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クレジットカード会社の取扱高比較|主要発行会社の規模【2026年版】

日本のクレジットカードは、三井住友カードや楽天カードなど、銀行系・流通系・信販系・ネット系の多様な発行会社が取扱高を競っています。ただし各社が開示する「取扱高」は、総取扱高・カードショッピング取扱高・機能別取扱高など集計のしかたが異なり、単純な順位づけはできません。本ページでは、主要な発行会社を発行側のカードショッピング取扱高(カードでの買物にあたる金額)でそろえて整理し、規模と集計範囲の違いを比較します。

主要発行会社のカードショッピング取扱高

発行側(イシュイング)のカード買物にあたる金額で比較

下表は主要な発行会社を、発行側のカードショッピング取扱高の大きい順に並べたものです。同じ「取扱高」でも、会社によって集計のしかたが異なります。三井住友カードの数値は総取扱高58.99兆円のうちカード買物にあたる部分、楽天カードは自社で発行したカードのショッピング分、三菱UFJニコスは機能別開示のうち発行(イシュイング)にあたる部分です。丸井グループ(エポスカード)は、カードクレジット取扱高から家賃保証などのサービス分を除いた買物分を算出しています。オリコは国内・海外の内訳が開示されていません。決算期も2月期・3月期・暦年と異なるため、順位や倍率を断定的に読むのは適切ではありません。集計範囲をそろえてみると、三井住友カードのカード買物が最大規模です(決算期の違いは会社ごとに残ります)。なお、国際ブランドのJCBは、国内外を合わせたブランド取扱高が約38兆円とされますが、これは発行側のカードショッピング取扱高とは集計範囲が異なるため、上の表には含めていません。三井住友カードのカード買物(38.97兆円)と数字は近いものの、JCBの約38兆円は海外での利用を含むブランド全体の取扱高であり、性質の異なる数字です。

三井住友カード
上場区分
非上場(SMFG)
カードショッピング取扱高
38.97兆円
集計基準
カード買物(総取扱高58.99兆のうち)
決算期
2024年度
楽天カード
上場区分
非上場(楽天G)
カードショッピング取扱高
24.0兆円
集計基準
自社発行ぶん
決算期
2024年(暦年)
上場区分
上場
カードショッピング取扱高
7.49兆円
集計基準
国内のみ
決算期
2025年2月期
三菱UFJニコス
上場区分
非上場(MUFG)
カードショッピング取扱高
6.3兆円
集計基準
機能別の発行ぶん
決算期
FY2024
上場区分
上場
カードショッピング取扱高
5.99兆円
集計基準
国内ペイメント事業
決算期
2025年3月期
上場区分
上場
カードショッピング取扱高
3.64兆円
集計基準
導出(家賃等を控除)
決算期
2025年3月期
上場区分
上場
カードショッピング取扱高
3.34兆円
集計基準
連結・国内/海外内訳なし
決算期
2025年3月期
上場区分
上場
カードショッピング取扱高
1.04兆円
集計基準
単体ベース
決算期
2025年3月期

「取扱高1位」が会社で変わる理由 — 4つの集計基準

クレジットカードの取扱高には、少なくとも4つの異なる集計のしかたがあります。第一に総取扱高で、三井住友カードの58.99兆円のように、カードの買物に加えてショッピングクレジット・オートローン・ファクタリングなどを含む最も広い範囲です。第二にカードショッピング取扱高で、カードでの買物にあたる金額のみを取り出したもの(三井住友カードでは38.97兆円)です。

第三に機能別の取扱高です。三菱UFJニコスは、カードを発行するイシュイング(発行)、加盟店と契約するアクワイアリング(加盟店契約)、他社のカード処理を請け負うプロセッシング(決済処理)の3つに分けて開示しており、発行側だけを取り出すと6.3兆円になります。第四に国際ブランド取扱高で、JCBの約38兆円のように、海外での利用を含むブランド全体の取扱高です。

このように、どの範囲で数えるかによって「最大手」は変わります。発行側のカードショッピング取扱高にそろえれば三井住友カードのカード買物が最大規模ですが、総取扱高や機能別、ブランド取扱高では並び方が変わります。各社の規模を比べるときは、まずどの集計基準の数字かを確認することが欠かせません。

銀行系 — 三井住友カード・三菱UFJニコス・JCB

三井住友カードは、SMFG(三井住友フィナンシャルグループ)傘下の非上場会社で、発行(イシュイング)と加盟店契約(アクワイアリング)を幅広く手がけます。総取扱高は58.99兆円、うちカード買物が38.97兆円で、発行側のカードショッピング取扱高では最大規模です。加盟店向け決済プラットフォーム「stera(ステラ)」など、決済基盤の整備にも力を入れています。

三菱UFJニコスは、MUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)傘下の非上場会社です。同社は機能別に取扱高を開示しており、発行(イシュイング)6.3兆円に対し、加盟店契約(アクワイアリング)が11.9兆円と、加盟店側の取扱高が発行側を上回ります。他社のカード処理を請け負うプロセッシングも7.7兆円あり、加盟店ビジネスや決済処理に強みを持つ会社です。

