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STAT DETAIL · 機種別統計

農業機械の機種別出荷額・推移|トラクタ・コンバイン・田植機の動向【2026年版】

機種別の出荷動向を整理します。2025年の出荷総額4,679億円のうち、トラクタが2,156億円でシェア46.1%と最大、コンバイン854億円で18.2%、作業機482億円で10.3%が続きます。直近5年でトラクタは2021年の2,893億円から2025年の2,156億円へ縮小、コンバインは671億円から854億円へ拡大しており、機種ごとに需要動向の濃淡が明確です。本ページでは機種別の需給動向と背景を整理します。

機種別出荷額の推移(TOP 6機種 + その他)

単位: 億円
トラクタコンバイン作業機田植機刈払機防除機その他
01,5003,0004,5006,0005,261214,993224,720234,287244,67825
出典: 日本農業機械工業会 (JAFMA) 出荷統計 (機種別出荷額、年次)
年度20212022202320242025
トラクタ億円2,8932,6932,4112,0462,156
コンバイン億円671676714724854
作業機億円439438458431482
田植機億円357368337297334
刈払機億円208189177192212
防除機億円178148141144158
その他億円515481482453482
合計(億円5,2614,9934,7204,2874,678
前年比-5.1%-5.5%-9.2%+9.1%
読み解き

2025年の機種別構成では、トラクタが46.1%(2,156億円)と最大シェアで、コンバイン(18.2%)・作業機(10.3%)・田植機(7.1%)が続きます。直近5年(2021-2025)の推移を見ると、トラクタは2,893億円(2021)から2,046億円(2024)まで縮小した後、2025年に2,156億円へ反転しました。

一方で、コンバインは671億円(2021)→ 854億円(2025)と継続的に拡大、作業機も439億円(2021)→ 482億円(2025)で堅調です。トラクタのシェア低下は、為替・買い替えサイクルに加えて、北米中小型トラクター市場の調整局面が影響している可能性があります。コンバインは収穫機械の更新需要、作業機はトラクタとセットでの装備更新が背景にあると整理できます。

機種別の需給動向と背景

主要機種は、農業の作業工程ごとに役割が分かれます。耕うん(トラクタ)・田植え(田植機)・防除(防除機)・収穫(コンバイン)・乾燥(乾燥機)の各工程で必要な機械が異なり、各機種の需要動向は、作付面積・耕作方式・農業従事者構造といった農業の上位条件に強く依存します。

トラクタ — 出荷額の約半分(2025年2,156億円・46.1%)

概要・特徴

トラクタは農業機械の主軸機種で、土壌の耕うん・整地・牽引・各種作業機の動力源など、農作業全般のプラットフォームです。日本では装輪式(タイヤ駆動)が主流で、HP(馬力)別に20PS未満/20-30PS/30-50PS/50PS超に細分化されます。日本市場は中小型機(30-50PS)が中核で、北米では大規模農場向けに50PS超の中型機需要も大きい構造です。

業績推移

2021年2,893億円から2024年2,046億円まで縮小(-29%)、2025年に2,156億円(前年比 +5.4%)へ反転しました。長期では稲作面積の縮小と買い替えサイクル長期化(実稼働15-20年)で構造的に縮小傾向ですが、年次で大きく変動するのは輸出向けの影響が大きいためです。

背景・要因

2022-2024年の調整は、(1)円安局面で前倒し購入が進んだ反動、(2)北米中小型トラクター市場の在庫調整、(3)国内の高齢農家の引退による中型機需要減、の3点が並列。2025年の反転は北米市場の在庫一巡 + スマート農業対応機(自動運転Lv2)の市販化加速が背景です。

コンバイン — 収穫期投資の中心(2025年854億円・18.2%)

概要・特徴

コンバインは穀物の刈り取り・脱穀・選別を一貫処理する収穫機械で、稲作向けの「自脱型」と、畑作(小麦・大豆等)向けの「普通型」の2種類に大別されます。日本市場は自脱型が主流ですが、畑作面積の拡大と稲作の大規模化により普通型の需要も伸びつつあります。1台数百万円〜 1,000万円超の大型投資となるため、買い替え判断は経営体の収益性と直結します。

業績推移

2021年671億円から2025年854億円まで継続的に拡大(+27%)し、農業機械の中で最も成長率の高い機種です。2024-2025年は724 → 854億円(+17.9%)と直近で加速。

背景・要因

稲作の大規模化(担い手 + 農業法人化)による効率機械への投資需要、自脱型・普通型のラインアップ拡張、米作・畑作両用機の投入、2024年問題(労働時間短縮)への対応として作業の機械化が必須化したこと、が背景。コンバインは「人力では不可能な作業を一気に終える」性質上、人手不足下で需要が構造的に拡大しやすい機種です。

田植機 — 水田面積縮小と連動(2025年334億円・7.1%)

概要・特徴

田植機は水田に苗を植え付ける専用機で、人が後ろを歩く「歩行型」と運転席に乗る「乗用型」の2種類。乗用型は4条植え〜 8条植え以上の大型化が進み、自動操舵・施肥同時機能などスマート化も加速しています。コンバインと同じく稲作の大型投資機ですが、ライフサイクルは比較的長く(実稼働10-15年)、需要の大半は買い替えで構成されます。

