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建設機械の需要を動かす要因|国内インフラ更新・省人化と海外の資源・インフラ投資【2026年版】

建設機械の需要は、国内(内需)と海外(外需)で動かす要因が異なります。輸出が大きな割合を占めるため、市場全体の振れは、海外の資源開発やインフラ建設投資、為替に左右されやすいのが特徴です。一方、国内はインフラの維持更新や防災、人手不足を背景とした省人化への投資が需要を底堅く支え、レンタルでの利用の広がりが調達の出方を変えています。何が建設機械の需要を動かすのか、内需と外需それぞれの要因を整理します。

建設機械の需要は何によって動くのか

内需と外需で、動かす要因が違う

建設機械の需要を読むうえでの出発点は、内需(国内向け)と外需(輸出向け)で要因が異なることです。内需は、国内の建設投資やインフラの維持更新、人手不足への対応といった、比較的安定した国内要因に支えられます。一方、外需は、海外の景気や資源価格、現地のインフラ・建設投資、為替といった、変動の大きい海外要因に左右されます。同じ建設機械でも、内需向けと外需向けでは需要の動き方がまったく異なるため、両者を分けて見ることが欠かせません。

市場全体の振れは、海外の需要が主導する

建設機械は輸出が大きな割合を占めるため、市場全体の規模の振れは、外需(輸出)の動きが主導します。国内の内需は相対的に安定しているのに対し、輸出は海外の景気循環や資源価格の上下、為替の変動を受けて大きく動きます。近年、市場の規模が拡大した局面も、調整に転じた局面も、その主因は外需の増減にありました。市場の規模そのものの大きさよりも、その振れを生んでいるのが主に海外の需要要因である、という点を押さえておくことが重要です。

新車だけでなく、稼働と更新でも需要は動く

需要は、新しい機械の購入(新車需要)だけで決まるわけではありません。すでに使われている機械の買い替え(更新需要)や、稼働を支える補給部品・整備の需要も、市場を動かす要因です。とくに国内では、レンタル会社が保有する機械の更新が出荷の一定割合を占めます。景気が新車の購入を左右する一方、市場に出回っている機械の量(稼働ストック)に連動する更新や部品の需要は、相対的に安定しています。新車・更新・部品という需要の層を分けて見ると、市場の動きがより立体的に捉えられます。

海外の需要を動かすもの

輸出が大きな割合を占めるため、外需の要因が市場の振れを主導する
資源開発と鉱山機械 — 資源価格に左右される

海外の需要を動かす大きな要因が、鉱山開発です。銅・鉄鉱石・金などの鉱物資源を採掘する現場では、超大型の油圧ショベルやダンプトラックといった鉱山機械が使われます。これらの需要は、資源会社の設備投資に連動し、その投資は資源価格の動向に左右されます。資源価格が高く採算が見込める局面では鉱山開発の投資が活発になり、鉱山機械の需要が伸びます。逆に資源価格が下がれば投資が手控えられ、需要が冷え込みます。資源国であるオーストラリア・中南米・アフリカなどが、鉱山機械の主要な市場です。日本勢は鉱山機械に強みを持つため、資源開発の動向は業績への影響が大きい要因です。

北米・欧州・アジアのインフラと建設投資

鉱山以外でも、各地域の建設・インフラ投資が機種ごとの需要を動かします。北米は、インフラの更新やエネルギー関連の投資が建設機械の需要を支える主要市場です。欧州は建設需要が、アジアは経済成長に伴う建設・インフラ整備が需要の土台となります。一方、中国は不動産市況の影響を受けやすく、現地メーカーの台頭もあって需要の読みにくい市場です。地域ごとに需要を動かす要因が異なるため、各社は地域を分散することで、特定市場の変動の影響を和らげています。

為替と海外の現地生産

為替も、外需を動かす要因です。円安は、輸出の採算を改善し、海外市場での価格競争力を高めます。近年の市場拡大の一因も、円安を背景とした輸出の伸びでした。逆に円高は輸出採算の重しとなります。ただし、大手メーカーは需要地に近い海外で現地生産も行っているため、為替の影響は輸出だけで決まるわけではありません。為替の水準は、輸出と海外生産のどちらで供給するかという判断にも関わり、各社の収益構造に影響します。

国内の需要を支えるもの

内需は、建設活動の規模と人手不足・レンタル化という構造要因に支えられる
建設投資とインフラの維持更新

国内の建設機械の需要(内需)を支える土台が、国内の建設活動の規模です。国土交通省の見通しによると、2025年度の国内の建設投資は75兆5,700億円と見込まれ、このうち道路・橋・上下水道などの土木が26兆3,700億円を占めます。これは建設機械が使われる現場全体への投資額であり、建設機械そのものの市場規模(出荷ベース)とは桁が異なる別の指標ですが、国内で建設機械がどれだけ使われるかを左右する環境を示します。

なかでも内需を底堅く支えるのが、インフラの維持更新と防災です。高度成長期に整備した道路・橋・トンネル・上下水道などが更新の時期を迎え、老朽化対策の工事が継続的に発生しています。地震・豪雨に備えた防災・減災の工事や、都市の再開発も需要の柱です。これらは景気変動に比較的左右されにくく、内需を安定させる要因となっています。

人手不足と省人化への投資

建設業の担い手不足も、国内の需要を動かす要因です。建設現場では技能労働者の高齢化と人手不足が深刻で、少ない人数で工事を進めるための省人化への投資が広がっています。人手をかけずに施工できる機械や、作業を効率化する設備への需要が、内需を下支えしています。人手不足は建設業界の構造的な課題であり、省人化に向けた設備投資の需要は、当面続くと見込まれます。

レンタル化が需要の出方を変える

国内の需要の特徴として、レンタルでの利用が広く定着していることが挙げられます。建設会社は、機械を購入して保有するだけでなく、工事の内容や期間に応じてレンタル会社から借りて使います。このため、建設機械の国内需要は、最終的な使い手である建設会社だけでなく、レンタル会社の保有・更新によっても動きます。レンタル会社が保有する機械の更新需要は、国内出荷の一定割合を占めます。レンタル利用の広がりは、需要が「購入」と「レンタル向け販売」の二つの経路で動くという、国内特有の構造を生んでいます。

主要論点

輸出が大きな割合を占める市場で、内需と外需はどう違う動きをするのか?