JCBは、日本発の唯一の国際ブランドで、ブランドの提供に加えて自らカードの発行・加盟店契約も手がけます。非上場で詳細な確報はありませんが、国内外を合わせたブランド取扱高は約38兆円とされます。これは海外での利用を含むブランド全体の数字で、発行側のカードショッピング取扱高とは集計範囲が異なります。

流通系・信販系・ネット系 — 楽天・セゾン・イオン・エポス・オリコ・ジャックス

ネット系では、楽天カードが自社発行のカードショッピング取扱高24.0兆円と、発行側では銀行系の三井住友カードに次ぐ規模に達しています。ポイント経済圏を背景に会員と利用を急速に伸ばしてきました。PayPayカードも、コード決済の経済圏を起点に取扱を拡大しています(取扱高は開示基準が異なり本表には未掲載)。

流通系は、小売や交通の本業と連携する会社です。イオンフィナンシャルサービスの国内クレジットカードショッピング取扱高は7.49兆円、クレディセゾンの国内ペイメント事業のショッピング取扱高は5.99兆円、丸井グループのエポスカードはカードクレジット取扱高4.53兆円から家賃保証などのサービス分を除いた買物分が3.64兆円です。いずれも自社の経済圏や会員基盤を強みとします。

信販系は、もともと割賦販売を手がけてきた会社で、オリコのカードショッピング取扱高は3.34兆円、ジャックスは1.04兆円です。両社はオートローンやショッピングクレジット(個品割賦)を主力とし、カードショッピングはそのうちの一部門という位置づけです。ジャックスの数値は単体ベース、オリコは国内・海外の内訳が開示されていない点に留意が必要です。

機能別で見ると像が変わる — 発行側と加盟店側

クレジットカードの取扱高は、カードを発行する発行側(イシュイング)で数えるか、加盟店と契約する加盟店側(アクワイアリング)で数えるかでも、見える姿が変わります。本ページの主表は発行側のカードショッピング取扱高でそろえていますが、加盟店側に強い会社は、この数字だけでは規模が小さく見えることがあります。

その典型が三菱UFJニコスです。発行側は6.3兆円ですが、加盟店側のアクワイアリングは11.9兆円と、発行側を大きく上回ります(いずれも同社の機能別開示の数字)。同じ取扱高でも、加盟店開拓や決済処理を主軸とする会社は、発行側の数字だけでは実態を捉えきれません。会社ごとに得意とする領域が異なることが、取扱高の比較を難しくしている一因です。

主要論点

なぜ「取扱高1位」はカード会社によって変わるのか?

クレジットカードの「取扱高1位」が一概に言えないのは、各社が異なる集計基準で数字を開示しているためです。最も広い総取扱高は、カードの買物に加えてショッピングクレジットやオートローン、ファクタリングなどを含みます。三井住友カードの総取扱高58.99兆円はこの基準で、カード買物だけを取り出すと38.97兆円になります。

さらに、三菱UFJニコスのように発行(イシュイング)・加盟店契約(アクワイアリング)・決済処理(プロセッシング)を機能別に開示する会社や、JCBのように海外を含むブランド取扱高で語られる会社もあります。決算期も2月期・3月期・暦年とばらつきます。これらを混ぜて単純に並べると、実態を見誤ります。

そこで本ページでは、発行側のカードショッピング取扱高という共通の範囲にそろえて比較しています。この基準では三井住友カードのカード買物が最大規模ですが、それでも決算期の違いなどが残るため、「○倍」といった断定はせず、規模感の比較にとどめています。各社を比べるときは、まずどの集計範囲の数字かを確認することが出発点になります。

銀行系とネット系で、取扱高の伸び方はどう違うのか?

発行側のカードショッピング取扱高で上位に立つのは、銀行系の三井住友カード(カード買物38.97兆円)と、ネット系の楽天カード(24.0兆円)です。両者は出自も伸び方も異なります。

銀行系は、発行から加盟店契約まで幅広く手がけ、対面・法人を含む多様な利用を取り込んできました。決済基盤の整備や加盟店開拓を通じて、取扱高の裾野を広げる戦略です。一方、ネット系の楽天カードやPayPayカードは、ポイント経済圏やスマートフォンを起点に、オンラインでの利用と会員数を急速に伸ばしてきました。経済圏の中で買物・決済・ポイントを循環させることで、発行側の取扱高を押し上げています。

流通系(イオン・セゾン・エポス)は自社の小売・交通の会員基盤、信販系(オリコ・ジャックス)はオートローンやショッピングクレジットといった本業との組み合わせが強みです。系統によって取扱高の伸ばし方が異なり、ネット系の台頭が近年の競争を活発にしています。

発行側と加盟店側で、規模の上位が異なるのはなぜか?

