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建設機械の市場規模|出荷金額の推移と内需・外需の構造【2026年版】

建設機械の2025年の出荷金額は3兆4,124億円で、前年比1.3%減と2年連続の減少でした(日本建設機械工業会の暦年確報)。約7割にあたる2兆3,794億円を外需(輸出)が占め、内需(国内)は1兆330億円です。長期で見ると、2020年のコロナ禍で2兆1,659億円へ落ち込んだ後、円安と海外需要で2023年に3兆7,912億円まで急増し、2024年以降は調整局面にあります。内需がほぼ横ばいで推移する一方、市場の拡大も縮小も外需が主導してきた構造を、2015年からの推移で整理します。

出荷総額(2025年)
3兆4,124億円1.3% YoY
前年比1.3%減、2年連続の減少(CEMA暦年確報)
出典: CEMA建設機械出荷金額統計
外需・輸出(2025年)
2兆3,794億円
出荷の約7割。前年比0.6%増と2年ぶりの増加
出典: CEMA建設機械出荷金額統計
内需・国内(2025年)
1兆330億円
前年比5.3%減、2年連続の減少
出典: CEMA建設機械出荷金額統計
外需比率(2025年)
69.7%
外需2兆3,794億円÷出荷総額3兆4,124億円。出荷の約7割を輸出が占める
出典: CEMA建設機械出荷金額統計より算出

建設機械の出荷金額の推移(2015-2025年、内需・外需、兆円)

2020年のコロナ局面から2023年に3兆7,912億円まで急増し、2024年以降は調整。市場を主導するのは外需
単位: 兆円
内需(国内向け)外需(輸出向け)
0.001.002.003.004.002.31152.14162.55172.76182.63192.17202.76213.35223.79233.46243.4125
出典: CEMA(日本建設機械工業会) 建設機械出荷金額統計(暦年通期、内需・外需。2015-2020=年別統計、2021-2025=12月度確報)
20152016201720182019202020212022202320242025
内需(国内向け)兆円1.010.961.020.961.021.000.991.041.131.091.03
外需(輸出向け)兆円1.311.181.531.801.611.171.762.312.662.372.38
合計(兆円2.312.142.552.762.632.172.763.353.793.463.41
前年比-7.4%+19.1%+8.1%-4.6%-17.7%+27.3%+21.3%+13.3%-8.8%-1.3%
読み解き

建設機械の出荷金額は、内需(国内向け)と外需(輸出向け)の合計です。2015年の約2兆3,129億円から、2016年に約2兆1,428億円まで落ち込んだ後に持ち直し、2018年には輸出の伸びで2兆円台後半まで回復しました。2020年はコロナ禍で2兆1,659億円へ減少しましたが、2021年から2023年にかけて円安と海外需要を背景に輸出主導で急増し、2023年は3兆7,912億円と2015年以降で最も高い水準に達しました。その後の2024年は前年比8.8%減、2025年は同1.3%減と、2年連続の調整局面にあります。

このグラフで見えるのは、市場の振れ幅をつくっているのが外需だという構造です。内需は9,633億〜1兆1,294億円のレンジで11年間ほぼ横ばいに推移する一方、外需は2020年の1兆1,704億円から2023年の2兆6,618億円まで2倍以上に拡大しました。外需が出荷に占める比率も、2015年の約56.5%から2023年以降は約7割へと高まっています。為替が円安に振れ、海外の建設・資源需要が強まった2021年以降に、輸出が市場を押し上げた形です。

2025年は外需が前年比0.6%増と2年ぶりに増加へ転じた一方、内需は同5.3%減と2年連続で減少し、対照的な動きとなりました。減少幅は前年の8.8%減から1.3%減へと縮小しています。

