クレジットカード業界の市場規模・主要企業・動向
日本のクレジットカードは取扱高134.6兆円(2025年)とキャッシュレス決済の主役で、銀行系・流通系・ネット系のカード会社が発行と決済で競い合っています。
クレジットカードとは、代金を後払いで決済できる仕組みで、利用者は一括または分割・リボ払いで後から支払います。2025年のショッピング取扱高(信用供与額)は134.6兆円(前年比+15.1%)に達し、キャッシュレス決済額の約8割を占める主役です。発行枚数は約3.2億枚で、成人1人あたり約3枚が普及しています。カードを発行するイシュア、加盟店と契約するアクワイアラ、Visa・Mastercard・JCBなどの国際ブランドが役割を分担し、銀行系・流通系・信販系・ネット系・メーカー系の会社が競い合っています。本ページでは、クレジットカード業界を、市場規模、発行枚数・普及、業界構造、主要プレイヤー、収益構造、規制の軸で整理します。
業界サマリ
業界概要
クレジットカードとは、代金を後払いで決済できる仕組み(割賦販売法の包括信用購入あっせん)です。カードを発行するイシュア、加盟店と契約するアクワイアラ、Visa・Mastercard・JCBなどの国際ブランドが役割を分担し、日本ではイシュアとアクワイアラを兼ねる会社が多いのが特徴です。カード会社は出自によって銀行系・流通系・信販系・ネット系・メーカー系の5系統に分かれ、日本クレジット協会の調査対象だけで263社が存在します。
- クレジットカードは三層構造(イシュア・アクワイアラ・国際ブランド)で成り立ち、5系統(銀行系・流通系・信販系・ネット系・メーカー系)のカード会社が競合します。2025年のショッピング取扱高は134.6兆円、発行枚数は約3.2億枚です。
- 取扱高の約94%は翌月一括払いで、分割・リボ払いなど2か月を超える支払いは約6%です。取扱高では少数でも、分割・リボ払いの手数料(金利)が会社の収益の柱となっています。
- キャッシュレス決済額の約8割をクレジットカードが占めます(経済産業省公表)。コード決済が伸びるなかでも、金額ではクレジットカードが決済の中心です。
市場動向
クレジットカードのショッピング取扱高は、2025年に134.6兆円(前年比+15.1%)へ拡大しました。2021年の81.0兆円から4年で約1.66倍となり、二桁成長が続いています。利用の大半が翌月一括払いで完済されるため、年末の信用供与残高は23.1兆円にとどまります。タッチ決済やオンライン決済の広がりが、小口・高頻度の決済を押し上げています。
- ショッピング取扱高は134.6兆円(2025年、前年比+15.1%)で、2021年の81.0兆円から約1.66倍に拡大しました。日常の決済でカードが定着し、近年は二桁成長が続いています。
- 発行枚数は約3.2億枚(2025年3月末)、契約数は30,524万件(2025年12月末)で、成人1人あたり約3枚を保有します。普及はほぼ行き渡り、成長は1枚あたりの利用拡大が牽引しています。
- 年間の決済件数は約228億件(主要26社ベース、2025年)に達します。信用供与残高は23.1兆円で、取扱高に対して残高が小さいのは、約94%が翌月一括で完済されるためです。
競争環境
クレジットカード会社は、銀行系(三井住友カード・三菱UFJニコス・JCB)・流通系(イオン・セゾン・エポス)・信販系(オリコ・ジャックス)・ネット系(楽天カード・PayPayカード)・メーカー系(トヨタファイナンス)が併存します。「取扱高1位」は集計範囲によって変わります。グループ全体の総取扱では三井住友カード(2024年度58.99兆円)、自社が発行したカードでの買い物額では楽天カード(2024年24.0兆円)、JCBブランド全体(海外を含む)の取扱高ではJCB(約38兆円)が、それぞれ最大級です。最大手の三井住友カード・楽天カード・JCBはいずれも非上場で、三井住友FGや楽天グループなどの傘下にある点が、この業界の特徴です。
- 銀行系では、SMFG子会社の三井住友カードがグループ総取扱高58.99兆円(2024年度)で最大手です(非上場)。MUFG子会社の三菱UFJニコスはアクワイアリング(加盟店契約)が取扱高の柱で、日本発の国際ブランドJCBは発行・加盟店契約・ブランドを兼ねます。いずれも非上場です。
- 流通系では、イオンフィナンシャルサービスのイオンカード(取扱高約7.0兆円)、クレディセゾンのセゾン/UCカード(取扱高5.99兆円)、丸井グループのエポスカードが上場企業として続きます。小売・交通の本業と連携した会員基盤が強みです。
- ネット系では、楽天グループの楽天カードが自社発行のショッピング取扱高24.0兆円(2024年)で首位です。PayPayカード・au PAYカード・メルカードなど、ポイント経済圏やスマートフォンを起点とする新規参入が相次ぎ、競争を活発にしています。
