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STAT DETAIL · FRAUD & SECURITY

クレジットカードの不正利用被害額|2025年510.5億円・番号盗用が9割超【2026年版】

クレジットカードの不正利用による被害額は、2025年に510.5億円でした。本ページでは、日本クレジット協会の統計をもとに、不正利用被害額の推移と、その大半を占める番号盗用、ほぼ姿を消した偽造カードといった手口の内訳、そして本人認証などのセキュリティ対策を整理します。

不正利用被害額(2025年)
510.5億円
前年(2024年)の555.0億円から減少
出典: 日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の発生状況」(2026年3月公表)
被害額のピーク(2024年)
555.0億円
統計上の被害額が最も大きかった年
出典: 日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の発生状況」(2026年3月公表)
番号盗用の被害額(2025年)
475.4億円
被害額の93.1%を占める最大の手口
出典: 日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の発生状況」(2026年3月公表)
偽造カードの被害額(2025年)
7.2億円
2014年の19.5億円からICチップ化で激減
出典: 日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の発生状況」(2026年3月公表)

クレジットカード不正利用被害額の推移(2014-2025年、億円)

2014年114.5億円から2024年555.0億円(ピーク)へ拡大、2025年は510.5億円。番号盗用が大半を占め、偽造カードは激減
単位: 億円
番号盗用偽造カードその他
0150300450600115141211514216236172351827419253203302143722541235552451025
出典: 日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の発生状況」(2026年3月公表)
201420152016201720182019202020212022202320242025
番号盗用億円67.3072.2088.90176.70187.60222.90223.60311.70411.70504.70513.50475.40
偽造カード億円19.5023.1030.6031.701617.8081.501.703.105.907.20
その他億円27.7025.6022.502831.8033.4021.4016.9023.3033.1035.6027.90
合計(億円114.50120.90142236.40235.40274.10253330.10436.70540.90555510.50
前年比+5.6%+17.5%+66.5%-0.4%+16.4%-7.7%+30.5%+32.3%+23.9%+2.6%-8.0%
読み解き

クレジットカードの不正利用被害額は、2014年の114.5億円から拡大し、2024年に555.0億円でピークを迎え、2025年は510.5億円とやや減少しました。内訳をみると、増加を牽引してきたのは番号盗用で、2025年は475.4億円(93.1%)に達します。

対照的に、偽造カードによる被害は大きく減りました。2014年の19.5億円から、ICチップ化が進んだことで2021年には1.5億円まで縮小し、2025年も7.2億円にとどまります。被害の構図が「物理的なカードの偽造」から「番号情報の盗用」へと移ったことが、グラフからも読み取れます。

このグラフに関連するトピック

不正利用被害額の内訳(2025年)

番号盗用が93.1%と大半を占め、偽造カードはわずか。手口は非対面の番号盗用が中心
番号盗用
被害額
475.4億円
構成比
93.1%
偽造カード
被害額
7.2億円
構成比
1.4%
その他
被害額
27.9億円
構成比
5.5%
合計
被害額
510.5億円
構成比
100.0%
読み解き

2025年の不正利用被害額510.5億円の内訳は、番号盗用が475.4億円(93.1%)、偽造カードが7.2億円(1.4%)、その他が27.9億円(5.5%)です。被害のほとんどが、インターネット上の非対面取引などで盗まれたカード番号を悪用する番号盗用によるものです。偽造カードや、盗難・紛失したカードの不正使用は、ICチップ化や利用通知の普及で相対的に小さくなっています。

主要論点

なぜ番号盗用が不正利用被害の9割を占めるのか?

不正利用被害の93.1%を番号盗用が占めるのは、決済の中心がインターネット上の非対面取引へと移ったためです。番号盗用は、カードの現物がなくても、カード番号・有効期限・セキュリティコードといった情報さえあれば決済できてしまう手口です。

番号情報は、本物そっくりの偽サイトに入力させて盗み取るフィッシング詐欺や、企業からの情報流出、不正なプログラムなどによって盗まれます。盗まれた番号は、本人になりすましてオンラインショッピングなどに使われます。対面の決済ではカードのICチップや本人確認が働きますが、非対面では番号情報だけで決済が成立しやすいことが、被害が集中する背景です。

このため、対策の焦点も非対面取引での本人確認に移っています。後述する本人認証の仕組みや、不正をリアルタイムで検知する仕組みの高度化が、番号盗用への対抗策の中心になっています。

かつて被害の中心だった偽造カードは、なぜ激減したのか?