クレジットカードのビジネスは、カードを発行して会員に請求する発行側(イシュイング)と、加盟店と契約して売上を立替える加盟店側(アクワイアリング)に大きく分かれます。会社によってどちらに軸足を置くかが異なるため、どちらで数えるかで規模の上位が変わります。

本ページの主表は発行側のカードショッピング取扱高でそろえていますが、加盟店側に強い会社は、この数字だけでは規模が小さく見えます。三菱UFJニコスはその典型で、発行側6.3兆円に対し、加盟店側のアクワイアリングは11.9兆円と発行側を上回ります。三井住友カードも加盟店向けプラットフォーム「stera」を通じて加盟店側を強化しています。

つまり、発行側で大きい会社(楽天カードなど)と、加盟店側や決済処理で大きい会社(三菱UFJニコスなど)は必ずしも一致しません。日本ではイシュアとアクワイアラを兼ねる会社が多いため一見分かりにくいのですが、機能別に見ると各社の得意領域が浮かび上がります。取扱高の比較では、発行側・加盟店側のどちらの数字かを意識することが重要です。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、ネット系カードの発行側取扱高の拡大が続くとみられます。楽天カードやPayPayカードなど、経済圏とスマートフォンを起点とする会社が会員と利用を伸ばし、銀行系・流通系の既存大手との競争が一段と強まります。各社の取扱高は、ポイント還元やタッチ決済の普及を追い風に増加基調が続く見通しです。

中期3-5年

中期では、加盟店側(アクワイアリング)や決済処理(プロセッシング)の再編が焦点になります。加盟店向け決済プラットフォームの共通化や、処理基盤の集約が進み、発行側の規模だけでは測れない競争軸が重みを増します。系統をまたぐ提携や、経済圏を軸とした囲い込みの強化も、各社の取扱高の伸びを左右します。

長期

長期では、コード決済やそのほかのキャッシュレス手段との競争・補完のなかで、発行会社の顔ぶれと役割分担が組み替わっていく可能性があります。後払いと与信という機能を持つクレジットカードは引き続き決済の中核を担いますが、発行・加盟店契約・決済処理のどの層に強みを置くかで、各社のポジションが分かれていくと見込まれます。

よくある質問

取扱高が一番大きいクレジットカード会社はどこですか?
発行側のカードショッピング取扱高(カードでの買物にあたる金額)でそろえると、三井住友カードのカード買物が38.97兆円で最大規模、次いで楽天カードが24.0兆円です。ただし、各社は集計基準(総取扱高・機能別・ブランド取扱高など)や決算期が異なるため、単純な順位づけや「○倍」といった比較はできません。三井住友カードの総取扱高は58.99兆円、JCBの国際ブランド取扱高は海外を含め約38兆円とされます。
総取扱高とカードショッピング取扱高は何が違うのですか?
総取扱高は、カードでの買物に加えて、ショッピングクレジット・オートローン・ファクタリングなど、その会社が扱う取引全体を含む最も広い範囲です。カードショッピング取扱高は、そのうちカードでの買物にあたる金額だけを取り出したものです。たとえば三井住友カードは総取扱高58.99兆円のうち、カード買物が38.97兆円です。会社を比較するときは、どちらの基準の数字かを確認する必要があります。
上場しているクレジットカード会社はどこですか?
取扱高で上位の三井住友カード・楽天カード・三菱UFJニコス・JCBは、いずれも単独では上場しておらず、SMFG・楽天グループ・MUFGなどの子会社や非上場会社です。単独で上場しているのは、クレディセゾン・イオンフィナンシャルサービス・オリコ・ジャックス・丸井グループ(エポスカード)といった、カードやファイナンスを主力とする会社が中心です。
楽天カードの取扱高はなぜ大きいのですか?
楽天カードの自社発行カードショッピング取扱高は24.0兆円で、発行側では銀行系の三井住友カードに次ぐ規模です。背景には、楽天市場や楽天ポイントを中心とした経済圏があります。オンラインでの買物・決済・ポイントを循環させ、会員数を急速に伸ばしてきたことが、発行側の取扱高を押し上げています。スマートフォンやポイントを起点とするネット系カードの台頭を象徴する存在です。
アクワイアリングとは何ですか? なぜ機能別に開示する会社があるのですか?
アクワイアリング(加盟店契約)は、加盟店と契約して会員の支払いを立替え、加盟店手数料を受け取る業務です。カードを発行するイシュイング(発行)とは別の機能で、加盟店の開拓や決済処理(プロセッシング)も含みます。三菱UFJニコスのように、発行・加盟店契約・決済処理を機能別に開示する会社では、それぞれの取扱高が分かります。同社は加盟店側のアクワイアリングが11.9兆円と、発行側の6.3兆円を上回り、加盟店ビジネスに強みを持つことが読み取れます。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    各社IR(2024年度/2025年3月期・2月期 等の決算開示)
  2. 2.
    一般社団法人 日本クレジット協会「ショッピング信用供与額」
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