業績推移

長期的には水田面積の縮小(耕作面積の畑への転換、離農)に連動して縮小傾向。2021年から2024年は緩やかに減少しましたが、2024 → 2025年は297 → 334億円(+12.3%)と一時的に増加に転じました。

背景・要因

縮小トレンドの主因は水田面積の長期減少(10年で約 -10%)と、田植機の長期使用化(耐久性向上で15年使用が一般化)。2025年の反転は買い替えサイクルの集中(2010年代前半購入機の更新タイミング)と、乗用型大型機への置き換えによる単価上昇が背景。スマート農業向けに自動操舵・GPS連動機能を搭載した上位機が伸びる構造です。

作業機(耕うん機・管理機・ロータリー等)— トラクタ連動(2025年482億円・10.3%)

概要・特徴

作業機は、トラクタに装着して使う各種作業ツールの総称。ロータリー(耕うん)、プラウ(反転耕)、マルチャー(マルチ張り)、施肥機、防除装備など多様な機械が含まれ、トラクタとセットで更新されることが多いため、トラクタ需要と相関します。トラクタ専業メーカー以外の作業機専業メーカー(小橋工業、サタケ等)も存在する分業構造です。

業績推移

2021年439億円から2025年482億円(+10%)と比較的安定推移。トラクタほど大きな変動はなく、農機全体の中では中位の安定需要セグメントとして機能しています。

背景・要因

安定推移の理由は、(1)トラクタとセットでの更新需要が継続、(2)新規農地開発・畑作変換時の装備更新、(3)農業法人の大規模化に伴う作業機の高機能化(広幅化・GPS対応)、の3点。トラクタが縮小局面でも作業機が安定するのは、買い替えタイミングが個別の機械ごとに分散するためです。

小型機・周辺機(耕うん機・防除機・刈払機)— ホビー含む安定需要(合計 約280億円)

概要・特徴

小型機は専業農家向けの小規模機械から、家庭菜園・自治体の公共施設管理向けまで需要層が広い領域。耕うん機(小規模圃場)、防除機(噴霧器、果樹園・水田向け)、刈払機(草刈機、エンジン式・電動式)の3機種が中心。やまびこ・丸山製作所・ホンダなど専業メーカーが大きなシェアを持ち、総合農機3社(クボタ・ヤンマー・井関)とは分業構造になっています。

業績推移

各機種で年次変動は限定的、合計で250-300億円のレンジで安定推移しています。トレンドは緩やかな縮小(農家戸数減少)が基調ですが、ホビー向け・自治体向けの需要が下支え。

背景・要因

安定の主因は、(1)プロ用と兼業用の二層需要、(2)電動化対応の進展(電動草刈機の普及率2024年27.7% → 2030年目標50%、みどり戦略KPI)、(3)ホームセンター流通による小売アクセス向上。みどりの食料システム戦略の電動化KPIが今後の需要構造に構造変化をもたらす可能性が高い領域です。

方法論・補足

  • 【指標定義】日本農業機械工業会の出荷統計に基づく機種別出荷金額。装輪式トラクタ(乗用型)、コンバイン(自脱型 + 普通型)、田植機(歩行型 + 乗用型)、耕うん機・管理機、防除機、乾燥機・籾摺機、刈払機などの主要機種を集計。
  • 【TOP-level区分】「装輪式トラクタ」を「トラクタ」、HP別細分(20PS未満/20-30PS/30-50PS/50PS超)の合計値を採用。詳細なHP別内訳は日農工原典で確認可能。
  • 【シェア計算】各年の合計(TOP 6機種 + その他)に対する比率。2025年合計は4,679億円で出荷総額(market-size)と整合。
  • 【需給の影響要因】機種ごとに影響要因が異なる: トラクタは買い替えサイクルと北米需要、コンバインは収穫期投資、田植機は水田面積、作業機はトラクタ連動。為替変動は輸出向け機種への影響が大きい。

よくある質問

日本の農業機械で最も出荷額の大きい機種は何ですか?
トラクタが最大で、2025年の出荷額は2,156億円(シェア46.1%)です。次にコンバイン854億円(18.2%)、作業機482億円(10.3%)、田植機334億円(7.1%)が続きます。
トラクタの出荷額はなぜ縮小傾向にあるのですか?
トラクタは2021年の2,893億円から2024年に2,046億円まで縮小しました。背景には為替変動、北米中小型トラクター市場の調整、買い替えサイクル長期化があります。2025年は2,156億円(前年比 +5.4%)と反転しました。
コンバインの需要が拡大している理由は?
コンバインは2021年の671億円から2025年の854億円まで継続的に拡大しています。収穫期に合わせた更新需要、自脱型・普通型のラインアップ拡張、米作・畑作両用機の投入が背景にあります。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    日本農業機械工業会 年次確定値
  2. 2.
    経済産業省 生産動態統計 機械統計編
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