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クレジットカード会社の収益構造|加盟店手数料・分割リボ・キャッシングの収益源【2026年版】

クレジットカード会社の収益は、加盟店が支払う加盟店手数料、会員が分割払い・リボ払いを使ったときの手数料、キャッシングの金利、そして会費という4つの柱で成り立っています。本ページでは、ショッピング取扱高の支払区分(一括払いと分割・リボ払いの内訳)と、公正取引委員会が調査した加盟店手数料率をもとに、カード会社がどこで収益を得ているのかを整理します。

クレジットカード会社の収益構造

加盟店手数料・分割/リボ手数料・キャッシング金利・会費の4本柱

クレジットカード会社の収益は、誰が負担するかで大きく2つに分かれます。ひとつは加盟店が支払う加盟店手数料、もうひとつは会員(利用者)が支払う分割・リボ手数料キャッシング金利、そして会費です。ショッピング取扱高の94.5%は一括払いで会員に手数料がかからないため、会員側の手数料収入は限られ、売上全体にかかる加盟店手数料が最大の柱になります。

加盟店手数料
主な収益源
加盟店がカード会社に支払う、売上の一定率の手数料
主に負担する人
加盟店
分割・リボ手数料
主な収益源
会員が分割払い・リボ払いを利用したときにかかる手数料
主に負担する人
会員(利用者)
キャッシング金利
主な収益源
会員がキャッシング(現金の借入)を利用したときの利息
主に負担する人
会員(利用者)
会費・その他
主な収益源
年会費、提携・広告収入、付帯サービスなどにかかわる収益
主に負担する人
会員・提携先など

加盟店手数料 — 最大の収益源

加盟店手数料は、加盟店がカードでの売上の一定率をカード会社に支払うもので、クレジットカード会社にとって最大の収益の柱です。会員がカードを使うと、カード会社(アクワイアラ)は売上をいったん加盟店に立替払いし、そこから手数料を差し引きます。一括払いでも分割払いでも発生するため、ショッピング取扱高の大部分を占める一括払い(94.5%)からも収益が生まれます。

料率の水準について、公正取引委員会が2022年に公表した調査では、全体の単純平均が2.70%、決済額で重みづけした加重平均が1.66%でした。両者に差があるのは、料率の高い小規模な加盟店が数のうえでは多い一方、決済額のシェアは大きくないためです。料率は加盟店の規模で大きく異なり、年間売上高の小さい加盟店ほど高い傾向があります(売上規模別の詳細は後述)。

ただし、加盟店手数料の全額がカード会社の利益になるわけではありません。約7割は、カードを発行した会社(イシュア)の取り分になるとされ、これをインターチェンジフィーと呼びます。加盟店と契約した会社(アクワイアラ)が、カードを発行した会社に対して、国際ブランドのネットワークを通じて支払う手数料で、加盟店手数料の原価にあたる部分です。残りの差額が、加盟店と契約した会社の取り分になります。

分割・リボ手数料 — 会員が負担する手数料

分割払いは支払いを複数回に分けるもの、リボ払い(リボルビング払い)は利用額にかかわらず毎月の支払額を一定にするものです。いずれも会員が選んだときに手数料(実質的な年率)がかかり、カード会社の収益になります。一括払いには会員の手数料がかからないため、この収益は分割・リボ払いを選んだ利用分からのみ生まれます。

主要26社のクレジットカード動態調査によると、2025年のショッピング取扱高111.9兆円のうち、分割払い・リボ払いは6.2兆円(5.5%)で、残りの105.7兆円(94.5%)は1回・翌月一括払いです(いずれも主要26社の調査ベース)。つまり、会員が手数料を負担するのは取扱高の一部であり、分割・リボ手数料は加盟店手数料に比べると収益の母数が小さい一方、未払い残高に応じて手数料が積み上がる性質があります。

キャッシング金利 — 利息制限法の範囲内

キャッシングは、クレジットカードを使って現金を借り入れるサービスで、その利息がカード会社の収益になります。買い物(ショッピング)の支払いとは別の枠で、利用には審査があります。

キャッシングの金利は、利息制限法で定められた上限の範囲内です。利息制限法では、借入額に応じて上限金利が年20%(10万円未満)・年18%(10万円以上100万円未満)・年15%(100万円以上)と定められており、カードのキャッシングもこの範囲で設定されます。かつて問題となった高金利(グレーゾーン金利)は法改正で解消されており、現在は貸金業法による総量規制なども含めて、利用者保護の枠組みのもとで運営されています。

会費・その他の収益

会費は、カードの年会費による収益です。年会費無料のカードが広く普及する一方、ゴールドカードやプラチナカードなど、付帯サービスを手厚くして年会費を設定するカードもあり、会員から安定的に得られる収益となります。

