向けなど、7,582本(2026年5月末)。公募とは別集計で合算しない
出典: 投資信託協会 私募投資信託の資産増減状況 (2026年5月末)
投資一任契約の契約資産
605兆円
年金・機関投資家が中心(2026年3月末)。投資助言を含むと681兆円
出典: 資産運用業協会(旧投資顧問業協会) 投資一任業の契約状況 (2026年3月末)
NISA累計買付額
71兆円
NISA口座2,826万、2025年の新規買付18.8兆円(2025年12月末)
出典: 金融庁NISA口座の利用状況に関する調査 (2025年12月末速報)

公募投信純資産の長期推移 (株式投信・公社債投信、2005-2026年、兆円)

各年12月末値。2026年は5月末時点
単位: 兆円
株式投信公社債投信
0.00100.0200.0300.0400.055.3050607080963.7101112131497.81516171819139.42021222324301.625352.426
出典: 投資信託協会 公募投資信託の資産増減状況 (株式投信+公社債投信=公募総合、2005-2026年)
2005200620072008200920102011201220132014201520162017201820192020202120222023202420252026
株式投信兆円40.8355.6666.7840.8450.2452.4646.7652.9165.0377.1081.7483.0297.4393.55109.91125.16150.03142.75181.35230.29284.68335.56
公社債投信兆円14.5213.2712.9811.3011.2111.2610.5711.1516.5016.4116.0213.6213.7611.6113.2614.2714.4714.4515.5615.7216.9016.86
合計(兆円55.3568.9379.7652.1461.4563.7257.3364.0681.5393.5197.7696.64111.19105.16123.17139.43164.50157.20196.91246.01301.58352.42
前年比+24.5%+15.7%-34.6%+17.9%+3.7%-10.0%+11.7%+27.3%+14.7%+4.5%-1.1%+15.1%-5.4%+17.1%+13.2%+18.0%-4.4%+25.3%+24.9%+22.6%+16.9%
読み解き

公募投資信託の純資産総額は、2005年末の55兆円から2026年5月末の352兆円へ、20年あまりで6倍を超える規模に拡大しました。内訳の大半は株式投信(国内・海外の株式型やバランス型、ETF、REIT投信などを含む)で、2026年5月末で335.6兆円。公社債投信は16.9兆円で、近年はおおむね横ばいです。純資産は株価の影響を強く受けるため、リーマン・ショック(2008年)やコロナ前後の調整局面では一時的に減少しましたが、長期では右肩上がりが続いています。

直近の伸びはとくに急で、2024年1月の新NISA開始以降の個人マネーの流入と、2024-2025年の株高が重なりました。2025年末の301兆円から2026年5月末の352兆円への動きは年初来約5か月の変化で、月ごとには相場による上下を伴います。グラフの株式投信の伸びがほぼそのまま全体の伸びを牽引しており、公社債投信の比率は相対的に小さくなっています。

公募投信純資産の月次推移 (2024年1月-2026年5月、兆円)

横軸は年月 (例: 202605=2026年5月)
単位: 兆円
0.00100.0200.0300.0400.0208.42401229.12405238.62410245.62505296.12510352.42605
出典: 投資信託協会 公募投資信託の資産増減状況 (月次、2024年1月-2026年5月)
202401202402202403202404202405202406202407202408202409202410202411202412202501202502202503202504202505202506202507202508202509202510202511202512202601202602202603202604202605
純資産総額兆円208.36218.52227.04226.82229.07237.39231.49228.73230.23238.63238.09246.01247.23238.35236.31234.79245.59254.33261.04267.29276.82296.06297.38301.58311.26329.80305.48334.02352.42
読み解き

月次でみると、公募投信の純資産総額は2024年1月の208兆円から2026年5月の352兆円へ右肩上がりで増えてきました。この純資産の増減は、投資家の資金の出入りである「資金の純流入(フロー)」と、保有する株式・債券の時価変動である「運用による増減(ストック)」の2つに分けて見ると理解できます。

2025年12月から2026年5月の半年では、資金の純流入が約11兆円と毎月プラスを維持し、新NISAを通じた個人マネーが着実に入り続けたことを示しています。一方、運用による増減は月ごとの振れが大きく、2026年3月は運用による評価が約-26.7兆円と落ち込み、同月の資金純流入(約+2.7兆円)を一部相殺しつつ、純資産は前月末の329兆円から305兆円へ低下しました。ただし翌4月には運用評価が約+27.4兆円と反発しています。半年間の拡大幅の大半は、こうした株価上昇による時価の増加が占めています。つまり、足元の積み増しは「コンスタントな積立による下支え」と「相場による振れ」の組み合わせで動いています。

公募投信純資産の内訳 (株式投信・公社債投信、2026年5月末)