建設機械の出荷はなぜ大きく変動するのか

市場を動かすのは輸出

建設機械は出荷金額の約7割が輸出向けで、2025年の外需は2兆3,794億円に達します。このため、市場全体の動きは為替と海外の建設・資源需要に強く連動します。北米のインフラ投資、欧州の建設需要、資源国での鉱山開発などが外需の柱で、円安は輸出採算と現地通貨建ての価格競争力を通じて出荷を押し上げます。逆に円高や海外景気の減速は、市場全体を冷やす方向に働きます。

コロナ前から2025までの山と谷

2015年からの推移をたどると、建設機械の出荷は大きな山と谷を描いてきました。2018年は輸出の伸びで2兆円台後半まで回復しましたが、2020年はコロナ禍で総額が2兆1,659億円へ減少しました。このとき内需は前年比2.4%減と比較的底堅かった一方、外需は同27.4%減と大きく落ち込んでおり、海外需要の変動が市場の谷をつくったことが分かります。続く2021年は総額が前年比27.3%増へ急回復し、円安と海外需要で2023年の3兆7,912億円まで山を駆け上がりました。直近の2024年・2025年は、その反動と海外需要の一服による調整局面です。

国内はインフラ更新と人手不足が下支え

内需は11年を通じて9,633億〜1兆1,294億円のレンジでほぼ横ばいに推移しており、市場の拡大局面でも縮小局面でも大きくは振れていません。国内では、老朽インフラの維持更新や防災・減災の投資、人手不足を背景とした省人化(ICT施工)への投資が需要を下支えします。一方で、資材価格や金利の上昇は設備投資の重しとなり、国内市場は構造的に大きくは伸びにくい状態が続いています。建設機械はレンタルを通じた利用も広がっており、レンタル会社の保有・更新が国内出荷の一定割合を占めています。

主要論点

外需依存の市場構造は、国内の調整をどこまで吸収できるか?

建設機械は出荷金額の約7割が輸出向けで、2025年の外需は2兆3,794億円です。内需が9,633億〜1兆1,294億円のレンジでほぼ横ばいに推移するなか、市場全体の拡大と縮小を主導してきたのは外需でした。2021年から2023年にかけては円安と海外の建設・資源需要を背景に外需が急増し、出荷総額は3兆7,912億円と2015年以降で最も高い水準まで拡大しました。

この構造は、海外景気と為替の変動が市場を大きく左右することを意味します。2020年はコロナ禍で外需が前年比27.4%減となり、市場全体の谷をつくりました。逆に2025年は外需が0.6%増と2年ぶりに回復し、内需の2年連続減を一部補って、総額の減少幅を前年の8.8%減から1.3%減へ縮小させています。

国内市場が構造的に伸びにくいなか、海外需要の回復ペースと為替動向が、市場全体の方向を決める最大の変数です。輸出と海外現地生産をいかに安定させるかが、業界の収益を左右する論点となります。

長期で見た建設機械市場の循環性は、何に駆動されるか?

2015年からの推移は、2016年の底、2018年の回復、2020年のコロナによる谷、2021年から2023年の急回復、そして2024年以降の調整という、明確な循環を描いてきました。この循環の主因は、外需を動かす為替・海外建設需要・資源開発投資です。資源価格が上昇すると鉱山開発が活発になり、鉱山機械を含む建設機械の需要が高まります。円安は輸出採算を改善し、出荷を押し上げます。

国内側では、公共投資や災害復興、消費・設備投資のサイクルが内需に影響しますが、その振れ幅は外需に比べて小さいのが実態です。建設機械は需要家の設備投資財であるため、景気の先行き観に敏感で、循環性が強くなります。

今後を見るうえでは、海外の金利・インフラ投資の動向、資源価格のサイクル、為替の水準が観察軸です。これらが同じ方向に動くと、市場は2021年から2023年のように大きく振れる可能性があります。

出荷の中核である油圧ショベルへの集中は、市場規模をどう左右するか?

