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生命保険の保険種類別 新契約件数・金額|医療・死亡保障・個人年金【2026年版】

生命保険の商品は、保障の中身で性格が大きく分かれます。新しく加入される契約を見ると、件数では医療保険やガン保険といった第三分野が中心で、金額(保障額)では定期保険や終身保険といった死亡保障が中心です。医療系は1件あたりの保障額が小さく、死亡保障は大きいためで、この二極が商品構造の特徴です。保有契約の年換算保険料約28.2兆円のうち、第三分野は約7.3兆円を占めます。本ページでは、新契約の種類別の件数と金額、第三分野の比重を整理します。

新契約件数 最多(医療保険)
296万件
2024年度、個人保険の新契約件数で最多、構成比23.8%
出典: 生命保険協会「生命保険の動向」2025年版
新契約高 最多(定期保険)
24.7兆円
2024年度、個人保険の新契約高で最多、246,666億円
出典: 生命保険協会「生命保険の動向」2025年版
保有契約の年換算保険料
28.2兆円
2024年度、個人保険、約28.2兆円(概数)
出典: 生命保険協会「生命保険の動向」2025年版
うち第三分野(年換算)
7.3兆円
2024年度、医療・がん・介護・就業不能等、約7.3兆円(概数)
出典: 生命保険協会「生命保険の動向」2025年版

新契約件数の保険種類別 上位5種(2024年度、万件)

個人保険の新契約(契約転換=既存契約の乗り換えを除く)の件数。1件あたりの保障額が小さい医療・がんが上位
読み解き

個人保険の新契約件数(契約転換による切り替えを除く)を保険種類別に見ると、医療保険が296万件(構成比23.8%)で最も多く、次いで終身保険(231万件、18.6%)、ガン保険(159万件、12.8%)、定期保険(135万件、10.9%)、変額保険(99万件、8.0%)の順です。

件数で見ると、医療保険・ガン保険といった第三分野が上位を占めます。これらは入院・手術などに応じて給付する商品で、1件あたりの保険料・保障額が比較的小さく、多くの人が手軽に加入します。次の金額(新契約高)の内訳と見比べると、件数で中心の商品と金額で中心の商品が異なることがわかります。

新契約高の保険種類別の内訳(2024年度、億円)

個人保険の新契約高(保障金額)の種類別。1件あたりの保障額が大きい死亡保障が中心
読み解き

新契約高(新しく引き受けた契約の保障金額)を保険種類別に見ると、定期保険が24兆6,666億円(構成比約43.2%)で最も多く、次いで終身保険(12兆9,965億円)、変額保険(10兆7,797億円)、養老保険(1兆5,347億円)が続きます。

件数では上位だった医療保険・ガン保険は、金額では大きな割合を占めません(「その他」に含まれます)。これは、医療・ガン保険が入院給付金などを支払う設計で、死亡保険のようなまとまった保障金額(契約高)を持たないためです。金額の中心は、まとまった死亡保険金を支払う定期保険・終身保険などの死亡保障で、件数の中心(医療・がん)とは商品が異なります。この件数と金額の二極が、生命保険の商品構造の特徴です。

主要論点

なぜ件数では医療保険、金額では定期保険が中心になるのか?

生命保険の商品は、保障の仕組みによって1件あたりの保障金額が大きく異なります。医療保険やガン保険は、入院日額や手術給付金、診断給付金など、入院・手術・診断といった出来事に応じて給付する設計です。1件あたりの保険料・保障額が比較的小さく、多くの人が手軽に加入できるため、新契約件数では医療保険が296万件(23.8%)と最多になります。

一方、定期保険や終身保険などの死亡保険は、万一のときにまとまった保険金(数百万〜数千万円規模)を支払う設計です。1件あたりの保障金額が大きいため、新契約高(保障金額)では定期保険が24兆6,666億円(43.2%)と最多になります。

このため、件数で中心となる商品(医療・がん)と、金額で中心となる商品(定期・終身)が逆になります。商品構造を見るときは、件数(どれだけの人が加入したか)と金額(どれだけの保障額か)を分けて捉える必要があります。同じ「生命保険」でも、加入のされ方は商品によって大きく異なるのです。

第三分野(医療・ガン保険)はどこまで生命保険の中心に近づいたのか?

第三分野とは、生命保険(死亡保障など、第一分野)と損害保険(モノや財産の補償、第二分野)の中間に位置する、医療・がん・介護・就業不能などを保障する分野です。生命保険会社と損害保険会社の双方が販売でき、外資系のアフラックなどが強みを持ちます。

第三分野は、保障の重心の移動を映して存在感を高めてきました。保有契約の年換算保険料は約28.2兆円で、そのうち第三分野が約7.3兆円と、約25.9%を占めます。年換算保険料は、契約期間中に平均して支払われると仮定した1年分の保険料で、保有契約の「稼ぐ力」を示します。その4分の1超が第三分野ということは、生保の収益構造のなかで医療・がんなどが大きな柱になっていることを意味します。

背景にあるのが、高齢化と医療への関心の高まりです。死亡保障の需要が伸び悩むなか、入院・手術・がん・介護・就業不能といった「生きるリスク」への備えが伸びています。各社は、医療・がん・認知症・就業不能などの新しい商品を相次いで投入し、第三分野を成長の柱に据えています。

外貨建て・変額保険などの貯蓄性商品は、なぜ販売動向を左右するのか?

