損害保険の市場規模は「正味」と「元受」のどちらで語るべきか?
損害保険の市場規模を示す数字には、正味収入保険料(9兆5,782億円)と元受正味保険料(10兆3,442億円)の2つがあり、FY2024で7,660億円の差があります。元受正味保険料は契約者から直接引き受けた保険料、正味収入保険料はそのうちリスクの一部を別の保険会社に移す再保険を反映して各社が最終的に保有する保険料です。
業界規模を語るときは、最終的な保有を示す正味収入保険料が主に使われます。元受が10兆円台に乗る一方で正味との差が広がっているのは、自然災害の増加を受けて、火災・傷害・新種などのリスクを再保険に出す動きが強まっているためです。
なお、すべての種目で正味が元受を下回るわけではありません。自賠責は全社共同のプール(ノーロス・ノープロフィット)のしくみで運営されるため正味と元受がほぼ同額で、年によっては正味が元受を上回ることもあります。市場規模を引用するときは、正味か元受か、どちらの値かを確認することが前提となります。