このほか、提携先企業との提携カードにかかわる収益や、広告・送客にともなう収益、保険などの付帯サービスからの収益もあります。一方で、ポイント還元はカード会社にとって費用(販売促進費)であり、加盟店手数料などの収益とこの費用のバランスが、各社の収益性を左右します。

支払区分別のショッピング取扱高(2025年、主要26社)

取扱高の大部分は一括払いで、会員に手数料がかからない。分割・リボ払いは一部
1回・翌月一括払い
取扱高
105.7兆円
構成比
94.5%
分割払い・リボ払い
取扱高
6.2兆円
構成比
5.5%
合計(ショッピング)
取扱高
111.9兆円
構成比
100.0%
読み解き

日本クレジット協会のクレジットカード動態調査(主要26社)によると、2025年のショッピング取扱高111.9兆円のうち、94.5%は1回・翌月一括払いです。一括払いには会員の手数料がかからないため、会員が手数料を負担する分割・リボ払いは取扱高の5.5%にとどまります。なお、この111.9兆円は主要26社を対象とした調査の数値で、業界全数(ショッピング信用供与額134.6兆円)とは集計範囲が異なります。取扱件数は約228億件です。

加盟店手数料率・売上規模別(公正取引委員会2022年調査)

加盟店の年間売上高が小さいほど料率は高い傾向。全体の単純平均は2.70%(加重平均1.66%)
1千万円未満
平均加盟店手数料率
3.58%
1千万円以上5千万円未満
平均加盟店手数料率
3.24%
5千万円以上1億円未満
平均加盟店手数料率
2.93%
1億円以上2億円未満
平均加盟店手数料率
2.76%
2億円以上5億円未満
平均加盟店手数料率
2.84%
5億円以上10億円未満
平均加盟店手数料率
2.71%
10億円以上40億円未満
平均加盟店手数料率
2.19%
40億円以上100億円未満
平均加盟店手数料率
2.30%
100億円以上500億円未満
平均加盟店手数料率
2.03%
500億円以上1000億円未満
平均加盟店手数料率
2.08%
1000億円以上
平均加盟店手数料率
1.61%
全体(単純平均)
平均加盟店手数料率
2.70%
読み解き

公正取引委員会が2022年に公表した調査によると、加盟店手数料率は加盟店の規模で大きく異なり、年間売上高が小さい加盟店ほど高い傾向があります(1.61%から3.58%まで幅があります)。全体の単純平均は2.70%ですが、決済額で重みづけした加重平均は1.66%です。個々の中小加盟店の負担の重さを見るなら単純平均や売上規模別、市場全体で実際に支払われている料率の水準を見るなら加重平均が目安になります。料率は業種によっても異なります。これらは2022年の調査時点の数値で、加盟店手数料の透明化やインターチェンジフィーの公開など、その後の動きもあります。

主要論点

なぜ加盟店手数料がクレジットカード会社の収益の柱なのか?

クレジットカード会社の収益で最大の柱が加盟店手数料であるのは、支払区分の構造によります。主要26社の調査では、ショッピング取扱高の94.5%が1回・翌月一括払いで、会員に手数料がかかりません。会員が分割払いやリボ払いを選んだ5.5%の利用分からしか、会員側の手数料収入は生まれないのです。

一方、加盟店手数料は、一括払いでも分割払いでも、カードでの売上全体にかかります。会員がどの支払方法を選んでも、加盟店からは売上の一定率を受け取れるため、取扱高の拡大がそのまま収益に結びつきます。キャッシュレス化でカード利用が増えるほど、加盟店手数料の母数が広がる構造です。

ただし、加盟店手数料の約7割はインターチェンジフィーとしてカードを発行する側(イシュア)に渡る原価部分であり、加盟店と契約する側(アクワイアラ)の取り分はその差額です。発行に強い会社と加盟店契約に強い会社とで、加盟店手数料からの収益の取り込み方は異なります。

分割・リボ手数料は、なぜ収益性が高いのに収益の中心になりにくいのか?

分割払い・リボ払いの手数料は、実質的な年率に換算すると高めで、利用残高に応じて積み上がるため、1件あたりの収益性は高いとされます。それでも収益の中心になりにくいのは、利用される取扱高の割合が小さいからです。主要26社の調査では、分割払い・リボ払いは取扱高の5.5%(6.2兆円)にとどまります。

リボ払いは、毎月の支払額が一定で家計管理に使える一方、未払い残高に手数料がかかり続けるため、利用者保護の観点から手数料負担の分かりやすい説明が求められています。各社は利用状況の通知や、残高・手数料の見える化を進めており、過度な負担につながらないよう配慮しながら提供しています。

このため、分割・リボ手数料は安定した収益源ではあるものの、その伸びは会員の利用動向や規制・利用者保護の枠組みに左右されます。カード会社にとっては、取扱高全体にかかる加盟店手数料を土台に、分割・リボやキャッシングを上乗せの収益として組み合わせる構図になっています。

加盟店手数料率には、どのような引き下げ圧力がかかっているのか?

