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建設機械の主要メーカー|上場大手の業績と建機事業の規模を比較【2026年版】

建設機械の主要メーカーの連結業績を比べると、コマツが連結売上4兆1,328億円(米国会計基準)で最大、日立建機が1兆4,055億円(IFRS)で続きます。専業ではクレーンのタダノ(3,495億円)、ミニショベルの竹内製作所(2,253億円)が活動します。連結売上は海外の現地生産や鉱山機械・部品事業を含むため、CEMA基準の建機出荷総額(内需+外需、3兆4,124億円)とは集計範囲が異なります。建機事業のセグメントで比べると、コマツが3兆8,060億円、日立建機が1兆2,686億円です。

主要メーカーの連結業績と建機事業の規模

連結全社ベース(海外の現地生産・非建機事業を含む)。会計基準と決算期は各社で異なる(コマツ=米国基準/日立建機=IFRS/タダノ・竹内=日本基準)

連結売上はコマツが4兆1,328億円と突出し、日立建機(1兆4,055億円)の約3倍の規模です。一方、収益性では竹内製作所が営業利益率約16.7%・自己資本比率83.0%と専業ながら最も高く、規模と収益性は必ずしも一致しません。2026年3月期はコマツ・日立建機ともコスト増や為替の影響で営業利益が前年を下回りました。タダノは純利益が前年比+175.5%と急増していますが、これは固定資産売却の特別利益によるもので、営業利益・経常利益は減益です。下表の数値はいずれも連結全社で、建機事業のみを取り出したものではありません。

コマツ
総合最大手・世界2位 — 建設機械/鉱山機械/産業機械(米国基準・FY2026/3)
売上高
4兆1,328億円
営業利益
5,673億円
純利益
3,764億円
ROE
11.3%
自己資本比率
54.7%
日立建機
世界7位 — 油圧ショベル・鉱山機械(IFRS・FY2026/3)
売上高
1兆4,055億円
営業利益
1,330億円
純利益
732億円
ROE
8.6%
自己資本比率
48.5%
タダノ
クレーン専業最大手(日本基準・FY2025/12)
売上高
3,495億円
営業利益
186億円
純利益
183億円
ROE
9.3%
自己資本比率
44.9%
竹内製作所
ミニショベル専業・北米主力(日本基準・FY2026/2)
売上高
2,253億円
営業利益
377億円
純利益
283億円
ROE
16.0%
自己資本比率
83.0%

コマツ — 世界2位の総合最大手

油圧ショベルを中心とする建設機械に、鉱山機械・産業機械・リテールファイナンスを併せ持つ総合・グローバル型のメーカーです。2026年3月期の連結売上は4兆1,328億円(米国会計基準)で、世界シェアは11.2%と米キャタピラーに次ぐ2位です。中核の建設機械・車両セグメントは単独で3兆8,060億円(セグメント利益4,911億円)と連結の9割超を占めます。この建機事業の規模は、CEMA基準の建機出荷総額(内需+外需、3兆4,124億円)を上回りますが、これは海外の現地生産・販売を含むためで、日本国内で製造・出荷された建機を集計するCEMA統計とは集計の対象が異なります。

強みは、機械単体の価格競争ではなく付加価値で差をつける事業構造です。鉱山向けの無人ダンプトラック運行システム(AHS)は累計導入が1,016台に達し、衛星測位と3次元設計データを使うICT建機化率も28.7%まで高まっています。価格競争力で攻める中国勢に対し、ICT施工・自動化・部品サービスを組み合わせた高付加価値で優位を保つ戦略です。2026年3月期は売上が微増だった一方、コスト増・販売量減・円高により営業利益は前年比-13.7%、純利益は-14.4%と減益でした。

日立建機 — 油圧ショベルと鉱山機械

油圧ショベルと、超大型ショベル・ダンプトラックなどの鉱山機械に強みを持つメーカーです。2026年3月期の連結売上収益は1兆4,055億円(IFRS)で、国内ではコマツに次ぐ2位、世界では7位です。事業は建設機械ビジネス(1兆2,686億円)と、鉱山設備の部品・アフターサービスを担うスペシャライズド・パーツ・サービスビジネス(1,452億円)の2つに分かれます。建機事業の規模はコマツの建機事業(3兆8,060億円)の約3分の1です。

鉱山機械のアフターサービス・部品事業の強化が近年の軸で、豪Bradkenや米H-E Partsなどを通じて鉱山向けの部品・サービスを取り込んでいます。3次元マシンガイダンスを標準搭載した機種の投入など、ICT施工への対応も進めています。2027年4月には商号を「ランドクロス(LANDCROS)」へ変更する予定で、中期経営計画「LANDCROS 2028」では世界トップスリー入りを目標に掲げています。2026年3月期は増収でしたが、米国の関税を含むコスト増や地域・製品構成の悪化により、営業利益は前年比-8.3%と減益でした。

