利ざや拡大の持続性はどこまで?
マイナス金利解除以降、政策金利は0.0-0.1%から0.25% (2024年7月) 、0.5% (2025年1月) と段階利上げが進み、預貸金利ざや回復で資金運用収益は9.6兆から27.0兆 (約2.8倍) に伸長しました。経常利益も2.9兆から7.1兆 (約2.5倍) と劇的に拡大しました。地銀再編と地域金融力強化プランの本格運用 (2026年度以降) 、事業全体を担保にした2026年5月導入予定の新担保制度である企業価値担保権の影響も並行で発生します。
持続性の逆風は3つあります。①消費者物価指数と賃金上昇率次第で2026年以降の追加利上げが累計0.75-1.0%で頭打ちとなる可能性のある政策金利の上昇余地、②全国銀行有価証券残高267兆円のうち国債等の保有が金利上昇で時価が取得原価を下回る評価損リスク、③メガバンクグループの海外貸出残高拡大に伴い新興国景気変動で増減する与信費用 (貸倒に備える引当金繰入と不良債権償却の合計) の振れ、です。
業界戦略への示唆: 短期2025-2026年は利ざや拡大が継続する見通しですが、中期2027-2029年は金利上昇局面の終息、有価証券評価損の表面化、米国景気変動の波及により、利益水準はFY2024ピーク比で減益圧力に直面し得ます。役務収益のウェイト引き上げが利ざや依存からの脱却の試みです。