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ネット証券の台頭|SBI・楽天の口座数と対面・ネットの二極【2026年版】

ネット証券は、口座数で対面の大手証券を上回る存在になりました。証券総合口座数はSBI証券がグループ累計で1,500万、楽天証券が証券単体で国内最多の1,300万に達しています。一方、預り資産では富裕層・法人を抱える対面大手がなお大きく、証券リテールは「口座数のネット」と「預り資産の対面」という二極の構造にあります。本ページでは、主要なネット証券の口座数を基準の違いに注意しながら整理し、対面との違いを見ていきます。

主要ネット証券の口座数 (基準時点・口座の種類は各社で異なる)

口座数で並べたもの。集計基準(グループ累計/単体)・時点・口座の種類が異なるため、単純な順位比較はしない

ネット証券の口座数は、SBI証券がグループ累計で1,500万と最も多く、楽天証券が1,300万で続きます。ただし両者は基準が異なります。SBIの数字はSBIグループの証券各社を合計した累計で、楽天は証券会社単体(楽天証券)で「国内最多」を掲げる数字です。証券単体での比較では楽天証券が首位で、SBIの1,500万はグループ合算という点を踏まえて読む必要があります。

マネックス証券(総口座数293万)、三菱UFJ eスマート証券(証券口座数203万)、松井証券(総口座数165万)が続きます。各社で口座の数え方(総口座数/証券口座数/総合口座)と集計時点が異なるため、表では基準時点と口座の種類を併記しています。ここに挙げた5社は主要なネット証券の代表で、このほかにGMOクリック証券(GMOフィナンシャルホールディングス)などもあり、5社で業界のすべてではありません。

SBI証券 — グループ累計で国内最多の口座数

SBI証券は、SBIグループの証券各社を合計した証券総合口座数が2025年11月に1,500万口座となり、国内で初めて1,500万口座に到達しました。預り資産も60兆円規模に達しています。

成長の起点は、国内株式の売買手数料などを無料にした「ゼロ革命」です。手数料無料化を集客の入り口とし、信用取引の金利、投資信託、外国株、ポイントなどで収益を確保します。なお、SBI証券はSBIホールディングス(銀行・保険・暗号資産を含む金融グループ)の傘下で、グループは国際会計基準のため、SBI証券単体の財務とは区別されます。

楽天証券 — 証券単体で国内最多

楽天証券は、証券会社単体の証券総合口座数が2025年11月に1,300万口座となり、「証券単体で国内最多」を掲げています。SBIのグループ累計とは基準が異なり、単体ベースでは楽天証券が首位です。

強みは楽天経済圏との連携です。楽天ポイントを使った投資(ポイント投資)や、楽天カード・楽天銀行との連携で、楽天グループの利用者を投資へ取り込んでいます。楽天証券は楽天グループの傘下で、証券単体の財務はグループ連結に含まれます。

マネックス証券 — 米国株とドコモ連携

マネックス証券は、総口座数が2026年3月に293万口座、預り資産は10.8兆円です。米国株の取扱いに早くから力を入れてきた点が特徴です。

2024年にはNTTドコモと資本業務提携し、合弁会社(ドコモマネックスホールディングス)の傘下となりました。ドコモの利用者基盤とポイント経済圏との連携で個人投資家の獲得を進めています。親会社のマネックスグループ(上場)は米国事業や暗号資産事業を含むグループ連結で、マネックス証券単体の数字とは異なります。

三菱UFJ eスマート証券(旧auカブコム証券) — メガバンク系のネット証券

三菱UFJ eスマート証券は、証券口座数が2026年5月に203万口座です。2025年にauカブコム証券から社名を変更しました。

三菱UFJフィナンシャル・グループの傘下で、KDDI(au)との連携によるau経済圏(Pontaポイント)も強みです。メガバンク系のネット証券として、銀行・通信の顧客基盤を投資につなげる位置づけにあります。

松井証券 — 老舗の独立系ネット専業

松井証券は、総口座数が2025年9月に165万口座です。日本で早くからオンライン取引を手がけた老舗の独立系ネット専業で、東証プライムに上場しています(証券コード8628)。

規模は大手ネット証券より小さいものの、純営業収益371億円に対しROEは13.8%と効率的な収益構造です。株式の委託手数料と、信用取引の金利を中心とした金融収益が収益の柱です。

対面大手との二極 — 口座数のネット、預り資産の対面

ネット証券が口座数で先行する一方、預り資産では対面の大手証券(野村・大和など)がなお大きいのが実態です。ネット証券は1口座あたりの預り資産が概算で数百万円規模(SBI証券で約400万円、マネックス証券で約369万円)にとどまります。

対面大手は、富裕層や法人を主な顧客とし、運用提案や相続・事業承継の助言で関係を深めるため、口座数は少なくても1口座あたりの預り資産が大きくなります。手数料無料化が進むなかで、ネットは口座数と取引量、対面は預り資産と助言という、異なる土俵で収益を競う二極の構造です。

主要論点

なぜネット証券は口座数で対面を上回ったのか?

