ソルベンシー・マージン比率が高ければ安心なのか?
ソルベンシー・マージン比率は、保険会社が通常の予測を超えるリスクにどれだけ支払余力を備えているかを示す指標で、200%以上が健全性の一つの目安です。大手各社は600〜1,000%超とこれを大きく上回っており、数字の上では支払余力に厚みがあります。
ただし、比率が高いことと、あらゆる環境に万全であることは同じではありません。従来のSM比率は、資産の一部を取得原価で評価するなど、金利変動が長期の保険負債に与える影響を十分に映しきれないという課題がありました。見かけ上の比率が高くても、金利が大きく動く局面での実態を正確に捉えにくい面があったのです。
この課題に対応するのが、資産と負債を時価で評価する経済価値ベースのソルベンシー規制(ESR)です。2026年3月末の適用後は、SM比率と経済価値ベースの指標の両面から健全性を見ることで、より実態に近い評価ができるようになります。比率の高さだけでなく、どの基準(連結・単体・経済価値ベース)で測った数字かを踏まえて読む必要があります。