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3メガ損保の海外事業|海外M&Aと連結ベースの規模・地域【2026年版】

日本の3メガ損保(東京海上HD・MS&AD・SOMPO)は、国内市場の成熟を背景に、海外での事業拡大を成長の軸としています。東京海上は米国を中心とした大型M&A、MS&ADはロイズ(英国)やアジア、SOMPOはSompo Internationalを通じて、海外の保険事業を広げてきました。海外保険事業は連結ベースでいずれも1兆円を超える規模に達しています。なぜ海外へ出るのか、どこへ展開しているのか、そして連結ベースの海外規模と国内市場の違いを整理します。

なぜ3メガ損保は海外へ出るのか

国内市場の成熟

日本の損害保険市場は、人口減少と自動車保有の頭打ちを背景に、大きな伸びが見込みにくい成熟段階にあります。最大種目の自動車保険は、安全技術の普及で事故が減る一方、修理費の上昇が保険料を支える構図で、契約件数の大幅な増加は期待しにくい状況です。こうしたなかで、3メガ損保は国内の収益基盤を保ちつつ、成長の機会を海外に求めてきました。

海外の成長機会とリスク分散

海外には、保険の普及が進む地域や、再保険・特殊リスクなど日本にない収益機会があります。同時に、保険事業を地理的に分散することは、自然災害リスクの集中を避ける意味も持ちます。日本は台風・地震など自然災害の多い市場で、保険金支払いが特定の年に集中しやすいため、米国・欧州・アジアに事業を広げることで、災害リスクや金利環境の地域分散を図っています。

どこへ展開しているのか

展開先は各社で重点が異なります。東京海上HDは米国を中心に、Philadelphia・HCC・Pure・Delphiといった保険会社を相次いで買収してきました。MS&ADは英国のロイズ市場(MS Amlin)やアジア(Aviva Asia)、SOMPOはSompo International(旧Endurance、米国・バミューダ等を拠点とする保険・再保険)を軸としています。いずれも、自国外の保険・再保険市場に足場を築くM&Aを成長戦略の中心に据えています。

3メガ損保の主な海外展開

主な海外子会社・M&Aと展開地域(各社 決算短信・統合報告書ベース)
読み解き

3メガ損保は、それぞれ重点地域とM&Aの対象を変えながら海外事業を築いてきました。東京海上HDは米国の保険会社(Philadelphia・HCC・Pure・Delphi)を相次いで買収し、米国を中心に海外事業を広げています。MS&ADは英国のロイズ市場のMS Amlinやアジアの保険事業、SOMPO HDは米国・バミューダ等を拠点とするSompo International(旧Endurance)を中核としています。

いずれも、買収した海外の保険会社を通じて現地で保険を引き受けるかたちで、海外事業を広げています。重点地域は異なりますが、自国外の保険・再保険市場に足場を築き、収益とリスクを分散する点は3社に共通しています。

海外事業の規模は、国内市場とどう違うのか

連結ベースで1兆円を超える規模

3メガ損保の海外保険事業は、連結ベースでいずれも1兆円を超える規模に達しています。これらは各グループが海外子会社を通じて引き受ける保険で、連結(グループ全体)の業績に含まれます。海外事業の利益は、近年の各社の連結利益を押し上げる要因の一つとなってきました。

SOMPOの連結では海外が国内損保に迫る

海外事業がどれだけ大きくなったかを示す例として、SOMPOの連結内訳があります。SOMPOでは、海外の正味収入保険料(1兆7,148億円)が、国内損害保険事業(2兆3,017億円)に迫る規模にまで拡大しています(いずれもSOMPO連結のセグメント)。これは、海外事業が日本の損保にとって、国内に並ぶ収益源へと育ってきたことを示しています。

連結の海外と国内市場(業界値)は別の集計

ここで注意が必要なのは、これらの海外の数字は各グループの連結(海外子会社を含む)であって、損害保険業界全体の国内市場とは集計範囲が異なる点です。たとえばSOMPOの国内損害保険事業2兆3,017億円は、SOMPO一社の連結セグメントであり、損保協会会員ベースの業界全体の国内市場(正味収入保険料9兆5,782億円)とは別の集計です。3メガの連結の海外事業を足し合わせて「業界の海外規模」とすることもできません。海外と国内の規模を比べるときは、それが連結なのか業界全体なのか、どの集計かを確認する必要があります。

主要論点

なぜ3メガ損保は海外へ出るのか?

最大の理由は、国内市場の成熟です。人口減少と自動車保有の頭打ちで、日本の損害保険市場は大きな伸びが見込みにくくなっています。最大種目の自動車保険も、安全技術による事故減少と修理費上昇のせめぎ合いで、契約の大幅な増加は期待しにくい状況です。

そこで3メガ損保は、保険の普及余地がある地域や、再保険・特殊リスクなど日本にない収益機会を求めて海外へ展開してきました。あわせて、台風・地震など自然災害の多い日本に事業が集中するリスクを、米国・欧州・アジアへの分散で和らげる狙いもあります。

国内の収益基盤を保ちつつ、海外でのM&Aを通じて連結規模と利益を伸ばす――これが3メガに共通する成長戦略です。海外事業の利益は、近年の各社の連結業績を押し上げる要因となってきました。

海外M&Aの利益貢献とリスクは何か?

