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STAT DETAIL · INDIVIDUAL INVESTORS & NISA

個人投資家とNISA|個人株主数とNISA口座の拡大【2026年版】

2024年1月に始まった新しいNISA(少額投資非課税制度)を起点に、個人の「貯蓄から投資へ」の動きが広がっています。NISA口座数は2025年6月末で2,696万口座、累計買付額は63兆円に達し、上場株式を持つ個人株主も1,599万人と過去最高(日本証券業協会)を更新しました。一方で、家計の金融資産はなお現金・預金に偏っており、変化は道半ばです。本ページでは、個人投資家の参加がどこまで広がったのかを、NISAと個人株主のデータから整理します。

個人株主数(2024年度末)
1,599万人
上場株式を持つ個人の名寄せ(重複除く)人数。過去最高を更新
出典: 日本証券業協会 個人株主の動向
NISA口座数(2025年6月末)
2,696万口座
証券会社・銀行などの全金融機関の合計。1人1口座
出典: 金融庁NISA利用状況調査
NISA累計買付額(2025年6月末)
63兆円
制度開始(2014年)からの累計。政府目標56兆円を超過
出典: 金融庁NISA利用状況調査
家計の現金・預金比率
51.0%
個人の金融資産2,194兆円に占める割合(2025年3月末)。上場株式は7.7%
出典: 日本証券業協会(資金循環統計ベース)

NISA口座数の推移 (2014-2025年、万口座)

全金融機関(証券会社・銀行など)の合計。2025年は6月末時点。2023年以前は旧NISA(一般+つみたて)、2024年からは新NISA
読み解き

NISA口座数は、制度が始まった2014年から増え続け、2025年6月末で2,696万口座になりました。とくに大きく伸びたのが2024年です。制度が拡充された新しいNISAの開始により、口座数は2023年末の2,125万口座から2024年末に2,559万口座へと1年で434万口座増えました。なお2023年末以前は旧NISA(一般NISAとつみたてNISAの合計)、2024年以降は新NISAの口座数で、制度改正をはさんで接続しています。

買付額の伸びはさらに鮮明です。NISAを通じた累計買付額は、2023年末の35兆円から2024年末に53兆円へと1年で18兆円積み上がり、2025年6月末には63兆円に達しました。政府が掲げる「2027年末までに累計買付額56兆円」という目標は、すでに上回っています。一方で口座数の目標3,400万口座にはなお距離があり、口座を持つ人をどこまで実際の投資につなげるかが課題です。

ここで注意したいのは、NISA口座数が全金融機関(証券会社・銀行など)の合計だという点です。証券会社だけの口座数ではありません。また、NISAは1人1口座のため口座数はおおむね利用者数に対応しますが、投資信託だけを保有する人も含むため、上場株式を持つ個人株主(1,599万人)とは集計の対象が異なります。

個人株主の年齢構成 (2024年度末)

年齢層ごとの個人株主数(名寄せ人数)。各層の人数で、合計は個人株主の総数とは一致しない
読み解き

個人株主を年齢層で見ると、20歳以上40歳未満が初めて200万人を超えました(日本証券業協会)。新しいNISAを起点に、若年層の参加が広がったことを示します。中心となる40歳以上60歳未満は484万人、60歳以上80歳未満は489万人で、従来から株式を保有してきた中高年層が引き続き厚みを持っています。

ここで示した人数は年齢層ごとの数で、20歳未満や80歳以上を含まず、20歳以上40歳未満は「200万人超」の概数のため、合計しても個人株主の総数(1,599万人)とは一致しません。注目すべきは、これまで株式投資から遠かった若年層が、NISAを入り口に市場へ入ってきている点です。1人当たりの保有銘柄数は5.2銘柄で、分散して保有する傾向もうかがえます。

主要論点

新NISAで個人投資家はどれだけ増えたのか?

2024年1月の新しいNISA開始を境に、個人の投資参加は明確に加速しました。NISA口座数は2025年6月末で2,696万口座、累計買付額は63兆円で、政府目標の累計買付56兆円をすでに上回っています。とくに2024年は、口座数が1年で434万、買付額が18兆円増えました。

株式の保有でも変化が表れています。上場株式を持つ個人株主は1,599万人と過去最高(日本証券業協会)を更新し、20歳以上40歳未満が初めて200万人を超えました。これまで投資から遠かった若年層が、非課税で少額から始められるNISAを入り口に市場へ入ってきています。証券会社にとっては、新規口座の獲得と、預り資産を積み上げる好機です。

なぜ家計は現預金に偏ったままなのか?

