なぜ保有契約件数は増えているのに保有契約高は減っているのか?
個人保険の保有契約件数は2024年度に1億9,530万件で17年連続の増加ですが、保有契約高(保障金額の累計)は778兆9,902億円まで減少しています。件数(契約の数)と契約高(保障金額)が逆方向に動く、一見すると不思議な現象です。
理由は、保障の中身が死亡保障から医療・がんなどの第三分野へ移っていることにあります。死亡保険は、万一のときにまとまった保険金(数千万円規模になることもある)を支払う設計のため、1件あたりの保障金額が大きくなります。これに対し、医療保険やがん保険は、入院日額や手術給付金など、入院・手術といった出来事に応じて給付する設計で、1件あたりの保障金額(契約高)は小さく計上されます。
このため、医療系の契約が増えると、契約の「数」は増えても保障金額の「累計」は伸びにくくなります。実際、保有契約1件あたりの保障額は2018年度の約468万円から2024年度は約399万円へ縮小しました。契約動向を読むときは、件数(ストックの数)・契約高(保障金額の累計)・収入保険料(フローの保険料)を分けて見る必要があります。