海外M&Aは、3メガ損保の連結利益を支える重要な柱に育っています。SOMPOの連結では海外の正味収入保険料(1兆7,148億円)が国内損害保険事業(2兆3,017億円)に迫る規模となるなど、海外は国内に並ぶ収益源となりつつあります。米国・ロイズ・アジアなど、成長地域や専門性の高い市場に足場を築くことで、収益機会を広げています。

一方で、海外事業にはリスクもあります。為替変動(円安・円高で円換算の業績が振れる)、海外の自然災害(ハリケーンなど)、買収に伴うのれん(買収価格と純資産の差)の負担などです。海外比率が高まるほど、こうした海外固有のリスクが連結業績に与える影響も大きくなります。

つまり、海外M&Aは成長と分散の両面で意義がある一方、為替や海外災害といった変動要因を抱えます。各社は、買収後の統合(PMI)や現地経営の規律で、海外事業の収益性を高めることが課題となります。

連結ベースの海外規模を、国内市場と混同しないために何に注意すべきか?

3メガの海外事業の数字は、すべて連結(海外子会社を含むグループ全体)のものです。これを、損害保険業界全体の国内市場と混同しないことが重要です。

たとえば、SOMPOの国内損害保険事業2兆3,017億円は、SOMPO一社の連結セグメントの数字であり、損保協会会員ベースの業界全体の国内市場(正味収入保険料9兆5,782億円)とは集計範囲が異なります。同様に、3メガの連結の海外事業を足し合わせて「業界の海外規模」とすることもできません。連結は各グループの単位、業界の国内市場は損保協会会員の集計、と数えている対象が違うためです。

海外と国内、あるいは各社の規模を比べるときは、その数字が連結なのか、業界全体なのか、どの集計かを必ず確認する必要があります。本ページの海外の規模はすべて連結セグメントで、業界の国内市場とは別の指標として扱っています。

中期見通し

近未来1-2年

各社は、これまで買収した海外子会社の統合と収益性向上に取り組みます。為替の動向が円換算の海外業績を左右し、海外の自然災害が発生した年には保険金支払いが連結に影響します。国内市場が成熟するなか、海外の利益貢献が各社の連結業績の差につながります。

中期3-5年

中期では、海外保険事業の拡大が3メガの成長の中心となります。成長地域でのオーガニックな拡大に加え、追加のM&Aも選択肢です。経済価値ベースのソルベンシー規制のもとで、海外事業のリスクを資本でどう管理するかも、海外展開のペースを左右します。

長期

長期では、海外事業の比重がさらに高まり、3メガ損保はグローバルな保険グループとしての性格を強める見通しです。日本の国内市場が縮小に向かうなかで、海外の収益が連結を支える構図が定着します。為替・海外災害・現地規制といったリスクを管理しながら、海外でどれだけ持続的に稼げるかが、各社の企業価値を左右します。

よくある質問

3メガ損保の主な海外M&Aは何ですか?
東京海上HDは米国のPhiladelphia・HCC・Pure・Delphiを相次いで買収し米国を中心に展開、MS&ADは英国ロイズ市場のMS Amlinやアジア(Aviva Asia)、SOMPO HDは米国・バミューダ等を拠点とするSompo International(旧Endurance)を中核としています。いずれも自国外の保険・再保険市場に足場を築くM&Aを成長戦略の中心に据えています。
なぜ3メガ損保は海外に展開するのですか?
国内市場が人口減少や自動車保有の頭打ちで成熟し、大きな伸びが見込みにくいためです。海外には保険の普及余地や再保険・特殊リスクなどの収益機会があり、また台風・地震が多い日本に事業が集中するリスクを地理的に分散する狙いもあります。海外事業の利益は近年の各社の連結業績を押し上げています。
3メガ損保の海外事業はどのくらいの規模ですか?
海外保険事業は、各グループの連結ベースでいずれも1兆円を超える規模に達しています。たとえばSOMPOの連結では、海外の正味収入保険料(1兆7,148億円)が国内損害保険事業(2兆3,017億円)に迫る規模にまで拡大しています(いずれもSOMPO連結のセグメント)。これらは連結(海外子会社を含む)の数字です。
海外事業の規模と国内市場(9.58兆円)はどう違うのですか?
海外事業の数字は各グループの連結(海外子会社を含む)で、損害保険業界全体の国内市場(正味収入保険料9兆5,782億円、損保協会会員ベース)とは集計範囲が異なります。たとえばSOMPOの国内損害保険事業2兆3,017億円は一社の連結セグメントで、業界全体の国内市場とは別の集計です。3メガの連結の海外を足し合わせて業界の海外規模とすることもできません。
このデータの出典は何ですか?
各社の決算短信〔連結〕および統合報告書に基づきます。SOMPOの国内・海外の正味収入保険料は連結セグメント情報、各社の海外M&Aは決算資料に基づく事実です。海外の数字はいずれも連結(海外子会社を含む)で、損保協会会員ベースの業界全体の国内市場とは集計範囲が異なります。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    各社 決算短信〔連結〕・統合報告書(東京海上HD・MS&AD・SOMPO HD)
  2. 2.
    日本損害保険協会「種目別統計表」
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