建設機械は輸出の割合が大きいため、市場全体の規模の振れは外需(輸出)が主導します。外需は、海外の景気循環、資源価格、現地のインフラ・建設投資、為替といった変動の大きい要因に左右され、年ごとの増減が大きくなりがちです。近年の市場の拡大も調整も、その主因は外需の動きにありました。

一方、内需(国内向け)は相対的に安定しています。インフラの維持更新や防災といった景気に左右されにくい工事が土台にあり、人手不足を背景とした省人化への投資も需要を下支えします。レンタル会社の保有・更新の需要も、内需の安定に寄与しています。

このため、市場全体の規模を読むときは外需(海外要因)を、国内の事業環境を読むときは内需(国内の建設活動・構造要因)を見る、という使い分けが重要です。両者は動かす要因が異なるため、一括りにせず分けて捉えることが、需要を正しく理解する出発点になります。

資源開発と建設機械の需要は、なぜ連動するのか?

鉱山開発の現場では、超大型の油圧ショベルやダンプトラックなどの鉱山機械が使われます。これらの需要は、資源会社が鉱山にどれだけ投資するかに連動し、その投資判断は資源価格の動向に左右されます

銅・鉄鉱石・金などの資源価格が高く、採掘の採算が見込める局面では、資源会社が鉱山開発への投資を増やし、鉱山機械の需要が伸びます。逆に資源価格が下がれば、投資が手控えられ、需要が冷え込みます。資源国であるオーストラリア・中南米・アフリカなどが鉱山機械の主要市場で、これらの地域の資源開発の動向が需要を動かします。

日本勢は鉱山機械に強みを持つため、資源価格と鉱山開発の動向は、業績への影響が大きい要因です。鉱山機械は、機械の販売だけでなく、稼働を支える部品・サービスの需要も生むため、各社が収益の柱として重視しています。

人手不足とレンタル化は、国内の需要をどう変えるのか?

建設業の担い手不足は、国内の需要に二つの形で影響します。一つは、省人化への投資の需要です。技能労働者の高齢化と人手不足が深刻ななか、少ない人数で工事を進めるための省人化に向けた設備投資が広がり、内需を下支えしています。

もう一つが、レンタル化の進展です。建設会社にとって、機械を購入して保有・整備するには人手とコストがかかります。レンタルを使えば、必要なときに必要な機械を借り、整備の手間も抑えられます。人手不足は、保有から利用へという調達のシフトを後押しし、レンタルでの利用をさらに広げる方向に働きます。

この結果、国内の需要は、最終的な使い手である建設会社の需要に加えて、レンタル会社の保有・更新の需要によっても動くようになっています。人手不足とレンタル化は、国内需要の出方を「購入」から「レンタルを通じた利用」へと変えていく構造的な要因です。

よくある質問

建設機械の需要は何によって決まりますか?
建設機械の需要は、国内向けの内需と輸出向けの外需で要因が異なります。輸出が大きな割合を占めるため、市場全体の振れは、海外の資源開発・インフラ建設投資・為替に左右されやすいのが特徴です。国内は、インフラの維持更新・防災、人手不足を背景とした省人化への投資、レンタルでの利用の広がりが需要を支えます。
なぜ建設機械の需要は資源価格と連動するのですか?
鉱山開発の現場で超大型の油圧ショベルやダンプトラックなどの鉱山機械が使われ、その需要が資源会社の設備投資に連動するためです。資源会社の投資は資源価格の動向に左右され、銅・鉄鉱石・金などの価格が高い局面では鉱山開発が活発になり鉱山機械の需要が伸びます。オーストラリア・中南米・アフリカなどの資源国が主要市場です。
国内の建設機械の需要を支えているのは何ですか?
国内(内需)の需要を支えるのは、建設活動の規模と、インフラの維持更新・防災、人手不足を背景とした省人化への投資です。2025年度の国内の建設投資は約75兆5,700億円(うち土木が約26兆3,700億円)と見込まれ、これが建設機械の使われる環境の土台になります。高度成長期に整備したインフラの老朽化対策や防災の工事が、内需を比較的安定させています。
人手不足は建設機械の需要にどう影響しますか?
建設業の担い手不足は、少ない人数で工事を進めるための省人化への投資を促し、国内の需要を下支えします。また、機械を保有・整備する人手やコストを抑えられるレンタルの利用を後押しし、保有から利用へという調達のシフトを進めます。人手不足は建設業の構造的な課題で、省人化投資とレンタル化の双方を通じて需要に影響します。
レンタル化は建設機械の需要をどう変えますか?
レンタルでの利用が広く定着したことで、国内の需要は、最終的な使い手である建設会社だけでなく、レンタル会社の保有・更新によっても動くようになりました。レンタル会社が保有する機械の更新需要は、国内出荷の一定割合を占めます。需要が「購入」と「レンタル向け販売」の二つの経路で動くことが、国内の特徴です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    国土交通省 建設投資見通し(令和7年度=2025年度)
  2. 2.
    日本建設機械工業会(CEMA) 建設機械出荷金額統計 / 各社IR
  3. 3.
    各社IR・業界資料(資源開発・鉱山・レンタル)
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