建設機械の出荷金額のうち、補給部品を除く本体出荷の中核は油圧ショベルとミニショベルのショベル系で、本体の過半を占めます。市場規模の変動は、この主力機種、とりわけ輸出比率の高い油圧ショベルの動向に大きく左右されます。

油圧ショベルは新興国のインフラ建設から先進国の都市再開発まで用途が広く、輸出の主力です。このため、市場全体の外需依存は、機種構成の面では油圧ショベルへの集中と表裏一体です。主力機種の海外需要が強まれば市場は拡大し、海外の建設投資が一服すれば調整します。

つまり、市場規模の振れは、輸出比率の高い主力機種が海外でどれだけ売れるかと連動します。機種ごとの出荷動向や世界市場での日本勢の位置づけは、市場規模の変動を読み解くうえで重要な補助線となります。

中期見通し

近未来1-2年

市場の方向は、外需の回復ペースと為替に左右される局面が続きます。2025年は外需が2年ぶりに増加へ転じ、総額の減少幅が縮小しました。海外の建設・資源需要が持ち直し、為替が円安基調を保てば、調整局面からの底打ちが視野に入ります。一方、海外金利の高止まりや資源価格の下落は、外需を通じて市場の重しとなります。

中期3-5年

国内では、インフラの維持更新と防災・減災の投資、人手不足を背景としたICT施工・省人化への需要が内需を下支えします。海外では、新興国のインフラ建設と資源開発が外需の柱であり続けます。GX(脱炭素)への対応として電動建機の普及も進む見通しで、機種・地域の構成変化が市場規模の中身を変えていきます。

長期5-10年

国内市場は人口減少のもとで構造的に大きくは伸びにくく、市場成長の主軸は引き続き海外需要となる見通しです。新興国の建設需要、資源開発のサイクル、各国のインフラ投資が長期の市場規模を決めます。日本勢にとっては、世界市場での競争力と、機械販売に部品・サービスやデータ活用を組み合わせた事業モデルが、出荷規模の安定につながります。

よくある質問

建設機械の市場規模はどれくらいですか?
日本建設機械工業会(CEMA)の暦年確報によると、2025年の建設機械の出荷金額は3兆4,124億円で、前年比1.3%減と2年連続の減少でした。このうち外需(輸出)が2兆3,794億円で約7割を占め、内需(国内)は1兆330億円です。
暦年と年度で数字が違うのはなぜですか?
CEMAの建設機械出荷金額統計は1月から12月の暦年で集計しています。会計年度(4月から翌年3月)で集計する数字とは対象とする期間が異なるため、同じ年でも金額が一致しません。本ページは暦年ベースで統一しています。建設投資など他の統計と比較する際は、暦年か年度かの集計期間の違いに注意が必要です。
建設機械の内需と外需の比率はどれくらいですか?
2025年は外需(輸出)が約7割(69.7%)、内需(国内)が約3割です。出荷金額3兆4,124億円のうち外需は2兆3,794億円を占めます。外需比率は2015年の約56.5%から2023年以降の約7割へと高まっており、内需がほぼ横ばいで推移するなか、市場の拡大を外需が主導してきたことを示しています。
建設機械の出荷はどう推移してきましたか?
2015年の約2兆3,129億円から、2016年の約2兆1,428億円を底に持ち直し、2020年のコロナ禍で2兆1,659億円へ落ち込みました。その後、円安と海外需要で2021年から急回復し、2023年は3兆7,912億円と2015年以降で最も高い水準に達しました。2024年・2025年はその反動で調整局面にあります。
建設機械の市場規模データの出典は何ですか?
日本建設機械工業会(CEMA)の建設機械出荷金額統計が出典です。CEMA会員社の建設機械の出荷金額を、総合計(本体+補給部品)と内需(国内)・外需(輸出)に分けて暦年で集計しています。本ページの長期推移は、CEMAが公表する2015年から2025年までの暦年データに基づいています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    日本建設機械工業会(CEMA) 建設機械出荷金額統計
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