偽造カードによる被害は、2014年の19.5億円から2025年の7.2億円へと大きく減りました。最大の要因は、カードのICチップ化(EMV)です。

かつてのクレジットカードは、磁気ストライプに情報を記録していました。この情報は専用の機械で比較的容易に読み取り・複製でき、その情報を別のカードに書き込むことで偽造カードが作られていました。これに対し、ICチップは取引ごとに変化する情報を使って認証するため、情報をコピーして偽造することが非常に難しくなっています。

国際的にICチップ対応が義務づけられ、加盟店の決済端末もICチップ対応に置き換わったことで、磁気ストライプを悪用した偽造の手口は通用しにくくなりました。その結果、不正の手口は、物理的なカードを必要としない番号盗用へとシフトしました。対策が進むと不正の手口も変わる、いたちごっこの典型といえます。

不正利用を防ぐために、どのような対策がとられているのか?

非対面取引での番号盗用に対する代表的な対策が、EMV 3-Dセキュアと呼ばれる本人認証の仕組みです。オンラインでカード決済をする際に、パスワードやスマートフォンへの通知などで本人確認を行い、第三者によるなりすましを防ぎます。カード会社は、取引の状況からリスクを判断し、必要なときに追加の認証を求める形で運用しています。

また、カード番号そのものを別の文字列に置き換えて決済に使うトークン化や、不正をリアルタイムで検知する仕組み、利用のたびに通知を送る仕組みなども広がっています。加盟店の側でも、カード情報を適切に保護し、不正対策を講じることが、割賦販売法によって求められています。

これらの対策が進む一方で、不正の手口も巧妙になり続けています。被害額がなお高い水準にあることは、対策と手口がいたちごっこの関係にあることを示しています。利用者側でも、不審なメールやサイトに注意し、利用通知を確認するといった対応が、被害を防ぐうえで重要になっています。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、非対面取引での本人認証の標準化が進むとみられます。EMV 3-Dセキュアの導入が加盟店に広がり、番号盗用による不正の成立を抑える取り組みが強まります。被害額が高止まりするなかで、本人認証を求める範囲やリスク判断の精度が、被害を減らせるかどうかの焦点になります。

中期3-5年

中期では、AIを使った不正検知の高度化が進みます。取引のパターンから不審な利用をリアルタイムで見分け、被害が広がる前に止める仕組みが普及します。カード番号を直接やり取りしないトークン化や、スマートフォンの生体認証を組み合わせた決済も広がり、番号情報そのものの価値を下げる方向の対策が進みます。

長期

長期では、カード番号に依存しない決済の仕組みが広がる可能性があります。生体認証やパスワードレスの本人確認、取引ごとに変わる使い捨ての番号などが普及すれば、番号盗用という手口そのものが成立しにくくなります。ただし、新しい技術には新しい不正の手口も生まれるため、対策と手口のいたちごっこは続くとみられます。

よくある質問

クレジットカードの不正利用被害額はいくらですか?
日本クレジット協会の統計によると、2025年のクレジットカード不正利用被害額は510.5億円でした。2024年の555.0億円から減少しましたが、2014年の114.5億円と比べると、この10年あまりで大きく拡大しています。被害の93.1%は番号盗用によるものです。
番号盗用とは何ですか?
番号盗用は、盗まれたカード番号・有効期限・セキュリティコードなどの情報を使って、本人になりすまして決済する不正利用の手口です。カードの現物がなくても決済できるため、インターネット上の非対面取引で多く発生しています。情報は、フィッシング詐欺や企業からの情報流出などで盗まれます。2025年の被害額510.5億円のうち、475.4億円(93.1%)が番号盗用によるものです。
偽造カードによる被害はなぜ減ったのですか?
カードのICチップ化(EMV)が進んだためです。かつては磁気ストライプの情報をコピーして偽造カードが作られていましたが、ICチップは取引ごとに変化する情報で認証するため、複製が困難です。偽造カードの被害額は、2014年の19.5億円から2025年は7.2億円まで減りました。
3Dセキュアとは何ですか?
EMV 3-Dセキュアは、オンラインでカード決済をする際の本人認証の仕組みです。パスワードやスマートフォンへの通知などで本人確認を行い、第三者によるなりすまし(番号盗用)を防ぎます。カード会社が取引のリスクを判断し、必要なときに追加の認証を求める形で運用されており、非対面取引での不正対策の中心になっています。
クレジットカードを不正利用されたら、補償されますか?
一般に、クレジットカードが不正利用された場合、利用者に過失がなければ、カード会社の規約に基づいて被害が補償されるのが通常です(補償の条件や期間は各社の規約によります)。不正利用に気づいたら、すぐにカード会社に連絡することが大切です。利用通知を確認し、身に覚えのない請求がないかを定期的にチェックすることが、早期発見につながります。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    一般社団法人 日本クレジット協会「クレジットカード不正利用被害の発生状況」(2026年3月公表)
  2. 2.
    割賦販売法(加盟店のセキュリティ対策義務)
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