個人の参加が広がる一方で、家計の資産構成はなお現金・預金に偏っています。個人の金融資産2,194兆円のうち、現金・預金が51.0%を占め、上場株式は7.7%にとどまります。長くデフレが続き、預金でも実質的な目減りが小さかったこと、投資への不安が根強かったことが背景にあります。

日々の株式売買でも、個人は委託売買の約3割で、海外投資家が主役です。つまり個人は、保有でも売買でも市場のマジョリティには達していません。裏を返せば伸びしろは大きく、物価が上がり「金利のある世界」へ転換するなかで、現預金に置いたままの資産が投資へどこまで動くかが、今後の最大の論点です。

NISAの拡大は証券会社に何をもたらすのか?

NISAの拡大は、証券会社にとって新規顧客の獲得と収益構造の転換の両面で意味を持ちます。委託手数料の無料化が進むなか、NISA口座は集客の入り口になり、口座を獲得したうえで、預り資産に応じて継続的に得るストック型の収益(投資信託の信託報酬など)へつなげる流れです。

つみたて投資を中心とするNISAは、長期保有を促すため、預り資産の安定的な積み上げに向きます。各社は口座数や預り資産の拡大を競っていますが、低コストの投資信託が広がるなかで、預り資産あたりの収益率は下がりやすい構造でもあります。獲得した個人マネーを、どれだけ付加価値の高い提案につなげられるかが問われます。

中期見通し

近未来1-2年

新しいNISAの定着で、口座数と買付額の増加が続きます。累計買付額は政府目標56兆円をすでに超えており、次の目安は口座数3,400万口座です。口座を開いた人を実際の投資にどうつなげるかが課題になります。

中期3-5年

物価上昇と金利のある世界への転換が、現金・預金に偏った家計の資産配分をどこまで動かすかが焦点です。若年層の積立が定着すれば、個人の保有比率は緩やかに高まる余地があります。

長期5-10年

「貯蓄から投資へ」が根づけば、上場株式の保有や売買に占める個人の比重が高まり、海外投資家に偏った市場の担い手構造に厚みが加わります。個人が市場のマジョリティに近づくかどうかが、長期の論点です。

よくある質問

新NISAで個人投資家はどれくらい増えましたか?
2024年1月開始の新しいNISAを契機に、NISA口座数は2025年6月末で2,696万口座、累計買付額は63兆円に達しました。上場株式を持つ個人株主も1,599万人と過去最高(日本証券業協会)を更新し、20歳以上40歳未満が初めて200万人を超えました。ただし家計の金融資産に占める上場株式は7.7%にとどまり、伸びしろは依然大きい状況です。
NISA口座数と個人株主数はどう違いますか?
NISA口座数(2025年6月末で2,696万)は、証券会社・銀行などの全金融機関の合計で、投資信託だけを保有する人も含みます(NISAは1人1口座)。一方、個人株主数(1,599万人)は、上場株式を持つ個人を重複を除いて数えた名寄せ人数です(日本証券業協会)。集計の対象が異なるため、単純に足したり比べたりはできません。
なぜ日本の家計は現金・預金が多いのですか?
個人の金融資産2,194兆円のうち、現金・預金が51.0%を占め、上場株式は7.7%にとどまります。長くデフレが続き預金の実質的な目減りが小さかったこと、投資への不安が根強かったことが背景です。物価上昇と金利のある世界への転換が、この資産配分を動かすかが注目されています。
つみたて投資枠とは何ですか?
新しいNISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2つがあります。つみたて投資枠は、長期・積立・分散に適した投資信託を対象に、毎月コツコツと非課税で積み立てる枠です。成長投資枠は、上場株式や投資信託などより幅広い対象に投資できます。長期の積立を促す設計が、預り資産の安定的な積み上げにつながっています。
NISAの拡大は証券会社にどんな影響がありますか?
委託手数料の無料化が進むなか、NISA口座は新規顧客の入り口になります。口座を獲得したうえで、預り資産に応じて継続的に得るストック型の収益(投資信託の信託報酬など)へつなげる流れです。各社は口座数と預り資産の拡大を競っていますが、低コストの投資信託が広がるなかで、預り資産あたりの収益率は下がりやすい点が課題です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    金融庁NISA・ジュニアNISA口座の利用状況に関する調査
  2. 2.
    日本証券業協会 個人株主の動向について
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