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建設機械の機種別出荷|油圧ショベル・クレーン等の構成と動向【2026年版】

建設機械の本体出荷2兆9,664億円のうち、油圧ショベルが1兆1,497億円で最大の機種(本体の約39%)です。ミニショベルと合わせたショベル系の2機種で本体出荷の過半(53.5%)を占めます。機種によって輸出への依存度は大きく異なり、ショベル系やその他建設機械は輸出が中心、建設用クレーンや基礎機械は内需が中心です。本ページでは、建設機械の出荷を機種別に、規模・構成比・内需/外需・前年比で整理します。

油圧ショベル(2025年)
1兆1,497億円4.7% YoY
最大の機種、本体出荷の約39%。輸出が約78%
出典: CEMA建設機械出荷金額統計
ショベル系の構成比(2025年)
53.5%
油圧ショベル+ミニショベル(計1兆5,860億円)で本体出荷の過半
出典: CEMA建設機械出荷金額統計より算出
ミニショベル(2025年)
4,363億円11.1% YoY
輸出比率が最も高い機種(約83%)
出典: CEMA建設機械出荷金額統計
補給部品(2025年)
4,460億円1.9% YoY
機種本体とは別のアフターサービス収益、変動が小さく安定
出典: CEMA建設機械出荷金額統計

建設機械の機種別出荷金額(2025年、本体、億円)

本体9機種の出荷金額(降順)。油圧ショベルが最大で本体の約39%、ショベル系2機種で過半。補給部品は本体外のため別掲
単位: 億円9 カテゴリ・合計 29,665
03,7507,50011,25015,00011,497油圧ショベル4,363ミニショベル4,108トラクタ4,080その他建設機械3,590建設用クレーン865道路機械406コンクリート機械403基礎機械353油圧ブレーカ・圧砕機
出典: CEMA(日本建設機械工業会) 建設機械出荷金額統計(暦年2025、機種別・本体。構成比は本体合計を分母に算出)
カテゴリ油圧ショベルミニショベルトラクタその他建設機械建設用クレーン道路機械コンクリート機械基礎機械油圧ブレーカ・圧砕機
億円11,4974,3634,1084,0803,590865406403353
シェア38.8%14.7%13.8%13.8%12.1%2.9%1.4%1.4%1.2%
読み解き

2025年の本体出荷2兆9,664億円を機種別に見ると、油圧ショベルが1兆1,497億円で最大(本体の約39%)です。ミニショベル4,363億円を合わせたショベル系2機種で本体の過半(53.5%)を占め、機種構成はショベル系に大きく偏っています。

次いでトラクタ(ブルドーザ・ホイールローダ等)4,108億円、その他建設機械4,080億円、建設用クレーン3,590億円が中位に並びます。道路機械・コンクリート機械・基礎機械・油圧ブレーカは、それぞれ1,000億円未満の機種群です。油圧ショベルを中心とするショベル系の動向が、機種別構成だけでなく市場全体の規模も大きく左右します。

機種別の内需・外需・前年比(2025年)

各機種の内需(国内)・外需(輸出)・小計と前年比。機種により輸出依存度が大きく異なる
油圧ショベル
内需
2,580
外需
8,917
小計
1兆1,497
前年比
+4.7%
ミニショベル
内需
736
外需
3,627
小計
4,363
前年比
-11.1%
トラクタ
内需
1,226
外需
2,882
小計
4,108
前年比
-6.2%
その他建設機械
内需
594
外需
3,486
小計
4,080
前年比
-4.5%
建設用クレーン
内需
2,253
外需
1,337
小計
3,590
前年比
-1.2%
道路機械
内需
376
外需
489
小計
865
前年比
-0.9%
コンクリート機械
内需
395
外需
11
小計
406
前年比
+9.2%
基礎機械
内需
371
外需
32
小計
403
前年比
-0.8%
油圧ブレーカ・圧砕機
内需
261
外需
92
小計
353
前年比
-2.3%
補給部品
機種本体ではない、スペアパーツ
内需
1,539
外需
2,921
小計
4,460
前年比
+1.9%
本体合計(9機種)
内需
8,791
外需
2兆873
小計
2兆9,664
前年比
-1.7%
総合計(本体+補給部品)
内需
1兆330
外需
2兆3,794
小計
3兆4,124
前年比
-1.3%
読み解き

