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3メガ損保グループの業績比較|連結業績と中核会社・海外事業【2026年版】

日本の損害保険は、東京海上HD・MS&AD・SOMPOの3メガ損保グループが中心です。FY2024の連結当期純利益は、東京海上HDが1兆553億円で最大、MS&ADが6,917億円、SOMPOが4,229億円でした。ただしこれらは海外損保・国内生保・介護などを含む連結(グループ全体)の業績で、損保協会の国内 正味収入保険料9兆5,782億円とは集計範囲が異なります。連結業績の規模・中核会社・海外事業・3グループの違いを整理します。

3メガ損保グループの連結業績比較

3グループの連結通期業績(FY2024=2025年3月期)。連結はグループ全体(海外損保・国内生保・介護・金融を含む)

数値は各社の2025年3月期 決算短信〔連結〕に基づきます。連結経常収益は保険料に資産運用収益などを加えたグループ全体の収益で、連結経常利益・連結当期純利益とともにグループ全体(海外損保・国内生保・介護・金融を含む)の数字です。損保協会の国内 正味収入保険料9兆5,782億円とは集計範囲が異なるため、単純な比較や合算には向きません。

規模では東京海上HDが連結経常収益8兆4,401億円・連結当期純利益1兆553億円と、経常収益・純利益のいずれでも最も大きく、MS&AD、SOMPOが続きます。3グループの連結当期純利益を合計すると2兆1,699億円になりますが、これはグループ連結の合計であって、国内の損害保険市場の規模を示すものではありません。

東京海上ホールディングス — 連結純利益で最大

東京海上HDは、3メガ損保グループのなかで連結規模が最も大きいグループです。FY2024の連結経常収益は8兆4,401億円、連結当期純利益は1兆553億円で、経常利益も1兆4,600億円と、いずれの指標でも首位です。中核は国内損保の東京海上日動火災保険で、連結にはこれに加えて海外損保や国内生保などが含まれます。

海外事業は、米国のPhiladelphia・HCC・Pure・Delphiを中心とした買収で築いてきました。海外保険事業の比重が3グループのなかで高く、地域や事業の分散が収益の安定につながっています。為替や海外金利の影響を受ける一方、国内市場の成熟を海外の成長で補う構造です。

FY2024に連結当期純利益が前年(6,958億円)から+51.7%と大きく伸びたのは、政策保有株式の売却益が中心です。グローバルな事業分散と資本効率の改善を戦略の柱とし、政策保有株式の売却で得た資金を成長投資や株主還元に回す方針を示しています。

MS&ADインシュアランスグループHD — 2つの損保を中核に持つ体制

MS&ADは、三井住友海上火災保険あいおいニッセイ同和損害保険という2つの損保を中核に持つグループです。FY2024の連結経常収益は6兆6,608億円、連結当期純利益は6,917億円でした。中核が2つの損保という体制が、3グループのなかでの特徴です。

あいおいニッセイ同和損保はトヨタ系・日本生命系の経緯を持ち、走行データを使うテレマティクス型の自動車保険に強みがあります。海外はMS Amlin(ロイズ市場)やAviva Asiaなどで、海外保険子会社の正味収入保険料は1兆5,272億円です。

FY2024は連結当期純利益が前年(3,693億円)から+87.3%と、3グループのなかで最も高い伸びでした。政策保有株式の売却益が利益を押し上げたことに加え、2つの損保のシステム統合など、グループの効率化を進めています。

SOMPOホールディングス — 国内損保と多角化

SOMPO HDは、国内損保の損害保険ジャパンを中核に、海外保険や介護・ヘルスケアへ事業を広げているグループです。FY2024の連結経常収益は5兆4,538億円、連結当期純利益は4,229億円でした。

連結5兆4,538億円のうち、国内損保事業の正味収入保険料は2兆3,017億円、海外は1兆7,148億円で、残りは介護などが占めます。これは、連結(グループ全体)と国内の損害保険市場の違いを示す具体例です。海外保険はSompo International(旧Endurance)が担っています。

FY2024の連結当期純利益は前年(4,161億円)から+1.7%と、東京海上HD・MS&ADの大幅増とは対照的に前年並みでした。純利益の伸びには政策保有株式の売却ペースや一時的な損益の違いが影響します。介護(SOMPOケア)などの多角化と、ビッグモーター問題後のガバナンス改革が経営の論点です。

主要論点

3メガの「連結業績」と国内市場の「正味収入保険料9.58兆円」は何が違うのか?

3メガ損保グループの連結業績は、国内損保だけでなく海外損保・国内生保・介護・金融などを含むグループ全体の数字です。一方、損保協会の国内 正味収入保険料9兆5,782億円は、会員会社の国内の損害保険に絞った集計です。両者は対象範囲が異なります。

たとえば3グループの連結当期純利益を合計すると2兆1,699億円になりますが、これはグループ連結の合計であり、国内の損害保険市場の規模ではありません。SOMPOの連結経常収益5兆4,538億円のうち、国内損保事業の正味収入保険料は2兆3,017億円で、残りは海外や介護などが占めます。

つまり、グループの規模を語るときは連結業績、国内の損害保険市場を語るときは正味収入保険料、と使い分ける必要があります。連結業績を国内市場規模と取り違えたり、単純に足し合わせたりすると、実態を大きく見誤ります。

3つのグループはどこが違うのか?

