なぜ従来のソルベンシー・マージン比率から経済価値ベースへ移行するのか?
従来のソルベンシー・マージン比率(SMR)は、資産・負債の評価が必ずしも時価に基づいておらず、金利や株価の変動が支払余力に与える影響を十分に映しきれない面がありました。たとえば、金利が動いても負債(将来の保険金支払いの見込み)の評価が連動しにくく、実態とのズレが生じやすい構造でした。
そこで、資産・負債をともに時価(経済価値)で評価する経済価値ベースのソルベンシー規制(ESR)へ移行します。所要資本は原則99.5%の信頼水準で算定され、金利・株価などのリスクをより精緻に反映します。国際的な保険資本基準(ICS)と整合した枠組みで、2026年3月末から適用されます。
この移行により、各社は金利・株価のリスクを資本にどう反映するかをより精緻に管理することになります。とりわけ、多額の上場株式を保有してきた損害保険会社にとっては、株価変動が支払余力に直結するため、政策保有株式の売却を含む資本政策に影響します。