項目純資産(兆円)構成比シェア
株式投信335.5695.2%
公社債投信16.864.8%
公募投信 合計352.42100.0%
読み解き

公募投信は、投資信託協会の集計上、株式投信と公社債投信の2つに大別されます。2026年5月末の構成比は株式投信が95.2%、公社債投信が4.8%で、合計が公募総合の352兆円です(内訳の金額は上表のとおり)。「株式投信」は名前に反して株式だけを指すのではなく、約款で株式を組み入れられる投信の総称で、国内株式型・海外株式型・バランス型に加え、ETF(上場投資信託)やREIT投信も含まれます。一方の公社債投信は、株式をいっさい組み入れずに国債・社債などで運用する投信で、MRF(証券口座の待機資金の受け皿)が代表例です。

株式投信が全体の約95%を占めるのは、株価上昇による時価の伸びと、新NISAのつみたて投資枠を通じた株式型インデックス投信への資金集中の両方を映したものです。

3つの市場規模の比較 (公募投信・私募投信・投資一任)

集計範囲・対象投資家・時点が異なり、単純合算はしない
公募投資信託
残高(兆円)
352
本数・件数
5,823本
主な投資家
個人投資家が中心
時点
2026年5月末
私募投資信託
残高(兆円)
119
本数・件数
7,582本
主な投資家
適格機関投資家など
時点
2026年5月末
投資一任契約
残高(兆円)
605
本数・件数
9,515件
主な投資家
年金・機関投資家が中心
時点
2026年3月末
読み解き

3つの数字は、それぞれ集計する団体も対象も異なります。公募・私募投信は投資信託協会、投資一任は資産運用業協会(旧投資顧問業協会)の集計で、公募投信は誰でも買える個人向け、私募投信は適格機関投資家など限られた相手向け、投資一任は年金・機関投資家から運用を一任される契約という違いがあります。残高が最も大きいのは投資一任の605兆円です。

重要なのは、これら3つを足して「資産運用業の規模」とはしないことです。たとえば投資一任で預かった資金が投資信託で運用されるなど、集計範囲が重なるためです。なお投資一任の605兆円は「一任契約のみ」の数字で、投資助言(76兆円)を含めると681兆円、さらにファンド運用業や不動産関連を含む「投資運用業全体」ではより大きくなります。どの範囲を指すかで数字が変わる点に注意が必要です。

主要論点

なぜ公募投信の純資産は半年で297兆円から352兆円へ拡大したのか?

公募投資信託の純資産総額は、2025年11月末の297兆円から2026年5月末の352兆円へ、半年で約18%(約55兆円)拡大しました。この伸びは、資金の純流入(フロー)と、運用による時価の増減(ストック)の2つに分けると理解できます。

第一に、資金の純流入です。2024年1月に始まった新NISAは、つみたて投資枠を中心に毎月コンスタントに資金が流れ込む仕組みで、2025年だけで18.8兆円が新規に買い付けられました。この期間も資金の純流入は毎月プラスで、半年で約11兆円に達しています。第二に、株価上昇による運用益です。投信の純資産は保有する株式や債券の時価で評価されるため、株式市場が上昇すれば残高も増えます。実際、2026年3月には市場の調整で運用による評価が約26.7兆円減りましたが、翌4月には約+27.4兆円と反発しました。

業界戦略への示唆: 半年間の拡大幅の大半は、こうした時価の増加が占めています。中期的には、相場の変動が残高を月ごとに上下させる一方で、NISAによる継続的な積立が下支えとなる構図です。市場規模を見るときは、純資産の額そのものだけでなく、それが「資金の流入で増えたのか、相場で増えたのか」を分けて捉えることが重要になります。

公募352兆円・私募119兆円・投資一任605兆円 — 3つの市場規模はどう読むか?

資産運用業の規模を表す数字は1つではなく、運用の器ごとに公募投信352兆円、私募投信119兆円、投資一任605兆円という3つがあります。これらは集計する団体も対象投資家も異なります。公募・私募投信は投資信託協会、投資一任は資産運用業協会の集計で、それぞれ個人向け、適格機関投資家など向け、年金・機関投資家向けという住み分けです。

ここで誤解しやすいのが、3つを足し合わせて「日本の資産運用業は1,000兆円超」とすることです。実際には、投資一任で預かった資金が投資信託を組み入れて運用されるなど、集計範囲が重なるため単純合算はできません。また、投資一任の605兆円は「一任契約のみ」の数字で、投資助言を含めると681兆円、ファンド運用業や不動産関連を含む「投資運用業全体」ではさらに大きくなります。報道で見かける数字がどの範囲を指すかで、印象は大きく変わります。

業界戦略への示唆: 市場規模を語るときは、まず「どの器の、どの集計か」を確かめることが出発点になります。個人マネーの動向を見るなら公募投信、年金・機関投資家の運用を見るなら投資一任、というように、目的に応じて見る数字を使い分けるのが実務的です。

新NISAは資産運用業の市場規模をどう変えるか?