加盟店手数料率には、近年いくつかの引き下げ圧力がかかっています。ひとつは、公正取引委員会や経済産業省による透明化の動きです。公正取引委員会の2022年の調査を受けて、加盟店手数料の原価にあたるインターチェンジフィーの標準料率が公開されるようになり、加盟店が手数料の内訳を把握しやすくなりました。

もうひとつは、中小加盟店の負担への問題意識です。調査では、年間売上高の小さい加盟店ほど料率が高く、売上規模別で1.61%から3.58%まで開きがあります。キャッシュレス決済を中小店舗にも広げるうえで、この逆進的な負担構造の是正が課題とされています。

カード会社にとっては、加盟店手数料率の低下は収益への逆風ですが、料率を下げてでも加盟店と取扱高を広げれば、母数の拡大で補える面もあります。透明化と競争のなかで、料率の水準と取扱高の拡大をどう両立させるかが、収益構造の焦点になっています。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、加盟店手数料率の透明化と競争が進むとみられます。インターチェンジフィーの公開を受けて、加盟店が手数料を比較・交渉しやすくなり、料率の引き下げ圧力が続きます。一方で、キャッシュレス化によるカード利用の拡大が、加盟店手数料の母数を押し広げる方向に働きます。

中期3-5年

中期では、後払いサービスの多様化が収益構造に影響します。コード決済や分割後払い(BNPL)など、クレジットカード以外の後払い手段との競争のなかで、分割・リボ手数料やキャッシングの位置づけが見直される可能性があります。会費やデータ活用、付帯サービスなど、手数料以外の収益源の比重を高める動きも想定されます。

長期

長期では、クレジットカードが決済インフラとして定着するなかで、収益モデルの重心が変化していく可能性があります。加盟店手数料を土台としつつ、与信・後払いという機能をどう収益化するか、利用者保護や手数料の透明性とどう両立させるかが、各社の収益構造を左右する論点になります。

よくある質問

クレジットカード会社はどうやって儲けているのですか?
主な収益は4つです。加盟店がカード会社に支払う加盟店手数料、会員が分割払い・リボ払いを使ったときの手数料、キャッシング(現金借入)の金利、そして年会費などです。最大の柱は加盟店手数料で、ショッピング取扱高の94.5%(主要26社調査)が一括払いで会員に手数料がかからないため、売上全体にかかる加盟店手数料が収益の中心になります。
加盟店手数料とは何ですか? 誰が払うのですか?
加盟店手数料は、クレジットカードを取り扱う加盟店(店舗やECサイト)が、カードでの売上の一定率をカード会社に支払う手数料です。会員(利用者)ではなく加盟店が負担します。公正取引委員会の2022年の調査では、全体の単純平均は2.70%、決済額で重みづけした加重平均は1.66%で、加盟店の規模や業種で1.61%から3.58%まで幅があります。
リボ払いの手数料はどのくらいかかりますか?
リボ払い(リボルビング払い)は、利用額にかかわらず毎月の支払額を一定にする支払方法で、未払い残高に対して実質的な年率の手数料がかかります。料率は各社・カードにより異なります。主要26社の調査では、ショッピング取扱高のうち分割払い・リボ払いは5.5%(6.2兆円)で、残りの94.5%は手数料のかからない一括払いです。残高に応じて手数料が積み上がるため、利用状況の確認が大切です。
クレジットカードのキャッシングの金利の上限はいくらですか?
キャッシング(現金の借入)の金利は、利息制限法で定められた上限の範囲内です。利息制限法では、借入額に応じて上限金利が年20%(10万円未満)・年18%(10万円以上100万円未満)・年15%(100万円以上)と定められています。クレジットカードのキャッシングもこの範囲で設定され、買い物(ショッピング)の支払いとは別の枠で利用します。
一括払いだとカード会社は儲からないのですか?
一括払いでも、加盟店手数料はカード会社の収益になります。一括払いでは会員に手数料がかかりませんが、加盟店からは売上の一定率を受け取るため、取扱高の94.5%(主要26社調査)を占める一括払いも収益の土台です。会員が支払う分割・リボ手数料は、これに上乗せされる収益という位置づけです。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    一般社団法人 日本クレジット協会「クレジットカード動態調査」(主要26社)
  2. 2.
    公正取引委員会「クレジットカードの取引に関する実態調査報告書」(2022年4月)
  3. 3.
    利息制限法
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