市場規模推移
2021-2025 · 取扱高クレジットカードのショッピング取扱高(信用供与額)は、2025年に134.6兆円(前年比+15.1%)へ拡大しました。2021年の81.0兆円から4年で約1.66倍に伸び、近年は二桁成長が続いています。日常の買い物でカード決済が定着し、タッチ決済やオンライン決済の広がりが取扱高を押し上げています。
一方で、利用代金のうち翌々月以降に持ち越される信用供与残高は、2025年12月末で23.1兆円です。年間のフローである取扱高に対して年末ストックの残高が小さいのは、利用の大半が翌月一括払いで完済されるためです。年間の決済件数は主要26社ベースで約228億件に達し、1件あたりの金額は下がりつつ件数が大きく伸びる、小口・高頻度の決済構造が定着しています。
カード会社の収益は、加盟店から受け取る加盟店手数料と、会員が支払う分割・リボ払いの手数料(金利)、キャッシングの金利、年会費が柱です。取扱高を支払い方法で見ると、約94%が翌月一括(マンスリークリア)で、分割・リボ払いなど2か月を超える支払いは約6%にとどまります。
この6%が収益面では重要です。一括払いの手数料は加盟店が負担するため会員からの収益は小さい一方、分割・リボ払いは会員が手数料(実質年率)を負担するため、取扱高に占める割合が小さくても利益への貢献が大きくなります。中小の加盟店では加盟店手数料率が3%前後と高く、決済額が増えるほど手数料負担も重くなるため、手数料率の引き下げ圧力が業界共通の論点です。
クレジットカードは、日本のキャッシュレス決済の主役です。経済産業省が公表するキャッシュレス決済額のうち、クレジットカードが約8割を占めます。コード決済(PayPayなど)が高い成長率で伸びていますが、金額ではクレジットカードが依然として中心です。
普及面では、発行枚数が約3.2億枚(2025年3月末)、契約数が30,524万件(2025年12月末)に達し、成人1人あたり約3枚を保有する計算です。新たな成長は、ネット系カードの急伸が牽引しています。楽天カードは自社発行のショッピング取扱高が2024年に24.0兆円へ拡大し、PayPayカードやメルカードなど、ポイント経済圏やスマートフォンを起点とする新規参入も相次いでいます。
主要トピック
業界構造
主要プレイヤー / サプライヤー / 流通 / 需要クレジットカード業界は、カードを発行するイシュア(発行会社)、加盟店と契約するアクワイアラ(加盟店契約会社)、決済ネットワークを担う国際ブランド(Visa・Mastercard・JCB・American Express・Diners Club)の三層で成り立っています。日本ではイシュアとアクワイアラを兼ねる会社が多く、JCBは国際ブランドとイシュア・アクワイアラを兼ねる点が特徴です。
カード会社は出自によって、銀行系・流通系・信販系・ネット系・メーカー系の5系統に大別されます。2025年のショッピング取扱高(信用供与額)は134.6兆円、発行枚数は約3.2億枚で、日本クレジット協会の調査対象だけで263社が存在します。制度の土台を支えるのが、割賦販売法を所管する経済産業省と、信用情報を管理するCIC(指定信用情報機関)です。
取扱高で最大手となるのは、SMFG子会社の三井住友カード(2024年度の総取扱高58.99兆円、非上場)です。自社発行(イシュイング)のショッピング取扱高では楽天カード(2024年24.0兆円、非上場)が首位で、国際ブランドの取扱高では日本発のJCB(非上場)が大きな存在感を持ちます。
流通系ではイオンカード(イオンフィナンシャルサービス)・セゾン/UCカード(クレディセゾン)・エポスカード(丸井グループ)、信販系ではオリコ・ジャックスが上場企業として続きます。最大手の多くが銀行や事業会社の非上場子会社である点が、この業界の特徴です。「取扱高1位」は、自社発行ベース・グループ総取扱ベース・国際ブランドベースのどの集計範囲で見るかによって変わります。
クレジットカードは割賦販売法で規律され、カードを使った継続的な後払い(包括信用購入あっせん)を営む会社は、経済産業局への登録が必要です。加盟店の管理義務や、過剰な与信を防ぐ支払可能見込額の調査などが定められています。消費者保護の観点では消費者庁も関わります。
決済の現場では、不正利用への対策が共通課題です。不正利用被害額は2024年の555億円をピークに2025年は510.5億円へ減少しましたが、その9割超を番号盗用が占めます。EMV 3-Dセキュア(本人認証)の義務化やセキュリティ実行計画の改定が進み、タッチ決済(非接触)やナンバーレスカードなどの普及とあわせて、決済インフラが高度化しています。
業界の3大論点
クレジットカードの取扱高はなぜ二桁成長が続くのか?
