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重工業機械の需要部門別受注|製造業・官公需・外需の構成【2026年版】

重工業機械の受注は、誰が発注したか(需要部門)で見ると、製造業・非製造業・官公需・代理店の内需4部門外需に分かれます。2025年(暦年)の産業機械受注7兆3,445億円のうち、最も大きい部門は外需の2兆8,586億円(構成比38.9%)で、内需では製造業が1兆5,984億円(同21.8%)と最大です。製造業の設備投資、電力・運輸などの非製造業、官公需、外需がそれぞれ異なる循環で動きます。需要部門別の構成、製造業の設備投資循環、各部門の役割まで順に整理します。

製造業(2025年、内需で最大)
15,984億円
1兆5,984億円、構成比21.8%、前年比+34.4%(内需で最大の部門)
出典: 日本産業機械工業会「産業機械受注状況」(産業機械受注、暦年、受注額ベース、需要部門別)
非製造業(2025年)
13,912億円
1兆3,912億円、構成比18.9%、前年比+16.0%(電力・運輸・通信など)
出典: 日本産業機械工業会「産業機械受注状況」(産業機械受注、暦年、受注額ベース、需要部門別)
官公需(2025年)
10,608億円
1兆608億円、構成比14.4%、前年比+19.6%(国・地方公共団体など)
出典: 日本産業機械工業会「産業機械受注状況」(産業機械受注、暦年、受注額ベース、需要部門別)
製造業の構成比(2025年)
21.8%
受注総額に占める製造業の割合。需要部門で最大は外需(38.9%)
出典: 日本産業機械工業会「産業機械受注状況」(産業機械受注、暦年、受注額ベース、需要部門別)

需要部門別の受注額の推移(2018-2025年、兆円)

製造業・非製造業・官公需・代理店(内需4部門)と外需の積み上げ。5部門の合計は受注総額に一致
単位: 兆円
製造業非製造業官公需代理店外需
0.002.004.006.008.005.07184.84194.60205.52215.21225.55235.55247.3425
出典: 日本産業機械工業会「産業機械受注状況」(産業機械受注、暦年、受注額ベース、需要部門別、2018-2025)
年度20182019202020212022202320242025
製造業兆円1.131.120.961.141.391.301.191.60
非製造業兆円1.101.411.161.030.911.291.201.39
官公需兆円0.710.510.760.750.700.900.891.06
代理店兆円0.350.370.340.360.370.380.410.44
外需兆円1.781.441.382.241.841.671.862.86
合計(兆円5.074.844.605.525.215.555.557.34
前年比-4.5%-5.0%+19.9%-5.5%+6.4%-0.1%+32.4%
読み解き

需要部門別の受注額を2018年から2025年で見ると、コロナ禍の2020年(製造業9,575億円)を底に各部門が回復し、2025年は外需と製造業を中心に大きく伸びました。製造業は2024年の11,888億円から2025年の15,984億円へ前年比+34.4%と増加し、本統計の2018年以降では最も高い水準となっています。

外需は年ごとの振れが大きく、2025年は前年比+53.9%と急増して2兆8,586億円に達しました。製造業向けは設備投資の循環に沿って動き、非製造業・官公需・代理店は相対的に振れが小さく推移します。需要部門ごとに発注のドライバーと振れ方が異なる点が、需要部門別構成を読む際のポイントです。

このグラフに関連するトピック

需要部門別の受注内訳(2025年、5部門、億円)

受注額の大きい順。各部門は百万円を億円に四捨五入しているため、5部門の合計は受注総額(7兆3,445億円)と最大1〜2億円程度ずれる場合があります。製造業・非製造業・官公需・代理店の4部門が内需(4兆4,859億円)、これに外需を加えたものが総額です
項目受注額(億円)構成比前年比シェア
外需28,58638.9%+53.9%
製造業15,98421.8%+34.4%
非製造業13,91218.9%+16.0%
官公需10,60814.4%+19.6%
代理店4,3565.9%+5.3%
合計73,446100.0%
読み解き

需要部門別では、外需(38.9%)が最大で、内需では製造業(21.8%)が最大の部門です。内需4部門(製造業・非製造業・官公需・代理店)の合計は4兆4,859億円で、受注総額の約61.1%を占めます。製造業向けは化学・鉄鋼・造船などの設備投資、非製造業は電力・運輸などのインフラ投資、官公需は公的部門の設備投資が中心です。

前年比を見ると、2025年は外需(+53.9%)と製造業(+34.4%)が大きく伸び、非製造業(+16.0%)・官公需(+19.6%)・代理店(+5.3%)を含むすべての部門が前年を上回りました。需要部門ごとに発注のドライバーが異なるため、構成比と前年比を合わせて見ることで、その年の受注を牽引した部門が分かります。

主要論点

製造業向けの受注は何が牽引しているか?

2025年の産業機械受注のうち、製造業向けは1兆5,984億円で内需では最大の部門です。前年比+34.4%と大きく伸び、本統計の2018年以降では最も高い水準となりました。製造業向けの受注は、化学・石油石炭、鉄鋼、造船などの素材・エネルギー産業の設備投資が中心です。化学プラントの反応設備やボイラ・原動機、運搬機械などが、これらの産業の設備投資に応じて受注されます。

製造業の設備投資は、景気や企業収益、為替の動向に連動する循環的な需要です。設備の新設・更新や増産投資が重なる時期には受注が伸び、投資が一巡すると受注は落ち着きます。製造業向けの受注は、この設備投資の循環に沿って年ごとに増減します。

業種別では、化学・石油石炭などの素材産業や、鉄鋼、造船などの設備投資が製造業向けの受注の柱です。これらの産業の国内設備投資が、重工業機械の内需を下支えしています。製造業向けの受注の動きは、日本の素材・エネルギー産業の設備投資の活発さを映す指標でもあります。

官公需と非製造業は需要構造でどんな役割を果たすか?