規模では、東京海上HDが連結経常収益8兆4,401億円・連結当期純利益1兆553億円と、経常収益・純利益のいずれでも最も大きいグループです。米国を中心とした海外損保のM&Aを重ね、海外事業の比重が高いことが特徴です。

MS&ADは、三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保という2つの損保を中核に持つ体制が特徴で、あいおいはテレマティクス型の自動車保険に強みがあります。FY2024の連結当期純利益の伸び(+87.3%)は3グループで最大でした。SOMPOは損害保険ジャパンを中核に、介護・ヘルスケアへの多角化を進めており、連結当期純利益はFY2024に前年並み(+1.7%)でした。

3グループに共通するのは、国内市場の成熟を背景に海外保険事業のM&Aで連結規模を拡大してきた点です。そのうえで、東京海上は海外分散、MS&ADは2損保体制、SOMPOは介護等の多角化と、成長の重心に違いがあります。

3メガの約9割寡占は、カルテル・ビッグモーター問題の後どこまで続くか?

業界では、3メガ損保グループで国内収入保険料の約9割を占めるとされます(業界通説)。規模の経済、海外展開力、共同保険などの仕組みが、この集中した構造を支えてきました。

この構造は、2023年の企業向け保険料カルテル問題と、2024年のビッグモーターの保険金不正請求問題を契機に、ガバナンス改革の圧力にさらされています。金融庁の求めを受けて、3メガは政策保有株式の売却を加速し、共同保険における取引慣行の見直しも進めています。

規模の経済や海外展開力に支えられた集中構造そのものは当面続く見込みですが、取引慣行とガバナンスの透明化が中期的なテーマです。寡占の固定性と改革圧力のどちらか一方ではなく、両方が同時に進む局面にあります。

中期見通し

近未来1-2年

FY2025-2026は、政策保有株式の売却益がどこまで続くかと、保険引受の料率改定が各社の業績を左右します。FY2024に純利益を大きく伸ばした東京海上HD・MS&ADは、売却益の反動の有無が焦点となります。海外保険事業の収益貢献も、グループ間の差として表れます。

中期3-5年

中期では、海外保険事業の拡大とM&Aが3メガの成長軸となります。国内市場が成熟するなかで海外の比重が上がり、東京海上の海外分散、MS&ADの2損保体制の効率化、SOMPOの介護・ヘルスケア多角化といった重心の違いが、業績の差につながります。政策保有株式の売却が一巡した後の資本の使い方も問われます。

長期

長期では、人口減少で国内市場の大きな伸びが見込みにくいなか、海外保険やサイバーなどの新しいリスク分野が成長領域となります。3メガの規模と海外展開力が優位を支える一方、カルテル・ビッグモーター問題を経たガバナンスと資本効率の高度化が、各グループの評価を分けると考えられます。

よくある質問

3メガ損保グループとは何ですか?
東京海上HD・MS&AD・SOMPOの3つの保険持株会社グループを指します。中核となる国内損保は、東京海上HDが東京海上日動火災保険、MS&ADが三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険、SOMPOが損害保険ジャパンです。業界では、この3グループで国内収入保険料の約9割を占めるとされます(業界通説)。
連結業績が最も大きいのはどのグループですか?
東京海上HDです。FY2024(2025年3月期)の連結経常収益は8兆4,401億円、連結当期純利益は1兆553億円で、経常収益・純利益のいずれでも3グループのなかで最も大きい規模です。MS&AD(連結当期純利益6,917億円)、SOMPO(同4,229億円)が続きます。
3メガの連結業績と国内市場規模(9.58兆円)はどう違うのですか?
3メガの連結業績は、国内損保だけでなく海外損保・国内生保・介護・金融などを含むグループ全体の数字です。損保協会の国内 正味収入保険料9兆5,782億円は、会員会社の国内の損害保険に絞った集計で、対象範囲が異なります。たとえばSOMPOの連結経常収益5兆4,538億円のうち国内損保事業の正味収入保険料は2兆3,017億円です。両者は単純に比較したり足し合わせたりはできません。
なぜFY2024に3メガの純利益が伸びたのですか?
主な要因は政策保有株式の売却益です。東京海上HDは前年比+51.7%、MS&ADは+87.3%と連結当期純利益を大きく伸ばしました。一方、SOMPOは+1.7%と前年並みで、純利益の伸びには政策保有株式の売却ペースや一時的な損益の違いが影響します。純利益は、保険引受と資産運用という収益の二本柱によって決まります。
各グループの業績データの出典は何ですか?
各社の2025年3月期 決算短信〔連結〕(FY2024通期)に基づく値です。連結経常収益・連結経常利益・連結当期純利益は億円単位で、いずれもグループ全体(海外損保・国内生保・介護・金融を含む)の数字です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    各社2025年3月期 決算短信〔連結〕(東京海上HD・MS&AD・SOMPO HD)
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