機種別に内需と外需を並べると、機種ごとの性格の違いがはっきりします。ミニショベル(輸出比率約83%)、その他建設機械(約85%)、油圧ショベル(約78%)、トラクタ(約70%)は輸出が中心で、海外需要の変動を受けやすい機種です。一方、建設用クレーン(輸出比率約37%)、基礎機械(約8%)、コンクリート機械(約3%)は内需が中心で、国内の建設・インフラ投資を反映します。

2025年の前年比は機種でまちまちで、油圧ショベルが+4.7%と輸出の伸びでプラス、ミニショベルは-11.1%と減少しました。本体合計は-1.7%、補給部品を含めた総合計は-1.3%です。なお、金額は四捨五入のため、各機種の内需・外需・小計の合計が本体合計・総合計と最大1〜2億円ずれる場合があります。

機種ごとに何が違うのか

ショベル系が市場の中核

建設機械の本体出荷の中核は、油圧ショベルとミニショベルのショベル系です。2025年は2機種で1兆5,860億円、本体の53.5%を占めました。油圧ショベルは掘削を中心に用途が広く、新興国のインフラ建設から先進国の都市再開発・鉱山開発まで世界中で使われます。ミニショベルは小型で、都市部の工事や欧米の住宅・造園需要に強みがあります。いずれも輸出比率が高く、ショベル系の海外需要が市場全体の規模を大きく左右します。

内需型の機種と外需型の機種

機種は、輸出が中心の「外需型」と国内が中心の「内需型」に分かれます。外需型はショベル系・その他建設機械・トラクタで、輸出比率が7〜8割に達し、為替や海外の建設・資源需要に業績が連動します。内需型は建設用クレーン・コンクリート機械・基礎機械で、国内のインフラ・建設投資が需要を支えます。建設用クレーンは橋梁・プラント・物流施設の建設や保守に使われ、国内のインフラ更新需要を映す機種です。市場全体が輸出主体に見えるのは、最大の機種であるショベル系が外需型だからで、機種構成を見ると国内市場を支える機種も一定の規模を保っています。

補給部品という安定収益

機種本体とは別に、補給部品(スペアパーツ)が2025年で4,460億円あり、前年比+1.9%と底堅く推移しました。これは個別の機種よりも大きく、稼働する建設機械の保守・補修に伴う収益です。新車の販売が景気や為替で大きく振れるのに対し、補給部品は世界中で稼働する保有機械を母数とするため変動が小さく、メーカーにとって安定した収益基盤となります。部品にサービスやデータ活用を組み合わせたアフターマーケット事業の強化は、各社の収益安定の柱になっています。

主要論点

なぜ油圧ショベルが機種の中核なのか?

2025年の油圧ショベルの出荷は1兆1,497億円で、本体の約39%を占める最大の機種です。ミニショベルと合わせたショベル系では本体の過半(53.5%)に達します。油圧ショベルが中核となる理由は、用途の広さにあります。掘削・整地・解体・積込みなど作業の汎用性が高く、アタッチメントの交換で多様な現場に対応できます。

もう一つの理由は輸出の主力であることです。油圧ショベルの輸出比率は約78%で、新興国のインフラ建設、先進国の都市再開発、資源国の鉱山開発まで世界中に需要があります。2025年は輸出が+10.1%と伸び、油圧ショベルの小計は+4.7%とプラスになりました。

ショベル系への集中は、市場規模の変動が主力機種の海外需要に左右されることを意味します。日本のメーカーが油圧ショベルと鉱山機械で世界的な地位を築いていることも、この機種構成を支えています。

内需型の機種と外需型の機種で、景気感応度はどう違うか?