クレジットカードのショッピング取扱高は、2021年の81.0兆円から2025年の134.6兆円へ、4年で約1.66倍に拡大しました。2025年は前年比+15.1%で、近年は二桁成長が続いています。背景には、キャッシュレス政策・決済技術・利用シーンの3つの要因があります。
最も大きいのがキャッシュレス決済の定着です。政府は2030年にキャッシュレス決済比率65%という目標を掲げ、決済のデジタル化を後押ししてきました。クレジットカードはキャッシュレス決済額の約8割を占める主役で、その拡大がそのまま取扱高を押し上げています。次に決済技術の進化です。タッチ決済(非接触)の普及で少額決済でもカードが使われるようになり、オンライン決済やサブスクリプションの広がりが日常的な利用機会を増やしました。
さらに利用シーンの拡大も寄与しています。公共料金や税金の支払い、コード決済の支払い元(原資)としての利用など、現金が中心だった領域にカード決済が入り込んでいます。発行枚数は約3.2億枚で普及はほぼ行き渡っており、成長は新規発行よりも1枚あたりの利用額の増加が牽引しています。中期的には、加盟店手数料の引き下げ圧力や、コード決済との競合が取扱高の伸び方を左右する局面に入ります。
「取扱高1位」はなぜ会社によって答えが違うのか?
クレジットカードの「取扱高1位」は、どの集計範囲で見るかによって答えが変わります。代表的な3つの集計範囲(総取扱/自社発行/国際ブランド)があり、それぞれで首位の会社が異なります。
第一がグループ総取扱高です。三井住友カードは2024年度の総取扱高が58.99兆円で最大ですが、これにはカードのショッピングに加え、ショッピングクレジットやオートローン、加盟店の決済処理(アクワイアリング)などが含まれます。第二が自社発行(イシュイング)のショッピング取扱高で、これは自社が発行したカードでの買い物額に絞った集計範囲です。ここでは楽天カードが2024年に24.0兆円で首位となります。第三が国際ブランドの取扱高で、ブランドとして処理された決済額(海外を含む)を指し、日本発のJCBが約38兆円と大きな存在感を持ちます。
この違いは、会社の機能の幅から生まれます。三井住友カードやJCBは発行・加盟店契約・決済処理を幅広く手がけるため総取扱高が大きくなり、楽天カードは自社カードの発行に集中するため自社発行ベースで強くなります。三菱UFJニコスのように、機能別ではアクワイアリング(加盟店契約、2024年度11.9兆円)が自社発行(6.3兆円)を上回る会社もあります。「どこが1位か」を論じるときは、必ず集計範囲をそろえて比較する必要があります。
不正利用被害はなぜ2025年に減少に転じたのか?
クレジットカードの不正利用被害額は、2024年の555.0億円をピークに、2025年は510.5億円へと減少しました。日本クレジット協会が集計を続けるなかで初の前年割れで、長く増加が続いていた被害に歯止めがかかった形です。背景には、対策の進展と被害構造の特徴があります。
被害の9割超を占めるのが番号盗用です。これはカード番号やセキュリティコードを盗み取り、本人になりすまして使う手口で、2025年の被害額475.4億円のうちの大半がこれにあたります。一方、カードそのものを偽造する被害は、ICチップ化の進展でほぼなくなり、2025年は7.2億円にとどまります。被害が番号盗用に集中していることが、対策の的を絞りやすくしています。
減少に寄与したのが、EMV 3-Dセキュア(本人認証)の義務化です。オンライン決済で本人確認を強化する仕組みで、経済産業省のセキュリティ実行計画に沿ってEC加盟店への導入が進みました。あわせて、不正を検知するモニタリングの高度化や、カード番号を画面に印字しないナンバーレスカードの普及も進んでいます。ただし手口は次々と変化するため、被害の減少が定着するかは、対策の継続と新たな手口への対応にかかっています。
よくある質問 (FAQ)
クレジットカードの市場規模(取扱高)はどれくらいですか?
発行枚数と契約数の違いは何ですか?
イシュアとアクワイアラの違いは何ですか?
国際ブランドにはどんな種類がありますか?
クレジットカードの取扱高1位はどこですか?
クレジットカード会社はどうやって収益を得ているのですか?
クレジットカードの不正利用はどれくらいありますか?
割賦販売法とは何ですか?
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