2025年は、非製造業が1兆3,912億円(構成比18.9%)、官公需が1兆608億円(同14.4%)でした。非製造業は電力・運輸・通信などのインフラ系の産業で、発電設備や運搬機械などを発注します。電力会社の発電プラントや、物流施設の自動倉庫・搬送設備などが代表的です。

官公需は国や地方公共団体などの公的部門による発注で、上下水道や防災・インフラ関連の設備などが含まれます。官公需は景気の循環よりも、公共投資や政策の動向に左右される需要です。2025年は前年比+19.6%と増加しました。

非製造業と官公需は、製造業の設備投資とは異なるドライバーで動くため、需要構造の安定性に寄与します。製造業向けが設備投資の循環で振れる一方、インフラ系や公的部門の需要は、エネルギー・環境・防災といった中長期の政策テーマに支えられています。代理店(販売代理店・商社経由の受注)は4,356億円で、幅広い汎用機械の販売チャネルを担っています。

外需が最大の部門であることをどう読むか?

需要部門別で見ると、2025年の最大の部門は外需の2兆8,586億円(構成比38.9%)で、内需最大の製造業(1兆5,984億円)を上回ります。重工業機械は、国内の製造業・非製造業・官公需の設備投資だけでなく、海外のプラント需要にも強く依存する産業です。

この構造は、市場規模を内需・外需の2つに分けて見るときの「外需が約4割」という姿と整合します。需要部門別では、内需を製造業・非製造業・官公需・代理店の4部門に分解できる一方、それらを合計した内需(4兆4,859億円)よりも、内需を構成する個々の部門は外需より小さくなります。つまり、内需は複数の部門の集まりで、単一の部門としては外需が最も大きいという見え方になります。

外需は海外の発電・化学プラントなどの大型案件が中心で、世界のエネルギー需要やプラント投資、為替の動向に左右されます。発注元が国内か海外かで需要のドライバーが異なるため、需要部門別の構成は、国内設備投資(製造業・非製造業・官公需)と海外需要(外需)の両面から重工業機械の受注を捉える視点を与えます。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、製造業の設備投資の循環と外需の大型案件の有無が需要部門別構成を左右します。2025年に外需と製造業が大きく伸びた反動で、これらの部門の受注が前年を下回る年が出る可能性があります。一方、官公需や非製造業のインフラ系需要は、政策やエネルギー投資に支えられ、相対的に安定して推移します。

中期3-5年

中期では、脱炭素・GX関連の設備投資が需要部門の中身を変えていきます。製造業では化学・鉄鋼などの素材産業の燃料転換や省エネ投資、非製造業では電力会社の脱炭素電源への投資、官公需では廃棄物発電や環境インフラの整備が、それぞれの部門の受注を支える要素になります。海外の脱炭素プラント需要は外需を押し上げる可能性があります。

長期

長期では、国内の人口減少で製造業の設備投資の基調が緩やかになる一方、エネルギー転換やインフラの更新が需要を下支えします。需要部門別の受注は、製造業(設備投資の循環)、非製造業・官公需(インフラ・政策)、外需(海外プラント)という異なるドライバーの組み合わせで動きます。単一の部門の増減だけでなく、各部門のドライバーを踏まえて全体の受注を読むことが必要です。

よくある質問

産業機械受注を需要部門別に見るとどうなっていますか?
2025年(暦年)の産業機械受注7兆3,445億円は、需要部門別では外需2兆8,586億円(構成比38.9%)、製造業1兆5,984億円(同21.8%)、非製造業1兆3,912億円(同18.9%)、官公需1兆608億円(同14.4%)、代理店4,356億円(同5.9%)です。製造業・非製造業・官公需・代理店の4部門を合計した内需が4兆4,859億円、これに外需を加えたものが総額です(日本産業機械工業会)。
製造業向けの受注はどの業種が支えていますか?
製造業向けの受注は、化学・石油石炭などの素材産業、鉄鋼、造船などの設備投資が中心です。化学プラントの反応設備やボイラ・原動機、運搬機械などが、これらの産業の設備投資に応じて発注されます。製造業の設備投資は景気や企業収益の循環に連動するため、製造業向けの受注は年ごとに増減します。2025年の製造業向けは1兆5,984億円(前年比+34.4%)でした。
官公需とは何ですか?
官公需は、国や地方公共団体などの公的部門による産業機械の発注です。上下水道や廃棄物処理、防災・インフラ関連の設備などが含まれます。景気の循環よりも、公共投資や政策の動向に左右される需要です。2025年の官公需は1兆608億円で、受注総額の14.4%を占めました。
代理店とは何を指しますか?
需要部門別の「代理店」は、機械商社などの販売代理店を経由した受注を指します。最終的な需要家ではなく、販売チャネルとしての代理店を経由する分が計上されます。ポンプや圧縮機などの汎用機械を中心に、幅広い機種が代理店経由で取引されます。2025年の代理店は4,356億円でした。
なぜ2025年は需要部門全体で受注が増えたのですか?
2025年は、外需(前年比+53.9%)と製造業(同+34.4%)の大幅な伸びに加え、非製造業(同+16.0%)・官公需(同+19.6%)・代理店(同+5.3%)を含むすべての需要部門が前年を上回りました。海外の発電・化学プラントの大型案件と、国内製造業の設備投資の増加が重なったことが背景です。ただし大型プラントは大口案件の有無で単年の金額が動きやすく、複数年の流れで見ることが実態の把握には適しています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    日本産業機械工業会「産業機械受注状況」(需要部門別)
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