規模が拡大しているのに、なぜ手数料無料化が進むのか?
証券業全体の純営業収益は2018年度の3.14兆円から2024年度の4.52兆円へ拡大しました。一方で、ネット証券を中心に国内株式の売買手数料は無料化が進んでいます。一見矛盾するように見えますが、これは稼ぎ方の組み替えが起きているためです。
無料化が進むのは主に株式の委託手数料で、これは証券会社の収益の一部です。委託手数料が細る代わりに、引受などの手数料、自己売買のトレーディング損益、信用取引の金利や配当などの金融収益、投資信託やラップ口座の預り資産に応じた収益が業界を支えています。手数料の無料化は集客の入口であり、その周辺で収益を確保する戦略への転換が、規模を保ちながら進んでいます。