2024年1月に始まった新NISAは、口座数2,826万・累計買付額71兆円(2025年12月末)まで普及しました。2025年の新規買付18.8兆円の内訳は、成長投資枠12.6兆円・つみたて投資枠6.2兆円です。とくにつみたて投資枠の資金は、低コストの株式型インデックス投信に継続的に向かっています。

この流れは、市場規模の「質」を変えつつあります。従来は相場次第で資金が出たり入ったりしがちでしたが、新NISAのつみたて投資枠は毎月一定額が自動的に買い付けられるため、相場が下がった局面でも資金が入り続ける下支えとして働きます。公募投信の純資産が一時的な調整を挟みながらも長期で拡大を続けている背景には、この継続的な積立があります。

業界戦略への示唆: 一方で、資金が集まるのは信託報酬の低いインデックス投信が中心のため、運用会社にとっては「残高は増えても1円あたりの手数料収入は薄くなる」構図でもあります。市場規模(預かり資産=AUM)の拡大が、そのまま運用会社の収益拡大には直結しない点が、資産運用立国の時代の論点になっています。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、新NISAのつみたて投資枠による毎月の資金流入が、公募投信の残高を下支えする構図が続く見通しです。公募投信の純資産は相場次第で月ごとに上下しつつも、年初来で見れば300兆円台後半から400兆円規模をうかがう局面に入っています。投資一任も年金・機関投資家の運用委託を背景に、緩やかな拡大基調が続くとみられます。

中期3-5年

2028-2030年は、資産運用立国の政策と、2026年4月に発足した資産運用業協会(投資信託協会と投資顧問業協会の統合)による制度面の後押しが効いてくる時期です。家計の「貯蓄から投資へ」の流れが続けば、公募投信・私募投信・投資一任のいずれも残高を伸ばす可能性があります。ただし、低コストのインデックス投信への資金集中が進むほど、残高の拡大と運用会社の収益の伸びが乖離しやすくなる点が論点として残ります。

長期5-10年

2030年以降は、2,000兆円を超える家計金融資産のうち、現預金に滞留してきた部分がどこまで投資に向かうかが、資産運用業の市場規模を左右します。新NISAやiDeCoなどの非課税制度を通じた長期マネーが運用の器に継続的に流れ込めば、市場規模は相場変動を伴いながらも拡大が見込まれます。年金マネーを担う投資一任と、個人マネーを担う公募投信の双方が、その受け皿として規模を競う構図になります。

よくある質問

資産運用業界の市場規模はどれくらいですか?
運用の器ごとに、公募投資信託の純資産総額が352兆円(2026年5月末、5,823本)、私募投信が119兆円、投資一任契約が605兆円(2026年3月末)です。投資一任は年金・機関投資家向けが中心で、投資助言を加えた契約資産は681兆円規模です。これら3つは投資一任が投信を組み入れるなど集計範囲が重なるため、単純には合算しません。
運用資産残高(AUM)と運用会社の売上は違うのですか?
はい、別のものです。市場規模として示される純資産総額や契約資産残高は、運用会社が投資家から預かって運用している資産の残高(AUM)です。一方、運用会社の売上は、その残高に対して受け取る信託報酬(運用管理費用)などの手数料収入で、AUMの年0.1〜1%程度にとどまります。たとえばAUMが352兆円でも、それがそのまま運用会社の売上になるわけではありません。
公募投信と私募投信は何が違いますか?
公募投信は、不特定多数の投資家に向けて広く募集する投資信託で、誰でも証券会社や銀行を通じて少額から購入できます。純資産は352兆円(2026年5月末)です。一方、私募投信は、適格機関投資家など限られた相手に向けて募集する投資信託で、純資産は119兆円です。両者は別々に集計され、合算はしません。
投資一任とは何ですか?
投資一任は、投資家が運用会社に運用の判断と実行をまとめて任せる契約です。年金基金や機関投資家が、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のように巨額の資金の運用を委託するのが中心で、契約資産残高は605兆円(2026年3月末)と、公募投信や私募投信を上回ります。個人向けにも、運用を任せる「ラップ口座」という形で投資一任が提供されています。
なぜ公募投信は半年で297兆円から352兆円へ増えたのですか?
資金の純流入(フロー)と、運用による時価の増減(ストック)の両方が増加に寄与しました。2025年12月から2026年5月の半年で、新NISAなどを通じた資金の純流入は約11兆円と毎月プラスを維持し、加えて株価上昇による運用益が残高を押し上げました。2026年3月には相場の調整で運用評価が一時的に減りましたが、その後反発し、半年で約18%拡大しています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    投資信託協会 公募投資信託の資産増減状況
  2. 2.
    投資信託協会 私募投資信託の資産増減状況
  3. 3.
    資産運用業協会(旧投資顧問業協会) 投資一任業の契約状況
  4. 4.
    金融庁NISA口座の利用状況に関する調査
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