タダノ — クレーン専業の最大手

移動式クレーン(ラフテレーンクレーン・オールテレーンクレーン)を主力に、車両搭載型クレーンや高所作業車を手がける建設用クレーンの専業最大手です。2025年12月期の連結売上は3,495億円(日本基準)で前年比+19.9%と3年連続で過去最高を更新しました。北米のクレーンメーカーであるManitex Internationalの買収が増収に寄与しています。建設用クレーンは国内のインフラ・建設投資を反映する内需中心の機種です。

収益面では、総合メーカーに比べて営業利益率が低めで、2025年12月期は営業利益が前年比-22.0%・経常利益が-28.4%と減益でした。一方で純利益は前年比+175.5%と大きく増加していますが、これは固定資産売却の特別利益によるもので、本業の利益が伸びた結果ではありません。ROEや純利益が一時的な要因で動くため、収益力は営業利益や複数年の推移と合わせて読む必要があります。

竹内製作所 — ミニショベルで欧米に強い高収益専業

ミニショベル(コンパクトな油圧ショベル)やクローラーローダを手がける専業メーカーで、北米・欧州が主力市場です。国内で生産して輸出する外需型で、2026年2月期の連結売上は2,253億円(日本基準)と4社で最も小さい規模です。それでも営業利益率は約16.7%・ROE16.0%・自己資本比率83.0%と4社で最も高く、実質無借金の財務体質です。

北米の住宅建設・造園・レンタル向けにミニショベルの強い需要を持ち、特定の機種と地域に集中することで高い収益性を実現する専業モデルです。2026年2月期は売上が前年比+5.7%と伸びましたが、米国の関税の影響などから会社の当初計画(2,550億円)は下回りました。2027年2月期の会社予想は売上2,440億円で、関税や為替の動向が業績を左右する見通しです。規模は大きくないものの、収益性で総合メーカーを上回る独自のポジションを築いています。

非上場メーカーと、その他の上場専業

総合寄りのメーカーには、コベルコ建機(神戸製鋼グループ)と住友建機(住友重機械グループ)があります。いずれも油圧ショベルなどを手がけ、コベルコ建機は世界シェアで20位前後に位置しますが、事業会社は非上場で、財務は親会社の連結に含まれるため単独では開示されていません。コベルコ建機は日本建設機械工業会の会長を務める企業でもあります。

上場している専業メーカーには、建設用クレーン・油圧ショベルの加藤製作所、道路機械(ローラー)で国内首位の酒井重工業があります。いずれも事業規模は上記4社より小さい中堅ですが、特定の機種・用途で確かな地位を築いています。

主要論点

連結業績・建機事業・出荷総額、三つの規模をどう読み分けるか?

建設機械メーカーの規模には、混同しやすい三つのレンズがあります。第一が連結全社で、コマツの4兆1,328億円は建設機械に加えて産業機械やリテールファイナンスを含み、海外の現地生産・販売も含む全社の規模です。第二が建機事業のセグメントで、コマツの建設機械・車両は3兆8,060億円、日立建機の建設機械ビジネスは1兆2,686億円と、総合メーカー同士を比べるときに使える数値です。

第三が建機の出荷総額(CEMA)で、CEMA(日本建設機械工業会)が集計する全メーカーの出荷総額(内需+外需)は3兆4,124億円です。これは日本国内で製造・出荷された建設機械の金額で、その約7割は輸出が占め、各社が海外で現地生産する分は含みません。コマツの建機事業(3兆8,060億円)がこの出荷総額を上回るのは、コマツが世界中で生産・販売しているためです。

この三つは集計の対象が異なるため、足し合わせたり、連結売上を産業全体の規模として扱ったりはできません。企業の規模を比べるなら連結やセグメント、産業全体の規模を見るならCEMAの出荷総額と、目的に応じて使い分けることが重要です。

総合メーカーと専業メーカー、収益構造はどう違うか?

主要4社は、扱う機種の幅で性格が分かれます。コマツと日立建機は総合メーカーで、油圧ショベルから鉱山機械まで幅広く手がけ、海外売上比率が高いグローバル型です。連結売上4兆1,328億円・1兆4,055億円と規模が大きく、機種と地域を分散することで、特定機種や特定市場の変動を吸収できます。鉱山機械や部品・サービス事業が、新車販売の循環的な変動を和らげる役割も担います。

タダノと竹内製作所は専業メーカーです。タダノはクレーン、竹内製作所はミニショベルに集中し、特定の機種・市場で強みを築いています。専業は機種や地域に業績が左右されやすい一方、得意分野に経営資源を集中できる利点があります。竹内製作所が営業利益率約16.7%と高い収益性を実現しているのは、北米のミニショベル需要に特化した専業モデルの強みです。

この違いは、各社の業績の振れ方にも表れます。総合メーカーは複数の事業で変動を平準化し、専業メーカーは得意分野の市況に業績が連動します。投資家にとっては、規模だけでなく、事業の幅と収益性のバランスをどう評価するかが論点になります。

各社の収益性の差は、何を示すか?