機種は輸出依存度で性格が分かれます。外需型のショベル系・その他建設機械・トラクタは輸出比率が7〜8割で、海外の建設・資源需要と為替に業績が連動します。海外景気が強く円安が進めば伸び、逆に振れれば落ち込む、振れ幅の大きい機種群です。

内需型の建設用クレーン・コンクリート機械・基礎機械は、国内のインフラ・建設投資が需要の源です。建設用クレーンの輸出比率は約37%で、国内の橋梁・プラント・物流施設の建設や保守に使われます。国内市場は構造的に大きくは伸びにくい一方、インフラ更新や防災・減災の投資が下支えとなり、外需型ほど大きくは振れません。

この違いは、メーカーの機種ポートフォリオが業績の安定性を左右することを意味します。輸出型機種に強い企業は海外需要の波を受けやすく、内需型機種やクレーン専業の企業は国内需要に依存します。機種構成の違いが、各社の景気感応度の違いにつながります。

補給部品・サービスは、収益の安定にどう寄与するか?

補給部品は2025年で4,460億円あり、これは個別のどの機種本体よりも大きい規模です。前年比は+1.9%と、機械本体の出荷が景気や為替で大きく振れるなかでも安定して推移しました。

安定性の理由は、補給部品の需要が新車販売ではなく、世界中で稼働している保有機械の保守・補修に基づくためです。建設機械は長期間使われるため、保有台数が積み上がるほど部品・サービスの需要が広がります。新車販売が循環的に変動するのに対し、アフターマーケットは景気の谷でも需要が消えにくいのが特徴です。

このため、各メーカーは部品供給に整備・点検・遠隔監視・データ活用を組み合わせたアフターマーケット事業を収益の柱に育てています。機械を「売って終わり」ではなく、稼働期間を通じて収益を得るモデルへの転換が、収益の安定とメーカーの差別化につながっています。

中期見通し

近未来1-2年

機種別の出荷は、外需型機種の海外需要の回復ペースに左右されます。最大の油圧ショベルは2025年に輸出が伸びましたが、ミニショベルや一部機種は調整が続きました。北米・欧州の建設需要や資源開発の動向が、機種ごとにばらつきのある回復を決めます。内需型のクレーン等は、国内のインフラ・建設投資が下支えとなります。

中期3-5年

電動化とICT施工の普及が、機種別の構成に影響します。電動ショベルや自動・遠隔操作に対応した機種の比率が高まり、機種の付加価値が変わっていきます。補給部品にデータ活用や予知保全を組み合わせたアフターマーケット事業の拡大も、機種本体の販売とは別の収益軸として重みを増します。

長期5-10年

ショベル系を中核とする機種構成は当面続く見通しですが、自動化・電動化・無人化への対応が機種の競争力を分けます。鉱山向けの無人ダンプや自動運転に対応した機種、脱炭素に対応した電動建機など、新しいカテゴリの広がりが、長期の機種別構成を変えていく可能性があります。

よくある質問

建設機械で最も出荷金額が大きい機種は何ですか?
油圧ショベルです。2025年の出荷金額は1兆1,497億円で、本体出荷(2兆9,664億円)の約39%を占めます。ミニショベルと合わせたショベル系2機種では本体の過半(53.5%)に達します。
建設機械にはどんな機種がありますか?
CEMAの統計では、油圧ショベル・ミニショベル・トラクタ(ブルドーザ・ホイールローダ等)・建設用クレーン・道路機械・コンクリート機械・基礎機械・油圧ブレーカ圧砕機・その他建設機械の本体9区分に、補給部品(スペアパーツ)を加えて集計しています。2025年の本体出荷は2兆9,664億円です。
輸出が多い機種と国内向けが多い機種はどれですか?
輸出が中心なのはショベル系(ミニショベル約83%、油圧ショベル約78%)・その他建設機械・トラクタです。国内向けが中心なのは建設用クレーン(輸出比率約37%)・コンクリート機械・基礎機械です。市場全体が輸出主体なのは、最大の機種であるショベル系が輸出型のためです。
補給部品とは何ですか?
補給部品は建設機械のスペアパーツで、稼働する保有機械の保守・補修に使われます。2025年は4,460億円で、機種本体の出荷とは別に集計されます。新車販売より変動が小さく、メーカーのアフターサービス収益として安定した収益源になっています。
機種別の出荷データの出典は何ですか?
日本建設機械工業会(CEMA)の建設機械出荷金額統計(暦年通期)が出典です。本体9機種+補給部品を、国内(内需)・輸出(外需)・小計に分けて集計しています。本ページは2025年の暦年確報に基づき、前年(2024年)との比較も併載しています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    日本建設機械工業会(CEMA) 建設機械出荷金額統計
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