ネット証券は、店舗や対面営業のコストを持たない低コストの仕組みで、個人投資家の取引を取り込んできました。決め手は、国内株式の売買手数料の無料化です。SBI証券・楽天証券が手数料を無料化し、これを集客の入り口として口座数を急速に伸ばしました。

さらに、ポイント経済圏との連携が拡大を後押ししています。楽天(楽天ポイント)、SBI(Vポイント)、三菱UFJ eスマート証券(au/Pontaポイント)など、グループの利用者基盤とポイントを投資に結びつけました。新しいNISAも、低コストで少額から始められるネット証券への追い風です。結果として、SBI証券はグループ累計1,500万、楽天証券は証券単体で1,300万と、対面大手を口座数で上回る規模に達しました。

対面証券とネット証券は何が違うのか?

両者は、顧客層と収益モデルが大きく異なります。ネット証券は、自分で売買する個人投資家が中心で、低コストの取引基盤を提供します。手数料無料化のなかでは、信用取引の金利、投資信託、外国株、ポイント連携などで収益を確保します。対面証券(野村・大和などの大手)は、富裕層や法人を主な顧客とし、運用提案や相続・事業承継、M&A助言で価値を出します。

この違いは、1口座あたりの預り資産に表れます。ネット証券は口座数が多い一方、1口座あたりの預り資産は概算で数百万円規模(SBI証券で約400万円)です。対面大手は口座数こそ少ないものの、富裕層中心で1口座あたりの預り資産が大きくなります。「口座数のネット」と「預り資産の対面」という二極が、証券リテールの構造です。

手数料を無料にしたネット証券は、どこで稼ぐのか?

国内株式の売買手数料を無料化したネット証券は、株式売買の周辺で収益を確保しています。柱は、信用取引の金利(投資家に貸し付ける資金の金利)、投資信託の販売・信託報酬外国株の取引、そしてポイント経済圏との連携です。手数料無料化はむしろ集客の入り口で、口座を獲得したうえで、これらの収益や預り資産に応じたストック型の収益で稼ぐ構造へと組み替えが進んでいます。

たとえば松井証券は、純営業収益371億円のうち、委託手数料と信用取引の金利収入が柱です。手数料を無料にしても、その周辺の収益と預り資産で稼ぐ構造への組み替えが、ネット証券の共通の課題です。

中期見通し

近未来1-2年

新しいNISAを追い風に、ネット証券の口座数の増加が続きます。SBI・楽天の2強に、ドコモ・KDDIなど通信系の経済圏を持つマネックス・三菱UFJ eスマート証券が続く構図です。手数料無料化のなかで、信用取引や投資信託、外国株、ポイント連携による収益確保が一段と重要になります。

中期3-5年

口座数の伸びが一巡するなか、競争の軸は預り資産の拡大と1口座あたりの収益に移ります。ポイント経済圏や銀行・通信との連携で、どれだけ取引と預り資産を取り込めるかが各社の差を分けます。

長期5-10年

「貯蓄から投資へ」が定着すれば、ネット証券が取り込んだ個人マネーの預り資産が拡大します。口座数で先行するネットが預り資産でも存在感を高めるか、富裕層を抱える対面大手との二極がどう変化するかが、長期の論点です。

よくある質問

ネット証券で口座数が一番多いのはどこですか?
SBI証券がSBIグループ累計で1,500万口座(2025年11月)と最も多く、楽天証券が証券単体で国内最多の1,300万口座(2025年11月)です。SBIはグループの証券各社を合計した数字、楽天は証券会社単体の数字で基準が異なるため、証券単体での比較では楽天証券が首位です。
SBIと楽天の口座数はどちらが多いのですか?
数字の大きさではSBI証券(1,500万)が楽天証券(1,300万)を上回りますが、SBIはSBIグループの証券各社を合計した累計で、楽天は証券会社単体(楽天証券)で「国内最多」を掲げる数字です。集計の基準が異なるため、単純な順位比較はできません。証券単体では楽天証券が国内最多です。
ネット証券と対面証券は何が違うのですか?
ネット証券(SBI・楽天・松井・マネックスなど)は、店舗を持たず低コストで個人投資家の取引を取り込み、口座数が多いのが特徴です。対面証券(野村・大和などの大手)は、富裕層・法人を顧客に運用提案や助言で価値を出します。1口座あたりの預り資産は、ネットが概算で数百万円規模なのに対し、対面は富裕層中心で大きくなります。「口座数のネット」「預り資産の対面」という二極の構造です。
手数料が無料のネット証券はどうやって儲けているのですか?
国内株式の売買手数料を無料化したネット証券は、信用取引の金利、投資信託の販売・信託報酬、外国株の取引、ポイント経済圏との連携などで収益を確保しています。手数料無料化は集客の入り口で、口座を獲得したうえで預り資産に応じたストック型の収益などで稼ぐ構造です。
auカブコム証券はなくなったのですか?
auカブコム証券は2025年に「三菱UFJ eスマート証券」へ社名を変更しました。三菱UFJフィナンシャル・グループの傘下で、証券口座数は203万口座(2026年5月)です。KDDI(au)との連携によるau/Pontaポイント経済圏も強みです。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    SBI証券 証券総合口座1,500万口座達成のお知らせ
  2. 2.
    楽天証券 証券総合口座数1,300万口座達成のお知らせ(楽天グループ)
  3. 3.
    マネックスグループ 決算説明資料(FY2025通期)
  4. 4.
    松井証券 統合報告書2025 / 三菱UFJ eスマート証券 月次開示
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