収益性には明確な差があります。最も高いのは竹内製作所で、営業利益率約16.7%・自己資本比率83.0%と、専業ながら利益率・財務の健全性とも4社で突出しています。北米のミニショベルに特化した事業構造と、実質無借金の財務体質が背景です。コマツも建設機械・車両セグメントで高い利益を上げており、付加価値の高い事業構成が収益力を支えています。

注意が必要なのは、単年のROEや純利益だけで判断しないことです。タダノは2025年12月期の純利益が前年比+175.5%と急増しROEも高く見えますが、これは固定資産売却の特別利益によるもので、本業の営業利益は-22.0%と減益でした。一時的な要因で利益が動くため、本業の実力は営業利益で見る必要があります。

さらに、会計基準が各社で異なる(コマツ=米国基準、日立建機=IFRS、タダノ・竹内=日本基準)ため、利益やROEの数値を厳密に横並びにする際は前提の違いを踏まえる必要があります。収益性は、営業利益・複数年の推移・会計基準の違いを合わせて読むことが大切です。

中期見通し

近未来1-2年

各社の業績は、海外需要の回復ペースと為替・関税の動向に左右されます。2026年は北米・欧州の建設需要や資源国の鉱山開発が回復の鍵で、米国の関税は日立建機や竹内製作所の利益の重しになっています。コマツ・日立建機は付加価値の高い機種と部品・サービスで、専業のタダノ・竹内は得意分野の市況で、それぞれ収益が動きます。

中期3-5年

ICT施工・電動化・自動化への対応と、部品・サービス事業の拡大が各社の競争力を分けます。コマツの無人ダンプや日立建機の鉱山アフターサービスのように、機械を売って終わりではなく稼働期間を通じて収益を得るモデルへの転換が進みます。価格競争力で攻める中国勢に対し、技術とサービスでどこまで優位を保てるかが論点です。

長期5-10年

国内の建設需要が構造的に伸びにくいなか、海外展開と鉱山機械・脱炭素対応の伸びが長期の業績を左右します。資源開発に連動する鉱山機械、データを活用した現場の生産性向上、電動・自動運転建機などの新しい領域で、各社がどこまで収益を積み上げられるかが問われます。商号変更で世界トップスリーを目指す日立建機など、各社の成長戦略の成否が焦点です。

よくある質問

建設機械メーカーの大手はどこですか?
日本の建設機械メーカーは、総合メーカーのコマツ・日立建機が大手です。2026年3月期の連結売上はコマツが4兆1,328億円(米国会計基準)、日立建機が1兆4,055億円(IFRS)です。専業ではクレーンのタダノ(3,495億円)、ミニショベルの竹内製作所(2,253億円)が活動し、このほか非上場のコベルコ建機・住友建機などがあります。
コマツと日立建機の業績の違いは何ですか?
規模では、コマツの連結売上4兆1,328億円に対し日立建機は1兆4,055億円と、コマツが約3倍です。建機事業のセグメントで比べてもコマツ(3兆8,060億円)が日立建機(1兆2,686億円)の約3.0倍です。コマツは産業機械やリテールファイナンスも持つ総合型、日立建機は油圧ショベルと鉱山機械に集中する構造で、日立建機は2027年4月に商号を「ランドクロス」へ変更する予定です。
各社の連結売上と建設機械の出荷総額(CEMA)が一致しないのはなぜですか?
集計の対象が異なるためです。各社の連結売上は海外の現地生産・販売を含む全社の規模で、コマツの場合は産業機械やリテールファイナンスも含みます。一方、CEMA(日本建設機械工業会)が集計する建機の出荷総額(内需+外需、3兆4,124億円)は、日本国内で製造・出荷された建設機械の金額で、その約7割は輸出です。コマツの建機事業(3兆8,060億円)がこの出荷総額を上回るのも、海外での生産・販売を含むためです。連結売上を産業全体の出荷規模として扱うことはできません。
建設機械メーカーで最も収益性が高いのはどこですか?
主要4社では竹内製作所です。2026年2月期の営業利益率は約16.7%、ROEは16.0%、自己資本比率は83.0%と、専業ながら利益率・財務の健全性とも最も高い水準です。北米のミニショベルに特化した事業構造が背景にあります。コマツも建設機械・車両セグメントで高い利益を上げています。
タダノの純利益が大きく増えたのはなぜですか?
タダノの2025年12月期の純利益は前年比+175.5%と急増しましたが、これは固定資産売却の特別利益によるものです。本業を示す営業利益は前年比-22.0%・経常利益は-28.4%と減益でした。純利益やROEは一時的な要因で動くため、本業の収益力は営業利益や複数年の推移で見る必要があります。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    コマツ・日立建機・タダノ・竹内製作所 決算短信(連結)
  2. 2.
    日本建設機械工業会(CEMA) 建設機械出荷金額統計
  3. 3.
    KHL International Construction「Yellow Table」
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