生命保険には、保障に加えて資産形成(貯蓄・運用)の性格を持つ商品があります。代表が、個人年金保険・終身保険・養老保険・変額保険・外貨建て保険などです。新契約高で見ると、運用成果が保険金に反映される変額保険が10兆7,797億円(18.9%)と一定の比重を占めます。

これらの貯蓄性商品は、金利や為替の動向に販売が大きく左右されます。金利が上がれば、円建ての貯蓄性商品の予定利率(保険料の計算で契約者に約束する運用利回り)を引き上げやすくなり、魅力が高まります。外貨建て保険は、日本と海外の金利差や為替次第で、相対的な魅力が変化します。一時払い(まとまった保険料を一度に払う)の貯蓄性商品は1件あたりの金額が大きいため、その販売の増減が業界全体の収入保険料を動かす要因にもなります。

このため、商品構造は「保障(死亡・医療)」と「貯蓄・運用」の両面で捉える必要があります。死亡保障から第三分野へという保障面のシフトに加え、金利環境の変化に応じた貯蓄性商品の販売動向が、生保の商品ミックスと収益を左右しています。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、第三分野(医療・がん・介護・就業不能)の新商品投入が続く見通しです。件数ベースで医療・がんが新契約の中心であり続ける一方、金利上昇を背景に、円建ての貯蓄性商品(個人年金・一時払い終身など)の販売が回復する可能性があります。死亡保障は定期・終身が金額の中心を担い続けます。

中期3-5年

中期では、死亡保障から第三分野への重心シフトが一段と進むとみられます。年換算保険料に占める第三分野の比重は高まり、認知症・介護・就業不能など、長生きに伴うリスクへの保障が広がる見通しです。健康増進型保険など、商品設計の多様化も続きます。

長期

長期では、人口減少と高齢化のもとで、保障の重心が「万一の死亡」から「生きるリスク(医療・介護・長生き)」へと移っていきます。第三分野と、老後の資産形成を支える貯蓄性商品が商品構造の中心に近づき、死亡保障は団体信用生命保険など特定の用途で底堅く残る構図が見込まれます。

よくある質問

生命保険にはどんな種類の商品がありますか?
大きく、死亡保障(定期保険・終身保険・養老保険など、万一に備える)、第三分野(医療保険・ガン保険・介護保険・就業不能保険など、入院・手術・介護に備える)、貯蓄性(個人年金保険・変額保険・外貨建て保険など、資産形成も兼ねる)に分かれます。新契約では、件数で医療保険が最多(296万件・23.8%)、金額で定期保険が最多(24兆6,666億円・43.2%)です。
なぜ医療保険は件数が多いのに金額では目立たないのですか?
医療保険やガン保険は、入院日額や手術給付金など、入院・手術といった出来事に応じて給付する設計で、1件あたりの保障金額(契約高)が小さいためです。多くの人が手軽に加入するため件数は最多になりますが、まとまった保険金を支払う死亡保険のような大きな契約高は持ちません。一方、定期保険・終身保険などの死亡保障は1件あたりの保障額が大きく、金額(新契約高)の中心になります。
第三分野とは何ですか?
生命保険(死亡保障など、第一分野)と損害保険(モノや財産の補償、第二分野)の中間に位置する、医療・がん・介護・就業不能などを保障する分野です。生命保険会社と損害保険会社の双方が販売でき、外資系のアフラックなどが強みを持ちます。保有契約の年換算保険料約28.2兆円のうち、第三分野は約7.3兆円(約25.9%)を占め、生保の収益の大きな柱になっています。
外貨建て保険や変額保険とは何ですか?
いずれも保障に加えて資産形成の性格を持つ貯蓄性商品です。外貨建て保険は、保険料の運用や保険金の受け取りを米ドルなどの外貨で行う商品で、為替の影響を受けます。変額保険は、保険料の運用成果に応じて保険金や解約返戻金が変動する商品です。新契約高では変額保険が10兆7,797億円(18.9%)を占めます。金利や為替の動向で販売が左右されます。
年換算保険料とは何ですか?
契約期間中に平均して支払われると仮定した、1年あたりの保険料です。一時払いか月払いかといった払い方の違いを除いて、契約の「稼ぐ力」を比較するために使われます。2024年度の個人保険の保有契約の年換算保険料は約28.2兆円で、そのうち医療・がんなどの第三分野が約7.3兆円を占めます。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    生命保険協会「生命保険の動向」2025年版
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